【獣医師監修】わんちゃんとの水遊びを安全に楽しむコツとは?水泳する時の基礎知識や注意点を解説

【獣医師監修】わんちゃんとの水遊びを安全に楽しむコツとは?水泳する時の基礎知識や注意点を解説
いよいよ夏本番。わんちゃんと海や川へお出かけをして一緒に水遊びを楽しもうと考えているオーナーもいらっしゃることでしょう。でも、うちの子は本当に泳げるの? なんて、不安になられているかもしれませんね。今回は、わんちゃんの水泳について知っておきたい基礎知識や注意点などを獣医師の茂木千恵先生に伺ってみました。

そもそも、わんちゃんって泳げるの?

わんちゃんは、基本的に泳げると考えてよいでしょう。というのも、足の指の間には水かきがあり、これは先祖が水に近い環境で暮らしていた名残だと考えられているからです。とはいえ、全てのわんちゃんが100%泳げるという断言はできません。最近のわんちゃんは水につかる機会が少ないためか、愛玩犬や闘犬の中には泳げない子も一定数いるようです。また、名前に「マウンテン・ドッグ」のつく犬種も、山での活動に特化して育種されているため、泳ぐことを苦手にしています。

他にも、体型や犬種によって水泳が難しい子もいます。わんちゃんは基本的に「犬かき」で泳ぐのですが、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、パグなどの筋肉質な犬や、イタリアン・グレーハウンド、ドーベルマンなど脂肪の少ない犬種だと浮力が足りず、うまく泳げないこともあるようです。逆に、肥満の子も脂肪が多すぎてバランスが取れず、動けない……ということも起こり得ます。

ダックスフンドやチワワなども、足が短かったり足が細すぎたりということが原因で泳ぎにくいケースもあります。こういったわんちゃんのオーナーは、水辺に行く際は人一倍気をつけてあげるべきでしょう。

わんちゃんにも水泳が得意な子と苦手な子がいる?

わんちゃんは水泳が得意な子もいれば、逆に苦手な子もいます。それぞれどんなわんちゃんが水泳が得意・苦手なのかご紹介します。

【水泳が得意な犬種】

ニューファンドランド、ポーチュギ-ズ・ウォーター・ドッグ、チェサピーク・ベイ・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、スタンダード・プードル。基本的に猟犬として古くから活動していた犬種は、泳ぐことを得意としているようです。

【骨格的に水泳が苦手な犬種】

・短頭種

パグ、ボストンテリア、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグなど。水につかると、短い鼻と口から呼吸とともに大量に水を吸い込んでしまい、おぼれてしまう危険性が高いです。

・短足種

ダックスフンド、チワワ、コーギー、バセットハウンド、ペキニーズなど。足が短いことで水中での推進力が少なく泳ぐことが難しいことが多いです。

・股関節異形成の犬

股関節をスムーズに動かすことが難しく、沈んでしまうこともあります。

【水泳に向かない状態の犬】

・水恐怖症

過去に水に対してのトラウマがあったり、初めて経験することへの恐怖心がとても高いわんちゃんは、急に水に入れるとパニックを起こしてしまうこともあります。

・シニア犬

シニア犬の場合は、足腰や関節に痛みを持っていることが多く、自力ですいすい泳ぐことが難しい場合があります。

わんちゃんの水泳の練習はどのようにするといいの?

ご自宅でわんちゃんに水泳の練習をさせたいときには、子ども用のビニールプールやお風呂に浅く水を張り、抱っこしながら一緒に入ります。

わんちゃんの両脇を抱えるように抱っこして水の上にかまえると、わんちゃんが水を掻く動作を始めます。その動きが見えたら水中に下ろしましょう。わんちゃんの体を自然に水に浮かせ、オーナーは不安定にならないように脇を軽く支えてください。もし、後ろ足が止まっていたら、オーナーは手で後ろ足を触って動かすようアシストしてあげてください。しっぽを持って安定させてあげるのもよいでしょう。

また、ライフジャケットを用意してあげるのもいい方法です。ライフジャケットの着用に慣れたら、まずは浅い水の中で一緒に遊んであげて、わんちゃんに「水=楽しい場所」と思わせましょう。それから徐々に深いところに入っていって一緒に泳ぐのがオススメです。

わんちゃんに水泳させるときの注意点は?

わんちゃんを泳がせる際に注意したいのは、わんちゃんの体と泳ぐ場所です。

水泳は非常に体力を消耗する運動です。水泳が好きな子は、どんどん泳ぎ続けてしまう傾向にありますが、川や海などで泳ぎ続けて体力をなくし、遠いところに行ってしまった後に戻れなくなってしまうと非常に危険です。特に川や海は水流が強いため、プールよりも疲れやすくなります。また、事故につながらないよう、泳ぐ前には必ずリードを外すこともお忘れなく。

水泳が原因で起こる病気にも注意してください。感染症を引き起こす可能性があるため、死んだ生き物に体をこすりつけることがないよう、目を光らせておきましょう。さらに、レプトスピラ症にも要注意。これは、川遊び中に汚染された水を飲んでしまうことで下痢や嘔吐などを引き起こす病気です。ただし、こちらは犬7種混合ワクチンで予防ができますので、接種しておくと安心でしょう。また、熱中症や低体温症、水を大量に飲んでしまうことで起こる水中毒なども気をつけたいポイントです。

場所については、人間が遊ぶ場合と同様に安全かどうかをしっかりと確認してください。尖った石が多い場所や上流ダムの放流がないか、危険区域でないかなどを下調べしてから行くのがよいでしょう。

わんちゃんに水泳させた後の注意点は?

野外(海や川)で泳いだ後は、真水で体をよく洗ってあげましょう。こうすることで、感染症や皮膚疾患の予防になります。砂やゴミを流し、皮膚からしっかりと洗ってあげてください。洗い終わった後は、毛をしっかりと乾かすのもポイントです。

また、見逃しがちですが、耳の中に水が残っていると中耳炎などになってしまいかねません。水遊びをした後は、耳の中の水気をしっかりと取ってあげましょう。

全身を洗い終えたら、体のチェックもしてあげてください。特に、足の裏はケガや火傷をしやすいので要チェックです。もし出血しているようなら、消毒した上で獣医師さんに診てもらったほうがよいでしょう。

人と同様に、わんちゃんも体が冷えていると頻繁にトイレに行きたくなります。帰路では多めにトイレ休憩をしてあげてください。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

水泳が得意な子もいれば苦手な子もいるというのは人もわんちゃんも同じです。わんちゃんと水辺で遊びたいときには、水に慣れさせてからにするほうがよいでしょう。また、泳ぎ終わったら、その後のケアも万全に。しっかりとしたケアが、愛犬を病気から守ってくれますよ。

監修/茂木千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。フジテレビ系列「モノシリーのとっておき」、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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