世界で最も小さい超小型犬5選とギネス記録犬を紹介【獣医師監修】

世界で最も小さい超小型犬5選とギネス記録犬を紹介【獣医師監修】

平松育子(獣医師)

平松育子(獣医師)

ふくふく動物病院院長。得意分野は皮膚病。飼い主とペットの笑顔につながる診療がモットー。キャバリアと5匹の保護ねこ、わんぱくなロップイヤーと一緒に暮らしている。

限られたスペースでも飼育できるため、日本でも人気の小型犬。そんな小型犬よりさらに小さい、超小型犬の犬種がいることはご存知でしょうか。今回の記事では、ふくふく動物病院 院長の平松育子先生監修のうえ、世界最小の超小型犬を5種類ピックアップし、ギネス記録の例もご紹介します。

目次

  • ・ 超小型犬とはどんな犬?
  • ・ 超小型犬①プラシュスキー・クリサジーク
  • ・ 超小型犬②チワワ
  • ・ 超小型犬③ロシアン・トイ・テリア
  • ・ 超小型犬④ヨークシャー・テリア
  • ・ 超小型犬⑤ポメラニアン
  • ・ 過去のギネス記録にあった、最も小さい犬は?
  • ・ 超小型犬を飼う際のメリット、デメリット

超小型犬とはどんな犬?

成犬になっても10kg以下の体重である「小型犬」の中でも特に小さい犬であり、成犬になっても体重が4kg以下の犬のことを「超小型犬」と言います。

 

よくSNSなどで話題になっているティーカッププードルは、販売上のいわば商品名にあたるもの。実は正式に公認されている犬種ではありません。この記事では、それ以外の代表的な超小型犬の犬種について紹介していきます。

超小型犬①プラシュスキー・クリサジーク

ルーツ 

ボヘミア原産のネズミを駆除する犬「プラーガー・ラトラー」を祖先とします。一時期は絶滅寸前になりましたが1920年代より徐々に頭数が増え、1980年代にプラハで犬種が確立されました。日本へは1998年に輸入が始まりました。

 

平均身長・体重

平均体高:20~23㎝
体重:2~3㎏

 

平均寿命

12~14年

 

外見

ミニチュア・ピンシャーやトイ・マンチェスター・テリアのような外見をしています。四肢は長く細く、耳はミニチュア・ピンシャーの様に尖ったこうもり耳です。被毛はスムース・ヘアード又はミディアム・ロング・ヘアードで、被毛色はブラック、ブラウン、イエロー。タン・マーキング(茶色や黄褐色の模様)は目の上、頬、胸、パスターン(前肢のくるぶしから指までの間、後肢のかかとから指までの間の部分)、手足にみられます。

 

性格の特徴

性格は穏やかで、好奇心に富み、愛情豊かな犬種。家族には非常に友好的ですが、家族以外には遠慮する傾向があります。小さな体ですが敵とみなすと大型犬にも向かっていく勇ましさがあります。

 

飼育の注意点 

一般的なペットショップでは販売していないため、自分でブリーダーを見つける必要があります。手足が細く長いために骨折などの事故が起こりやすいので、注意が必要です。超小型犬ですが運動量を必要とする犬種ですので、しっかり運動しましょう。短毛で寒さに弱いので、冬場は暖房を欠かさずに。

 

飼いやすさ(初心者向きかどうか)

外見はチワワと同じくらいの大きさで、華奢に見えますが筋肉質でしっかりした体型。寒さ対策、骨折などの事故を起こさないように環境を整えることが大切です。家族には友好的ですが、家族以外には警戒することもあるのでそのような性格面の特性を理解することが必要になります。全くの初心者が飼うのは少し難しいと言えるでしょう。

超小型犬②チワワ

ルーツ

チワワのルーツは、メキシコで野生に生息する小型の狐のような犬であったと考えられています。その理由は、メキシコ中部にあるトゥーラの街の遺跡に残されている「テチチ」と呼ばれる小型犬の姿で、この犬の姿が現在のチワワにそっくりです。「チワワ」という名前はメキシコ最大の州であるチワワ州に由来しています。7~9世紀ごろにメキシコで栄えたトルテカ文明時代にトルテカ人と共に暮らすようになり、現在のチワワの原型ができました。

 

平均身長・体重

平均体高:12~20㎝
体重:1.5~3kg

 

平均寿命

14~16歳

 

外見

チワワには、被毛が長くモフモフとした印象の「ロングコートタイプ」と被毛が短い「スムースコートタイプ」の2種類がいます。また、毛色はアメリカケネルクラブに登録されているものだけでも30色。さらに、マーキングと呼ばれる模様の入り方が11種類あり、その組み合わせにより多くの種類が存在します。

 

性格の特徴

チワワは遊びなどの活動性は低めで勇敢な性質を持ち、飼い主への愛着も強い傾向にあります。他の犬とも友好的ですが、知らない人への警戒心は強く、吠えやすい犬種だと言われています。興奮しやすい性質があるため、コントロールが必要です。

 

飼育の注意点

チワワは寒さに弱い犬種であるため、屋外での飼育に向いていません。室内飼いのできる環境を用意しましょう。また、温度変化も弱いため、ある程度一定の室温に保つ必要があります。訓練耐性も低いため、飼い始めた時から一貫した家庭内のルールを作ることも大切です。

 

飼いやすさ(初心者向きかどうか)

チワワは警戒心が強いため、リーダー以外の人に対する攻撃性が高く、服従訓練への反応が低いことから初心者向けの犬種ではないと言われています。子どもへの攻撃性も高い傾向にあるため、子どものいる家庭では噛みつきなどの被害がないよう、対策が必要になります。

超小型犬③ロシアン・トイ・テリア

ルーツ

ロシアン・トイ・テリアはイギリス原産のトイ・マンチェスター・テリアをルーツとしています。トイ・マンチェスター・テリアはイギリスからロシアに持ち込まれ、1900年代はロシア国内で非常に人気のある犬種でしたが、戦争の影響で繁殖が行われなくなり個体数が激減しました。その後、ロシア国内でこの犬種を残そうと再び繁殖が行われるようになります。徐々にもともとのトイ・マンチェスター・テリアの姿から外れて行く過程で誕生したのが、ロシアン・トイ・テリアです。

 

平均身長・体重

平均体高:20~28㎝
体重:1.3~3㎏

 

平均寿命

12年

 

外見

基礎となるトイ・マンチェスター・テリアにチワワやパピヨンなどを交配して作出した犬種で、様々な犬種の特徴を引き継いでいます。骨格は華奢で体型のわりに足が長く、引き締まった筋肉を持ちます。被毛のタイプには「ロングコート」と「スムースコート」があり、ロングコートの場合はパピヨンのような耳を持ちます。スムースコートの場合はチワワの耳介を少し大きくしたような立ち耳です。被毛色はブラック・アンド・タン、ブラウン・アンド・タン、ブルー・アンド・タンが代表的なものとなります。

 

性格の特徴

とても活発で陽気な性格です。元気なだけでなく利口で落ち着きのある一面もありますので、しつけも比較的しやすいでしょう。ロングコートの場合は穏やかで優しい性格の子が多く、スムースコートの場合は気が強くはっきりした性格の子が多い傾向にあります。

 

飼育の注意点

一般的なペットショップでは販売していないため、自分でブリーダーを見つける必要があります。ロシアン・トイ・テリアは足が長く、華奢な体型です。活発で跳ねるように歩きますので、何かに足を引っかけたり、転倒するなどが原因で骨折する可能性があります。生活環境内に危険個所がないようにしましょう。

スムースコートの場合は抜け毛が少なくトリミングの必要がない犬種ですが、ロングコートの場合は毛の長い部分のブラッシングをまめに行わないと毛玉ができやすいので注意が必要です。

 

飼いやすさ(初心者向きかどうか)

体格が小さいので集合住宅などでも飼いやすい犬種です。活発で元気なので飼いやすく、また利口な犬種でしつけもしやすいでしょう。性格面では、ロングコートの方が穏やかで優しい傾向がありますので、初心者はロングコートの子から飼うほうがよいかもしれません。

超小型犬④ヨークシャー・テリア

ルーツ

ヨークシャー・テリアはイングリッシュ・テリア、スコッチ・テリア、マルチーズなどを交配して生まれた比較的新しい犬種です。もともとは、19世紀中頃にイギリスのヨークシャー地方の工業地帯で、ねずみ捕りをするための犬として活躍していました。当時のサイズは現在のヨークシャー・テリアよりも大きかったと言われています。

 

平均身長・体重

平均体高:18~23㎝
体重:2~3kg

 

平均寿命

13~16歳

 

外見

「動く宝石」とも呼ばれる、光沢ある美しい被毛の犬種。長い被毛で左右均等にまっすぐ垂れます。分け目は鼻から尻尾まで直線で伸びています。毛の色は成長と共に変わり、生涯で7回変化すると言われています。

 

性格の特徴

活発で警戒心が強い犬種です。ねずみ捕りをしていたルーツを持つだけあり、勇敢で気が強い一面も。十分に運動や遊びの時間を確保して、エネルギーを発散させてあげましょう。

 

飼育の注意点

被毛の長い犬種であるため、毛玉ができないよう毎日のブラッシングが欠かせません。また、家庭でのシャンプーだけでなく、定期的にトリミングに行く必要があります。

 

飼いやすさ(初心者向きかどうか)

活動レベルが高く、他の犬への攻撃性も高いため、初心者向きの犬とは言えません。無駄吠えなどのしつけや、日常的な被毛のお手入れをしっかりできる人に向いています。

超小型犬⑤ポメラニアン

ルーツ

ポメラニアンのルーツは、大型犬のサモエドだと言われています。サモエドはシベリアを原産とする、全身が白い長毛に覆われた犬種です。サモエドの子孫はロシア北部からドイツ東部~ポーランド北部にまたがるポメラニア地方に持ち込まれ、ジャーマンスピッツと呼ばれるようになりました。当時、ジャーマンスピッツはサイズごとに分類されましたが、その中で3番目に大きかったのがジャーマン・ミッテル・スピッツ。これがイギリスに渡って小型化されたものが、ポメラニアンの基礎となった犬種とされています。

 

平均身長・体重

平均体高:18~22㎝
体重:1.8~2.3㎏

 

平均寿命

12~16歳

 

外見

豊富な下毛による被毛が特徴で、まっすぐで豊かな毛並みをしています。特にたてがみのような顎周りのカラーや毛の量が豊富な尻尾が印象的。また、耳は小さく、耳同士の間隔が狭いのも特徴になります。代表的な毛色は、ホワイト、ブラック、ブラウン、オレンジ、グレーですが、その他の毛色もあります。

 

性格の特徴

ポメラニアンは、基本的に元気で明るくフレンドリーな性格をしています。猟犬であるサモエドの血を引いているため、勇敢な面もあり、家族など一緒に暮らしている人を危険から守ろうとする傾向も。好奇心旺盛で理解力が高いため、お手などの芸を喜んで覚える子が多いのも特徴です。

 

飼育の注意点

ポメラニアンは肺活量が豊富なため、散歩は必須です。1日に最低2回は散歩に行くようにしましょう。また、骨折しやすい犬種であるため、子どもや大型犬と遊ばせる際には注意が必要です。抜け毛も多いため、部屋の掃除をこまめにするようにしましょう。

 

飼いやすさ(初心者向きかどうか)

ポメラニアンは賢い犬種であるため、しつけをしっかりすれば飼いやすい犬種と言えます。しかし、吠えやすい犬種であり、好奇心が旺盛なため、いたずらをしやすい点が。被毛のお手入れも手がかかることから、犬のためにしっかりと時間を確保できる人に向いているでしょう。

過去のギネス記録にあった、最も小さい犬は?

ここまで超小型犬の主な犬種について見てきましたが、そんな超小型犬よりもさらに小さい、過去のギネス記録にあった最も小さい犬をご紹介します。

 

チワワのヘブンセントブランディ(世界一小さい犬・体長部門)

チワワのヘブンセントブランディは、世界一小さい犬の体長部門のギネス記録を持つ犬の名前です。2005年の計測では、体長15.2cm、体重900gで世界最小でした。小さいがゆえに骨格が華奢で肺が小さいため吠えることができません。しかし、そのかわいらしい外見で、全米に多くのファンを持つ犬でもあります。

 

チワワのミラクルミリー(世界一小さい犬・体高部門)

ミラクルミリーは、「世界一小さい犬・体高部門」のギネス記録保持犬です。2013年2月の時点で、体高9.65㎝、体重450gでした。生まれた時はスプーンに乗るくらい小さく、ミルクは目薬の容器を使って与えていたと言われています。
月齢4か月の時には、6.57cmで体重はわずか170g。なんと、一般的なスマートフォンとほぼ変わらない重さです。

超小型犬を飼う際のメリット、デメリット

超小型犬の特徴についてはおおまかに理解できたかと思いますが、超小型犬を飼うにあたって、どんなメリット・デメリットがあるのかも確認してみましょう。

 

メリット

限られたスペースでも飼育できる

超小型犬は体格が小さいため運動するスペースも小さくてすみます。また、サークルやトイレなども大きなものは必要としません。

 

キャリーに入れられるので、お出かけさせやすい

体重が軽いので、キャリーやスリングに入れて一緒にお出かけしやすいです。

 

食費が少なめ

体重10㎏の犬の1日の食事量はおおよそ140g。対して体重が約2㎏の犬の1日の食事量は約45gであると言われています。これはフードの種類によって異なりますが、1日の食事量が少量のため食費が少なくなります。

 

シャンプーなどのお手入れがしやすい

体格が小さいのでシャンプーやドライヤー、グルーミングなども比較的短時間で手早くできます。

 

デメリット

体がデリケート

超小型犬は華奢な体型をしているため、少しの衝撃でも大きな怪我が起こりやすいです。また、嘔吐下痢を起こすと、脱水症状になりやすいといった心配も。些細な体調不良でも早めに病院へ連れていかないと重症になる場合があります。

 

無駄吠えすることが多い

警戒心の強さから知らない環境や人、物音に対して敏感に反応しがちです。そのため、近寄ってほしくないという気持ちの現れから威嚇したり吠えたりする場合があります。

専門家の コメント:

超小型犬は、中型犬以上の体格の犬種に比較すると運動量も多くなく食事量も少ないので飼い主の負担は小さくなります。ですが、骨格は華奢な犬が多く、何かの衝撃で骨折などの事故が起こりやすいことも確かです。また、小ささを維持するために改良が加えられていることも否めません。長く一緒にいるためにも、定期的に健康診断に行き、気になることがあれば様子を見ないで診察を受けるなど、ケアを欠かさないようにしましょう。

監修/平松育子先生(獣医師)

監修/平松育子先生(獣医師)
山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、山口市内でふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。キャバリアと5人の保護ねこさん、わんぱくすぎるロップイヤーと一緒に暮らしています。

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