柴犬が笑顔になる理由は?行動の裏にある心理を解説【獣医師監修】

柴犬が笑顔になる理由は?行動の裏にある心理を解説【獣医師監修】

気持ち・生態

2022年09月10日 更新 (2022年03月15日 公開)

かどのペットクリニック院長。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

柴犬が笑顔になる理由は?行動の裏にある心理を解説【獣医師監修】

柴犬が笑顔になる理由は?

人間が笑顔になるときに理由があるように、柴犬にも笑顔になる理由があります。ここでは、大きくわけて4つ紹介します。

 

楽しいときや、リラックスしているとき

楽しいときは興奮して口角が上がり、リラックスしているときは表情がゆるみ、笑顔に見えることがあります。

 

興奮して遊びに誘っているとき

興奮すると自然と口角が上がるので、笑顔になっているかのように楽しげな表情を見せます。

 

飼い主を信頼しているとき

信頼している飼い主の前ではリラックスできるので、表情がゆるんで笑顔に見えることがあります。

 

飼い主の表情を真似しているとき

柴犬が飼い主のことが大好きな場合、飼い主の笑顔を真似して口角の上がった笑顔のような表情になることがあります。

柴犬が嬉しがっているときの身体の特徴は?

柴犬が嬉しがっているときの身体の特徴は?

柴犬が嬉しがっているときは、表情以外にもハッピーなサインが表れます。それぞれパーツ別に特徴があるので、照らし合わせてみましょう。

 

喜んでいるとき、嬉しいときは、笑っているかのように目を細めることがあります。また、おやつ散歩グッズなど、柴犬の好むものを見せたときには目をらんらんと輝かせるかもしれません。

 

正面から見るとまるで耳がないように見えるくらい、耳を後ろにぺたんと倒すことがあります。倒した耳の形が飛行機のように見えることから、「ヒコーキ耳」と呼ばれることも。ただし、これは恐怖を感じたり警戒したりしているときなどにもする仕草なので、どちらなのかはほかの仕草も合わせて判断しましょう。また、飼い主の行動に期待しているとき(おやつや散歩など)には耳をピンと立てることもあります。

 

姿勢

上半身を伏せてお尻を上げるような姿勢をすることがあります。嬉しくて遊びに誘っているサインでもあるでしょう。

 

尻尾

大きく高く上げて、左右に振ることが多いです。

 

「クーンクーン」と鼻を鳴らすような甘えた鳴き声を出すことがあります。

柴犬が他の犬種よりも笑顔になっているように見える理由は?

「中型犬で顔にある程度の大きさがあるため、表情の変化が見えやすい」というのが理由の一つとして挙げられます。また、柴犬は和犬らしく一度飼い主と信頼関係を築くと忠誠心を尽くす傾向があるので、飼い主との間に強い絆が築けていると笑顔を見せる頻度が高いように感じるのでしょう。

柴犬を笑顔にさせる方法は?

柴犬を笑顔にさせる方法は?

柴犬の笑顔を見たいとき、飼い主にできるおすすめの方法を2つ紹介します。

 

柴犬が笑った瞬間におやつをあげてしっかり褒める

愛犬が「何よりもおやつが好き」というタイプであれば、この方法が有効です。笑顔とおやつを結びつけて理解させる必要があるので、笑顔になった瞬間におやつを与えること、そして笑顔になったら毎回おやつを与えること、を繰り返してくださいね。例外をつくると、「理由はわからないけれどおやつをもらえた!」という解釈になってしまう可能性もあるので気をつけましょう。

 

飼い主も笑顔で柴犬を見つめる

飼い主と柴犬との間で信頼関係が築けている場合、柴犬は飼い主の表情を真似することがあります。柴犬は忠誠心が強く、飼い主が喜んでくれている姿を見ると嬉しく思う傾向にあります。何か一緒に楽しんでいるとき、よいことをしたときなどに笑顔で接すると、同じように笑顔の表情を真似てくれるかもしれません。

柴犬以外の笑顔になっているように見える犬種は?

柴犬以外にも、笑っているように見える犬種がいます。ここでは、3種類を紹介します。

 

サモエド

顔のパーツのバランスから笑顔に見えやすい犬種です。もともと口角が上がって笑っているような表情をしていて、サモエドの笑顔は「サモエドスマイル」とも呼ばれます。また、性格も穏やかです。

 

フレンチ・ブルドッグ

明るく活発な性格の子が多いフレンチ・ブルドッグも笑顔がよく見られる犬種と言われています。興奮すると口角が上がること、唇のラインが大きいことが、笑顔に見えやすい理由でしょう。

 

ボストン・テリア

温和で人なつこく、愛嬌のある性格と言われるボストン・テリア。フレンチブルドッグと同様、短頭種(マズルと呼ばれる鼻から口先にかけての部分の短い犬種)で笑顔が見られることが多い犬種と言われています。性格による部分もありますが、興奮したときの口角の上がり方や口を開ける様子などが、顔のパーツのバランスによって笑顔に見えやすいです。

実は笑顔じゃない!?注意すべき柴犬の表情は?

実は笑顔じゃない!?注意すべき柴犬の表情は?

ここまでは柴犬の笑顔や喜びを表す仕草などをお伝えしました。では、「笑顔のようで、実は笑顔ではなかった!」というような気を付けるべき表情はあるのでしょうか。

 

鼻にしわが寄り、口角が上がっている

ネガティブな意味で興奮している可能性が高く、怒っているのかもしれません。まずは飼い主のそばへ座らせて伏せなどをさせてください。その際、声かけはせずに落ち着かせましょう。

 

口元が緩んで開いている

人間でいうところの「ぼーっとしている」表情で、リラックスして甘えていたり、眠くなったりしているのかもしれません。この表情を見せているときは、興奮させずにゆっくりさせてあげましょう。

 

歯が露出している

怒っている可能性があります。そのため、相手のアクション次第ではけんかになったり噛みついたりするケースがあるでしょう。この表情を見せているときには怒っている対象のものと距離をとり、速やかにトラブルを避けてください。歯を露出させるまでに、鼻にしわを寄せたり口周りをひくひくさせたりなどの前触れがあるはずなので、飼い主はその前兆をキャッチできるようにしましょう。

 

舌が口から垂れ下がっている

暑かったり、興奮して呼吸が上がったりしているのかもしれません。まずは室温を下げ、落ち着かせてあげてください。同じ状態がずっと続くようであれば何か異常がある可能性も考えられるので、心配な場合は受診も検討しましょう。


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