犬にブロッコリーを与えても大丈夫!注意点やメリット、1日の適量について解説【獣医師監修】

犬にブロッコリーを与えても大丈夫!注意点やメリット、1日の適量について解説【獣医師監修】

ブロッコリーは栄養価が高く、筋力の維持などに欠かせないタンパク質や免疫をアップさせるビタミンCがん予防やアンチエイジングに効果的なスルフォラファンなどの栄養素が豊富に含まれています。ヘルシーでおいしいブロッコリーですが、犬に与えてもいい食材なのでしょうか?

 

今回は獣医師の林美彩先生のお話をもとに、ブロッコリーは犬の健康維持に役立つのか、栄養面ではどのようなメリットがあるのか、与える際はどんなポイントに気を付ければよいのかといった点について解説します。

犬にブロッコリーを与えても大丈夫?健康面でのメリットは?

おいしく栄養豊富なブロッコリー。ローマ時代のイタリアですでに食べられており、日本には明治時代に渡来したという、食用としての歴史の長い野菜です。サラダやパスタなどの料理に使われたり、茹でて塩やマヨネーズで食べたりと、私たちにとってなじみ深い食べ物のひとつと言えるでしょう。

 

ブロッコリーはビタミンC、ビタミンE、ビタミンKなどのビタミン類が豊富なほか、がん予防効果のあるスルフォラファン、食物繊維なども含まれるなど、栄養たっぷりなことで知られています。そのため、ブロッコリーを愛犬にも食べさせてあげたいと思う人も少なくないでしょう。しかし、そもそもブロッコリーは犬に与えることができるのでしょうか?


ブロッコリーは犬が食べられる野菜

基本的には、犬がブロッコリーを食べても問題ないとされています。ヘルシーで食べやすい野菜のため、手作りご飯に混ぜたり、フードのトッピングとして使ったりするのもいいでしょう。野菜が好きな犬には、おやつとして与えることもできます。

 

ただし、ブロッコリーが属するアブラナ科の植物にアレルギーを持つ犬もいます。アブラナ科にアレルギーがある場合は与えないようにしましょう。

また、甲状腺疾患を持つ犬の場合も、ブロッコリーは少量にとどめておいたほうが良いでしょう。

犬にブロッコリーを与えるときは生のままでも大丈夫?

ブロッコリーの横にいる犬ブロッコリーは生のまま与えても問題ありません。生のままの方が、より多くのビタミン類を摂取することができます。ただし、生のブロッコリーは消化しにくく、下痢をしてしまう犬もいるため、必ず細かく刻んでから与えましょう。特に茎の部分は硬くて消化が悪いので、可能であればミキサーにかけてから与えるのがおすすめです。


カリウム制限をしている場合は加熱する

基本的には生のままでも与えられるブロッコリーですが、腎不全や心不全などの病気があり、カリウム制限をしている犬の場合には注意が必要です。ブロッコリーをはじめとする生の野菜には、カリウムが豊富に含まれています。与えたい場合は茹でるなどして加熱し、カリウム量を減らした方が安心です。

子犬や老犬(シニア犬)にブロッコリーを与えても大丈夫?

アブラナ科にアレルギーがない犬であれば、子犬や老犬(シニア犬)であってもブロッコリーを与えることができます。がん予防効果や肥満抑制効果のあるスルフォラファンが含まれているので、特にシニア犬の健康維持には役立つかもしれません。

 

ただし、ブロッコリーは食物繊維が多く、犬にとっては消化しにくい食べ物です。消化器官がまだ発達していない子犬や、加齢によって消化機能が衰えた老犬は、健康な成犬よりも下痢を起こしやすい傾向にあるため、与え方や量には注意しましょう。


丸呑みを防ぐために刻んでから与える

犬は食べ物をよく噛まず、丸呑みしやすい傾向があります。ブロッコリーを大きくカットして与えると、消化不良を起こすだけでなく、喉や消化管に詰まらせてしまう可能性も。細かく刻んだり、ミキサーにかけたりしてから与えましょう。

ブロッコリーにはどのような栄養素が含まれているの?

板の上のブロッコリーブロッコリーには健康維持に役立つさまざまな栄養素が含まれています。主な栄養素には次のようなものがあります。


ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK

犬は人間と異なり、体内でビタミンCを作り出すことができるため、必ずしも食べ物から摂取しなければならないわけではありません。ただし、激しい運動の後やストレスを感じているとき、年齢を重ねたときは、体内のビタミンC量が減少します。また、すべての犬が必要量を合成できるわけではないため、食べ物から補った方がよい場合もあります。

 

ビタミンCとビタミンEには抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果や動脈硬化の予防、免疫力のアップが期待できます。また、コラーゲンの生成にも関わっており、皮膚や関節のケア、毛艶の維持にも効果的です。

 

ビタミンKには、出血した時に血を固める凝固作用や、骨を丈夫にする働きがあります。


βカロテン

βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持します。皮膚や粘膜を良好な状態に保つことは、免疫力の維持・向上にも効果的です。


スルフォラファン

スルフォラファンは体内の化学物質を解毒してがんを予防する効果や、エネルギー消費を増やして肥満を抑制する効果が期待できる栄養素です。

犬にブロッコリーを与える際の注意点 は?茎はどうする?

犬は食べ物を丸呑みしやすい習性がありますが、丸呑みは食道閉塞や窒息に繋がるおそれがあります。子犬やシニア犬だけでなく、健康な成犬であっても、ブロッコリーを与える際は細かく刻んであげましょう。

 

また、ブロッコリーは食物繊維が豊富で便通を促してくれる野菜ですが、その一方で消化しにくいというデメリットもあります。消化機能が未発達であったり、衰えていたりする犬の場合は、下痢を起こす可能性もあります。与える量と与え方には気を付けてください。

 

茎を与えても大丈夫?

 

茎の部分は特に硬く、食物繊維が多いのが特徴です。皮を厚めに剥き、細かく刻んだりすりつぶしたりしたうえで、まずは少量から与えてみましょう。生のままではなく、できれば茹でてから与えることをおすすめします。茹でる際は栄養分がお湯に溶け出さないよう、短時間でサッと加熱しましょう。

 

その他、ブロッコリーにはゴミや小さな虫、農薬がついていることもあるため、十分に洗ってから与えるようにしてください。

持病のある犬にブロッコリーを与えても大丈夫?

ブロッコリーをくわえる犬持病がある犬の場合は、ブロッコリーを与えるのに注意が必要なこともあります。まず、アブラナ科の植物にアレルギーを持つ犬にはブロッコリーを与えることはできません。その他には、どのような病気があるときに気を付けたらいいのでしょうか?


甲状腺疾患

ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜には、グルコシノレートという成分が含まれています。グルコシノレートは体内でゴイトロゲンという物質へと変換され、代謝の調節を司る甲状腺ホルモンを生成するために必要なヨウ素の吸収を妨害することがわかっています。そのため、グルコシノレートを大量に摂取すると、甲状腺機能低下症という病気になる可能性があります。

 

ただし、グルコシノレートによって甲状腺機能低下症になるのは、毎日大量に摂取した場合だけだと考えられています。今のところは、犬がブロッコリーを食べることによって甲状腺機能低下症になったという例は報告されていません。すでに甲状腺疾患を持つ犬の場合は、念のためブロッコリーを与えない方がよいでしょう。


腎不全や心不全

腎不全や心不全を患っており、カリウム制限を行っている犬の場合も要注意です。ブロッコリーをはじめとする生の野菜には、カリウムが豊富に含まれています。与えたい場合は、必ず茹でてカリウム量を減らしましょう。

犬にブロッコリーを与えることで起こるアレルギーや中毒症状はあるの?

ブロッコリーが属するアブラナ科にアレルギーを持つ犬もいます。初めて与えるときは、少量ずつ、様子を見ながらにしましょう。万が一下痢嘔吐、口の周りや顔を痒がる、皮膚が赤くなるなどの症状が出た場合には、早めに獣医師に相談してください。なお、ブロッコリーの他にはキャベツや大根などの野菜がアブラナ科に属しています。

 

アブラナ科にアレルギーがある犬以外には、基本的には問題なくブロッコリーを与えることができます。ただし、先に説明した通り甲状腺疾患や腎不全、心不全を患っている犬には与えない方が無難です。

 

また、ブロッコリーには摂取しすぎると尿路結石の原因になるシュウ酸が多く含まれています。過去に尿路結石を患ったことがある場合は控えましょう。

犬にブロッコリーを与える際の適量

カットされたブロッコリーブロッコリーに限らず、犬に与えるおやつ1日に必要なカロリーの1割程度が限度とされています。1日に必要なカロリーは犬の体重によって異なるため、愛犬が1日何キロカロリーを必要とするのか、おやつは何キロカロリーまで与えていいのかを計算してみましょう。


犬の大きさごとの目安量

1日分のブロッコリーの目安量は、体重5kg程度で30g10kg程度で50g15kg程度で90gです。「これだけの量を与えなくてはならない」というものではなく、あくまで上限と捉えてください。

 

ブロッコリーは低カロリーでヘルシーな食べ物ですが、食物繊維が豊富なため、食べさせ過ぎるとお腹を壊す原因になります。愛犬がたくさん食べたがっても、上記の目安量をしっかり守って与えるようにしましょう。

犬にブロッコリーを使った手作り料理を与えても大丈夫?

犬にブロッコリーを使った手作り料理を与えても問題はありませんが、醤油、マヨネーズなどの調味料は使用を控えましょう。塩分の摂りすぎは体に害を及ぼします。

 

そのほか、素揚げなど油分を多く含むものや、犬にはNGとされている食材と和えたり一緒に調理したりしたものは与えないでください。シュウ酸が溶け込んだブロッコリーの茹で汁も与えない方がよいでしょう。

 

犬は肉中心の食生活を送る動物のため、野菜の消化があまり得意ではありません。人間が食べるような大きさに切ったブロッコリーは消化の負担になるため、手作り料理を作る際は細かく切るか、ミキサーで砕いてから与えてください。

 

ブロッコリースプラウトを与えても大丈夫?

 

なお、ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトも食べさせることができますが、同じく細かく切ってから与えるようにしましょう。


第3稿:2021年4月15日更新
第2稿:2021年1月27日更新
初稿:2020年11月19日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

抗酸化作用のあるビタミン類や皮膚や粘膜の健康を保つβカロテン、がん予防効果や肥満抑制効果などを持つスルフォラファンなど、豊富な栄養を含むブロッコリー。愛犬に与える場合は量や与え方に注意し、健康維持に役立ててくださいね。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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