犬と電車に乗る際の注意点は?鉄道会社ごとのルールやマナー、準備すべきものなどについて解説【獣医師監修】

アメリカ獣医行動学会会員、ペットの行動コンサルテーションHeartHealingforPets代表。問題行動の治療を専門とし臨床に携わる。

犬と電車に乗る際の注意点は?鉄道会社ごとのルールやマナー、準備すべきものなどについて解説【獣医師監修】

補助犬ではなくても、犬と一緒に電車に乗れるのでしょうか? 実は、各鉄道会社のルールを守れば、小型犬であれば一緒に乗ることができるんです。今回は、日本アニマルハートヒーリングケア協会会長で獣医師でもある石井香絵先生に、犬と一緒に電車に乗る際のルールやマナー、注意すべき点を解説していただきました。

犬も電車に乗れるの?

犬も電車に乗ることは可能です。ただし、海外と比べ日本は公共機関を利用する上での規則が少し厳しくなっており、利用する前に各鉄道会社が定めているルールを確認することが必要になります。


身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)は同伴できる?

身体障害者補助犬はペットとして飼われている犬と違い、身体に障害を抱える方々が安全に公共の場所で移動ができるよう、障害者をサポートする訓練を受けているため同伴可能です。また、身体障害者補助犬の場合は、無料で乗車することができます。

どんな犬が電車に乗れるの?

基本的にはそのままでは乗車できず、必ず犬をケージに入れることになります。犬の体が見えないようにフタができる容器に入れる必要があり、フタができないスリングや抱っこ紐での乗車は禁止です。


各鉄道会社の定めるケージのサイズから、「成犬の超小型および小型犬・子犬の超小型犬、小型犬および中型犬」が電車に乗ることができます。大型犬以上の場合、体重や体のサイズから各鉄道会社の定めるケージのサイズでは難しいと判断されるため、乗ることはできないでしょう。


ケージに慣れていない犬の場合、ケージの中で暴れたり吠えたりする可能性があるため、ケージの中でストレスなく過ごせる犬であることも重要です。


シニア犬は小さいころからケージに慣れていれば電車移動は可能ですが、年齢を考慮すると1時間以上の乗車はストレスになるため、長時間の乗車の場合は途中で休憩を入れると安心です。

犬と電車に乗るときの鉄道会社ごとのルールは?

電車犬と一緒の乗車には、料金やケージのサイズが決められています。全鉄道会社共通ではないので、乗る予定の鉄道会社のルールを事前にしっかり調べておきましょう。ここでは首都圏と近畿圏の主要路線の規定を紹介します。

鉄道会社 料金 ケージサイズ 犬とケージを合わせた重量
JR 290円 長さ70cm以内で縦・横・高さの合計が90cm程度 10kg以内
東京メトロ 無料 長さ70cm以内、縦・横・高さの合計が90cm程度 10kg以内
都営地下鉄 無料 縦・横・高さの合計が100cm以内 10kg以内
りんかい線 290円 長さ70cm以内で縦・横・高さの合計が90cm程度 10kg以内
東急電鉄 無料 長さ70cm以内、縦・横・高さの合計が90cm程度 10kg以内
小田急電鉄 無料 長さ70cm以内、縦・横・高さの合計が90cm程度 10kg以内
京王電鉄 無料 長さ70cm以内、縦・横・高さの合計が90cm程度 10kg以内
大阪市営地下鉄 無料 規定なし(小型犬) 規定なし(小型犬)
京阪電鉄 280円 大阪市営地下鉄 10kg以内
阪神電車 290円 大阪市営地下鉄 10kg以内
阪急電車 290円 長さ70cm以内、容積0.025立方m以内 10kg以内

 

料金やケージ以外の条件も、各鉄道会社によって異なりますので、事前に問い合わせるか公式サイトをチェックするなど必ず確認してください。

犬と電車に乗るときに必要なものは?

各鉄道会社のルールでケージに入れることが定められているため、ケージやペット用キャリーバッグが必須です。加えて、途中休憩でケージから出して水を飲ませることも想定し、犬には飼い主を想定できる鑑札、リードとハーネス、トイレ用のクリーナー・ペットシーツ・エチケット袋もあると便利です。

犬と一緒の電車に乗る方法は?

ケージに入れた犬と一緒に電車に乗る

無料の場合であれば、そのまま改札を通過できます。有料の場合は改札口で「普通手回り品」の切符を購入することで、改札を通過することができます。


車内では犬の体の一部がケージから飛び出さないよう、しっかりとケージの中に入れ、ケージは足元または膝の上、立っている場合であれば肩にかけたり手に持ったりし、座席の上に置くことは控えてください。可能であれば、ラッシュ時を避けて乗るのがおすすめです。

犬と電車に乗るとき、守るべきマナーとは?

飼い主自身がマナー違反をしないよう心掛けることが大切です。最低限のマナーとして、電車内で吠えさせない工夫、臭いのエチケットなど、犬が苦手な人が乗車していたらどのような行為が迷惑になるのかを考えましょう。


そのため、事前に各鉄道会社のルールに目を通しておくことが必要となります。マナー違反をする人がいることで、乗車ルールがさらに厳しくなってしまうことは避けたいですよね。

犬と電車に乗る前に準備すべきことは?

ケージに犬を入れて公園にお出かけ

事前に準備しておくことで、トラブルを防ぐことができます。


飼い主の準備

犬がケージに慣れるよう、短時間でもケージに入れてお出かけする練習を行いましょう。「ケージに入れられる=病院に行く」など、ケージと嫌なことがリンクしていると、ケージが苦手になってしまいます。普段からケージでお気に入りの公園に行くなど、ケージがよいこととリンクしていると覚えさせるのがおすすめです。

複数の路線を利用する場合には、各社ごとの犬の乗車ルールを見直しておきましょう。



犬の準備

電車に乗る前にトイレを済ませておくと安心です。子犬のころから排泄をコマンド化し、ペットシーツの上がトイレという認識をさせておくことで、他の場所でもペットシーツを敷いてコマンドを伝えると排泄できるようになります。

犬と電車に乗る際にあると便利なアイテムは?

ケージの中は空気がこもり温度が上がってしまうこともあるため、体温調整できるように保冷剤やブランケット、カイロがあると便利です。

さらに、ケージの中で不安になった犬が吠えたときのために、おもちゃやおやつを詰められるような知育玩具があると安心です。

犬と電車に乗るときの注意点は?

ケージの中で落ち着く犬犬と電車に乗る際には、ルールの遵守や、周囲への配慮に注意しましょう。


犬を興奮させないようにする

大きな音がして急に乗客が入ってくるなど、駅構内や車内は犬にとって刺激が強く興奮しやすい環境です。日ごろから乗客の少ない時間や短時間での乗車など、ケージに入って電車に乗ることを慣らしておきましょう。


犬の体をケージから外に出さないようにする

改札の中に入ったら駅構内では犬をケージから出すことはできません。他の乗客のためにも、ルールを守って乗車しましょう。


乗客には犬が苦手な人もいることを考える

車内には犬が苦手な人がいるかもしれません。他の乗客に不快な思いをさせないためにも、犬の顔や体の一部を出さない、興奮させないようにするのが大切です。


事前にトイレを済ませておく

車内で落ち着いていられるよう犬のトイレは事前に済ませておくとよいです。心配な場合は、ケージの中にペットシーツを敷いておき、犬用のオムツを着用させておくと安心です。事前に排泄をしていないと犬が落ち着かず、嘔吐をしたり吠えたりしてしまう原因にもなります。


犬が電車を嫌がっていたら電車の利用を諦める

車内で犬がストレスを感じて吠えたり体調を崩したりしてしまわないよう、乗車前の体調も考慮しましょう。電車を嫌がっていたら利用を諦める、初めて利用するときには短い時間にするなど、犬へ負担をかけないことが大切です。

乗車中にストレスを感じているときは、ケージ越しに声をかけてあげて安心させてあげるのも効果的です。

犬が乗り物酔いをするときはどうすれば?

乗り物酔いをしやすい犬であれば乗車前の飲食は控え、ケージに慣らす練習を行いましょう。乗り物酔い対策として、ペパーミントやレモン、グレープフルーツなど吐き気を緩和する精油をティッシュに数滴垂らし、ケージの外側に張り付けておくのも効果的です。

専門家のコメント

犬と一緒に電車に乗るには、いくつかのルールや注意点があります。面倒に感じてしまうかもしれませんが、しっかりとルールを守ることで犬や飼い主、周りの乗客も気持ちよく電車を利用することができます。事前に利用したい電車のルールをきちんと把握しておき、気持ちのよい利用を目指しましょう。

監修/石井香絵(旧姓:牧口)先生

監修/石井香絵(旧姓:牧口)先生
AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表。犬猫の問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・執筆活動など幅広く活躍。行動治療にホリスティックケア(メディカルハーブ、フラワーレメディ、レイキ、アニマルコミュニケーションなど)を取り入れ動物たちに優しい治療を行っている。

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