犬に人間用のアイスはNG!食べてしまった時の症状や対処法、誤食を防ぐポイントについて解説【獣医師監修】

犬に人間用のアイスはNG!食べてしまった時の症状や対処法、誤食を防ぐポイントについて解説【獣医師監修】

暑い季節にたまらないのが、冷たくて甘いアイス。飼い主が食べる姿を見て、アイスを欲しがる愛犬も多いことでしょう。ついつい食べさせたくなってしまいますが、愛犬にアイスを与えていいか不安ですよね。この記事では、バーニー動物病院の千林分院分院長・堂山有里先生に犬にアイスを与えてもいいのかどうか、食べてしまった時の症状や注意点などをお聞きしました。

犬にアイスはNG!

結論から言うと、人間用のアイスは与えないほうが良いでしょう。乳製品と糖分からできているアイスは犬にとって高カロリーで、肥満を招く恐れがあります。

 

たとえば、ハーゲンダッツバニラの場合、ミニカップひとつあたりのカロリーは約244Kcal3kgの成犬にとって1日の必要カロリーに相当する数値です。身体の大きさから考えると、小型犬の場合はほんの数口で摂り過ぎになる可能性があります。

 

また、人間が食べるアイスには糖分や脂肪分だけでなく、保存料や着色料などさまざまな成分が含まれています。場合によっては、食中毒やアレルギーを起こす危険性があるため注意が必要です。

 

最近では犬用のアイスが市販されているので、どうしても与えたい場合は専用のものを与えたほうが安心でしょう。

犬に人間用のアイスを与えてはいけない理由は?

right_meal_66_p01人間用のアイスには、犬に健康被害を与える成分が多く含まれています。先ほども解説した通り、脂質や糖質が多くカロリーが高いので肥満を招く可能性があります。さらに中毒症状やアレルギーを起こす危険性が高い、チョコレートやナッツ類が含まれたアイスには注意すべきでしょう。

 

以下は中毒症状やアレルギーを起こす危険性が高い食材の一例です。

 

チョコレート

 

チョコレートの主成分であるカカオは犬にとって中毒物質です。カカオに含まれるテオブロミンの作用により、過度の興奮や心拍数の増加などが起こる場合があります。場合によっては死に至ることもあるため注意が必要です。

 

ぶどう

 

犬にとってはぶどうも中毒物質が含まれる食材のひとつです。どんな成分が犬の健康を害すのか明らかになっていませんが、過去にはぶどうを食べた犬が中毒を起こした事例がいくつも報告されています。急性の腎障害により、死に至るケースもあるため非常に危険です。

 

レーズン

 

ぶどうを干したレーズンも同じく中毒を起こすリスクの高い食材です。レーズンも中毒症状を起こす原因物質が特定されていません。しかし、ぶどうより少量で中毒症状が起こすと言われています。レーズンは洋酒で漬けて作ったものも多く、アルコールもまた中毒症状を起こす危険性が高い食材なので、十分気を付けましょう。

 

ナッツ類

 

ナッツは、犬にとって安全かどうか解明されていない食材が多いため注意が必要です。なかでもマカデミアナッツは犬にとって有害なので必ず避けましょう。ピーナッツは安全と言われていますが、食べ過ぎると消化不良を起こす危険性があります。カロリーも高い傾向にあるので与えないほうが無難です。

 

キシリトールが含まれているもの

 

キシリトールは砂糖と同程度の甘さがあるため、カロリーを抑える目的でシュガーレスのアイスに甘味料として使用されていることが多いです。犬にとって有害な物質のひとつなので注意しましょう。少量の摂取でも低血糖や肝不全を招きます。

 

乳製品

 

乳製品には犬に健康被害をもたらす成分がいくつか含まれています。ひとつは、カゼインタンパク質です。このカゼインタンパク質は犬にとってアレルゲンとなる物質で、個体によってはアレルギー症状が出る場合があります。

 

さらに、乳糖にも注意が必要です。犬には乳糖を分解する酵素が少ないことから、乳製品を摂取すると乳糖不耐症を招きます。子犬のうちは母乳を分解するために乳糖を分解する酵素が体内に存在していますが、成長するにつれ減少していきます。

 

 

犬が人間用のアイスを食べてしまったとき、どんな症状が出る?

乳糖不耐症の場合は、下痢嘔吐などの症状が見られます。前述した通り、人間用のアイスを食べ過ぎると、乳製品に含まれる乳糖を分解しきれず消化不良を起こすためです。少量なら問題ない場合もありますが、愛犬の健康を考えるなら与えないほうがよいでしょう。

 

また、アレルギーの場合は便が緩くなったり、体が痒くなったりなどの症状が見られます。チョコレートやぶどうなどの中毒物質が含まれるアイスを食べてしまった場合は痙攣震え、呼吸困難を起こす場合もあるので注意してください。

アイスを食べた犬がアレルギーや中毒症状を起こした場合の対処法は?

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まずは、犬が食べた製品の成分を確認します。アレルギー物質を食べてしまった場合は、慌てずに愛犬の様子をよく観察してください。嘔吐や下痢が止まらない、皮膚のかゆみが強く、かきむしっているなどの場合は動物病院を受診したほうがよいでしょう。

 

もし、製品に中毒物質が含まれていた場合は、たとえ食べた量が少なくてもすぐに動物病院を受診してください。中毒物質のなかには少量でも命に関わるものがあるからです。ただし、飼い主の自己判断で食べたものを吐かせる行為はやめましょう。オキシドールを使った自己流での催吐処置は食道炎を起こす場合があるので危険です。

 

動物病院に連れていく際には、食べたものがわかるよう製品のパッケージを持参してください。合わせて食べた量や時間を書いたメモを用意すると、治療の計画を進めるうえで役立ちます。

子犬や老犬(シニア犬)は特にアイスを食べさせないように注意して!

とくに気を付けたいのが、消化機能が不十分な子犬やシニア犬です。消化器官が未発達な子犬と、消化機能が衰えつつあるシニア犬は下痢や嘔吐などの症状が出やすくなります。

 

アイスは冷たい分お腹を冷やしやすいうえに、乳製品も多く含まれるため内臓への負担はとくに大きいです。アイスに限らず、愛犬が食べ慣れないものは消化不良を起こしやすいので注意しましょう。

 

また、人間用の加工食品には添加物が多く含まれています。たとえば、保存料・香料・着色料などの成分です。これらの添加物は少量であっても身体の小さな犬にとっては有害になります。

犬がどうしてもアイスを欲しがる場合の対処法は?

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愛犬を涼ませたい場合や、一緒にアイスを楽しみたい場合にはいくつか方法があります。以下にその一例をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

 

犬用アイスを与える

 

犬専用のアイスなら糖分や添加物が少ないため、より安全と言えます。なかには乳製品の代わりに豆乳を用いて作られた製品もあるので、乳製品アレルギーの愛犬でも食べられるでしょう。

 

手作りアイスを与える

 

アレルギーを持っている愛犬には、とくに手作りアイスがおすすめです。愛犬に適した材料を選べますし、手作りなので添加物が入りません。愛犬用の特製アイスを作れば、より安心して食べさせられそうです。

 

冷凍したフルーツを与える

 

小さくカットしたバナナりんごなどのフルーツを薄く切って凍らせてみてもよいでしょう。季節のフルーツは栄養価も高いですし、冷凍することで長持ちします。栄養満点のおやつを与えたいときに最適です。

 

冷たい飲み物やご飯を与える

 

散歩後や夏場に暑がる愛犬の体温を下げるには、必ずしもアイスでなくてもよいでしょう。たとえば、冷たい飲み物や冷やした手作りご飯でも十分です。乳製品や糖分を含まない飲料はたくさんありますし、手に入りやすいのでより手軽でしょう。

 

ヨーグルトを与える

 

ヨーグルトは乳糖不耐性の犬でも食べることができる食品です。栄養価が高いうえに、整腸作用もあるのでおすすめと言えます。無糖のヨーグルトを凍らせて与える方法もよいでしょう。

 

氷やかき氷

 

暑い季節や散歩後に愛犬に涼んでもらいたい場合は氷やかき氷も手軽です。体温の調節だけでなく、水分補給としても役立ちます。また、材料が水だけなので糖分や添加物の心配もありません。水の代わりに麦茶を凍らせる方法もおすすめ。夏場に不足しがちなミネラルも摂取できます。

 

ただし、氷を丸呑みしてしまう心配もあるので、愛犬にはじめて与える場合は安全に食べられるかを目で見て確認しましょう。心配な場合はかき氷にして与えてみてください。ただし、糖分過多になるので、シロップなどはかけずに氷の部分だけを食べさせましょう。

犬が人間用のアイスを誤食しないための予防策は?

誤食を避けるためにも人間用のアイスは愛犬の届かない場所に置き、飼い主が責任を持って管理しましょう。食べ終えた後のゴミにも注意が必要です。容器やスプーンを愛犬が誤って口にしないよう、食べたら机の上などに放置せず、すぐに捨ててくださいね。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

人間でも嗜好品であるアイスを毎日食べれば肥満や胃腸の不調などのリスクが起きるもの。犬にとっても同じで、たった一口がカロリーオーバーや消化不良を招くことがあります。場合によっては中毒やアレルギーの危険性もあるため、ことさら気を付けなければいけない食品です。

アイスを独り占めしていると愛犬に申し訳ない気持ちになってしまいそうですが、犬にとっては健康を害す危険性があることをしっかり理解しておきましょう。

監修/堂山有里先生(獣医師)

バーニー動物病院千林分院分院長。日本獣医動物行動研究会、獣医皮膚科学会所属。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行いペットと人が幸せに暮らすお手伝いをしている。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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