【獣医師監修】うちの子って太り過ぎ!?犬の肥満度チェックとダイエット法を紹介

【獣医師監修】うちの子って太り過ぎ!?犬の肥満度チェックとダイエット法を紹介

現在、日本国内で暮らしている犬の約5割が肥満だといわれています。実は理想体重よりも15~20%体重が重いのは、すでに肥満なんです。肥満が健康にもたらす悪影響はとても大きいため、飼い主による健康管理が欠かせません。そこで今回は、飼い主ができる対策を獣医師の茂木千恵先生に伺いました。

まずはボディコンディションスコア(BCS)で愛犬の肥満度をチェック!

「愛犬がちょっとぽっちゃりしているかも?」と思ったら、まずは肥満度をチェックしてください。簡単にできるチェック法として、ボディコンディションスコア(以下BCS)というものがあります。BCSは1~5段階にわかれており、犬を見る・触ることでチェックができます。

まずは、くびれのチェックからスタートします。最初に犬の体を横から見た際のウエストのくびれ具合をチェックしましょう。次に、真上から犬を見て、腰のくびれ具合を確認してください。

目視でのチェックの次は、触っての確認です。肋骨を撫でて、骨の突起を手の下に感じられるかを確認してください。同様に、ウエストを触ってくびれ具合を手でもチェックします。最後に腰の上部(背骨の突起や骨盤)に手をあて、骨がどれくらい浮き出ているかを確認しましょう。

確認できたら表を見て、愛犬が5段階でどのあたりに位置しているかをチェックします。BCS4以上は肥満なのでいますぐダイエットに取り組むべきでしょう。

犬の肥満は全て飼い主の責任!食事の量に気をつけて!

犬が太ってしまう原因は全て飼い主にあります。なぜなら、犬は自分で食べ物を選ぶことができず、全て飼い主が与えているからです。犬も人間と同様に、摂取エネルギー量が消費を上回ると体内の脂肪が増え、それが肥満につながるのです。よくある原因としては、飼い主がおやつやごはんを与えすぎている(量が多い)・人間の食べ物を与えているという2点が挙げられるでしょう。まずは、犬に何をどれだけ与えているかを飼い主自身が把握することが大切です。そして、レコーディングダイエットのように、犬に与えた食事を書き出してみてください。

どれくらい量のごはんが適切なのかは、犬のライフスタイルや体調、年齢によっても異なります。人間と同様に成長期の子犬や、妊娠・育児中の女の子はエネルギーを多く必要としています。一方、避妊去勢をしている子、シニアの子であればピーク時よりもごはんの量を減らすべきでしょう。

ダイエットにあたり、まずは適切なエネルギー量を計算しましょう。犬の理想体重の安静時エネルギー要求量(RER)や、犬の状態別に推奨される1日に必要なエネルギー量(DER)は、以下の計算式で求められます。

 

  • 犬の理想体重の安静時のエネルギー要求量(RER)=理想体重(kg)の0.75乗×70
  • ダイエット中の犬の1日に推奨されるエネルギー量(DER)=RER×1.0~1.4
  • 健康な避妊去勢していない成犬のDER=RER×1.8
  • 健康な避妊去勢している成犬のDER=でRER×1.6
  • シニア犬のDER=RER×1.4

 

ダイエット中の犬のDERは、獣医師に減量指導されるほどの深刻の場合は「RER×1.0」、少し太り気味が気になって痩せさせたい場合は「RER×1.4」など、肥満の程度により調整します。

RERは電卓を使う場合、体重×体重×体重で出た数字に√キーを2回押した後、70をかけても計算できます。

例:理想体重9kgのRERは「(9×9×9)√√×70≒364kcal」。少し太り気味が気になってダイエット中の犬のDERは、「364×1.4≒510kcal」です。

また、急激に体重が増えたという場合には、病気が隠れている可能性もあります。いつもと違うと思ったら、早めに病院で相談するようにしてください。

食事管理でダイエットするときに気をつけることは?

食事管理で犬のダイエットをする場合、まずは肥満の原因になり得る病気がないかを診察してもらってください。問題がなければダイエットをスタートしてもよいですが、急激に体重を落とすのは体調不良の原因になるため非常に危険。1か月で体重の3%から5%を減らせるというのが目安です。たとえば、体重が5kgの子であれば150~250g減るくらいが安全なダイエットだといえるでしょう。

最初に、犬の目標体重を設定してください。次に、先ほどご紹介したDERの式から年齢や日中の活動レベルから必要なエネルギーを計算し、1日に与えるフードの量を計算しましょう。目安としてスタート時には普段よりカロリーを20%ほどカットしてください。効率的なダイエットに計算は必須です。

食事でダイエットをする際は、まずカロリーの低いフードに切り替えます。いつもと違うブランドのフードを与える際は、初日には全体の4分の1を新しいフードに切り替え、次の2日間は新しいものを半分に、さらに次の2~3日間は4分の3を新しいフードにと、1週間ほどかけて徐々に割合を増やしていくのがよいでしょう。少しずつ慣らしていくのです。

また、1回あたりの量を減らし、1日3~4回食事を与えると、犬に空腹感を感じさせず上手に痩せさせることができます。他にも、茹でた野菜(ネギ系は除く)をトッピングしてかさを増し、空腹を感じづらくするといった方法もよいでしょう。グッズを使うのもおすすめです。早食い防止皿や、知育玩具を上手に利用してください。

もし、90日ほど経過しても減量が進まない場合には、毎日の摂取カロリーを見直したり、フードのブランドを見直したりしてください。

体を動かしてダイエットするときに気をつけることは?

健康的に痩せるためには、体を動かすのもいい方法です。ただし、すでに肥満度が高く関節などに痛みがある場合は、まずは食事である程度体重をコントロールしてから運動に取り組むのがオススメです。

もっとも手軽な運動は、散歩コースを長めにしたり、歩く時間を伸ばしたりすること。平坦な道を1kmにつき7~10分のペースで進むのがベストです。ゆっくり歩いてしまうと、犬はマーキングをしたり、道端のニオイを嗅いだりしてしまうため、効果的なダイエットにつながりにくくなってしまいます。

ただし、足腰を酷使させないことも大切です。下り坂を利用したり(上り坂はOK)、急に走らせたり、ボール投げばかりをしたりしてしまうと、足腰に大きな負担がかかってしまいますので、自分で歩いて帰宅できる程度の運動にしてください。

インドア派の犬には、室内でできるエクササイズがおすすめです。「○○を取ってきて」と指示したり、「立って」「座って」の号令を繰り返したりするとスクワットもできます。他にも、いつもいるポジションから離れた場所にごはんを置いて食べさせると、それだけで動きを増やせます。

また、マッサージもおすすめです。体脂肪をほぐすことで血行が促進され体温が高まるため、代謝アップにつながります。むくみの解消にもなり得るので、ぜひ試してみてください。

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

ぽっちゃりとした犬はとても可愛いものですが、肥満は健康に百害あって一理なし。愛犬に少しでも元気に長生きしてもらいたいなら、飼い主による健康管理は欠かせません。しっかりと体重を管理して、健康的な生活を送りましょう。

監修/茂木千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。フジテレビ系列「モノシリーのとっておき」、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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