嫌がる犬に目薬を上手に差す方法は?正しい手順とやってはいけないNG行動を解説【獣医師監修】

嫌がる犬に目薬を上手に差す方法は?正しい手順とやってはいけないNG行動を解説【獣医師監修】

目の疲れや眼病の改善のために人間が目薬を使うのと同じように、愛犬に目薬を差さなくてはいけないことがあります。そんな時、犬がじっとしてくれない、目薬が苦手で暴れてしまうなどの理由で、きちんと点眼するのに想像以上に苦労するかもしれません。今回は、犬に上手に目薬を差す方法や、失敗しないコツについてchicoどうぶつ診療所の所長である林美彩先生に解説していただきます。

犬に目薬を差すタイミングとは?

嫌がる犬に目薬を上手に差す方法は?正しい手順とやってはいけないNG行動を解説【獣医師監修】犬が結膜炎やアレルギー、ときにはドライアイなどになったときに、動物病院で目薬を処方されることがあります。市販されている犬用の目薬もあり、犬の目の中に異物が入って取れなくなった時などに目薬で洗い流すことができます。

犬が目薬を嫌がる理由は?

基本的に点眼するという行為は犬にとって怖いものです。そもそも、突然押さえつけられて、目に得体の知れないものを入れられるので、嫌がるのは当然のことです。また、飼い主が正しい差し方を知らないと、犬にとって挑発行為となる正面から見つめて目薬を差してしまったり、飼い主側の落ち度で嫌いになってしまうこともあります。目薬というもの自体が見慣れないものなので、いきなり取り出すと怖がるケースもあるようです。

犬に目薬に慣れさせる方法とは?

犬に目薬を差す前に、まずは目薬というものに慣れてもらう必要があります。事前準備なく、急に目薬を差すのは犬にとっても非常に怖いことです。以下のような方法で徐々に慣らしていきましょう。


顔や目の周りを触られることに慣れてもらう

顔や目の周りなどを触ると基本的には嫌がる犬が多いので、そこを解消しないことには目薬を差すのは難しいです。日常的に触れることに慣れておくと、いざというときにスムーズに点眼することができるかもしれません。


目薬の容器に慣れてもらう

初めて目薬の容器を見かけると、それがどんなものなのか分からずに怯えてしまうものです。害がないもので怖いものではないという認識を持ってもらうことは非常に重要です。使用しない目薬でも良いので、日頃から犬の目に入るところに置いておくだけでも効果があります。このように小さなことから徐々に目薬の恐怖心を取り除いてあげましょう。

犬に目薬を差すときに気をつけたいこと

嫌がる犬に目薬を上手に差す方法は?正しい手順とやってはいけないNG行動を解説【獣医師監修】犬に目薬を差すときには、最初が肝心です。嫌がっているのに無理やり点眼すると、犬に「目薬は嫌なもの」という気持ちを植えつけてしまいます。怖がらせないように優しく話しかけるなどして恐怖心を与えないようにしましょう。目薬嫌いな犬にしてしまうと、白内障などの目の疾患にかかって目薬での治療が必要になったときに、大変な苦労をしなければなりません。

正しい目薬の差し方

犬に目薬を指す場合は、以下の手順で行うのがおすすめです。

 

  1. 飼い主に背を向けるようにしてお座りをさせる

 

  1. 片手であごを持ち、顔を上に向かせてそのまま固定する

 

  1. 目薬を持っている手を愛犬の頭の後ろから回して、手の側面で上瞼を頭側に引っ張って目を開かせて、点眼をします。

 

基本的には犬に優しく話しかけながら、さりげなく行うのがいいでしょう。目薬を持つ手を頭の後ろから回すのは、目薬の容器に怯えてしまうことを避けるためです。点眼する際には「嫌なことをされた」という印象で終わらせないようにすることもポイントです。

犬に目薬を差すときにしてはいけないNG行動は?

嫌がる犬に目薬を上手に差す方法は?正しい手順とやってはいけないNG行動を解説【獣医師監修】嫌がる犬に目薬を差すとき、強い力で抑えつけたりしていませんか。そうすることによって、さらに目薬が嫌いになってしまうこともあるんです。犬に目薬を差す際にしてはいけないNG行動を紹介しますので、このようなことをしないように気をつけてください。


じっと犬の目を見つめない

犬にとって目を見ることは威嚇・敵対行為ですので、怖がらせてしまう可能性があります。


マズルをつかまない

犬にとって敏感な場所ですから、いくら点眼のためとはいえ、マズルをわしづかみにするという無神経なことはやめましょう。


正面から目薬を差さない

目薬に慣れていないのであれば、容器を見ただけで怖がらせてしまうかもしれませんし、正面から見つめる行為は犬を緊張させてしまいます。


無理に体を固定しない

強い力で抑え込んだりすると、愛犬を怖がらせることになります。目薬を差すことがストレスやトラウマになってしまう可能性があるので、無理に体を固定して目薬を差すのはやめましょう。


使用前に目薬を少し温める

通常、目薬は冷暗所で保管していることが多いので、そのまま差すと冷たさにびっくりしてしまうことがあります。できれば使用前に人肌に温めておくといいでしょう。


差し終わったらおやつをあげたり、褒めたりする

頑張って目薬を差すことができた際には、大袈裟に褒めたりおやつなどのご褒美を与えてあげると良いでしょう。目薬を差した後にいいことが待っているという経験をさせることで、それがモチベーションとなって、次に目薬を差すときも頑張ろうという気になってくれるかもしれません。

犬に人間用の目薬を差しても大丈夫?

目薬には目の充血を抑えるもの、感染を抑えるもの、潤いを与えるものなどがあります。飼い主との目薬の共用は衛生面で心配ですので避けて欲しいですが、涙の成分に近い、人間用の目薬を犬に使うのは問題ありません。

 

ただし、犬に使用できないものもありますので、成分の確認が必要です。心配なようでしたら犬用目薬をお使いください。また、目に傷がついている場合には、目薬が合わないことで逆に症状を進行させてしまうことがありますので、おかしいと思ったら動物病院を受診しましょう。

犬の目の健康に効果的なホームケアとは?

嫌がる犬に目薬を上手に差す方法は?正しい手順とやってはいけないNG行動を解説【獣医師監修】犬の目の健康を維持するためには、目薬以外のケアも重要です。涙の成分と同じ目薬で散歩後に目に入った異物などを流した後は、目の周りが涙などでただれてしまわないようにふき取ったりすると良いでしょう。涙の分泌を促すために目の周りをマッサージするのもおすすめです。血行を良くすることで、目の老化を遅らせることができます。

 

また、食事での栄養の摂り方も意識すると目に良い影響があります。ブロッコリーにんじん、ブルーベリーなどを少しずつ与えると、目の酸化を防ぐことができます。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

目のトラブルを起こしやすい犬種もありますし、老犬になると目の疾患にかかることが増えてくるかもしれません。目薬が必要となる事態に備える意味でも、愛犬には普段から目薬れさせておきましょう。飼い主が目薬を差すのが習慣になっていれば、愛犬の眼病予防に役立ちます。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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