犬に食べさせてOKな春が旬のフルーツ10選【獣医師監修】

chicoどうぶつ診療所所長。体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、往診・カウンセリング専門の動物病院を開設。

犬に食べさせてOKな春が旬のフルーツ10選【獣医師監修】

イチゴやマンゴー、メロンなど、春から初夏にかけて旬を迎えるフルーツを「愛犬にお裾分けしてあげたい」と考える方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、犬が食べても大丈夫な春が旬のフルーツについて、chicoどうぶつ診療所所長で獣医師の林美彩先生監修のもと、含まれる栄養素や与える際の注意点などを解説していきます。

いちご

春には露地栽培のものも旬を迎えるいちごは、犬に食べさせることができます。犬に与える時には消化不良を防ぐため、必ずヘタを取り除きます。丸呑みして食道に詰まらせないよう、細かく刻むかペースト状にしてあげましょう。

 

栄養面では、ビタミンCがたっぷり。ただ、犬は体内でビタミンCを生成できるため、ビタミンCを意識して摂取する必要はありません。また、いちごに豊富に含まれる水溶性食物繊維「ペクチン」は、適量であれば腸内環境を整える効果が期待できますが、与えすぎると消化不良につながることも。いちごには糖質も多く、食べ過ぎると肥満の原因にもなることからも、適量にとどめることが大事です。あくまでも時折の「ご褒美」として、ごく少量を与える程度にするといいでしょう。

マンゴー

世界三大美果の一つに数えられるマンゴーも、春から店頭に並び始めます。マンゴーは果物の中でも食物繊維や果糖の含有量がそれほど多くないため、安心して犬に食べさせられます。80%近くが水分でできているため、夏場の水分補給にもぴったりの食材といえるでしょう。

 

ただし、それは果肉だけの話。皮は消化に悪く、体調不良を引き起こすことがあります。また、中心にある種は、犬が食べると窒息したり腸閉塞から腹膜炎になったりして、最悪の場合は死につながってしまう危険性があります。犬に与える時は皮と種は必ず取り除き、果肉だけを食べさせるようにしましょう。

キウイ

キウイは犬に与えて大丈夫なフルーツです。食事中や食後に与えると、キウイに含まれる消化酵素「アクチニジン」がタンパク質を分解し、消化を促進する効果があります。また、目の網膜の健康維持に役立つ「ルテイン」も含むので、目の病気予防にキウイを取り入れてみるのもおすすめ。とは言え、食べ過ぎは下痢嘔吐、肥満の原因になる恐れも。ごく少量にして、毎食与えることは控えたほうが安心です。食べさせる時は消化をよくするため、皮を必ずむきましょう。種は消化しにくいという説があり、白い部分は固い芯が含まれることがあるため、心配な場合はこれらを取り除くとよいでしょう。

メロン

デザートとして人気のメロンは、犬が食べてもOKなフルーツ。メロンに含まれる消化酵素「ククミシン」が消化吸収をサポートするなどメリットも豊富です。品種によってはアミノ酸の一種「GABA」の働きでリラックス効果を得ることも期待できます。

 

気を付けたいのは糖質の含有量が高いこと。低GI食品ですが、食べ過ぎると肥満や糖尿病につながるリスクがあるので、犬に食べさせるのは少量だけにしましょう。食べさせる際は、皮や種、綿を除いた果肉のみを与えます。一口大サイズでは喉に詰まらせる心配があるので、みじん切りにするかジュース状にして与えてもいいでしょう。下痢にならないよう常温で与えるのもおすすめです

オレンジ

オレンジは、犬が喜んで食べてくれる食材の一つ。食欲が落ちている時などにビタミンや水分、糖質を手軽に補給するのに役立ちます。水溶性食物繊維「ペクチン」が豊富なので、便秘の解消も期待できます。ただし、食べ過ぎると下痢や消化不良の原因になるので適量を心掛けましょう。

 

犬にオレンジを与える時に注意したいのは、果肉のみにするということ。皮、種、葉は消化不良を起こすことがあるので取り除きます。皮は残留農薬や防腐剤が付着していることがあるという点でも心配です。果実を小さくカットしたり、すり潰したりして、少量を食べさせるようにしましょう。

びわ

漢方の素材として使われてきた、びわ。抗酸化作用を持つカロテンを含むなど、健康上のメリットがあることから好む方が多いのではないでしょうか。びわは犬に食べさせても大丈夫なフルーツなので、飼い主が食べる時、犬にも少しお裾分けしてあげてもいいでしょう。

 

ただし、犬に与えていいのはびわの果肉だけ。種や葉については、「アミグダリン」という青酸を含む天然の有害物質が含まれています。アミグダリンは嘔吐などの中毒症状を引き起こすことがあり、犬にとって有害な成分。種や皮は絶対に与えないように注意しましょう。

夏みかん

酸味が強い夏みかんは、犬は好まないかもしれません。ですが、犬が夏みかんの実を食べたとしても基本的には問題ありません。夏みかんはマーマレードとして外皮も食べることが多いですが、犬に外皮を与えるのはやめましょう。外皮はもちろん、薄皮や白い筋、種についても消化不良を起こすことがあるので取り除くことが大事です。与えるのは果肉だけで、少量を食べさせるようにしましょう。

 

また、夏みかんには「フラノクマリン」という物質が含まれています。フラノクマリンは一部の薬と飲み合わせが悪く、服用時間をずらしたり数日あけたりして飲んでも影響が出る恐れがあります。犬が投薬治療中の場合は、夏みかんを与えないようにしましょう。

甘夏

甘夏は夏みかんから偶然に派生した品種で、酸味が少なく糖度が高いのが特徴。基本的には犬に与えても大丈夫ですが、果肉だけを食べさせましょう。外皮、薄皮、白い筋、種については消化不良を起こすことがあるので取り除きます。糖分が含まれているので食べ過ぎないよう、適量を心掛けましょう。

 

夏みかんと同様に、甘夏にも「フラノクマリン」が含まれています。フラノクマリンは一部の薬と飲み合わせが悪いので、犬が投薬治療中の場合は甘夏を与えないようにしましょう。どうしても与えたい時は、かかりつけの動物病院で事前に相談をしてみるといいでしょう。

はっさく

はっさくの漢字「八朔」は、旧暦の81日のこと。強い酸味が落ち着くまで収穫後数か月程貯蔵されてから出荷されるので、昔は毎年81日ごろから食べられたことに名前が由来するとされています。今では、おいしく味わえるのは初春から4月中旬ごろです。酸味があり、ほのかな苦味もあるはっさくですが、犬が食べても大丈夫です。

 

夏みかんと同様に、与える時には実だけにし、少量に留めましょう。外皮、薄皮、白い筋、種については消化不良を起こすことがあるので取り除きます。また、はっさくにも「フラノクマリン」が含まれます。一部の薬と飲み合わせが悪いので、犬が投薬治療中の場合ははっさくを与えないようにしましょう。

デコポン

デコポンの正式名称は「不知火(しらぬい)」。デコポンは、犬に安心して与えられるフルーツの一つです。甘みが強くてジューシーなので、犬が大好きな食材になるかもしれません。犬にデコポンを与える時は、果肉だけにしましょう。外皮、薄皮、白い筋、種については消化不良を起こすことがあるので取り除きます。また、糖分を含むため、時折のおやつとして少量を与える程度に留めるといいでしょう。夏みかんなどに含まれる「フラノクマリン」という物質については、デコポンには含まれないので、気にしなくても大丈夫です。

専門家のコメント

フルーツはビタミンやカリウムなどが豊富なものが多いです。健康面でのメリットが期待できますが、持病のある犬の場合は注意が必要なこともあるので、かかりつけの動物病院で必ず事前に相談をしてから食べさせるようにしましょう。注意点を守りながら、春ならではの味覚を愛犬と安心して楽しめるといいですね。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会獣医ホリスティック医療研究会所属

 

大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)などの著書がある。

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