【獣医師監修】犬のあくびの理由は?仕草に隠された意味や病気の可能性、対処法などを解説

【獣医師監修】犬のあくびの理由は?仕草に隠された意味や病気の可能性、対処法などを解説

犬が時々しているあくび。リラックスしている姿に癒される人も多いのではないでしょうか。実は犬のあくびには種類があり、リラックスしている時だけではなく、不快や病気のサインである場合も。今回は、獣医師の林美彩先生に教えていただいた、犬のあくびの理由や病気のサインかどうかの見極め方などについて解説していきます。

犬のあくびの理由とは?

人間があくびをする理由は、眠いときやリラックスしているときなどさまざまです。犬も人間と同じように、あくびをする理由がいくつかあります。どんな時に犬があくびをするのか、見ていきましょう。

 

眠いとき

人間が眠気を感じた時にあくびをするように、犬も眠いと思ったら無意識のうちにあくびをします。これは、あくびをすることで脳の血行を良くし、酸素を送りやすくするためです。感情の伴っていない生理的なあくびといえます。

 

自分が落ち着きたい、相手を落ち着かせたい

犬特有のあくびとして、自分が落ち着きたいときや、相手を落ち着かせたいときにあくびをすることがあります。これは、犬同士で行われるカーミングシグナル(ボディーランゲージ)のひとつです。遊んでいて興奮しすぎたり、相手が興奮していたりするときにあくびをすることで、互いに落ち着きをうながします。

 

ストレスがかかっている

犬は、自分を落ち着かせるためにあくびをすることがありますが、落ち着かせたい理由が「ストレスを感じているせい」である場合もあります。動物病院の待ち時間やお散歩中に、知らない人に撫でられてあくびをしていたら、「知らない人に撫でられてストレスを感じている自分を落ち着かせたい」という理由であくびをしているかもしれません。

 

飼い主のあくびにつられた

人間どうしでも一緒にいる人があくびをしたら、つられてあくびが出てしまうことがあります。犬も同じで、家族があくびをしているとつられてしまうことがあります。よほど仲が良くない限り、人間につられてあくびをすることはないので、愛犬が自分につられてあくびをしたら、きちんと愛情を受け取ってくれている証だと思っていいでしょう。

犬のあくびの種類をシーン別に紹介!

犬のあくびの理由は?_あくびする犬
犬があくびをしているところはよく見ますよね。シーンによって理由が異なるので、どんな種類のあくびになるのか見てみましょう。

 

お散歩時のあくび

お散歩の時にあくびをしたら、「疲れている」というサインかもしれません。また、他の犬に会った時にあくびをしている場合は、争う意思がないことを示しています。

 

ドッグランで遊んだ後のあくび

たくさん運動をしたので、脳に酸素を取り込もうとしてあくびをすることがあります。ちょっと疲れているサインでもあるので、少し休ませてあげましょう。

 

叱られている時のあくび

飼い主さんに怒られて、あくびをする犬もいます。叱られているのにあくびをしていると、「全然話を聞いていない!」と怒ってしまう人もいますが、犬からすれば「反省しているからもうやめて」というサインかもしれません。

 

シャンプーやトリミングをしている時のあくび

こちらも上でご紹介した例と同じで、ストレスからあくびをしている可能性があります。シャンプーやトリミングが必要な手入れだとわかっていてもストレスを感じてしまい、自分を落ち着かせるためにあくびをするのです。

病気や体調不良のサインだと考えられる犬のあくびは?

犬は、病気や体調不良のサインとしてあくびをすることもあります。ただのあくびとして見逃していたものが、病気や体調不良のサインだと考えると不安になってしまう飼い主さんもいるかもしれません。

 

普通のあくびとどのような違いがあるのでしょうか?犬があくびをしたときにチェックしたいポイントは下記の通りです。

 

・あくびの回数が極端に増える
・歯茎や舌・口腔内が白っぽい
・いつもと少し様子が違うあくびをする(口の動かし方など)
・震えが見られる
・元気、食欲がない


など、こういった症状が見られたら、病気や体調不良のサインかもしれないので受診したほうが安心です。

犬のあくびから考えられる病気の種類は?

犬のあくびの理由は?_あくびする犬
犬のあくびから考えられる病気はいくつかあります。それぞれ症状が違うので、病気ごとに見ていきましょう。

 

低血糖

血液中の糖分が少ないことで、脳の機能が低下してしまうことを低血糖と呼びます。あくびの特徴は特にありませんが、回数が増えたり、生あくびが増えたりする傾向があります。

 

貧血

血液中の赤血球の中にある、酸素を運ぶ役割をもつヘモグロビンの濃度が低くなった状態。酸素を身体中に運ぶ機能が低下するので、酸欠状態となり、酸素を取り入れようとしてあくびの回数が多くなります。

 

うつ病

うつ病は、長時間のストレスによって自律神経が乱れることが原因です。さまざまな症状が見られますが、症状としてあくびが出る場合には、自分を落ち着かせようとするため回数が多くなります。

 

歯の不調

歯周病や歯肉炎など、口腔内の痛みや歯の不快感で、口の開け方がいつもと違うようなあくびが見られます。痛みを伴うので、あくびの途中で鳴いたりすることもあります。

犬のあくびと一緒にこんな症状が出ていたらすぐに病院へ

生理現象として普通に見られるあくびですが、回数や舌の色など口腔内の状態なども一緒に診るようにすることで、病気の早期発見につながります。あくびの回数や頻度、舌の色(白、紫、赤、ピンク)を日頃からチェックしておきましょう。少しでもおかしいと思ったら早めにかかりつけの動物病院に相談してください。


第2稿:2021年2月15日更新
初稿:2021年1月14日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

さまざまな感情を表す犬のあくび。病気だけではなく、「ストレスがかかっているのでやめてほしい」と飼い主さんに助けを求めているケースもあります。犬はサインを発する以外にSOSを出せません。どんな時にあくびをするのかを知って、犬の気持ちを汲み取ってあげましょう。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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