犬に餅を与えても大丈夫?喉に詰まらせる危険性や誤飲時の対処法などを解説【獣医師監修】

犬に餅を与えても大丈夫?喉に詰まらせる危険性や誤飲時の対処法などを解説【獣医師監修】

お正月の定番の食べ物である餅。愛犬と一緒に味わいたいという人もいるかもしれませんが、人間でさえ喉に詰まらせて窒息する可能性があるので、犬に与えるには不安のある食べ物ですよね。この記事では、犬に餅を与えても大丈夫なのか、誤飲したときの対処法などを、バーニー動物病院千林分院分院長、堂山有里先生に解説していただきます。

監修/堂山有里先生(獣医師)

バーニー動物病院千林分院分院長。日本獣医動物行動研究会、獣医皮膚科学会所属。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行いペットと人が幸せに暮らすお手伝いをしている。

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犬に餅を与えても大丈夫?

基本的には犬に餅を食べさせてはいけません。主な理由を以下にまとめましたので、それぞれ見ていきましょう。

 

喉に詰まる恐れがある

犬は人間のようにものをよく噛んで食べる習性がありません。また、餅は粘質性が高く、丸飲みすると喉に詰まることがあり、呼吸困難や食道閉塞を起こす可能性があります。

 

消化管に詰まる恐れがある

仮に喉や食道に詰まらずに飲み込めたとしても、消化管に詰まることがあります。特に小型犬の小腸は直径1cmほどしかない細い管状の臓器で、小さな物でも詰まる可能性があるので注意が必要です。

 

アレルギーを発症する恐れがある

餅の原材料はもち米です。米はアレルギーを起こすことは少ない食材ですが、全くないという訳ではありません。米にアレルギーがある犬が餅を食べれば下痢嘔吐、体をかゆがるなどのアレルギー症状がでます。

 

消化不良を起こす

餅は米を硬くつぶして固めたものなので、消化に時間がかかります。人間はよく噛むことで消化しやすくしていますが、犬はほとんど噛まないので、餅は犬にとっては非常に消化しにくい食べ物です。そのため犬が餅を食べて消化不良を起こすと、食欲が無くなったり、嘔吐や下痢をしたりする場合があります。ほとんどは一時的な症状ですが、餅を大量に食べた場合などは症状が長引くこともあるので、気をつけましょう。

子犬やシニア犬に餅を与えても大丈夫?

犬に餅を与えても大丈夫?_ぐったりした老犬 子犬やシニア犬にも餅を食べさせてはいけません。子犬やシニア犬は成犬よりも消化能力や咀嚼能力が弱いので、より危険です。

犬が餅を食べてしまったときの応急処置・対処法は?

飼い主が十分気をつけていても、犬が餅を誤って食べてしまうことがあります。そんな時にどのような対応をすればいいのでしょうか? 緊急時の応急処置や対処法をご紹介します。

 

犬が餅を食べてしまったときの応急処置

犬が餅を食べてしまったからといって、自己流で吐かせるのは大変危険です。しかし、喉に餅が詰まって息ができなくなっている時は緊急事態です。口を大きく開けて喉の餅が見えるようであれば取り除いてください。

 

息ができなくなっているかどうかは次の症状で判断できます。

 

・犬が苦しそうにもがいている

・舌の色が青紫になっている

・胸が上下しない

 

これらの症状が出ていると、息ができなくなっている可能性があります。慌てているときは判断が難しくなるので、日頃から犬の舌の色や呼吸に合わせた胸の動きをよく見ておくと良いでしょう。もし、喉に詰まらずに飲み込めてしまった時は、慌てなくて大丈夫ですので、無理に吐かせず様子を見てください。

 

様子を観察しても良い場合

喉に詰まらせていない場合は少し様子を見てみましょう。食べた餅が少量であればあまり大きな問題にはなりません。ただし、餅は消化しにくいので、大量に食べると消化不良を起こすことがあります。餅を食べた後に食欲がない状態が続く、嘔吐や下痢が続くなどの症状が見られる場合は、動物病院を受診するようにしてください。

 

すぐに動物病院を受診した方が良い場合

喉に詰まらせて苦しそうに息をしている、もがいている、ぐったりしている場合は緊急事態です。また、息はできているが口からよだれを多量の垂らす、嘔吐が止まらない場合は食道に詰まっている可能性があります。いずれの場合もすぐに動物病院を受診してください。

餅に同封されている脱酸素剤を犬が誤食しないように注意

犬に餅を与えても大丈夫?_縮こまってる犬

一般的によく使われている脱酸素剤は、鉄が主成分のため、多少飲み込んでも大きな害はありません。しかし、袋ごと飲み込んでしまった場合は、袋が消化管を傷つけたり小腸で詰まったりすることがあります。

 

その場合、袋をどの程度食べてしまったのかを確認し、丸ごと食べていたり、多量に食べていたりする場合には動物病院を受診してください。病院では、必要に応じて飲み込んだ異物を吐かせる処置や内視鏡で取り出す処置を行います。動物病院を受診する時は、飲み込んだ袋のサイズや飲み込んだ数が分かるようにしておくと治療の際に役立ちます。

犬が餅を誤食するのを防ぐには?

万が一犬が餅を食べてしまった時に、無理に取り上げようとしたり、大きな声で叱ったりしないようにしましょう。そのような行動をとると、犬は飼い主に餅を取られないよう、慌てて飲み込んでしまうことがあります。飼い主は、日頃から犬が口にした物を「交換」などの合図で口から離すように練習しておくと、いざという時の誤飲防止につながります。

専門家のコメント

日本のお正月では定番の餅ですが、犬にとっては食べさせてはいけない食材です。もし、誤って食べてしまったら、慌てずに応急処置を行うか動物病院を受診してください。また、飼い主が餅を保管する際には、犬が食べられないよう蓋のついた容器に入れたり、手の届かない棚の上に置いたりするなどの工夫しましょう。犬と一緒に素敵なお正月を過ごせるといいですね。


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