ヨークシャー・テリア(ヨーキー)の平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

chicoどうぶつ診療所所長。体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、往診・カウンセリング専門の動物病院を開設。

ヨークシャー・テリア(ヨーキー)の平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

小柄でかわいらしい外見から大人気の犬種、ヨークシャー・テリア(ヨーキー)。非常に賢く、活発な一面を持つテリア犬の一種です。そんなヨークシャー・テリアの平均寿命や長生きの秘訣、かかりやすい病気とその予防方法などを、chicoどうぶつ診療所の所長で獣医師の林美彩先生に解説していただきました。

ヨークシャー・テリアの平均寿命、最高寿命はどれくらい?

ヨークシャー・テリアの平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】ヨークシャー・テリアの平均寿命は1316歳と言われています。世界での最高年齢では25歳と言われています。一般的な犬の寿命が1013歳なので、他の犬種と比べて、長生きする犬種です。

避妊手術、去勢手術を行うと寿命が伸びる?

避妊手術去勢手術をすることで犬の寿命を延ばすことができる」といった話を耳にしたことがあるかもしれません。子宮腫瘍や前立腺肥大など、避妊や去勢によって防げる疾患もあるので、その点では寿命が延びる可能性はありますが、全身麻酔によるトラブルやホルモンバランスの変化によって肥満が引き起こされるなどのデメリットもあります。なので、避妊手術や去勢手術を受けることが寿命を延ばすことに直結する、とは考えにくいのが実際のところです。

人間でいうと何歳?ヨークシャー・テリアの年齢換算表

まず、ヨークシャー・テリアの一生で、体調変化が起こりやすい時期を把握してみましょう。人間と同じく、ケガや健康管理に注意するべきなのはシニア期です。では、何歳くらいからがシニア期なのでしょうか。ヨークシャー・テリアの生後1か月~10歳までの年齢を人間の年齢に換算した表を見てみましょう。

ヨークシャー・テリア 人間
生後1か月 赤ん坊
生後3か月 幼児
生後6か月 小学生
1歳 15歳
2歳 24歳
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳

 

表の通り、生後7年経った頃には人間の年齢で44歳。ヨークシャー・テリアの場合、この年齢以降がシニア期と考えられます。

シニア期のヨークシャー・テリアが気をつけること

ヨークシャー・テリアの平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】体調変化の起こりやすいシニア期に入ったヨークシャー・テリアと一緒に生活する際には以下のことに気をつけましょう。

ケガをしにくい環境をつくる

まず、シニア期になると関節が非常に弱くなります。ケガ防止のために、犬の生活スペースの床を滑りづらくなるコルクマットに変更する、階段から落ちないように柵を設けるなど生活環境を見直しましょう。

肥満にならないようにする

人間と同じく犬も肥満はさまざまな疾患の原因となります。肥満にならないように適度な運動をしたり、体重の管理をすることが大切です。

ヨークシャー・テリアの寿命を縮めてしまう要因は?

ヨークシャー・テリアの寿命は、さまざまな要因で縮んでしまうことがあります。主な要因は次の3点が挙げられるでしょう。

ストレス

人間と同じく、ストレスによって免疫のバランスが崩れると、さまざまな疾患につながります。

肥満

体重が増え過ぎると関節への負担が増えたり、気管が圧迫されたりすることも。その結果、関節系疾患、呼吸器疾患、結石のリスクが高まることが懸念されます。また、肥満は炎症反応を引き起こすとも言われ、体内の炎症が続くことにより腫瘍の発生につながるとも考えられています。

運動不足

運動量が少ないと肥満になりやすくなります。また、筋力が低下することで代謝が落ち、体温が下がり、免疫細胞が働きにくくなることで疾患のリスクが高くなります。

ヨークシャー・テリアがかかりやすい病気は?

ヨークシャー・テリアの平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】長生きのためには、病気にも注意して健康に過ごすことが重要です。ヨークシャー・テリアがかかりやすい病気について、その症状や予防方法、治療方法をチェックしていきましょう。

膝蓋骨脱臼

膝の前面を保護している膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう状態のこと。ヨークシャー・テリアでは膝蓋骨が内側に外れるケースがほとんどです。原因は膝の骨がはまる部分である滑車溝が浅い場合や、成長期の骨や靱帯の形成異常といった先天性のもののほか、交通事故や高所からの転落、肥満による影響などにより後天的に起こる場合があります。治療方法は手術を行うか、内服薬やレーザーでの治療が挙げられます。また、体重の管理などにより発生を防ぐことも可能です。

心臓病(僧帽弁閉鎖不全)

左心房と左心室の間にある「逆流弁」(僧帽弁)がうまく閉じなくなることで、血液の逆流・乱流が起きる病気。特にシニア期に発症しやすい疾患です。心臓に負担がかからないように肥満に気を付けつつ、シニア期には激しい運動は控えることで予防するようにしましょう。治療方法としては薬の内服が一般的です。

尿石症

尿に含まれるミネラル成分が結晶化し、結晶から結石になったものが、腎臓や膀胱、尿道などで見られる疾患です。原因は水分不足や尿路の細菌感染、後述する門脈シャントなど多岐にわたります。治療方法は食事療法や、薬による結石の溶解が挙げられます。これらの治療法では取り除けない場合、結石を除去する手術を行うこともあります。

気管虚脱

気管がつぶれることで呼吸がうまくできなくなる疾患です。小型犬でよく見られ、年齢にあまり関係なく発症します。原因は未解明な点が多いのですが、後天的原因であれば肥満や腫瘍による気管圧迫のほか、軟骨細胞や軟骨の状態変化なども原因と考えられています。治療方法は投薬が基本となりますが、あまりに重度なら外科手術を行う場合があります。ただし、手術ができる病院は限られるため、一般的ではありません。

門脈-体循環シャント

「門脈」とは、小腸で吸収した栄養分を肝臓に運ぶ血管のこと。ここに異常が生じることで、小腸で吸収された有毒物質が肝臓を経由せず全身に循環してしまい、尿石症、食後の発作、被毛のごわつきなどさまざまな症状が起こります。原因は先天性のものと、肝臓の繊維化や体内の炎症などの後天性のものがあります。特にヨークシャー・テリアは遺伝が原因での発症が多いと言われているので注意が必要です。治療方法は異常を起こしている血管を閉じる外科手術で、それが難しい場合は投薬治療や食事療法を取り入れます。

水頭症

脳内の髄液が増えることで、脳が圧迫されてしまう疾患。圧迫される脳の部位によって、ふらつきやてんかんなどのさまざまな症状が起こります。原因は先天的なものがほとんどですが、交通事故や転落などによって頭部が損傷することで発症する場合もあります。ステロイドや利尿剤などの投薬による治療や、投薬治療の効果がない場合には手術を行うことがあります。

ヨークシャー・テリアを長生きさせる秘訣は?

ヨークシャー・テリアの平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】病気予防のほかにも、ヨークシャー・テリアを長生きさせるために、暮らしのなかでできることがあります。以下のようなポイントに気をつけるようにしましょう。

適度な運動を欠かさない

適度な運動はストレス発散や体重管理、筋力維持などへの効果が期待できます。ただし、運動の無理強いはしないようにしましょう。特に心臓に関する疾患や、関節炎などの体の不調を抱えている場合には注意が必要です。

ストレスを溜めないようにする

ストレスはさまざまな疾患の要因になるので、愛犬がストレス溜めないように定期的に発散させることが重要。部屋の照度やにおい、室温や湿度などに配慮し、犬にとって心地よい生活環境になるように見直してみましょう。運動や飼い主とのコミュニケーションを適度にとることも意識するといいですね。ただ、こうしたことも犬にとってストレスになってしまう場合があります。ストレスが溜まっていないか、犬の状態を定期的にチェックするとよいでしょう。

食事に気を付ける

ヨークシャー・テリアを長生きさせるためには、日々の食事について注意することも大事です。

肥満にならないように体重管理に注意

食事についてはさまざまなことが言えますが、特にお伝えしたいのは、肥満にならないように体重管理に注意すべきということです。普段の食事量やおやつの量に気を付け、日々の摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように気をつけるとよいでしょう。

カルシウムを摂取させる

ヨークシャーテリアは骨の弱い犬種なので、骨折などを防ぐために普段の食事でカルシウム、リン、鉄分を摂取させるとよいでしょう。これらの成分の吸収を助けてくれるビタミンD(いわしやしらすなどに含まれています)も一緒に摂取するとより効果が期待できます。

日常的に適度なお手入れをする

綺麗なロングコートを持つヨークシャー・テリアは、毛玉や皮膚炎が生じやすい犬種。ブラッシングなど定期的なお手入れをすることで皮膚疾患などの予防につなげられます。ただし、シャンプーやカット、爪切り、耳掃除などは、慣れないと体へ負担となることがあるので、自宅で行わずサロンに任せるなどして、無理に行うことはないように心掛けましょう。

定期的な健康診断

血液検査や画像検査では、外見上ではわからなかった疾患を発見できることがあります。シニア犬になってきたら半年に1回程度の頻度で検査を受けるのがおすすめです。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

ヨークシャー・テリアの長生きの秘訣は、適度な運動やストレス発散、お手入れ、定期的な受診などが挙げられます。日々の様子をしっかりと見守りながら、細かな様子の変化を見逃さないようにしましょう。また定期的にお手入れすることも心掛けながら、愛犬とこれからも楽しい暮らしを過ごしてくださいね。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会獣医ホリスティック医療研究会所属

 

大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)などの著書がある。

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