犬と海に行く際の注意点とは?必要な準備と、砂浜や海水へのケアも紹介【獣医師監修】

犬と海に行く際の注意点とは?必要な準備と、砂浜や海水へのケアも紹介【獣医師監修】

夏のレジャースポットといえば海。飼い主なら犬を一緒に連れて行って楽しい思い出を作りたいと思うでしょう。しかし、どこの海でも犬を連れて行けるわけではなく、海水浴場のルールに従わなければなりません。また、海や砂浜は犬にとって危険がたくさんあるのです。そこで、愛犬と海を楽しむためのさまざまな注意点を、「ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets」代表で獣医師の石井先生に解説していただきます。

犬と一緒に海に行く前に調べておくことは?

犬と海

犬と一緒に楽しめる海水浴場は多く存在しますが、海水浴場によってルールは異なります。たとえば、季節や時間帯で犬OKにしている海水浴場があったり、犬の海水浴はNGだが砂浜で遊ぶのはOKの海水浴場があったりと、決まりもさまざまです。場所によっては犬とカヌーができたり、犬用ライフジャケットの貸し出しなどのサービスを利用できたりする場合もあるため、事前に必ず海水浴場のルールやサービスを確認しておきましょう。

犬を海に連れて行く際に準備しておくことは?

犬と海

普段の散歩とは違い、海へ出かけることは楽しいイベントです。しかし、暑さ対策や海水浴など普段以上に準備や配慮が必要となります。


海に連れていく際に準備しておくグッズ

  • ビーチパラソル
  • 保冷剤や冷却タオル
  • 冷たい水
  • 犬用の靴
  • 犬用ライフジャケット
  • ロングリード
  • タオル


海では日差しを防ぎにくいため、暑さ対策は入念に行いましょう。日陰を確保するためのビーチパラソルや、体を冷やす保冷剤や冷却タオル、冷たいお水などを準備しておくと安心です。また、日の高い時間帯に行くなら、やけど防止に犬用の靴を準備してください。海に犬が入ってもよい海水浴場の場合は犬用のライフジャケット、砂浜で犬が遊べるならロングリードがあると、安心して楽しむことができます。


海に行く前には泳ぎの練習を

犬かきと呼ばれる泳ぎ方がありますが、どんな犬でも自然に犬かきができるわけではありません。泳ぐのが苦手な犬もいるので、練習せずにいきなり海水浴場へ連れて行くことは避けましょう。海で犬と一緒泳ぎたい場合、まずは練習が必要です。自宅で水に慣れる練習からスタートするなど、個々のペースに合わせた訓練をしてください。また、泳ぎの練習に、インストラクターがいるプール施設を利用するのもおすすめです。

海が苦手な犬種は?

犬と海

個体差もありますが、水や泳ぎが苦手な犬種はあります。


短頭種

パグボストン・テリアフレンチ・ブルドッグブルドッグなど。短い鼻と口から呼吸と一緒に水を吸い込んでしまい、おぼれる危険性が高いためです。


短足種

ダックスフンドチワワコーギーなど。短い足を水中でうまく動かせないため、泳ぎが苦手な場合が多いです。


マウンテン・ドッグ

山での活動に特化したマウンテン・ドッグ系の犬種は、水や泳ぎを苦手としています。


和犬

柴犬などの和犬は水に入る習慣がなかったため、水や泳ぐことが苦手と考えられています。

犬が砂浜で遊ぶときの注意点は?

カツオノエボシ

海水浴場は多くの人が利用するため、ゴミや危険物が落ちていることがあります。犬が踏んだり飲み込んでしまわないよう、犬の様子に目を光らせておきましょう。また、気温や利用環境によってもさまざまな注意が必要です。


海水浴場の砂浜のルール

犬と一緒に過ごせる海水浴場はありますが、砂浜に入れる時間帯や季節が決められていたりと、場所によってルールが違います。必ず事前に確認してから出かけましょう。


周囲への配慮・マナー

犬が苦手な人もいるため、周囲に配慮しながら犬を遊ばせましょう。可能であれば人の少ない場所を選び、リードをつけて過ごしてください。また、ロングリードを使う場合は周囲の人に迷惑をかけないよう気をつけ、排泄物の処理や持ち帰りは必ず行いましょう。


砂浜の熱さ

日の高い時間帯の砂浜の上を歩くと、人と同様に犬もやけどをする危険があるため、熱くなる時間帯はできるだけ避けましょう。もし、その時間帯に砂浜へ出かける場合は、靴があると安全です。また、犬は全身が毛で覆われ体温調節が難しいこともあり、人より熱中症や熱射病になりやすくなっています。こまめに水分補給を行うなどの配慮を心がけください。


拾い食い

砂浜には想像以上に危険物が多く落ちています。ガラス片や貝殻、釣り針などは口内を傷つける可能性があります。また、ビニール袋や串などのバーベキューのゴミも非常に多いです。普段から拾い食いの癖がある犬は、いつも以上に気にかけてあげしょう。万が一、危険なものをくわえてしまったときは、「ちょうだい、はなして」などの号令を教えていると役に立ちます。


危険生物

海辺には犬にとって危険な生物が存在します。特に注意すべきはカツオノエボシと呼ばれる鮮やかな青色の生物で、触れるとアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。クラゲやクサフグなどが海辺に打ち上げられることもあるので、こちらも十分に注意が必要です。

砂浜で遊んだ後の犬のケアは?

砂浜で遊ばせた後は、足裏の肉球にケガがないかを確認してあげましょう。海に入らなくても潮風で毛がベタついていたり、耳や鼻に砂がびっしりついていたりすることもあります。特に毛が長い犬の場合、砂浜で遊んだ後は、お風呂やシャワーに入れるようにしましょう。

犬が海水を飲んだら危険?

海でボール遊びする犬

海水は塩分濃度が高いため、飲んでしまうと内臓に負担をかけてしまいます。犬が海水に入る際は、目を離さず様子を見守ってください。


犬が海水を飲まないためにすること

犬が海水をたくさん飲んでしまうと、食塩中毒(高ナトリウム血症)になる可能性があります。特に海でボールなどを投げて取ってくる遊びでは、犬がボールをくわえる際に海水を一緒に飲み込んでしまいがちです。大量の塩水を飲んでしまう場合があるので、この遊びを何度も繰り返すことは控えたほうが良いでしょう。また、脱水や塩水中毒を防ぐためにも、こまめに日陰で休憩をとり、水分補給を行いましょう。


海水を飲んでしまった時の症状

海水を大量に飲むと食塩中毒(高ナトリウム血症)になり、嘔吐や下痢、元気がなくなる、たくさんの水を欲しがる、ぐったりとするなどの症状が見られます。症状が進行すると痙攣が起きたり、意識がなくなったり、昏睡状態に陥ることもあります。


動物病院に連れて行くタイミング

いつもより元気がない、食欲が落ちた、下痢や嘔吐をしている、水をたくさん飲むなど、海で遊んだ後に普段と違った様子が犬に見られたら、動物病院での受診を考えましょう。特に食塩中毒の場合は数日後に急に悪化することがあります。普段から犬を見ているご家族の勘は非常に頼りになりますので、少しでも気になった場合は迷わず獣医師に相談しましょう。

犬が海水浴する際の注意点は?

ライフジャケットを着た犬と海

すべての海に犬と一緒に入れるわけではありません。犬と一緒に海水浴を楽しみたい場合は、事前に海水浴場のルールを確認し、危険やケガなどにも備えておくことが大切です。


海水浴場の水中のルール

海水浴場によってルールは異なり、砂浜は犬OKでも水中は犬NGの場合もあります。必ず事前に確認し、それぞれのルールを守って楽しみましょう。


周囲への配慮・マナー

砂浜同様、周囲の人全員が犬好きとは限らないので、周囲を気にかけながら遊びましょう。海に入る際はライフジャケットを着用させ、リードをつけるなどしてしっかり行動を見守ってください


海水の塩分

海水に含まれる塩分の量は海によって若干の差はありますが、平均約3.5%です。犬が海水を大量に飲んでしまうと食塩中毒になり、最悪の場合は命を落とす危険があります。


慣れない環境でのパニック

新しい環境に敏感な犬は、初めて海を訪れた際、怖がってしまうことが考えられます。恐怖を感じて震えてしまったり、逃げ出そうとしてしまったりすることもあるかもしれません。初めて海に行く前に水に慣れる練習をしたり、短時間から砂浜を体験してみることから始めたりして、様子を見ておくと安心です。


離岸流や衝突事故

離岸流とは、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとするときに発生する強い流れのことです。どこの海岸でも発生する可能性があり、犬も離岸流に巻き込まれる可能性もあるので、海で犬が遊んでいるときは目を離さないようにしましょう。

また、他の人や、他の人が使用している遊具やサーフボードにぶつかり、犬がケガをする場合もあります。できるだけ人混みは避け、安全に遊ばせましょう。

海水浴の後の犬のケアは?

犬の足をチェック

犬が海水浴をした後は、犬の肉球にケガや傷がないか確認しましょう。また、砂や潮風で体が汚れていることがほとんどなので、しっかりシャワーをしてあげてください。海に犬が入った場合はお腹が冷えて下痢をすることも多いため、体が冷える前にしっかりタオルで体を拭いてあげましょう。

犬が海水浴場で体調不良になったらどうすべき?

海で犬が体調を崩してしまう原因はいくつか考えられますが、熱中症や食塩中毒、海水浴による冷えなどが代表的です。また、海水による皮膚の炎症やケガによる外傷といった可能性もあります。犬の様子に異変が起きた場合は、すぐに海で遊ぶことをやめ、動物病院に連れて行きましょう。

犬と海に行く際の注意点は?

犬と一緒に海で遊ぶ際は、自分も犬も無理をしないことが大切です。できるだけ涼しい時間帯を選び、慣れていない場合は短時間の滞在にしましょう。また、常に犬の動きを観察することで安全に海遊びをすることができます。

専門家のコメント

犬との海水浴は楽しい反面、普段以上に注意が必要です。まずは行きたい海水浴場がどんなルールなのかを確認しておきましょう。また、海水浴をしなくても、砂浜には危険物が落ちていたり、思わぬ事故に巻き込まれたりする危険もあります。海水浴後は体調に変化がないか、2〜3日は様子を観察しておくと安心です。しっかり準備して、家族で楽しい思い出を作ってくださいね。

監修/石井香絵(旧姓:牧口)先生(獣医師)


ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets代表
AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員
神戸ロイヤルグルーミング学院 犬猫行動学講義担当講師
麻布大学 獣医学部獣医学科卒業

 

犬猫の問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナーやテレビ協力、雑誌「NJK」(ホーピスト)や「trim」(エデュワードプレス)、Web媒体にて、犬の行動学についての記事を執筆するなど幅広く活躍。著書に「愛犬をやさしく癒すクリスタルヒーリング」(エー・ディー・サマーズ)。行動治療にホリスティックケア(メディカルハーブ、フラワーレメディ、レイキ、アニマルコミュニケーションなど)を取り入れ動物たちに優しい治療を行っている。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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