犬が1日に必要なカロリーは?計算方法とフードやおやつの目安量を解説【獣医師監修】

犬が1日に必要なカロリーは?計算方法とフードやおやつの目安量を解説【獣医師監修】

愛犬のカロリーを気にして食事を与えているのに太ってしまう…と悩んでいる人は多いのではないでしょうか? 犬が1日に必要なカロリーは体重やライフステージだけでなく、その日の運動量や季節、個体によっても変わってくるため、カロリー計算を目安にしながら、愛犬に合わせて調整することが大切です。今回は、バーニー動物病院千林分院堂山有里先生に教えていただいた、犬が1日に必要なカロリーを計算する方法や実際に食事量を調整するときのポイントを解説していきます。

監修/堂山有里先生(獣医師)

バーニー動物病院千林分院分院長。日本獣医動物行動研究会、獣医皮膚科学会所属。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行いペットと人が幸せに暮らすお手伝いをしている。

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犬のカロリー計算が大切な理由は?

基本的に犬は、与えられたら与えられた分だけ食べてしまう生き物です。愛犬が太りすぎたり、痩せすぎたりしないように、飼い主が必要なカロリーを計算して食事を管理してあげることが大切です。

 

必要カロリーと摂取カロリーの違い

「カロリー」はエネルギー量を表す単位です。各食品が持つエネルギー量は、kcal(キロカロリー)という単位を使って表されます。例えば、1ℓの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギー量が1kcalと定義されています。

 

カロリーには、「必要カロリー」と「摂取カロリー」があります。

 

必要カロリー:その動物が生きていく上で必要とするエネルギーの量

摂取カロリー:その動物が口に入れた食べ物から実際に得られるエネルギーの量

 

犬を含めた動物が健康に生きていくためには、摂取カロリーが必要カロリーに届いていることが重要になります。また、肥満を防ぐためには、摂取カロリーが必要カロリーを大幅に上回らないようにすることが大切です。

 

フードパッケージに記載されている給餌量はあくまで目安

ドッグフードの袋には体重ごとの給餌量の目安が記載されているので、フードを与えるときの参考になります。しかし、犬は体格差が大きい動物です。同じ体重であっても、筋肉量や骨格が全く違ったり、運動量もそれぞれ。実際、愛犬に適切な量がどのくらいなのかを知るためには、体格や運動量、年齢、飼育環境などのさまざまな要因を考慮して判断する必要があります。

犬が1日に必要なカロリーの計算方法

犬が1日に必要なカロリーは、次の計算式で求めることができます。

 

1日に必要なカロリー(1日当たりのエネルギー要求量(DER))

安静時のエネルギー要求量(RER)※1 × ライフステージ ※2

 

1 安静時エネルギー要求量(RER)の算出方法

安静時エネルギー要求量(RER)は、電卓を使って次の手順で算出します。

1] 体重×体重×体重(愛犬の体重を3乗する)

2] √(ルート)を2回押す

3] [2]の数に70をかける

 

2 ライフステージ(活動係数・エネルギー係数)

・生後4か月までの幼犬:3.0

・生後4か月から1年までの幼犬:2.0

・避妊・去勢済みの成犬:1.6

・避妊・去勢なしの成犬:1.8

7歳以上で避妊・去勢済みの中高齢犬:1.2

7歳以上で避妊・去勢なしの中高齢犬:1.4

・肥満傾向の成犬:1.01.2

 

例えば、体重が5kgの避妊・去勢済みの成犬の場合、234RER)×1.6(ライフステージ)=374DER)となり、1日に必要なカロリーは374kcalということになります。

 

犬の必要カロリーに応じたドッグフードの量は?

食事中の犬

1日当たりの必要カロリーがわかったら、それに対応したドッグフード(主食)の量も計算してみましょう。

 

1日に必要なドッグフード(主食)の量

1日に必要なカロリー(DER)÷ ドッグフードの100gあたりのカロリー × 100

 

例えば、1日に必要なカロリーが374kcal、与えるドッグフードが100g当たり350kcal のものであれば、計算式は374÷350×100=106.8となり、1日に与えるドッグフードの量は107gとなります。

 

1日に必要なカロリーから計算する犬のおやつ量の目安は?

1日に与えて良いおやつ(副食)の量は、「1日に必要なカロリー」のおよそ10%までとされています。おやつも「1日に必要なカロリー」に含みますので、おやつの量を10%にする場合、主食90%調整する必要があります。次の計算式で10%のカロリー量を算出しましょう。

 

おやつのカロリー量 = 1日に必要なカロリー ÷ 10

 

例えば、1日の必要カロリーが374kcalの場合、おやつのカロリーは374÷10=37.4kcalとなります。この37kcalのおやつ量を出す計算は、必要カロリーに応じたドッグフード(主食)の量の計算方法と同じです。100g300kcalあるおやつを与える場合、37÷300×10012.3…となり、37kcalに相当するおやつの量は12gということになります。

犬に合わせて必要なカロリーを調整しよう

犬_体重

カロリー計算で求めた1日の必要カロリーを基準にした上で、運動量や季節、体格といったそのほかの要素も考慮に入れて、愛犬の必要カロリーを調整していくことが大切です。その際に、考慮すべきポイントを押さえておきましょう。

 

その日の運動量によって調整する

散歩をいつもより長くしたり、ドッグランで遊ぶなどたくさん動いた日はエネルギーの消費量も上がるので、その分、多く食べても問題ありません。減量のために運動しているのであれば、たくさん動いても食事量は増やさないようにすることでダイエットにつながります。

 

食事を基本におやつの量を調整する

おやつとして与える分も、1日に必要なカロリーに含まれます。例えば、1日に与えるおやつ1日に必要なカロリー10%するその分、主食10%減らして調整しましょう。ドッグフードをあまり食べたがらない犬がおやつならよく食べるといった場合であっても、フードにおやつをトッピングしたり、フードの代わりにおやつばかりを与えたりするのは良くありません。ドッグフードを食べなくなり、栄養に偏りができ、肥満にもつながるので注意が必要です。

 

季節によって調整する

近頃、夏になると太ってしまう犬が多く見受けられます。暑さが厳しいために、散歩を控えるケースが多いことがひとつの原因と考えられます。運動量が少ないとその分必要カロリーも少なくなるため、それに合わせて摂取カロリーを減らす必要があります。

 

一方、寒い季節に散歩に行くと、体を温めるためにエネルギーを使うので痩せやすくなります。消費エネルギーが多い日は摂取カロリーが多くても太らないので、冬場も活動的な犬であれば、普段より摂取カロリーが多くても問題ないでしょう。

 

体格によって調整する

筋肉質の犬は基礎代謝量が多いので、じっとしていても消費するエネルギーが多いのに対し、痩せ型の犬や筋肉量の少ない犬は消費エネルギーが少なくなります。愛犬の体格や筋肉量に応じて、計算した必要カロリー量より多め、または少なめに調整するとよいでしょう。

 

年齢によって調整する

年齢を重ねるにつれて体の細胞の活性度合いは落ちていくため、通常、高齢になればなるほど基礎代謝が低下します。一年前と同じ量では太ってしまう可能性があるので、加齢にともなう体の変化に合わせて、給与量を調整することが必要です。

 

性別や避妊・去勢手術の有無

メスに比べるとオスの方が筋肉質で活動的なため、比較的太りにくい傾向にあります。しかし、去勢手術避妊手術を受けると代謝エネルギーが大幅に減るのでオス、メスともにとても太りやすくなります。様子を見ながら、食事の量を少し控えめにするなど調整しましょう。

犬のカロリーを考える際の注意点は?

計量

ここまでご紹介してきたように、1日に必要なカロリーを計算して、愛犬の食事量を調整することは健康管理をする上でとても大切なことです。しかし、適切な量を計算して食べさせていても、太る場合もあれば、だんだんと痩せてくることもあります。

 

カロリー計算で出た数値を絶対視するのではなく、その食事量に調整した結果、犬の体にどのような変化が見られるかをよく観察するようにしましょう。経過を見て、食事量をさらに微調整していくことで、愛犬に最も適した量へとカスタマイズしていくことができます。

 


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

毎日の食事を目分量で与えていたり、愛犬に要求されるままに与えていたりすると、知らないうちに愛犬を肥満にさせ、健康を損ねてしまうこともあります。まずは一日の必要カロリーを知り、計量してフードを与えることからはじめましょう。量の目星がついたら、愛犬の体調やその日の運動量、気温といった条件も加味しながら、柔軟に調整することが大切。毎日の食事を通して、愛犬の健康を守ってあげましょう。


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