方法①精神状態を満足させる

──残念ながら、お笑いのプロをもってしても愛犬を笑わせることはできませんでした。果たして、どうすれば愛犬を喜ばせてあげることができるのでしょうか? 佐藤先生に、愛犬を喜ばせるための方法を聞きしました。
佐藤先生:愛犬を喜ばせるためには、愛犬の精神状態を満足させてあげることが一番重要です。
わんちゃんは社会的な動物なので、集中して一緒に遊ぶ時間、お散歩などの運動等、日常生活で刺激を充分に与えてあげて、身体的にも精神的にも普段から満足させてあげることが大切です。

秋山:満足している様子とか喜んでいる様子って、どんな仕草で判断できるんですか?
佐藤先生:一般的に犬が喜んでいる仕草には、目を細める、口角をあげる、寄り添ってくる、前足を伸ばして頭を低くしながらお尻を上げる、お腹を見せて寝転がる、口を舐めるなどがあります。
ただ、犬種・性別・年齢・性格によって違いがあるので、愛犬についてよく理解することが大切です。
例えば、おまめちゃんは柴犬かつ10歳の高齢なので、喜んだり満足したりしていても、洋犬種や若いわんちゃんよりもそっけなく見えると思います。

山名:そうですね。普段からあまりリアクションがないので、僕に遠慮してるんじゃないかって気になることもあります。
佐藤先生:でもおまめちゃんを見ていると、山名さんのことを常に気にして見ているので、飼い主として信頼している、頼っていると感じます。ちょっとそっけなく見えるのは、先ほど言ったように和犬ならではの本能や、元々のクールな性格、また10歳という高齢からだと思います。
プードルやチワワなどの洋犬は尻尾を振ったり、耳を伏せてやってきたり、喜んでいる様子なども分かりやすいですが、和犬の場合はちょっと猫っぽい気まぐれな性格の子がいたりするので、分かりにくいかもしれませんね。
山名:なるほど。飼い主として信頼してくれてるのは嬉しいなぁ。
方法②コマンド

佐藤先生:山名さんとおまめちゃんは、すでに良い関係を築かれていると思いますが、もっと仲良くなるために「コマンド」を教えてあげるのはいかがでしょうか?
山名:コマンド??
佐藤先生:はい。例えば、おやつをあげるときに「見て」って声をかけて顔の前で手のサインを出し、目が合ったらおやつをあげるのはどうでしょうか? こういったコマンドを与えることはワンちゃんの脳への良い刺激になりますし、コミュニケーションの一環にもなるので飼い主さんとの信頼関係をより強くできます。手の動作(ハンドシグナル)を加えることで、ワンちゃんに伝わりやすくなるし、それに年齢を重ねて耳が聞こえにくくなったときにも、意思疎通ができるなどのメリットもあるんですよ。

※写真はイメージです。
山名:へー! やってみたい!

佐藤先生:例えば、私たち人間も、平穏で安心できる日常は素晴らしいものとは思いつつも、ときに刺激が欲しくなりますよね。わんちゃんも同じで、もちろん家族と平穏に暮らすことが一番ですが、それだけだとストレスに繋がる可能性があります。
ですので、刺激を与えてあげることは愛犬を喜ばせるためにもとても大切なんです。コマンドを与える以外にも、知育玩具「コング」なども頭を使って遊ぶおもちゃとして、刺激になるのでおすすめです。

山名:刺激を与えてあげるといいんですね。でも実はおまめはおもちゃに興味がないのか全く遊ばないんです。どうしたらいいですか?
佐藤先生:小さい頃に遊ぶことを教えてもらわなかったわんちゃんは、そもそも遊ぶことを知らないので、どうしたらいいか分からない子も多いんです。なので、そういう子には、飼い主さんがやり方を見せてあげたり、簡単なことから始めてあげたりするがいいかもしれません。
でも、おまめちゃんは10歳で年齢的に落ち着いているので、本当に興味がない可能性もありますね。まずはコマンドからぜひ試してみてください。
山名:おまめ、頑張ろうな!

秋山:反対に、愛犬に対して絶対にしてはいけないことってありますか?
佐藤先生:絶対にしないで欲しいのは、怖がらせることです。怒るときに大声を出したり、叩いたりする人がいますが、叱るのではなく、その行動に代わる正しい行動を教えてあげてください。正しい行動をとったときに「そうそう」と肯定してあげることが大切です。
山名:叱るんじゃなくて、教えてあげるのか!
佐藤先生:他にも何かおまめちゃんのことで気になっていることはありますか?
山名:1つ相談したいんですが、いいですか? 最近すごく気になってることがあって。
佐藤先生:はい。どうぞ。
山名:冒頭でも話したんですが、おまめは妻とは、頭に顔を乗せて寝たり、横に並んでグーンと伸びて一緒に寝るのに、僕にはそういうことをしないんですよ。なんでかなーってずっと気になってて。僕とは、僕の足元か頭のほうでしか添い寝してくれなくて。

おまめちゃんのインスタ写真
佐藤先生:お写真を見せてもらう限り、向かい合わないのは多分、常に背中やお尻を山名さんに向けて寝ているからで、お尻を向けるのは信頼している証拠です。山名さんはちょっとがっくりされておられるようですが、むしろ信頼の証なので、喜ぶべきことだと思いますよ。
奥さんの横で足を伸ばしてごろんと寝ているのは、もともとは丸くなって寝ていたのが、リラックスして足を伸ばす形になったのだと思います。
山名:背中向けて寝るのは信頼の証拠やったんか! めっちゃ嬉しい!!
秋山:よかったなあ!
山名:おまめのこと笑わせられへんかったけど、結果、俺が嬉しいっていう(笑)。