災害時のケガ予防にも!犬に靴を履かせるメリット5選【獣医師監修】

災害時のケガ予防にも!犬に靴を履かせるメリット5選【獣医師監修】

気温だけでなく、アスファルト舗装の道路など地面の温度も熱くなる夏。散歩中の足裏の火傷を予防するために、犬に靴を履かせることが浸透してきました。しかし、急に履かせようとしても、犬が靴を嫌がることがあります。そこで今回は、かどのペットクリニック院長で獣医師の葛野莉奈先生に、犬に靴を履かせるメリット、靴を慣れさせる方法や正しい履かせ方などを、解説していただきました。

犬に靴を履かせるメリットとは?

靴を履いた犬

犬が靴を履くことには、足裏の火傷予防だけでなく、さまざまなメリットがあります。


メリット1.夏の散歩時の火傷予防

犬の足裏にある肉球は、火傷をして擦りむいたり傷ついたりしやすい部位です。夏に高温になりやすいアスファルトや砂浜などは、日中の気温が高い時間帯を避けても、熱が残っていることがあります。夏の散歩時に犬に靴を履かせると、そんな火傷や傷を予防することができます。


メリット2.冬の散歩時の炎症予防

真冬の寒い地域では散歩を長時間すると、体の大きい犬でも血流が悪くなり、足先などに炎症を起こす可能性があります。また、冬の乾燥によって肉球がひび割れたり、乾燥した足を舐めて肉球間のやわらかい部分に炎症が起こしやすくなります。これらのトラブルを、靴を履くことで予防することができるでしょう。


メリット3.老化の寝たきり予防

高齢の犬は四肢の筋力が低下したり、足裏の毛が伸びて足に力が入らず滑って歩きづらくなったりして、運動性が落ちてしまいがちです。ソールがゴム素材などの滑りにくい靴を履かせると、足に踏ん張りが効いて歩きやすくなり、寝たきり予防の手助けになります。


メリット4.災害時のケガ予防

災害時には割れたガラスや鋭利なものが地面に飛散します。その上を犬の足裏を傷つけることがあります。犬に靴を履かせると危険なものから足を守れる可能性が高くなるので、普段から靴に慣れさせるとよいでしょう。


メリット5.足舐めの防止

皮膚炎などの原因になる犬の足舐め。靴を履くことで物理的に足の指を舐められなくなり、皮膚炎の予防や悪化を妨げる可能性があります。ただし、唾液のついた湿った状態で靴を履かせると、よけいに蒸れて皮膚炎が悪化することがあるので要注意。靴を使うかどうか、愛犬の状態を見ながら、かかりつけの獣医師さんと相談して決めるとよいでしょう。

犬の靴のサイズはどう選ぶ?

犬の靴はストレスなく履けて、かつ素足と同じ感覚で歩けるのが理想。「ちょうどよいサイズ」の靴を選ぶために、まずは足裏サイズをしっかりと測定しましょう。


犬の足のサイズの測り方

  1. ペン、紙、定規などを用意し、犬の爪はカットしておきます。
  2. 犬を4本の脚で立たせます
  3. 紙の上に前足の片方をのせ、もう片方の前足を持ち上げます。
  4. 紙上にのせた前足の外側をペンでなぞり、紙にマークをつけます。足の縦幅・横幅で同様に行いましょう。爪は長さに含めます。
  5. つけたマークの縦幅・横幅それぞれ一番広い長さを定規などで測ります。
  6. 後ろ足も前足と同様に行います。


通信販売で靴を購入するときは

試着ができない通信販売では、愛犬の毛量や靴の素材にも注目しましょう。足の甲や足首などの毛量が多い場合、毛で圧迫されて、足裏のサイズに合わせた靴が窮屈に感じることがあるからです。しかし、歩くことを考えると、ゆとりがあり過ぎるのも問題。やや伸縮性のあるやわらかい生地や、マジックテープで調節できるタイプの靴を選ぶと、「ちょうどよいサイズ」で履けるかもしれません。

犬の靴を購入後にすべきことは?

靴下を履いた犬

犬の靴を買ってきて、さっそく履かせようと思っても、犬が嫌がることがあります。慣れさせることが大事です。


靴の前に靴下に慣れさせる

犬が靴を嫌がったら、靴を履かせる前に靴下で慣れさせるのがよいでしょう。もし、靴下を嫌がるようであれば、家族でのスキンシップタイムやおやつタイムなど、犬にとって楽しい時間にちょっとだけ履かせてみましょう。そのときに嫌がらなかったら褒め、ご褒美を与える方法を続けると、「靴下を履くこと=楽しいこと」という認識が犬にできるようになります。だんだんと靴下を嫌がらなくなったら、履く時間を少しずつ増やすことで、ストレスなく慣らしていけると思います。


家の中で靴を履かせて慣れさせる

犬が靴下に慣れたら、靴を履かせてみましょう。ただし、初めてのものに警戒心を示す犬も多いもの。いきなり外で靴を使う前に、家の中で履かせて慣らすのがおすすめです。安心できる環境下ということもあり、犬が過度のストレスを感じにくく、嫌がらずに履いてくれる可能性があります。家の中で試して嫌がるようであれば、引き続き、家の中でゆっくりと靴に慣らす段階を踏むようにするとよいでしょう。

犬の靴の正しい履かせ方は?

靴の履かせ方は次の順番で行うのがおすすめです。前足から履かせるか後ろ足から履かせるかについては、犬の“気にすること”によっておそらく異なります。愛犬の反応によって前足・後ろ足の順番を検討するとよいでしょう。愛犬にとって、やりやすい方法を見つけてみてくださいね。


犬の靴の履かせ方

  1. 足をつま先までしっかり靴に入れます
  2. かかとを靴に入れます
  3. マジックテープで固定するタイプのものなら、きつくなり過ぎない程度にしっかり締めて固定します


正しく履けたかのチェックポイント

犬に靴を履かせた後は、正しく履けているかチェックしてみましょう。靴を履くたびに、靴の上から触ってチェックポイントを確認すると安心です。

  • かかとまでしっかり靴に入っているか
  • 指が靴の中で折れ曲がっていないか
  • 靴の爪先に隙間ができていないか

犬の靴のお手入れ方法は?

靴を履いた犬

犬の靴のお手入れについては、「水洗いができるかどうか」と「しっかり乾燥させる」の2点がポイントになります。汚れやすい砂地や泥地で使用する場合は、洗える靴がおすすめです。洗える靴かどうか確認してから購入するとよいでしょう。


水洗いができるかどうか

靴の説明書をよく読んで指示に従うのが基本です。やわらかい素材の靴であれば洗える可能性が高いでしょう。硬い素材の靴の場合は、少し注意が必要です。硬い素材の靴は、内側をひっくり返すなどして完全に乾かすことができなければ、水洗いは避け、汚れを払うかウェットティッシュで外側の汚れを拭き取るのみにするほうがよいでしょう。


洗ったら、しっかり乾燥させる

靴の内側が湿ったままだと、指の間や肉球との間に雑菌が繁殖するため、指間炎などの炎症を起こすことがあります。裏返し可能な素材の靴は裏返して、ドライヤーなど乾燥機なども有効活用して、しっかりと乾かすことが大切です。

犬の靴の注意点

靴を履いて散歩する犬

犬の靴に大事なのはフィット感です。靴のサイズや形が犬の足にフィットしていないと、犬は違和感を覚えながら歩いてしまい、正しい歩き方ができなくなる場合があります。そうなると関節など四肢にも大きな負担がかかってしまい、異常が生じる恐れがあります。できればいろいろな靴を試して、サイズや形がしっかり合うものを選ぶことが大切です。

専門家のコメント

犬の靴が必要なのは災害時だけなどと考えがちですが、実は、靴が有意義なタイミングは多くあります。例えば、ご家族の旅行で行くことが多い夏の海は、砂浜が熱くなりやすく、瓶などのガラス破片が落ちていることも。犬が足裏をケガしないためには靴を履かせておくと安心ですので、普段から靴に慣らしておくとよいでしょう。

監修/葛野莉奈先生(獣医師)

かどのペットクリニック院長。麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。 獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に動物病院を開院。 開院後、ながたの皮膚科塾を修了。 皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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