ヨークシャー・テリアの性格や特徴は?飼い方のコツや寿命、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

ヨークシャー・テリアの性格や特徴は?飼い方のコツや寿命、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

被毛が細く美しいヨークシャー・テリアは、世界的に知名度が高く、日本でも人気がある犬種です。小型犬で可愛らしい見た目の一方、警戒心が強く、知らない人や犬に対して吠えることもあり、飼う際にはしっかりしつけをすることが欠かせません。そこで今回は、「ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets」代表で獣医師の石井香絵先生に教えていただいた、ヨークシャー・テリアの犬種の特徴やしつけの仕方、飼育する上での注意点などを解説していきます。

監修/石井香絵(旧姓:牧口)先生(獣医師)


ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets代表
AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員
神戸ロイヤルグルーミング学院 犬猫行動学講義担当講師
麻布大学 獣医学部獣医学科卒業

 

犬猫の問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナーやテレビ協力、雑誌「NJK」(ホーピスト)や「trim」(エデュワードプレス)、Web媒体にて、犬の行動学についての記事を執筆するなど幅広く活躍。著書に「愛犬をやさしく癒すクリスタルヒーリング」(エー・ディー・サマーズ)。行動治療にホリスティックケア(メディカルハーブ、フラワーレメディ、レイキ、アニマルコミュニケーションなど)を取り入れ動物たちに優しい治療を行っている。

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ヨークシャー・テリアの歴史やルーツは?

ヨークシャー・テリアはイングリッシュ・テリア、スコッチ・テリア、マルチーズなどを交配して生まれた比較的新しい犬種です。もともとは、19世紀中頃にイギリスのヨークシャー地方の工業地帯で、ねずみ捕りをするための犬として活躍していました。いま私たちがよく目にするヨークシャー・テリアよりも、当時はもっと体が大きかったと言われています。光沢のある毛色の美しさから「動く宝石」と呼ばれ、ヨーロッパの上流階級にも注目されるようになっていきました。

ヨークシャー・テリアの体高・体重は?

チワワに次ぐ超小型犬として知られているヨークシャー・テリア。平均的な体の大きさと体重を確認しておきましょう。

 

体高

オス/メス:1823cm

 

体重

オス/メス:23kg

ヨークシャー・テリアの平均寿命は?

ヨークシャー・テリアの平均寿命はおよそ1316歳で、小型犬の中でも長生きをする犬種です。イギリスでは最高齢として26歳という記録もあります。トムとキャンディという名前の2匹で、血縁関係はありませんが同じ飼い主の元で暮らしています。人間の年齢に換算するとおよそ117歳というから驚きです。

ヨークシャー・テリアの毛色の種類や特徴は?

子犬

ヨークシャー・テリアを特徴づけるのが美しい被毛です。毛の色は成長とともに変化していき、生涯で7回にわたって毛色が変わると言われています。毛色の変化を楽しみにしてヨークシャー・テリアを飼う人もいるほど。ここでは、ヨークシャー・テリアの被毛の特徴についてご紹介します。

 

【主な毛色】

子犬期…ブラック&タン

生まれて間もない頃は黒い毛色をしており、成長とともに顔まわりや胸、足などにタン(黄色がかった茶色)が増えていきます。

 

成犬期…ダーク・スチール・ブルー&タン

成犬に近づくにつれて、ブラックは艶のあるスチール・ブルー(青みがかったグレー)やシルバーに、タンはゴールドへと変化します。この色合いは、一般社団法人・ジャパンケネルクラブによる公認カラーとして「ダーク・スチール・ブルー&タン」と呼ばれています。毛色の変化は毛の根本から始まり、最終的な毛色になるまで2年ほどかかります。

 

【被毛の特徴】

通常、犬の被毛は皮膚を守るための「オーバーコート」と、寒さから身を守るための「アンダーコート」の2重構造もっており、春と秋の換毛期になるとアンダーコートが生え変わるため毛が抜け落ちます。

 

しかし、ヨークシャー・テリアの被毛はオーバーコートのみが生える「シングルコート」です。アンダーコートが生えてないため、寒暖差が苦手で、防寒のために被毛はまっすぐ長く伸び、換毛期がありません。毛質は「シルキーコート」と呼ばれるほどたいへんソフトで、絹のような光沢があります。細いためもつれやすいのが特徴です。

 

【主なカット】

シルクのような美しい被毛は、カットの仕方によってさまざまなスタイルを楽しめるのも魅力のひとつです。愛犬の骨格やサイズに合わせて、一番似合うカットを見つけてみましょう。

 

フルコート

フルコート

被毛を長くまっすぐに伸ばすことで、被毛の美しさが最も際立つカットです。被毛が長い分、美しさを維持するために欠かせない毎日のお手入れを、愛犬と飼い主ともにストレスなくできる場合におすすめです。手入れが少し大変と思われる方は、季節に合わせてカットを楽しんでもよいでしょう。

 

セミロング

セミロング

顔の周りや頭頂、または耳の毛のみを長く保つことで、さまざまなアレンジができる人気のスタイルです。

 

サマーカット

サマーカット

全体的にすっきりと短くするカットです。短いのでお手入れが楽になるメリットがある一方、皮膚がデリケートな犬は紫外線やバリカンで皮膚が傷ついてしまうことも。被毛には皮膚を守る役目があることも考慮してカットしましょう。

 

ライオンカット

ライオンカット

ライオンのように顔から首まわりにかけて毛を長めに残し、胴は短めにカットします。短くカットするスタイルで、サマーカットに含まれます。

 

シュナウザーカット

シュナウザーカット

きりっとしたクールな仕上がりになるカット。眉の上の毛を残し、口回りの毛をシュナウザーのように四角くカットするスタイルです。

 

他にも顔と耳周りを丸くカットし、大きな耳を強調させる「ミッキーマウスカット」や、トップの長いコートを生かしてゴムで結んだり、三つ編みにしておしゃれにアレンジすることもできます。

ヨークシャー・テリアの性格の特徴は?

小型で気品を感じさせる外見のヨークシャー・テリアですが、どのような性格の特徴があるのか見ていきましょう。

 

活発

元気で活発な一面を持っています。十分に運動や遊びの時間を確保してエネルギーを発散させることが大切です。

 

警戒心が強い

用心深く、警戒心が強いので自分のテリトリーを守ろうとします。

 

勇敢で気が強い

もともとはねずみ捕り活躍していたルーツから、小さな番犬になるテリア気質を備えています。警戒して吠えることもあり、攻撃性も決して低くはないのでしつけをしっかりと行う必要があります。愛情要求が高いので、子犬の頃から愛情をかけて育ててあげましょう。

 

オスとメスで性格に違いはある?

メスに比べてオスのほうが縄張り意識が強く、攻撃的な行動が見られやすい傾向があります。

ヨークシャー・テリアを飼うのに向いている人は?

ソファで休むヨーキー

家庭犬として人気の高いヨークシャー・テリアですが、人によって飼育に向き・不向きはあるのでしょうか?

 

ヨークシャー・テリアは初心者向きの犬?

ヨークシャー・テリアは活動レベルが高く、吠えやほかの犬への攻撃行動がでやすいため、初心者向きとは言いづらい面があります。特にオスは攻撃的になりやすいため、初めて飼う場合はメスのほうがよいでしょう。

 

どんな人に向いている?

猟犬としてのルーツがあることから「テリア」気質が色濃く残っており、頑固な一面があります。吠えの予防や他の犬に攻撃的な振る舞いをしないように、子犬のうちから社会化を意識したしつけが必要なため、飼うのであればしつけやお手入れに十分な時間を使える方が向いています。

ヨークシャー・テリアの外見や吠え声の特徴は?

ヨークシャー・テリアの外見や吠え声にはどのような特徴があるのでしょうか?

 

外見

ヨークシャー・テリアは、「シルキーコート」と呼ばれる美しい光沢のある絹のような被毛が特徴的な小型犬です。主に胴と尾はスチール・ブルー、顔まわりや胸、足は光沢のあるタン色をしています。習慣として、尾は半分ほどの長さに断尾されているのが一般的です。

 

吠え声

甲高く、よく通る吠え声をしています。他の犬や未知の刺激に対して吠える行動がよく見られ、飼い主に対して吠えることもあります。

ヨークシャー・テリアがかかりやすい病気と、その予防法は?

愛犬と長く一緒に過ごすためにも、病気の予防には気を配りたいもの。ヨークシャー・テリアがかかりやすい病気とその予防法について知っておきましょう。

 

膝蓋骨脱臼

膝関節の筋肉、靭帯の形成異常により、後ろ脚の膝の皿が本来ある位置から外れてしまっている状態です。小型犬に多い病気のひとつで、予防はなかなか難しいですが、異変を感じたら、脱臼の有無を病院で確認してもらいましょう。二足で飛び跳ねると膝に負担がかかるので、そうした行動をさせないことが大切です。

 

心臓病(僧帽弁閉鎖不全)

心臓の左側にある左心房と、左心室の間に位置する2枚の弁(僧帽弁)が完全に閉鎖できなくなることが原因で、心臓が収縮するときに血液の一部が弁の隙間から逆流してしまう病気です。悪化すると苦しそうな咳をしたり、舌が青くチアノーゼになります。運動制限や食事療法などを取り入れ、生活の全般を見直して予防する必要があります。

 

気管虚脱

正常な気管は洗濯機の排水ホースのような筒状の形状をしていますが、この気管が遺伝や肥満、年齢から生じる変化などさまざまな原因で潰れてしまい、呼吸しづらくなる病気です。悪化すると「ガーガー」という咳をしたり、呼吸困難に陥ることも。早期発見が何より重要なので、定期健診を受けましょう。症状が疑われる場合は、獣医師に相談し、原因をつきとめて症状が悪化しないようにすることが大切です。

 

尿石症

泌尿器(腎臓、膀胱、尿管、尿道)のいずれかに結石ができる病気です。結石ができると物理的な刺激によって炎症が起こり、頻尿や血尿、排尿障害が起こります。低ミネラルの食事に切り替えたり、水分をしっかりと摂らせることが予防につながります。体質的に結石ができやすい犬もいるので、定期検診による早期発見が大切です。

 

門脈-体循環シャント

血管の結合異常を引き起こす先天性の病気です。通常、体内でつくられた毒素は腸管から吸収され、門脈を通って肝臓に運ばれて無毒化されます。しかし、この門脈と全身の静脈の間をつなぐ余分な血管が存在すると、肝臓で無毒化されるべき有害物質が処理されずに直接全身を回ってしまい、発作、下痢、嘔吐、食欲不振、発育不良などが起こります。遺伝的な異常であることが多いため有効な予防法はなく、早期発見・早期治療できるかが重要になります。

ヨークシャー・テリアの食事で気をつけることは?

健康な体を維持するためにも、日々の食事選びはとても重要です。ヨークシャー・テリアの食事では、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか?

 

フードは食べやすいように小粒のものを選ぶ

子犬、成犬、シニアといったライフステージに合わせた食事選びが基本です。ヨークシャー・テリアは口や歯が小さいため、ドライフードであれば負担のかからない粒の小さいものを選ぶとよいでしょう。

 

食欲が湧くように配慮して食べさせてあげる

ヨークシャー・テリアは食が細く、ムラのある食べ方をする傾向があります。嗜好性の高いウェットフードや香りの強い食事を与えたり、食事を温めてあげたりして、食欲が湧くように配慮してあげることをおすすめします。

ヨークシャー・テリアの日常のお手入れで気をつけることは?

ヨークシャー・テリアを飼う上で重要なのがお手入れです。日々のお手入れのポイントを押さえておきましょう。

 

毛玉ができないように毎日のブラッシングは必須

抜け毛が少ない犬種ですが、被毛は細く、絡みやすい毛質をしています。特にロングコートを綺麗に維持するには、脇の下や耳の付け根などに毛玉ができないように毎日のブラッシングが欠かせません。スリッカーやピンブラシを上手に活用しましょう。

 

 子犬のときから定期的にトリミングに行く

家庭でのシャンプーやトリミングではなかなか上手くできないことが多いので、定期的にトリミングサロンに連れていってあげましょう。子犬の時から行き慣れたサロンがあると、施術を受ける際の犬のストレス軽減にもつながります。

ヨークシャー・テリアのしつけの仕方と注意点は?

お手入れに加えて、ヨークシャー・テリアを飼うときに欠かせないのがしつけです。適切な時期、適切な方法でしつけをすることで、愛犬の問題行動を防ぎましょう。

 

しつけを始める時期

しつけの開始時期は早ければ早いほど良いとされます。子犬を迎えたその日から、甘噛みの抑制、トイレトレーニングなどのしつけや号令をしっかりと教えましょう。

 

子犬期のしつけの仕方

ヨークシャー・テリアには、痛みや体罰など不安を与えるしつけは不向きです。飼い主の意図を子犬にわかりやすく伝えるため、誉めるタイミングや声のトーンを工夫し、ルールに統一性をもたせてしつけをしてあげましょう。

 

社会化期のしつけの仕方

生後4か月齢までにパピーパーティやパピークラスなどに積極的に参加し、他の犬や人との触れ合いから社会性を身に着ける経験をさせることをおすすめします。お散歩デビュー前から抱っこやスリングに入れて外出し、外の環境に慣らしておいてあげるとよいでしょう。

 

オス/メスによるしつけの違いがある?

メスに比べてオスのほうが、テリトリー意識や物に対する執着が強く、他の犬への攻撃行動が出やすい傾向があります。くわえて、素直でいつまでも甘えん坊な性格の犬が多いので、社会化期のしつけがとても大切になります。メスは生後6か月以降の反抗期は少ないですが、性格にムラが出ることがあります。

 

ヨークシャー・テリアが起こしやすい問題行動

小さくて可愛らしい容姿のヨークシャー・テリアですが、頑固で気が強く、犬や人に対しても甲高い声でよく吠えます。そうした性格を助長してしまわないよう、過度に甘やかすのは禁物です。適度なメリハリを持って接するようにしましょう。

 

ヨークシャー・テリアをしつけするときの注意点

できるだけ興奮させず、リラックスした状態でいられるように、号令を出すときはゆったりとした口調を心がけましょう。「待て」の練習をすることで、将来的に来客が来たときの興奮や吠えの防止につながります。うまくいかないときは、トレーニングの時間を短くしながら、根気強く続けることが大切です。

ヨークシャー・テリアを散歩させる際に気を付けることは?

散歩するヨーキー

活動的な性格のヨークシャー・テリアは、ストレス発散のためにも散歩が欠かせません。ヨークシャー・テリアの散歩の方法や注意点を見ていきましょう。

 

散歩の時間、頻度

ヨークシャー・テリアは家の中だけの運動ではストレスが溜まり、吠えたり、いたずらをしたりする原因になります。1日に12回、12030分程度のお散歩をするようにしましょう。

 

天候によっては散歩を控える

湿度や温度が高い日に散歩すると、曇りであっても犬は熱中症になることがあります。特に炎天下の散歩は、アスファルトなどに触れることで肉球を火傷してしまうことがあるので避けましょう。

 

屋外で拾い食いをする癖がある場合、飼い主の目が届かない暗い道や草むらでの散歩は注意が必要です。犬の体調は日によって変化します。悪天候の中での散歩は控え、体調が悪そうに見える日は屋内でゆっくり過ごしましょう。

 

散歩後は足を拭き、体をブラッシングしてあげる

散歩のあとはホコリや枯れ草などが被毛に付着していることが多いです。特に寒くて空気が乾燥した冬は静電気によってホコリがつきやすくなるため、散歩から帰宅したら足を拭き、体を軽くブラッシングしてあげましょう。

ヨークシャー・テリアにおすすめの遊びやトレーニングは?

飼い主が投げたボールなどのおもちゃを、犬に持ってこさせる遊び「持ってこい」や、おやつを家のさまざまな場所に隠しておいて探させる「ノーズワーク」などを好みます。ヨークシャー・テリアの本能を上手に使える遊びが向いています。

ヨークシャー・テリアを飼う際の注意点は?

最後に、ヨークシャー・テリアを飼うときの注意点を確認しておきましょう。

 

寒さが苦手なので室温管理を怠らない

シングルコートの犬種なので、寒さに弱い傾向があります。寒さが厳しい冬は室温管理に気を配りましょう。屋外に出るときは、洋服を着せてあげると安心です。

 

滑りにくい床にする

犬種の特異性として膝蓋骨脱臼を抱えている場合が多いので、犬が活動する範囲は、できるだけ床を滑りにくい素材にしてあげることをおすすめします。

 

高いところから飛び降りて骨折しないようにする

活発な子犬の時期は骨格がしっかりとできあがっていないこともあり、骨折を招きやすい月齢です。特に、前肢の骨が折れる事故が60%以上を占めています。抱っこをするときに落下させてしまったり、ソファやベッドから飛び降りて骨折しないように気をつけましょう。骨折によって長期入院や痛みを伴う治療、行動制限が生じ、ストレスがかかってしまうことも犬にとってデメリットです。

 

電気製品のコードには噛み防止用品を活用する

子犬の時期は特に、いたずらをしてさまざまなものを噛んでしまいます。なかでも電気製品のコードは要注意。感電や火事の原因にもなるので、犬がコードを直接噛めないように隠すか、コードプロテクターなどを活用しましょう。


第2稿:2021年11月8日更新
初稿:2020年2月28日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

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