左右の目の色が違う「オッドアイ」の犬が生まれる理由は?体質への影響や、飼育上の注意点について解説【獣医師監修】

左右の目の色が違う「オッドアイ」の犬が生まれる理由は?体質への影響や、飼育上の注意点について解説【獣医師監修】

左右の目の色が違うオッドアイ。先天的または後天的な原因から動物はオッドアイになりますが、体質にはさまざまな特徴があります。犬にもオッドアイの個体はおり、中でもシベリアン・ハスキーに多いとされています。今回は、オッドアイの犬が生まれる理由や体質への影響、特定の犬種に多い理由などについて、獣医師の鈴木佐弥香先生に解説していただきます。

オッドアイとは?

オッドアイの白猫

オッドアイとは左右の瞳の色が違う人や動物のことを言い、「虹彩異色症」とも呼ばれています。虹彩異色症とは、眼球の角膜と水晶体の間にある「虹彩」という薄い膜の色が変わることです。虹彩の色はメラニン色素の量によって決まりますが、先天的・後天的な原因によってオッドアイになります。先天的な原因としては遺伝子や染色体の問題によって、後天的な原因としては外傷や病気によって起こることがあります。


オッドアイは幸せの象徴?

主にオッドアイの猫は、幸せを運ぶと言われることが多いです。オッドアイは珍しいため、その希少さが故にこのように言われるようになったのかもしれません。日本では一方の目の色が黄色で、もう一方が淡青または淡灰色の瞳をもった猫を「金目銀目」と呼び、縁起のいい猫として扱われてきました。

犬のオッドアイの先天的な原因は?

犬がオッドアイになる原因は、遺伝子が大きく関係しています。


遺伝子の色素欠乏

母犬の胎内にいる間、メラニン色素を形成するメラニン細胞(メラノサイト)を抑制する遺伝子が発現することがあります。その抑制遺伝子によって、片方の虹彩のメラニン色素が欠乏し、オッドアイになることがあります。


胎内色素形成異常

母犬の胎内にいる間の遺伝子異常により、オッドアイになることがあります。メラニン色素が正常に定着しなかったことが原因で、この症状が虹彩に現れた場合にオッドアイになることが多いです。虹彩以外には、皮膚や被毛にも症状が出ることがあります。

犬のオッドアイの後天的な原因は?

後天的にオッドアイになる場合は、以下のようなケースが挙げられます。


病気

ぶどう膜炎が原因の悪性黒色腫によって、メラニン色素の沈着が起こり、虹彩の色が変化する場合があります。


外傷

事故や怪我などで目の神経や虹彩を傷つけてしまうと、メラニン色素の量が減少し、オッドアイになることがあります。


目薬

緑内障や高眼圧症の治療で、プロスタグランジン関連の点眼薬を使用した場合、メラニン色素が増加して虹彩に沈着し黒みが増し、オッドアイになることがあります。

オッドアイの犬は健康上の問題がある?

オッドアイの犬

オッドアイは先天的な遺伝子形成の異常が関係していることが多く、それぞれの個体の特徴が違うため、個々にあった対応を心がけることが大切です。


視力が弱い?

オッドアイの犬が必ずしも視力が弱いということはありませんが、メラニン色素が少ないため、紫外線によるダメージを受けやすく、ガンや目の病気にかかってしまうことがあります。


聴力が弱い?

全てのオッドアイの犬が、聴力に問題があるとは限りませんが、オッドアイのダルメシアンは高確率で難聴であることがわかっています。


寿命が短い?

オッドアイだからといって、すべての犬の寿命が短くなるわけではありませんが、主に劣性遺伝であり、遺伝子疾患が併発することが多くあります。そのため、健康な目をもった犬と比べると寿命が短くなる傾向があるかもしれません。また、視力や聴力が弱いせいで、危険を回避することが難しく、不慮の事故などに巻き込まれてしまうリスクもあります。

オッドアイになりやすい犬種は?


これらは左右の目の色が違うオッドアイになりやすい犬種として知られています。

シベリアン・ハスキーは実はオッドアイとは言わない?

バイアイ(オッドアイ)のシベリアン・ハスキー

オッドアイの犬といえばシベリアン・ハスキーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、シベリアン・ハスキーをオッドアイとは呼ばず、「バイアイ」と呼びます。


シベリアン・ハスキーの目の色が違うのは犬種標準

シベリアン・ハスキーの目の色が左右で違うことが多いのは、成育環境 が変化したことよって起こります。そのため病気ではなく、視力聴力の異常や寿命に関係することもありません。


シベリアン・ハスキーの目の色の成り立ちとは?

日照時間の多い地域では、虹彩を紫外線などから守るためにメラニン色素が増え、色が黒っぽくなります。逆に日照時間の少ない地域ではメラニン色素が減り、虹彩は緑色や青色になります。シベリアン・ハスキーはロシアのシベリア原産の犬で、日照時間の少ない地域に適した犬種のため、もともとは青や水色の目が主流でした。


それが、ペットとしてシベリア以外の日照時間の多い地域でも飼われるようになり、紫外線から虹彩を守るため瞳の色が茶色へと変化しました。その過程で、片目だけ日照時間の変化に対応するようになった個体が誕生したと考えられています。

オッドアイの治療方法は?

オッドアイの多くは先天性なので、特に治療は行わないことが主流です。しかし、後天的にオッドアイになった場合にはその要因に応じて治療を行うことがあります。

オッドアイの犬を育てる際の注意点は?

オッドアイの犬は日常生活で紫外線の影響をとても受けやすいです。紫外線の強い時間を避けて外へ出たり、散歩時には犬用サングラスをかけてあげたりといった工夫をしてあげると良いでしょう。


先天的なオッドアイは劣性遺伝のため、心臓疾患や他の遺伝的な疾患についても日頃から気にかける必要があります。後天的なオッドアイの場合、急に瞳の色が青や灰色に変わるのは、オッドアイではなく緑内障や白内障といった病気が原因であることも考えられます。普段から目の色を気にかけてあげましょう。

オッドアイ以外の特徴的な瞳を持つ犬種は?

ブルーアイのシベリアン・ハスキー

シベリアン・ハスキーのように、片方の瞳の色が違う場合を原因によっては、「バイアイ」と表現することがあります。


また、両方の瞳の色が青色になることは「ブルーアイ」と呼ばれています。ブルーアイは虹彩にメラニン色素が全くないか著しく少ない場合に起こり、先天的な原因だけでなく、人為的な育種が原因にもなります。シベリアン・ハスキー、オーストラリアン・シェパード、グレート・デン、ワイマラナー、ダルメシアン、ダックスフンド、ボーダー・コリーなどが、ブルーアイが生まれやすい犬種として知られています。

専門家のコメント

先天的なオッドアイの犬は、心臓疾患など他の遺伝疾患がないか、日頃からよく気にかけてあげましょう。後天的なオッドアイには注意が必要です。急に目の色が青色や灰色などに変わった場合には、緑内障や白内障の可能性があります。そのような場合には、なぜ目の色が変化してしまったのかなどを獣医師に見てもらい、日頃からの健康に気を使ってあげましょう。

監修/鈴木佐弥香先生(獣医師)


海動物病院所属
酪農学園大学獣医学部獣医学科卒業
獣医師免許、潜水士免許保有

動物検疫所、製薬会社での勤務を経て、海動物病院に所属。メディカルアロマや栄養学についても勉強中。自宅で猫、実家で犬を飼っており、最近は自宅でも犬をお迎えしようか検討中。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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