2024年04月26日 公開
ペット用ミルクをはじめとする、ドギーマンハヤシの商品開発業務に29年以上従事する。日々、新たな法律や栄養基準、表示ルール等、情報のアップデートにも追われている。
ドギーマンハヤシ株式会社が“ペット用牛乳”を開発した背景、犬想いなこだわりとは?
※「業界で唯一、生乳を使用」について
日本国内のペットフード業界において(2024年4月時点、ドギーマンハヤシ調べ)
目次
- 犬の栄養補給と水分補給、健康維持をサポートする“ペット用牛乳”
- 犬が、牛乳を飲んでお腹を下すのは「乳糖」が原因
- 業界で唯一“生乳”を使用し、生乳本来のおいしさや栄養を再現
- 試行錯誤の末に実現した、常温保存ができる“ペット用牛乳”
- 食後のごほうびや熱中症対策、シニア犬の健康維持に
- 犬に“ペット用牛乳”を当たり前の習慣に
犬の栄養補給と水分補給、健康維持をサポートする“ペット用牛乳”
「牛乳は子犬が飲むもの」と思っていませんか?
実際、ワンちゃんに牛乳を与えることはあまり推奨されていません。人間用の牛乳をそのままワンちゃんに与えてしまうと、軟便が出たり下痢を起こしたりする恐れがあるからです。
しかし、ワンちゃんでも安心して飲めるように加工された“ペット用牛乳”も販売されています。
“ペット用牛乳”は育ちざかりの成犬の栄養補給や水分補給、シニア犬の健康維持をサポートするアイテムとして、近年少しずつ認知が広がってきています。
そんな“ペット用牛乳”のパイオニア的存在となったのは、ペットフード・用品メーカーのドギーマンハヤシ株式会社です。
同社が販売する『ペットの牛乳』や『わんちゃんの国産牛乳』シリーズは、業界で唯一(※1)生乳を使用しながらも、常温保存が可能という画期的なもの。(※2)
牛乳本来の風味やおいしさはそのままに、乳糖ゼロ、香料や着色料無添加、とワンちゃんの健康と飼い主の安心感を徹底的に考えたこだわりや工夫が詰まっています。
「一度、ワンちゃんに与えてもらえれば分かります。一度飲んだらやみつきになる“リピーター犬”が続出しているんです」
そう明かしてくれたのは、ドギーマンハヤシ株式会社で“ペット用牛乳”の開発・研究に携わる深井さん。ペット用牛乳の特長や開発秘話を伺いました。
(※1)日本国内のペットフード業界において(2024年4月時点、ドギーマンハヤシ調べ)
(※2)開封後は要冷蔵で3、4日ほどの保存を推奨
犬が、牛乳を飲んでお腹を下すのは「乳糖」が原因
一般的に人間用に販売されている牛乳には、「乳糖(ラクトース)」と呼ばれる成分が含まれています。その乳糖がうまく分解されないまま大腸に到達すると、「乳糖不耐症」という消化不良や下痢の原因となります。
「人間でも、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするときがありますよね。それもこの乳糖の分解能力の違いなんです」
犬は、離乳後に乳糖を分解するための酵素「ラクターゼ」の分泌量が減ってしまうため、「乳糖不耐症」になりやすく、人間用の牛乳は与えてはいけないとされています。
一方、“ペット用牛乳”は乳糖を調整し、ワンちゃんが安心して飲めるよう、安全に配慮して開発されています。
「弊社の牛乳も、製造過程で乳糖を完全に分解し、乳糖ゼロに仕上げています。みなさんも、ぜひ愛犬に牛乳を与える際には、乳糖が調整されたものを選んでください」
業界で唯一“生乳”を使用し、生乳本来のおいしさや栄養を再現
「実は、ほとんどの“ペット用牛乳”の製造において、生乳は使われていません。 生乳を使用しているのは日本で当社だけです」と話す深井さん。
生乳とは、牛から搾った乳のこと。つまり、生搾りの牛乳です。
「その背景には、“ペット用牛乳”における定義がなされていないことが大きいです。いまだに成分や原材料のルールがないため、脱脂粉乳(スキムミルク)やホエイパウダーのみで牛乳らしさをだして、香料や糖類、甘味料で風味をつけ、売られていることが多いんです」
生乳を使うと、乳本来の風味の濃さも圧倒的に違うのだそう。
「牛乳本来のおいしさをワンちゃんたちにも味わってもらいたいと思っているので、私たちは生乳を使用しています。牛乳の自然な甘みも感じてもらいやすいです。また、牛乳本来の栄養を摂ることもできます」
試行錯誤の末に実現した、常温保存ができる“ペット用牛乳”
数々のペットフードやペット用品を手がけてきたドギーマンハヤシが“ペット用牛乳”の開発に名乗りをあげたのは、2000年のこと。
当時、ペット用のおやつといえばジャーキータイプの固形物が主流でした。そんな日本のペット市場に風穴を開けるべく、ペット用飲料の第1弾として参入したのがドギーマンハヤシ初のペット専用牛乳である『hello!牛乳』です。
しかし、当時は愛犬に「専用の牛乳」を与えるという斬新なアイデアは市場に定着せず、思ったような結果が出ませんでした。
そもそも“ペット用牛乳”に馴染みがないなかでの商品開発にも難航した、と深井さんは話します。
「先述したように、現状“ペット用牛乳”としての明確な定義はありません。人間用の牛乳のような成分基準も設けられていません。そんな中で、私たちはできるだけ人間の牛乳の基準に近づけることを目標にしました」
人間用の牛乳には、成分規格等が定められており、乳脂肪分、無脂乳固形分については『乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上』のものだけが正式に“牛乳”と呼べます。そのほかは、"成分調整牛乳"や"加工乳"などに分類されてしまいます。
そこで、深井さんたちも、できるだけこの人間用の牛乳の成分規格値に近づけつつ、ワンちゃんもおいしく健康的に飲める牛乳を考えました。
しかし、ここで問題となったのが保存方法です。
本来、人間用の牛乳であれば冷蔵保存を想定して生産・流通を行っていますが、ペット用品は常温で販売されることがほとんど。市場に広く普及させるためにも、「常温保存できる」ことが必須条件でした。
「品質を担保したまま、見た目の良さと味、成分のバランスを考慮するのに困難を極めました。初期サンプルは輸送や流通の間で変色してしまい、まるで“コーヒー牛乳”のような色味に……器に注いだ時に、飼い主さんが見ても『おいしそう』だと思ってもらえるような牛乳らしい液色を長期間保つのは苦労しました。それでも、香料や着色料は一切使わず、常温で牛乳そのものの色や味わいを残すという点は最後までこだわりました」
現在はビタミンやミネラルを強化した『ペットの牛乳』シリーズのほか、九州産の国産牛乳を使用した『わんちゃんの国産牛乳』シリーズも販売しています。
それぞれ「幼犬用」「成犬用」「シニア犬用」などとワンちゃんの成長に合わせて必要な栄養素が補える商品設計になっています。
食後のごほうびや熱中症対策、シニア犬の健康維持に
特別な思いやこだわりを込めて開発してきたドギーマンハヤシの“ペット用牛乳”。
おすすめの活用方法は、おやつ(間食)としてあげることだそう。
「そのままおやつとして、またはドライフードにかけてシリアルのように利用していただくのもおすすめです。普段の食事だけでは補いきれない、良質なタンパク質やミネラルなどの栄養補給が期待できると思います」
さらに、水分補給にも最適だといいます。
「夏場に食欲が落ちたり、水を飲まなくなったりする愛犬にぜひお試しいただきたいですね。カルシウムも豊富に含まれているので、骨密度低下が気になるシニア犬の健康維持にもおすすめです」
さまざまなライフステージ、体格のワンちゃんにおすすめの“ペット用牛乳”ですが、あくまで「おやつ(スナック)」の位置付けのため、離乳前の幼犬に母乳代わりに与えるのは避けてほしい、と深井さんは注意喚起します。
1日の目安給与量を参考に与えることや、お腹を冷やさない適温に温めてから与えることにも注意しましょう。
犬に“ペット用牛乳”を当たり前の習慣に
利用者からは「食後のごほうびとして習慣になっている」「パッケージを見ただけで愛犬が喜んで飛んでくる」と大好評。一度購入するとリピートするお客さんが多いのだとか。
「最近愛犬に手作り食を作る方も増えていますが、当社のペット用牛乳を活用いただいている方もいらっしゃいます。SNSで手作りごはんのレシピを紹介している方もいるんですよ」
リピーターは増えているものの、“ペット用牛乳”が当たり前の習慣として根付くにはまだ課題は残る、と深井さん。
「ペットに専用の牛乳を与える価値を、もっと多くの方に認識していただけたら嬉しいですね。ドギーマンハヤシが創業以来掲げる『ペットライフのよきパートナー』というミッションの実現のために、私たちにできることはまだ多くある。そう思っています」
「フードだけで栄養をとれているか心配」「最近水を飲む量が減っているけど、脱水になっていないかな」
そんな悩みがある飼い主さんは、まず愛犬の毎日の健康習慣に“ペット用牛乳”という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
- ドギーマン『ペットの牛乳 成犬用 250ml』
https://www.cainz.com/g/4974926010305.html
- ドギーマン『わんちゃんの国産牛乳200ml』
https://www.cainz.com/g/0000049195217.html
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