犬にカニはNG?与えるべきでない理由や誤飲したときの対処法について解説【獣医師監修】

犬にカニはNG?与えるべきでない理由や誤飲したときの対処法について解説【獣医師監修】

高級食材として親しまれているカニ。特に冬の時期に鍋などで楽しむことが多いかと思います。そんなカニは、実は犬に与えることはおすすめできない食材です。特に生のカニは脚気を引き起こす可能性があるので、誤飲させないよう注意しましょう。この記事では、犬にカニを与えるべきでない理由、食べてしまったときの対処法などについて、Animal Life Partner代表で獣医師の丸田香緒里先生監修のもと解説します。

監修/丸田香緒里先生(獣医師)

監修/丸田香緒里先生(獣医師)

Animal Life Partner代表。
往診専門動物病院アニマルライフパートナー院長。
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。

 

大学卒業後、6年間の横浜市内の動物病院勤務を経て、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partnerを設立。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。

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犬にカニを与えても大丈夫?

犬にカニを与えても大丈夫?

 

基本的にカニは犬に与えない方がよい食材です。市販されている加熱済みのカニは、ほとんどが塩茹でされたもので、犬にとっては塩分過多になるのでおすすめできません。また、アレルギーを起こす可能性もあるので、与えない方が無難でしょう。

 

ただ、生のカニを自宅で食塩なしで加熱した場合に限り、少量であれば与えても構いません。その際は、必ず殻から外し、身のみを与えるようにしてください。

犬に生のカニを与えても大丈夫?

犬に生のカニを与えても大丈夫?

 

生のカニは犬に害を与える恐れのある食材です。無理をして食べさせる必要はないので、与えるのは避けましょう。

 

チアミン欠乏症(脚気)になってしまう可能性も

チアミン(ビタミンB1)は、体内の代謝に関わる神経系の機能を正常に保つビタミンです。生きていくうえで欠かせないビタミンですが、哺乳動物はこれを体内で生成することができません。生のカニには、「チアミナーゼ」と呼ばれるチアミンを壊してしまう酵素があり、犬に多量に与えるとチアミン欠乏症(脚気)を引き起こす恐れがあるので与えてはいけません。

 

チアミン欠乏症の症状

以下のような症状が出ていたらカニを食べた犬がチアミン欠乏症を起こしている可能性があります。

 

【一般的な症状】

食欲がない

元気がない

吐いている

下痢をしている

立ち方、歩き方が弱々しい

 

【特に危険な症状】

顔がむくんでいる

頻繁に吐いている

立てない、歩けない

多量のよだれを垂らしている

けいれんしている

意識がもうろうとしている

 

チアミナーゼが含まれている他の食材

犬が摂取すると危険なチアミナーゼは、エビやカニなどの甲殻類のほか、貝類、わらびやぜんまいなどのシダ類にも含まれています。

 

生のカニでチアミン欠乏症を起こす摂取量は?

チアミンは普段食べているフードから摂取されています。そのため、生のカニのみでチアミン欠乏症になる摂取量は明確には示されていません。

子犬やシニア犬にカニを与えても大丈夫?

子犬やシニア犬はチアミン欠乏症が起こりやすいといわれています。絶対に与えないようにしてください。

犬が生のカニを食べてしまった時の応急処置・対処法は?

犬が生のカニを食べてしまった時の応急処置・対処法は?

 

注意をしていても、犬がカニを食べてしまうことはあるかもしれません。ここでは、犬が生のカニを食べてしまった時の応急処置や対処法を知っておきましょう。

 

自己流で吐かせない

獣医師の指示を受けずに自己流で吐かせると、誤嚥や殻による胃腸障害などを起こす可能性があります。危険なので、自己判断で吐かせないようにしましょう。

 

すぐに動物病院を受診する

前述したように自己判断で吐かせずに、まずは動物病院を受診しましょう。受診する際は、カニをいつ食べたのか、加熱されているものか生なのか、どれくらいの量か、殻を食べた可能性があるかなど、わかる範囲の情報すべてを獣医師に伝えるようにしてください。

 

動物病院での治療法 

犬がカニを食べてしまった場合の動物病院での治療には以下のようなものがあります。

 

血液検査・レントゲン検査・超音波検査

カニの摂取による体への影響や、殻や甲羅を誤飲していないか確認します。検査にかかる費用は、血液検査で10,000円、レントゲン検査で5,00010,000円、超音波検査で3,0005,000円程度です。

 

催吐処置

胃の中にカニが多量に残っている場合に行います。処置には10,00020,000円かかります。

 

点滴処置

チアミン欠乏症が疑われる場合、チアミンの補充を行います。入院が必要になることもあり、かかる費用は約10,000円です。

 

摘出処置

犬がカニの大きな殻や甲羅を誤飲した場合や、催吐処理だけでは取り出せないときに行います。処置費用は30,000100,000円程度でしょう。

持病やアレルギーのある犬にカニを与えても大丈夫?

基本的に犬は甲殻類を食べないため、甲殻類アレルギーという考えはありません。ただ、一般的な食物アレルギーと同じように、カニを食べてアレルギー症状を起こす可能性はあります。持病やアレルギーに関係なく、犬にカニは与えないようにしてください。

犬がカニを食べてアレルギーを発症した時の症状は?

犬がカニを食べてアレルギーを発症した時の症状は?

 

犬がカニを食べてアレルギーを発症した場合、以下のような症状が出ます。

 

嘔吐

カニに含まれるタンパク質(食物抗原)などに対する過剰な免疫反応によって嘔吐を繰り返すことがあります。

 

下痢

嘔吐同様、カニに対するアレルギー反応があると、下痢を繰り返すことがあります。

 

かゆみ

眼や口周り・肛門周囲・わきの下・背中・手足の先にかゆみを感じたり、皮膚炎を発症したりすることがあります。

 

アレルギーの症状が出るのは食べてからどれくらい?

犬の個体の体質によって異なるため、いつ症状が出るかは一概には言い切れません。アレルギー関係なく、犬がカニを食べてしまったら、その後の様子に異変がないか注意しましょう。

 

アレルギーの症状が出たときの対処法は?

上記の嘔吐・下痢・かゆみのような症状が出たら、なるべく早めに動物病院へ行くようにしましょう。過去にカニを食べた経歴があれば、必ずその旨を獣医師に伝えるようにしてください。

犬にカニを使用した人間用の加工食品やカニカマを与えても大丈夫?

カニの加工品は、食塩が多く入っていることがほとんどです。人間より小さな犬の体では塩分過多になるため、与えないようにしてください。

甲羅・殻・脚・脚の爪・スジを食べてしまった場合の対処法は?

甲羅・殻・脚・脚の爪・スジを食べてしまった場合の対処法は?

 

犬がカニの身以外を食べてしまったら、生のカニと同様に自己判断で吐かせたりせず、すぐに動物病院を受診するようにしてください。

 

犬がカニを食べる状況は、飼い主が直接与えるのではなく、誤食で摂取することがほとんどです。そのため、身だけではなく殻も一緒に食べてしまうことが多く考えられるでしょう。殻を食べてしまうと、胃腸粘膜を傷つけてしまったり、最悪の場合刺さったりする可能性があります。誤って食べてしまうことがないよう、十分に注意してください。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

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