【獣医師監修】犬の体にイボが!?原因や良性と悪性の見分け方、病院に行くべき症状や予防策について解説

【獣医師監修】犬の体にイボが!?原因や良性と悪性の見分け方、病院に行くべき症状や予防策について解説

犬に「イボ」ができるのはよくあることですが、実際に愛犬の顔や体にイボができてしまったら飼い主はどうすればよいのでしょうか? 犬の体にイボができる原因や対処法、予防するために普段の暮らしの中で気をつけるとよいことなどを、chicoどうぶつ診療所所長の獣医師・林美彩先生に解説していただきました。

犬にイボができる原因は?

犬の足先にあるイボ自分の体や顔に「イボ」ができると、うれしい気持ちにはならないもの。まして、愛犬の体にポツッとしたイボを発見したら、飼い主としては「どうしてイボができたのかな?」「何かの病気かな?」などと心配が尽きないかもしれません。

犬のイボは小さいものでは数mm、大きいものでは5cm以上になることも。種類はいくつかあり、良性のイボや悪性のイボ、原因がわかるイボや原因不明のイボなどがあります。

中でも、犬のイボとして多いのが、「パピローマウイルス」(乳頭腫ウイルス)による良性のイボ。パピローマウイルスは人間のイボの原因としても有名で、自然界にほぼ常に存在しているウイルスです。健康体であれば免疫ではね返せるのですが、傷口ができるとそこから体内に入り込んでイボの原因となってしまいます。

他にも、皮膚のターンオーバーが低下したり、免疫力が低下したり、体の巡りが滞ることなども犬のイボの原因になると考えられます。

犬のイボの良性と悪性はどう見分ければいい?

顔や前足にイボのある犬犬のイボには種類がありますが、良性のイボと悪性のイボの見分け方についての目安をご紹介します。実際には、獣医師でなければ判断ができないような難しいケースもありますので、あくまでも目安として参考にしてみてください。


良性のイボの見た目の特徴

良性のイボとは、ウイルス性のイボ、毛穴の上方部分に袋状のものができる「皮膚嚢胞」、皮膚に脂肪の塊のようなものができる「脂肪腫」などのことです。サイズが比較的小さく、柔らかいことが多いです。色は白や肌色など、明るい色みのものがほとんどです。


悪性のイボの見た目の特徴

悪性のイボとは、主に「がん」に進行するようなイボのことです。サイズは小さいものも大きいものもあります。黒・赤黒・紫など暗い色みのもので、感触は硬めのものが多い印象です。また、イボが大きくなるスピードが速いものは、悪性の可能性が高いので注意しましょう。


イボのできやすい犬種やライフステージは?

シー・ズー「愛犬にも今後、イボができることがあるのかな?」と気になったら、参考になるのが犬種や年齢です。イボは犬種や年齢によって、イボのできやすさが変わる傾向があります。


イボができやすい犬種は?

まず、犬種による違いを見てみましょう。犬のイボには種類がありますが、イボの種類によって「できやすい犬種」があることが知られています。例えば「表皮嚢胞」は、シー・ズーミニチュア・シュナウザーなどにできやすい傾向が。「脂肪腫」は通称「シェルティ」として知られるシェットランド・シープドッグや、ラブラドール・レトリーバーで多い印象です。


イボができやすい犬のライフステージは?

年齢層では、シニアが最もイボができやすい年代。老犬になると免疫バランスが崩れたり、体の巡りが滞りやすかったりするため、イボができやすくなるのです。

犬のイボを放置すると危険?

診察される犬犬のイボを見つけたときに、何もしないで放置しておくとどうなるのでしょうか。良性のイボ・悪性のイボ、それぞれについてチェックしてみましょう。


良性のイボを放置すると?

とくに何もしないで様子を見ていても、健康上は問題ありません。ただ、良性のイボでもだんだん大きくなってくることで、部位によっては関節の可動域を狭めてしまうことがあります。また、イボが大きくなると、犬自身もイボが気になり、噛んだりこすりつけたりして出血するといった弊害を生むことも。

犬が出血を繰り返すなど、日常生活にも困るほどになっているなら、動物病院でイボを切除したほうがよい場合もあります。



悪性のイボを放置すると?

悪性のイボは放っておくと、転移するなどして最終的に命にかかわることがあります。放置せずに、すぐに獣医師の診察を受けることが望ましいでしょう。悪性のイボの場合も、病院でイボを切除するなどの治療を行います。


イボは放置せずに動物病院へ!

良性のイボなら、そのまましばらく様子を見ていてもよいことがあります。ただ、ポイントになるのが、良性か悪性か見分けられるかや、イボの種類が見分けられるかということなので、獣医師でないと判断が難しい場合が多いでしょう。ですから、やはりイボが見つかったら動物病院をまず受診するのが基本です。

動物病院では、良性でも出血を繰り返すなど日常生活にも困るほどのイボや、悪性のイボは、「切除したほうがよい」と判断することも。もちろん「とにかく切除!」ということではなく、犬の体力や血液検査結果などから総合的に医師が判断して、処置を考えることになります。

犬のイボはどうケアすべき?

犬のイボに包帯を巻く犬のイボを見つけたら、動物病院で診察を受けることが肝心です。その診察の前後に犬にしてあげたい、家庭でできるケアについてご紹介します。ただし、イボの種類によってはしないほうがよいケアもあるので注意してくださいね。


イボを触らない

まずは、むやみやたらに触らないことが大事! イボは刺激によって腫大することがあるためです。イボにはなるべく触れずに、早めの病院を受診するのが安心です。


獣医師に確認してマッサージ

病院で診察を受けた結果、良性のイボということであれば、体をマッサージして血液や体内の水分の流れを整えてあげることが有効です。ただし、マッサージをしてよいかどうかは獣医師にしっかり相談しておきましょう。


イボのある部分に包帯を巻く

犬自身がイボを気にして、イボを噛んだり壁などにこすり付けたりしてしまうようであれば、出血しないよう、イボのできている部分に包帯を巻くのもよいでしょう。

犬のイボを予防するために普段からできることは?

マッサージされる犬犬にイボができにくくするために、普段から飼い主ができることをご紹介します。


マッサージ

おすすめは、マッサージ。マッサージによって体全体の血流を整えておくことができます。また、マッサージをすることで、小さいイボなどを見つけられることもあり、早期発見にもつながります。


清潔さを保つ

犬の体や生活環境をいつも清潔にしておくも大切です。肌にやさしい犬専用シャンプーを選び、2週間に1回程度はシャンプーをしてあげたり、お出かけをした後にブラッシングをしてあげたりし、皮膚のターンオーバーを促すとよいでしょう。


免疫力を高める

免疫を高めるために、食事の栄養バランスを考え、なるべくストレスを与えないようにするのも効果が期待できます。

専門家のコメント:

イボは、通常の体にはない「異常なもの」。できれば体にできてほしくないものですので、まずは普段から予防を。それでも犬のイボができてしまったら、すぐに動物病院で相談してみるとよいでしょう。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。


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