甘えん坊すぎる犬って問題なの?対処法と注意点、分離不安症との違いについても解説【獣医師監修】

甘えん坊すぎる犬って問題なの?対処法と注意点、分離不安症との違いについても解説【獣医師監修】

在宅ワークが増えていることで、愛犬と触れ合う時間がしっかりと取れるのは飼い主にとっては喜ばしいですよね。しかし、ずっと飼い主と一緒にいることで、愛犬が過度に甘えん坊になっていませんか? 他にも「もしかして、うちの子って分離不安症なのでは?」と少し不安になっている人もいるかと思います。今回は、獣医師の丸田香緒里先生に、犬が甘える理由と対処法、また甘えと混同しがちな分離不安症について解説していただきます。

甘えん坊な犬の心理とは?

甘えん坊すぎる犬って問題なの?対処法と注意点、分離不安症との違いについても解説【獣医師監修】犬は飼い主や家族といるのが大好きで、基本的にとても甘えん坊です。犬が甘えてくるときは何かして欲しいことがある場合が多いです。たとえば遊んで欲しい、おやつが欲しいなど自分の要求を伝えたくて甘えてくることが多いので、わがままにならない程度に応えてあげましょう。また、体調が悪かったりするときに急に甘えがちになることもありますので、そんなときは病気のひとつのサインとして、注意してあげるといいでしょう。


特に甘えん坊な犬種はあるの?

犬種による差は基本的にはありませんが、犬の欲求を全て叶えたりしていると、どんどんと甘えん坊でわがままに育っていきますので注意しましょう。

犬が甘えている時のしぐさと心理

犬が甘えたい時のポーズはご存じでしょうか。甘えたい時のしぐさはいろいろですが、可愛らしいしぐさにも意味があります。それぞれのしぐさをしているときに犬がどのような感情を持っていることが多いのかを解説します。


あごをのせてくるしぐさ

心から安心しているときに見せるしぐさです。在宅ワークをしている飼い主さんのじゃまにならないように、足にあごを乗せてリラックスしている犬は多いかもしれません。ある程度、応じた後に満足して自分のスペースの戻るようなら、甘えさせてあげてもかまいません。


そばに寄り添ってくるしぐさ

子犬が母犬に寄り添うように、安心と落ち着きを求めています。飼い主さんへの信頼の現れですね。


お腹をみせるしぐさ

急所であるお腹を見せる行為も、飼い主を信頼して安心しきっている証拠です。甘えてお腹を撫でて欲しい時にもそのようなしぐさをします。


飼い主の跡を追ってくるしぐさ

何かをして欲しい要求があるときに、それを満たされるまでついてくることがあります。様々な理由が考えられるので、察してあげられると良いでしょう。


じっと見つめてくるしぐさ

何かを伝えたいことがあってわかって欲しいときや、不安を感じているときのしぐさです。言葉で伝えられない分、目で訴えています。また、飼い主の気持ちや考えていることを読み取ろうとしているときにもじっと見つめてきます。


鳴いたり、しっぽを振ったりするしぐさ

かまって欲しい、嬉しくてしかたないときの気持ちを表現するしぐさです。鳴き方やしっぽの振り方には様々な種類があり、細かい感情を表現しています。状況と照らし合わせながら、どのような感情を表現しているのか解読していくと、繊細なコミュニケーションを取ることができるようになります。


前足をのせてくるしぐさ

自分にかまって欲しい、注目して欲しい時にするしぐさです。

甘えん坊すぎる犬への対処法とは?

甘えん坊すぎる犬って問題なの?対処法と注意点、分離不安症との違いについても解説【獣医師監修】愛犬が甘えてきてくれるのは飼い主さんにとって嬉しいことですが、飼い主への依存心が強すぎると生活に支障をきたすことがあります。飼い主はメリハリのある対応を心がけて犬との距離感をキープするようにしてください。やらなければならないことがあって、要求に対応できないときは、無理して合わせず無視してかまいません。たとえば、遊んで欲しいなどの要求の場合、取るものもとりあえずといった感じですぐに応えるのではなく、一旦お座りなどのコマンドを出しそれに従わせてから、飼い主に時間ができたときに遊びに誘うようにしましょう。

甘えと混同しがちな分離不安症とは?

甘えん坊すぎる犬って問題なの?対処法と注意点、分離不安症との違いについても解説【獣医師監修】飼い主を困らせるような問題行動が続くと「分離不安症」という病名が付いてしまうことがあります。ただ、分離不安症は、分離不安症は甘えとはまったくの別物で、犬が執着している何か(飼い主である場合が多いです)と離れることに対する極度の不安が引き起こす心の病です。


分離不安症の症状

犬によって分離不安症の症状は異なります。不安そうに飼い主の後を追い回すだけでなく、無駄吠え、パニックを起こす、破壊行為をする、わざと粗相をするなど度を超えた問題行動を起こします。中には自分の尻尾や手足を噛んで傷つけたり、嘔吐下痢を繰り返すこともあります。

「愛犬の分離不安症診断リスト」をチェック!

甘えん坊すぎる犬って問題なの?対処法と注意点、分離不安症との違いについても解説【獣医師監修】愛犬が甘えん坊なのか、分離不安症なのか判断に悩んでいるという飼い主は、こちらのリストの当てはまる項目をチェックしてみてください。

 

1.常に家族が集まっているところにいたがる

2.どこかに預けられることを嫌がる

3.家の中で笑い声を出すとすぐにやってくる

4.かまおうとしても逃げるそぶりを見せたことがない

5.家の中では誰かの後ろをひっついている

6.いつも飼い主や家族のことを目で追っている

7.友達の犬と遊んでいる時、飼い主が帰るそぶりを見せるとすぐに遊ぶのをやめて帰る

8.ひとりになると体の一部を舐めだす

 

上記の項目の1つでも当てはまる場合は分離不安症の可能性があるので、かかりつけの獣医師に相談してみることをおすすめします。ただし、1〜4の行動に関しては飼い主との好奇心や信頼関係が築けている上での行動とも考えられるので、通常の犬でも見受けられることがあります。


犬の分離不安症の原因

生まれた性格にもよるのですが、生い立ちや環境、しつけなどが引き起こしているケースもあります。可愛いあまり、四六時中べったりくっついているような生活が分離不安症を導いてしまうこともあります。犬が高齢になって発症することも珍しくありません。老犬がまるで赤ちゃん返りのように感じられた場合は、分離不安症を疑ってみるといいかもしれません。


犬の分離不安症の対処法

執着する対象(飼い主)だけが犬の心を占めないように、適度な距離感を保つといいでしょう。犬の心が安定している様子の時をみはからって、飼い主と離れる練習を始めましょう。少しずつ時間を長くしていって慣らし、犬が落ち着ける場所で過ごす練習をしていくといいでしょう。外出から戻ってきた際にすぐに相手をするのもよくありません。お留守番させたい時は、さりげなく当たり前のような態度で接するといいでしょう。また、散歩は体の健康にいいのはもちろん、愛犬と飼い主にとって、大きな気晴らしになりますので積極的に連れて行ってあげましょう。


手に負えなければ獣医師、ドッグトレーナーへの相談を

分離不安症の症状がひどくなってどうしていいかわからなくなってしまう飼い主もいらっしゃるかもしれません。そんな時は、獣医師を頼ってみましょう。心を落ち着かせる精神安定剤のようなお薬を処方してくれることがありますし、行動療法のプログラムを作ってもらうようにお願いすることもできるでしょう。また、ドッグトレーナーの方に相談をするのも非常に有効です。クレートを使ったトレーニングや、コマンドを覚えさせるような行動療法で改善に向かうこともあるでしょう。

専門家のコメント:

犬は家族同様に大切な存在ではありますが、飼い主の生活ペースを乱すような甘えん坊になると困ってしまいますよね。そうならないためには、迎えてからすぐにしつけをきちんと行い、日ごろから愛犬と適度な距離感をもって接するといいでしょう。また甘やかしすぎて、分離不安症になってしまう犬もいますが、高齢になって体力が衰えるなど、ほかのことが原因の場合もあります。分離不安症が疑われたら、決して叱りつけることなく気長に対処していくことが大切です。

監修/丸田香緒里先生(獣医師)


Animal Life Partner代表。
往診専門動物病院アニマルライフパートナー院長。
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。

 

大学卒業後、6年間の横浜市内の動物病院勤務を経て、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partnerを設立。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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