犬の散歩の適切な回数と距離は?時間やマナー、散歩デビューの基礎知識について解説【獣医師監修】

犬の散歩の適切な回数と距離は?時間やマナー、散歩デビューの基礎知識について解説【獣医師監修】

犬を飼っているとお散歩は欠かせないものです。街中や公園で飼い主さんに連れられて楽しそうにお散歩をしている犬をよく見かけますよね。でもなぜ犬には散歩が必要なのでしょう? 今回は獣医師の茂木千恵先生に教えていただいた犬の散歩に関して飼い主さんが知っておくべき基礎知識や具体的なポイント・注意点について解説していきます。

なぜ犬には散歩が必要なの?

「犬は散歩が必要な動物」とよく言われています。散歩は犬にとって心身のリフレッシュやストレスの解消、社会性を養うなどさまざまなメリットがあります。

 

運動不足を解消し、肥満予防になる

 

散歩によって犬は適度に体を動かすことができます。人間の場合もそうですが、運動は消費エネルギーを高め、脂肪の蓄積を抑え、体重をコントロールする効果が期待されます。また、運動不足は肥満の一因となります。肥満は足腰や心臓などの内臓系に負担をかけ、慢性疾患の原因となったり死因となったりすることもあるので十分注意しましょう。

 

脳のリフレッシュ

 

屋外で出会うさまざまな匂いは犬の脳にダイレクトに刺激を与え、リフレッシュさせてくれます。風に乗ってくる匂いをかぎたい、道端の匂いを探索したい、知らない犬の匂いを詳しく調べたいといった嗅覚に関わる本能的な好奇心を満たすことはストレス軽減にもつながります。高齢犬にとっては認知機能不全の予防にもなります。

 

社会性の向上

 

散歩に行ってさまざまな環境や見知らぬ人・見知らぬ犬などに頻繁に出会い、慣れていくことで犬は「社会化」します。社会性が向上すると初めての環境や見知らぬ人・動物との出会いにストレスを感じにくくなります。

 

散歩を楽しめるようになれば、ドッグカフェやドッグランなど飼い主さんと一緒にいろいろな場所に出向くことができるようになりますし、一緒に過ごす時間が充実すればさらに精神的に満たされるでしょう。

 

問題行動の予防

 

散歩は犬の過剰なエネルギーを発散させるのに役立ちます。体力が有り余っていると、吠える・イタズラをするなどの問題行動につながることがあります。適度な運動をさせることでそういった望ましくない行動が減少します。

 

飼い主との絆の構築

 

散歩は飼い主さんと愛犬が楽しい時間を共有し信頼関係や心の絆を強化する機会とも言えます。散歩が苦手な犬でも、散歩中に犬が喜ぶような声掛けやご褒美を与えることで楽しめるようになります。内弁慶でわがままな犬も外出先ではおとなしかったり飼い主さんの号令に素直に従ったりすることが多いです。関係の再構築・改善のためにお散歩に行くのも良いでしょう。

子犬の散歩デビューはいつから?

成犬と子犬

子犬を迎えたらすぐに散歩に連れて行きたくなりますが、最適なタイミングはいつなのでしょうか? 散歩デビューの時期と注意点について解説していきます。

 

子犬の散歩デビューはワクチンプログラムが終わってから

 

本格的な散歩デビューはワクチンプログラムが終わってからが望ましいです。子犬にはまだ免疫力がないので、感染症などのリスクを考えると、自分の足で外の地面を歩いたり、他の犬と接触したりするのは避けた方が良いでしょう。

 

世界小動物獣医師会が示す「犬と猫のワクチネーションプログラム」(※1)では、一般的な子犬の場合は68週齢で1回目の接種をし、その後16週齢頃までに24週間隔で23回の接種をすることを推奨しています。

 

16週というと約4ヶ月で、ワクチン接種が全部終わるまで待ってしまうと、子犬の時期に社会性を学ぶ「社会化期」を逃してしまいます。社会化期とは子犬が人間社会や飼育環境からさまざまな刺激を受け取ることで社会性を養う時期ですが、生後1216週には終わってしまいます。この時期に外出して、他の動物と触れ合って外的な刺激を十分に受けないと、外からの刺激に対して臆病になってしまう可能性があります。体をワクチンで守ることも大切ですが、愛犬の心の発達のことも考慮する必要があります。

 

散歩デビューの前に犬の社会化を

 

それらを踏まえると、本格的な散歩デビューはワクチン接種が終わってからが望ましいですが、その前に衛生管理がされている動物病院でのパピープログラムやしつけ・飼い方教室などに参加してみるのがおすすめです。

 

ワクチン接種前であっても子犬が他の犬と触れ合ったり、自分の足で直接地面に触れたりしなければ大丈夫なので、抱っこしてのお散歩は問題ありません。一緒に外の風景を楽しみつつ、人や他の犬に会うことにゆっくりと慣れさせましょう。

犬種別の散歩の適切な回数・距離の目安は?

散歩中の犬

散歩の適切な量は飼っている犬の運動耐性によるので一概には言えませんが、犬種によっておよその運動量の目安はあります。ただし同じ犬種でも年齢や性格、持病の有無などによっても差がありますのであくまで目安として参考にしてみてください。

小型犬

1回あたり12km程度、時間にすると約2030分が目安です。小型犬の中でも番犬、狩猟犬、牧羊犬などのエネルギッシュな性質に改良された犬種は、愛玩犬として改良された犬よりも散歩時間を長めに取ると良いでしょう。

 

【番犬、狩猟犬、牧羊犬などとして改良された犬種の例】

トイ・プードルパピヨンミニチュア・シュナウザーウエスト・ハイランド・ホワイトテリア、ジャック・ラッセル・テリア、ミニチュア・ダックスなど

 

【愛玩犬として改良された犬種の例】

チワワシーズーヨークシャー・テリア、マルチーズなど

 

なお「小型犬はあまり散歩をしなくてもいい」という意見もあると聞きますが、小型犬にも適度な運動は必要です。


中型犬

中型犬は犬種によって運動量が大きく異なります。たとえば猟犬として改良されたテリア系や牧羊犬などであれば、1回あたり2030分の散歩を毎日23回行い、さらにフリスビーや「持ってこい」などの運動強度の高い激しい遊びを1時間程度行う必要があるとされています。一方で愛玩犬として改良されたキャバリアなどは散歩時間も小型犬と変わらない量で良いでしょう。

大型犬

「大型犬なら運動量が多そう」と思いがちですが、大型犬は中型犬とは異なり激しい運動が骨折や関節異形成などの外科的な障害を招く危険があるため、散歩でも過度の動きは不必要と考えられています。そのため、ゆっくり歩く散歩を1回に60分程度、12回くらいが理想です。

犬の年齢や健康状態によって適切な散歩の量は変わる?

休んでいる犬

健康状態が良好な犬は最大2時間の散歩に耐えたり、一度に何時間もハイキングに出かけられたりすることもあります。しかし、太りすぎや肥満の犬であれば休憩なしにハイスピードで10分間歩くのも難しい場合があります。

 

また、若い犬はよりエネルギーがあり、一般的に成犬(37歳)や高齢犬(8歳以上)よりも多くの運動が必要になります。若い犬は高齢犬よりも遊びたい欲求も高いので散歩により多くの時間を費やす必要があります。

 

ただし関節炎、筋萎縮、または甲状腺機能低下症や糖尿病など持久力を低下させる疾患を持っている犬は散歩時間も短くする必要があります。

犬にとって適切な散歩の量を知る方法は?

散歩中の犬の背中

散歩の量が足りているかを把握するには、一度長めの散歩に出てみて犬の元気が落ちてくる時間を計りましょう。

 

散歩開始後の約2530分で速度が落ち始めたら、犬が歩くことに疲れ始めているのかもしれません。さらに熱心に前に進むのをやめて、周囲を見回したり嗅いだりするなど、周りにより関心を向けるようになったらチェックポイント。そこから家に帰るときにさらにペースが遅くなるようなら、オーバーワークの可能性があります。また散歩中に足を引きずるなどの様子が見られたらそれも疲れている証拠です。

 

帰宅したときの様子にも注意しましょう。犬が水を飲んですぐにベッドに直行し何時間も動かないという場合は運動量が多すぎた可能性があります。次回は運動量を減らして様子をみましょう。

犬の散歩に適切なペースは?

夕方の散歩中の犬

散歩のペースとしては、普段犬を連れずに歩くときよりは少し早めに進むようにしましょう。人間がゆっくり歩くスピードはほとんどの犬にとっては遅すぎるものです。平坦な道であれば1kmにつき710分くらいのペースがベストです。

 

ゆっくり進むと犬は歩くのに集中ができなくなり、マーキングしたり道端の匂いをかいだりしてしまうため、運動不足の解消につながりにくくなってしまいます。

犬の散歩に適した時間帯は?

リードをくわえる犬

強い紫外線白内障の原因ともなるので早朝と夕方がおすすめです。快適に散歩を楽しむためにはは日が登る前の涼しい早朝や日が暮れてからの夕・夜間、冬は日差しの弱い朝と夕暮れが良いでしょう。


暗くなってから散歩をする場合の注意点

飼い主さんの生活スタイルによって「夜しか散歩にいけない」という場合もあるでしょう。暗くなってからは昼間とは違った危険があるので十分注意する必要があります。

 

夕暮れ後に散歩をする場合はできれば交通量の多い場所は避けてください。さらに犬に反射板のついたベストまたは首輪を装着し、車から見えやすいように首輪やリードにライトをつけておくと安心です。

 

よく拾い食いをしてしまう犬は夜道だと何を食べたか確認しにくいので、拾い食いをしそうな物がある経路は通らないようにしましょう。口輪をして出かけるのも予防策として有効です。

犬の散歩に必要なアイテムは?

犬同士の接触

犬の散歩で使うアイテムや装着させる物はいろいろと販売されていますが、ここでは基本的なアイテムを紹介します。

 

・首輪やハーネス

・リード

・鑑札(かんさつ)と注射済票

・迷子札

・ウンチやおしっこの処理をするグッズ

・水

・おやつ

・レインコートなどの雨具(雨の日の場合)

 

犬の登録をすると「鑑札」、狂犬病予防注射をすると「注射済票」が交付されます。これらは狂犬病予防法によって装着することが義務付けられているので必ずつけておきましょう。また鑑札や迷子札をつけておくと、万が一犬が迷子になってしまったときに見つかる可能性が高まります。

犬の首輪を選ぶ時のポイントや注意点は?

首輪を選ぶ時のポイントは、サイズが適切であること、幅と素材がその犬にとって合っていることです。特に子犬はすぐに成長していくため、首輪が小さすぎると食い込んでしまったり息苦しくなったりして体調を崩すことがあります。また、首輪が緩すぎると、引っ張った時に首輪が抜けてしまい、交通事故や迷子などのトラブルに発展することもあります。

犬の散歩の適切な回数と距離は?時間やマナー、散歩デビューの基礎知識について解説【獣医師監修】


首輪のサイズ

サイズ選びですが、普段首輪がついている場所(首の中間から首元辺り、写真の赤い線の部分)の周囲を測ってしまうと、緩すぎて抜けてしまうサイズになります。犬の前に立って引っ張った時に抜けてしまわないようなジャストサイズを測るには、頭蓋骨の出っ張りの下の部分(写真の青い線の部分)、つまり首の一番上の細い部分の周囲に柔らかい紐をきっちりと巻いて測ります。長毛の場合は、毛をかき分けてサイズを測りましょう。


首輪の幅

首輪の幅も、実は大切なチェックポイントです。首輪が細すぎると食い込むこともあり、擦れて毛が薄くなることもあります。小型犬の子犬やチワワ、ヨーキーなどは1cm以下の細い首輪でも良いですが、小型犬では幅11.5cm10kg以上の中型犬では2cm幅が目安です。たとえば、1.5cm幅は、ミニチュアダックスの成犬や柴犬の子犬に合いますが、柴犬の成犬には細すぎるでしょう。


首輪の素材やデザイン

スタッズやチャームなどの装飾はオンリーワンの良さがありますが、重量がかさみがちです。鈴などが揺れると気になってかじったり、ちぎって飲み込んでしまったりすることがあります。子犬の頃は特にシンプルなデザインが無難でしょう。

 

リッチな質感が好まれやすい革製品は、実はおやつとしての皮の匂いがしていて、食欲旺盛な子は食べてしまうこともあります。一方、オールナイロン製はかじったり傷つけたりしてもほつれにくく耐久性がありますが、肌触りは革製品のほうが滑らかです。布製は軽くて初めてつけるには負担が少ないですが、長毛の場合は絡まることもあります。ナイロン製なら、汚れてきたら洗えるため屋外での活動が好きならおすすめです。

 

基本的には、一生モノの首輪というのは無く、子犬期は汚れても洗えて軽くてシンプルな小さい物、1歳を過ぎて成長が落ち着いたら長く使える物を、シニアになったら負担の軽い物、ハイシニアではケアのしやすい形状の物をと年齢に合わせて変えていくほうが良いでしょう。

犬のハーネスを選ぶ時のポイントと注意点は?

ハーネスでチェックしたいポイントは、「抜けにくい」ことです。また、イタリアングレーハウンドなどの被毛が薄くて細身な犬種の場合は細めのハーネスだと食い込むので、幅があり触れる部分にクッションがあるタイプが良いでしょう。つけたときに歩きづらそうだったり、擦れて毛が抜けてきたりしていないかも時折チェックしたいですね。

 

犬のリードを選ぶ時のポイントと注意点は?

一般的な長さは1~1.5mぐらいです。形状は握ったときに、しっかり掌の中に納まりやすい扁平な形状がオススメです。持つときは親指にリードの輪を掛けて、犬の側に立ち、犬との間にU字にリードが緩む長さになるように垂らして、余りの部分は掌に握り込みます。輪に手首を通して持ってはいけません。また、拳にぐるぐると巻き付けるのもNGです。突然犬に引っ張られたときにほどけずに飼い主さんが手首を折りかねません。

巻き尺内蔵の伸縮するタイプのリードは人通りが多い場所を散歩させるのには適していません。長く伸ばして散歩していると、自転車が間を横切り、その衝撃で犬がけがをしたり自転車が横転したりと事故が起こる可能性があるからです。黒くて細いひもの場合が多く、遠くから見えづらいこともその原因のひとつです。また、長さが変わるため、犬の急な動きに対応できなかったり、飼い主さんが手を怪我したりする心配もあります。

初めて犬を飼う人は、首輪とハーネスのどちらを選べばいい?

まずは、首輪を用意しましょう。首輪には散歩でリードにつないで安全に外を一緒に歩くという目的と、犬の所有者を明示するという目的があります。迷子になってしまって事故に会ったり、戻ってくることができないところにつれて行かれてしまったりということを防止するためにもいつもつけておきましょう。

 

フレンチブルドッグやボストンテリアなど首が太くて頭の周りと差がほとんどない犬種は、首輪はいくらしっかりと締めて使っても犬の前に立って引っ張ると抜けやすいので、散歩での安全確保にはハーネスの併用がおすすめです。イタリアングレーハウンドなど皮下脂肪が少なく被毛が薄いと、首輪を引いた時にかかる負担が大きくなりますので、幅が太くて肌に当たる部分にクッション性を持たせたものがおすすめです。他には気管の弱い子、高齢犬などで首に負担をかけたくない場合などもハーネスのほうが良いでしょう。

首輪やハーネス、リードに慣れさせるためにどういうことをすればいい?

初めてつけるときは優しくゆっくりとつけましょう。つけたあとに気にする様子が見られますが、先述の正しいサイズと重さであれば30分もすれば慣れてしまいます。すぐに外してしまうと首輪は外せるものと学習して、ひっかいたり噛んだりして外そうとすることもありますので、特別な事情が無い限り外す必要はありません。散歩のときに首輪を変えたい場合は、変えた後にごほうびを与えるようにすることで首輪を変えることを楽しめるようになります。

 

ハーフチョーク、ハーフチェーンカラーはしつけ用の首輪で、繋いでいるリードを引くと首輪が締まって苦しくなる仕掛けのものです。すべてが金属のチェーンでできているチョークチェーンほど締まってしまうわけではないのですが、締まったときに犬に緊張させてしまうため、専門の方のアドバイスに従って使うようにしましょう。毛がチェーンに絡みやすいことにも注意が必要です。

飼い主が知っておくべき犬の散歩のマナー・注意点は?

カートに乗る犬お散歩にはさまざまなマナーや注意点があります。初めての方はもちろん、ベテランの方も初心に返って見直してみましょう。


お散歩デビューはワクチン接種が終わってから

ワクチン接種前は、ワクチンで予防可能な感染症への免疫ができていないので外を歩かせないようにしましょう。


リードで犬をコントロールする

犬はリードを装着して飼い主さんの主導のもと、公道を歩く必要があります。背後から追い抜こうとする人や動物、バイク、車両などに攻撃的な行動をしたりしないようにコントロールしましょう。


他の犬との接触は飼い主の了承を得てから

犬の中にも人懐っこい子や、逆に他の犬を怖がる子もいます。初対面の犬との接触は、相手の飼い主さんの了承を得てからにしましょう。


排泄物は拾って帰る

ウンチやおしっこなどの排泄物を屋外に放置しないことも大切です。拾う、消毒して流す、そもそも他人の所有権のある敷地で排泄させないといった徹底した管理意識が必要です。公園などで換毛期の犬をブラッシングすることも認められていませんので、注意しましょう。


帰宅したらブラッシングを

犬の体にダニやノミがついていた場合、散歩から帰ってきたばかりのタイミングならそんなに深くは潜っていません。毎回ブラッシングすることでノミやダニを落とし、感染症のリスクも減らすことができます。

夏や冬に犬の散歩をするときの注意点は?

雪の中で散歩する犬夏の強い日差しや高温、冬の寒さは犬にとっても厳しいものです。体調を崩さないよう、以下のような点に注意しましょう。特に高齢犬は体温調整がしづらいので配慮が必要です。


夏場

強い日差しや高温は命の危険を伴う熱中症の原因ともなります。また、夏場のアスファルトは非常に高温になるので歩くと足の裏を火傷してしまうこともあります。気温を確認しなるべく涼しい時間帯を選んで散歩させるようにしましょう。

 

散歩中はこまめな水分補給を心がけます。日中に出る必要がある場合は、濡らしたTシャツや冷却効果のあるペット用ベストのようなグッズで体温の上昇を防止する工夫もしましょう。

 

またグレート・ピレニーズやバーニーズ・マウンテンドッグなど寒冷地域原産の大型犬は体内の熱を放散できず体温上昇に伴う熱中症のリスクが高いため、散歩が終わったら水浴びをするなど体温を下げるようにしてください。


冬場

冷たい地面を直接歩くので肉球が凍傷にならないよう、寒さが厳しい時間帯はなるべく避けてください。散歩に行く前と帰宅後にペット用保湿クリームを塗ってひび割れ対策をするのも良いでしょう。

 

アンダーコートのない犬種は寒さに弱いため、防寒具を着せて出かけると良いでしょう。雪を好む犬もいますが、雪遊びをした後は丁寧に拭いてブラッシングをして衛生的な状態を保つよう心がけましょう。

高齢犬の散歩の注意点は?

高齢犬にとっても散歩は筋力維持や認知症予防、ストレス発散など多くのメリットがあります。短時間でも歩行の介助をしながら歩かせる、カートに乗せて外に出るといった方法でも犬の心と体に適度な刺激を与えます。

 

ただし、絶対に無理は禁物です。以下のような点に気をつけるようにしてください。


足腰に負担をかけない

犬が途中で疲れてしまうこともあるので、引き返すことも考えて距離は短めにしておきます。

 

急に走らせたり、下り坂を下りさせたり(上り坂はOK)、ボール投げなどをたくさんさせたりすると足腰に大きな負担がかかるので控えましょう。


散歩の前にウォーミングアップをする

高齢になると筋肉が硬くなり関節のトラブルも多いため、散歩に出る前に「お座り立って」を数回繰り返すスクワット体操、腰部から後肢のマッサージをするなど、できるだけ筋肉をほぐすウォーミングアップをしてから出かけるようにしましょう。

 

また体温調整もしにくいので、気温の変化にも配慮する必要があります。特に寒いときは、いきなり屋外に出さずに部屋から廊下、廊下から玄関へと少しずつ移動させて気温の低下に慣らしましょう。

散歩中に歩くのを嫌がったり立ち止まったりしたらどうする?

立ち止まっている犬散歩中に犬が立ち止まって動かなくなったときや、そもそも散歩に行きたがらないときは以下のような理由が考えられます。

 

・前に同じ道を通っていて怖い目にあった

・知らない場所に行きたくない

・飼い主さんに抱っこしてもらいたい

・病気やケガをしている

・新しいハーネスや首輪に慣れていない

 

コースの変更やしつけによって改善できることもありますが、注意すべきなのは病気やケガの可能性。足を引きずっている、途中で伏せてしまった、息がすぐに上がるなどの異変が見られたら獣医師に相談しましょう。

 

(※1)出典:「犬と猫のワクチネーションガイドライン」(2006,世界小動物獣医師会 ワクチネーションガイドライングループ)

 

散歩の適切な時間やペースなどは犬によって違うものです。散歩中の様子をよく観察し、健康状態や気候などにも配慮した上で、愛犬にあった散歩の仕方を考えてあげましょう。


第3稿:2021年5月20日更新
第2稿:2020年11月20日更新

初稿:2020年9月24日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

散歩の適切な時間やペースなどは犬によって違うものです。散歩中の様子をよく観察し、健康状態や気候などにも配慮した上で、愛犬にあった散歩の仕方を考えてあげましょう。

監修/茂木千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。フジテレビ系列「モノシリーのとっておき」、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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