犬はなすを食べても大丈夫!与える際の注意点や適量、おすすめの方法について解説【獣医師監修】

初夏から秋にかけて旬を迎える野菜、なす。「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがあるくらい、私たち人間には馴染みの深い食材です。しかし、「なすを犬に食わすな」という言葉は聞いたことがありません。犬になすを与えても大丈夫なのでしょうか? 今回は、Animal Life Partner代表で獣医師の丸田香緒里先生に、犬になすを与えてもいいのか、与える際の注意点や適切な与え方についてお伺いしました。
初夏から秋にかけて旬を迎える野菜、なす。「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがあるくらい、私たち人間には馴染みの深い食材です。しかし、「なすを犬に食わすな」という言葉は聞いたことがありません。犬になすを与えても大丈夫なのでしょうか? 今回は、Animal Life Partner代表で獣医師の丸田香緒里先生に、犬になすを与えてもいいのか、与える際の注意点や適切な与え方についてお伺いしました。
なすは犬が食べても大丈夫な食材です。生でも加熱しても与えることができます。ただし、生で与えると皮は消化しにくいので、細かくカットしてからあげましょう。また、なすは食事のメインとして与える食材ではありません。与える際はあくまで補助食品として少量にしてください。
なすはカリウムを含んでおり、カリウムの利尿作用によって体を冷やす食材です。そのため、ハイシニアの犬にはおすすめできません。また、犬になすを無理に与える必要はありませんが、93%が水分でできているため、調理方法に気を付け、水分補給として与えることはできます。
前章で紹介した成分が含まれていますが、なすの93%は水分なので、かなり微量です。犬になすを与える健康的なメリットは特にないと考えられます。
ナスは100gで22kcalしか ありません。カロリー面から適量を計算すると、1kgの子で50g程食べられる計算になりますが、あくまでも食事の補助として少量を与えるのが適切です。犬になすを与える際のイメージとしては、おおよそ人が食べる量の10分の1以下くらいにしておきましょう。
犬になすを与える際は、以下の点に気を付けながらあげてください。初めて与える際は、少量ずつ様子を見ながら食べさせることも大切です。
一般的になすの葉や茎はあまり出回っていません。ですが、なすの葉や茎にはアルカロイドが含まれており、万が一口にすると、下痢や嘔吐を引き起こす能性があります。また、葉や茎を誤って食べると口内や食道を傷つけてしまう恐れがあるので、注意が必要です。
なすは柔らかい食材なので閉塞の可能性は低いものの、やはり気をつけていて損はないでしょう。与える際は、なるべく細かくカットしてからあげてください。
なすは加熱すると、思っているよりも熱くなり火傷の恐れがあります。人肌程度の温度になるよう、十分冷ましてから与えましょう。
なすにはカリウムが含まれるため、腎臓病で高カリウム状態の子にはあげないほうがいいでしょう。
一般的な食材のアレルギーと同じく、皮膚のかゆみ、下痢、嘔吐などの症状が出る可能性があります。もし、なすを食べた後にこういった症状が見られたら、すぐになすを与えるのをやめて、早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。診察の際には、どのぐらいの量のなすを食べたのか、食後どの程度の時間が経ってから症状が出たか、などのメモを持参すると診断の手助けになります。
また、どのような食材にもアレルギーを引き起こす可能性はあります。初めての食材を与える場合は、少量ずつから与えましょう。
犬になすを食べさせる場合、どのように与えるのが良いのか解説していきます。
ナスニンの効果的な摂取を考えると、なるべく皮ごと与えたいところです。しかし、皮は消化の悪い部分でもあります。なるべく細かくカットしてから与えましょう。実の部分は一口大のカットで問題ありません。また、なすは煮ると柔らかくなり、のどごしもいいため食べやすくなります。
市販のなすの浅漬けや炒め物など、なすの加工食品は犬に与えないでください。人間が食べる用に作られているものは、調味料や添加物を含むものが多いです。塩分過多などで、犬の健康に害を及ぼす恐れがあります。
なすは成分のほとんどが水分なので、犬が食べても特に問題がない食材です。ですが、皮は消化に悪いのでで細かくカットしてからあげましょう。また、カリウムが含まれているので、高カリウム状態の子には与えないよう注意してください。なすは頻繁に食卓に上がる食材です。愛犬と一緒に正しい食べ方で楽しめるといいですね。
監修/丸田香緒里先生(獣医師)
Animal Life Partner代表。
往診専門動物病院アニマルライフパートナー院長。
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。
大学卒業後、6年間の横浜市内の動物病院勤務を経て、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partnerを設立。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
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