犬のお腹の張りの原因は?考えられる病気と病院に行くべき症状を解説【獣医師監修】

犬のお腹の張りの原因は?考えられる病気と病院に行くべき症状を解説【獣医師監修】

愛犬の日々の様子を見て、触れていて気づく、ちょっとした変化やトラブル。その原因はさまざまに考えられますが、何か病気が原因の症状かもしれません。今回はchicoどうぶつ診療所所長の林美彩先生に教えてもらった犬のお腹がパンパンに張っているときに考えられる原因や病気についてご説明します。

犬のお腹の張りの原因は?

犬のお腹の張りの理由はさまざまで、ちょっと太ったくらいであれば問題がないこともあります。しかし、時には怖い病気が潜んでいるケースもあるのです。

お腹の張りが気になるときは、まずどのような状態なのかをチェックしてみてください。お腹を痛がるようなそぶりをしているのか、張り以外は問題なく元気にしているのかなどによっても考えられる原因が異なります。抱っこしたことをきっかけに犬が痛がり、お腹の張りに気が付くオーナーもいるようです。他にも、体重は減っているのにお腹が出てきてしまっているときは要注意。いろんな視点から愛犬をチェックしてあげてください。

犬のお腹の張りは太っただけなのか、病気なのかを見極める

犬のお腹が張っているように見えるときは、まず単に太ったことが原因として考えられます。最近、ごはんやおやつを与えすぎたり、散歩の時間が短かったりしていませんでしたか? もちろん標準体重におさまっているようであれば、多少お腹が出たように見えても問題はないでしょう。他にも、食べた直後にお腹が出たように見える子もいますが、これは一時的なものです。また、避妊手術をしていない女の子であれば、妊娠している可能性も否定はできません。

問題は、病気が隠れているケースです。お腹の張りがずっと続いていたり、体重が減っているのにお腹だけがポッコリしていたり、抱っこをしただけで痛がったりするそぶりがあるときには病気を疑ったほうがよいでしょう。

犬のお腹の張りは臓器の肥大が原因!?

太ったわけではないのにお腹が張っているときは、臓器自体が肥大している可能性があります。他にも、筋肉や皮膚がたるんでいたり、お腹に水が溜まっていたりすることも考えられるでしょう。いずれの場合も、お腹の張りだけでなく元気消失や食欲減退など、普段とは違う様子が見られることが多いです。いつもと少しでも様子が違うと思ったらすぐにかかりつけの病院で相談してください。

お腹が張る病気には、胃捻転・胃拡張・フィラリア症・腫瘍ができている(肝臓腫瘍・膵臓腫瘍)・急性肝炎・リンパ管拡張症・心筋症・子宮蓄膿症・副腎皮質機能亢進症などが考えられます。

犬のお腹が張っているときに考えられる主な原因

犬の張っている場合に考えられる主な病気や原因をご紹介します。あくまでも主要なものなので、他にも気になることがあればかかりつけの病院でご相談ください。

【考えられる病気以外の主な原因】

肥満

お腹の張り。


・食べすぎ

一時的なお腹の張り。


・妊娠

お腹の張り、食欲低下、嘔吐。

 

【考えられる主な病気】

・胃捻転(胃拡張)

お腹の張り、腹痛、食後3時間以内に苦しそうにする、嘔吐しようとするも吐けないなど。大型犬で多く見られる。


・フィラリア症

お腹の張り、元気消失、咳、黄疸など。


・肝臓腫瘍

お腹の張り、食欲不振、元気消失、嘔吐など。


・膵臓腫瘍(インスリノーマ)

お腹の張り、元気消失、発作など。シニア犬に多い。


・急性肝炎

お腹の張り、食欲不振、嘔吐、下痢など。シニアに多く見られる。


・リンパ管拡張症

お腹の張り、嘔吐、下痢など。


・心筋症

お腹の張り、元気消失、食欲低下、咳、舌や口の粘膜が青紫色になるなど。大型犬かつ成犬に多い。


・子宮蓄膿症

お腹の張り、目が血走る、食欲不振、腹痛、外陰部から膿が出るなど。


・副腎皮質機能亢進症

お腹の張り、多飲多尿、脱毛、筋力低下など。シニア犬に多い。

犬の体型と年齢別に考えられるお腹の張りの主な原因

犬のお腹が張っている場合、体型や年齢別に考えられる主な原因をご紹介します。これ以外の病気にはかからないということではないので、少しでも気になることがあれば病院で相談してください。


●小型犬 ・ 幼犬

食べすぎ・リンパ管拡張症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●中型犬 ・ 幼犬

肥満・食べすぎ・リンパ管拡張症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●大型犬 ・ 幼犬

肥満・食べすぎ・胃捻転(胃拡張)・リンパ管拡張症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●小型犬 ・ 成犬

肥満・食べすぎ・妊娠・フィラリア症・肝臓腫瘍・リンパ管拡張症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●中型犬 ・ 成犬

肥満・食べすぎ・妊娠・フィラリア症・肝臓腫瘍・リンパ管拡張症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●大型犬 ・ 成犬

肥満・食べすぎ・妊娠・胃捻転(胃拡張)・フィラリア症・肝臓腫瘍・リンパ管拡張症・心筋症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●小型犬 ・ シニア犬

肥満・食べすぎ・フィラリア症・肝臓腫瘍・膵臓腫瘍(インスリノーマ)・急性肝炎・リンパ管拡張症・子宮蓄膿症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●中型犬 ・ シニア犬

肥満・食べすぎ・フィラリア症・肝臓腫瘍・膵臓腫瘍(インスリノーマ)・急性肝炎・リンパ管拡張症・子宮蓄膿症・副腎皮質機能亢進症など。

 

●大型犬 ・ シニア犬

肥満・食べすぎ・胃捻転(胃拡張)・フィラリア症・肝臓腫瘍・膵臓腫瘍(インスリノーマ)・急性肝炎・リンパ管拡張症・子宮蓄膿症・副腎皮質機能亢進症など。


第2稿:2021年3月16日更新
初稿:2020年9月4日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

犬のお腹が張っているときは、病気かそうでないかの見極めが肝心です。お腹の張りだけでなく、元気や食欲がないときには病気が潜んでいる可能性がありますので、気になることがあればかかりつけの病院へ。また、普段からぽっちゃりしている子は病気が潜んでいても気づきにくい傾向にありますから、オーナーはしっかりと適性体重をキープしてあげましょう。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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