【スペースドッグ】犬の日は、64年前の11月3日に宇宙へ飛び立った犬に想いを馳せる

【スペースドッグ】犬の日は、64年前の11月3日に宇宙へ飛び立った犬に想いを馳せる

2021年9月18日、民間人だけが乗った宇宙船「Crew Dragon」が海面に着水し地球に帰還しました。これは、Inspiration4と名付けられた、世界初の民間人のみの”有人宇宙飛行”が終わった瞬間でした。遡ること64年前の1957年11月3日、1頭の犬を載せた人工衛星「スプートニク2号」が宇宙へ飛び立ったのです。

宇宙へ犬を乗せていった『スプートニク計画』とは

Памятник Лайке на Крите

Doctor Alex Moscow, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons


なぜ人工衛星に犬が搭乗したの?

『スプートニク計画』は、旧ソ連が1950年代後半に進めていた宇宙開発です。当時、アメリカと旧ソ連は冷戦下にあり、宇宙開発の領域でしのぎを削っていたのです。旧ソ連は、地球を回る軌道上に無人の人工衛星を打ち上げることに必死でした。

そんな中、1957年10月に打ち上げられたのが「スプートニク1号」です。さらにその1ヶ月後には、”生物を宇宙へ連れ出すこと”を一つのミッションとし「スプートニク2号」が打ち上げられたのです。この人工衛星内に設けられた気密室には、史上初の宇宙船クルーとして1頭の犬が搭乗しました。宇宙開発には、人工衛星を打ち上げるだけでなく、宇宙空間で動物が生命活動を維持できるのかという研究も含まれていました。

人工衛星に乗った犬の正体

「スプートニク2号」に搭乗した犬は、“ライカ”(または“クドリャフカ”)という名のメス犬でした。人類に先がけて宇宙へ飛び立つこととなり、後に「初めて宇宙を飛行した犬」として世界中で知られる存在になるのです。

”ライカ”を乗せた「スプートニク2号」は、大気圏を抜けて宇宙空間にいたり、約1,600キロ上空の地球軌道上を秒速8キロというスピードで周回しました。旧ソ連にとって悲願であった地球の周回に成功したのです。

”ライカ”はセンサー付きの宇宙服を身に付けていて、その身体情報(脈拍、呼吸、体温など)はリアルタイムで地上に送られてきていたようです。そして約1週間のミッションを完了したライカは、計画通り毒を混ぜたえさを食べて安楽死したと、45年間信じられていました。

”ライカ”の最期、そしてもたらしてくれたもの



ライカが迎えた本当の最期

「スプートニク2号」は、最初から地球に帰還しない運命にありました。技術的に大気圏への再突入を経て地球に戻ってくる機能がそもそもなかったのです。そして、「スプートニク2号」は1958年4月に大気圏に再突入した際、ライカともどもバラバラに崩壊しました。

用意された毒入りの餌を食べて犬生を終えたとされていたライカですが、本当は高熱とストレスにより軌道に乗ってから5時間後には死亡していたらしいということが、2002年になってから明らかになったのです。

ライカの果たした役割とその後の宇宙開発

ライカを皮切りに、多くの動物たちが宇宙に送り出されました。これらの動物が提供した情報は、”宇宙空間で動物が生命活動を維持できる”という可能性を見出しました。

その後、1960年に旧ソ連が打ち上げた「スプートニク5号」には、ベルカとストレルカという2頭の犬が搭乗し、地球を17周した後に帰還しました。さらにその翌年の4月には、犬ではなく人間が搭乗し世界初の宇宙飛行士が誕生しました。これが、「地球は青かった」という言葉を残したユーリ・ガガーリンです。

『犬の日』には空を見上げて想いを馳せる



64年前の夢は今現実に

宇宙で生物が、その生命活動を維持し無事に地球に帰ってくる。64年前には夢だったであろう事が、当たり前になり、民間人でさえ宇宙旅行を楽しめる時代がもう直ぐそこにきています。

そうした進歩の影には、人間の相棒として未知の世界に飛び出て行った犬たちの存在がありました。もちろん自ら志願したわけではありません。「スプートニク2号」に乗り、星となった”ライカ”もその中の一頭です。

犬の日にライカを想う

11月1日は『犬の日』です。自分の相棒である愛犬をもっと可愛がることはもちろん、人間の相棒として64年前の11月3日に宇宙へと飛び立ち、人類に貴重な情報を提供してくれた”ライカ”に想いを馳せる。そんな日にするのも良いかもしれません。

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