
ヨークシャー・テリアを特徴づけるのが美しい被毛です。毛の色は成長とともに変化していき、生涯で7回にわたって毛色が変わると言われています。毛色の変化を楽しみにしてヨークシャー・テリアを飼う人もいるほど。ここでは、ヨークシャー・テリアの被毛の特徴についてご紹介します。
【主な毛色】
子犬期…ブラック&タン
生まれて間もない頃は黒い毛色をしており、成長とともに顔まわりや胸、足などにタン(黄色がかった茶色)が増えていきます。
成犬期…ダーク・スチール・ブルー&タン
成犬に近づくにつれて、ブラックは艶のあるスチール・ブルー(青みがかったグレー)やシルバーに、タンはゴールドへと変化します。この色合いは、一般社団法人・ジャパンケネルクラブによる公認カラーとして「ダーク・スチール・ブルー&タン」と呼ばれています。毛色の変化は毛の根本から始まり、最終的な毛色になるまで2年ほどかかります。
【被毛の特徴】
通常、犬の被毛は皮膚を守るための「オーバーコート」と、寒さから身を守るための「アンダーコート」の2重構造もっており、春と秋の換毛期になるとアンダーコートが生え変わるため毛が抜け落ちます。
しかし、ヨークシャー・テリアの被毛はオーバーコートのみが生える「シングルコート」です。アンダーコートが生えてないため、寒暖差が苦手で、防寒のために被毛はまっすぐ長く伸び、換毛期がありません。毛質は「シルキーコート」と呼ばれるほどたいへんソフトで、絹のような光沢があります。細いためもつれやすいのが特徴です。
【主なカット】
シルクのような美しい被毛は、カットの仕方によってさまざまなスタイルを楽しめるのも魅力のひとつです。愛犬の骨格やサイズに合わせて、一番似合うカットを見つけてみましょう。

フルコート
被毛を長くまっすぐに伸ばすことで、被毛の美しさが最も際立つカットです。被毛が長い分、美しさを維持するために欠かせない毎日のお手入れを、愛犬と飼い主ともにストレスなくできる場合におすすめです。手入れが少し大変と思われる方は、季節に合わせてカットを楽しんでもよいでしょう。

セミロング
顔の周りや頭頂、または耳の毛のみを長く保つことで、さまざまなアレンジができる人気のスタイルです。

サマーカット
全体的にすっきりと短くするカットです。短いのでお手入れが楽になるメリットがある一方、皮膚がデリケートな犬は紫外線やバリカンで皮膚が傷ついてしまうことも。被毛には皮膚を守る役目があることも考慮してカットしましょう。

ライオンカット
ライオンのように顔から首まわりにかけて毛を長めに残し、胴は短めにカットします。短くカットするスタイルで、サマーカットに含まれます。

シュナウザーカット
きりっとしたクールな仕上がりになるカット。眉の上の毛を残し、口回りの毛をシュナウザーのように四角くカットするスタイルです。
他にも顔と耳周りを丸くカットし、大きな耳を強調させる「ミッキーマウスカット」や、トップの長いコートを生かしてゴムで結んだり、三つ編みにしておしゃれにアレンジすることもできます。
監修/石井香絵(旧姓:牧口)先生(獣医師)
ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets代表
AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員
神戸ロイヤルグルーミング学院 犬猫行動学講義担当講師
麻布大学 獣医学部獣医学科卒業
犬猫の問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナーやテレビ協力、雑誌「NJK」(ホーピスト)や「trim」(エデュワードプレス)、Web媒体にて、犬の行動学についての記事を執筆するなど幅広く活躍。著書に「愛犬をやさしく癒すクリスタルヒーリング」(エー・ディー・サマーズ)。行動治療にホリスティックケア(メディカルハーブ、フラワーレメディ、レイキ、アニマルコミュニケーションなど)を取り入れ動物たちに優しい治療を行っている。
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