【獣医師監修】犬は栗を食べても大丈夫?鬼皮・渋皮・殻やアレルギーに関する注意点、健康面でのメリットについて解説

【獣医師監修】犬は栗を食べても大丈夫?鬼皮・渋皮・殻やアレルギーに関する注意点、健康面でのメリットについて解説

栗はお菓子やスイーツ、栗ごはんなど、たくさんの料理に使われています。ビタミンCやポリフェノール、カリウムなど多くの栄養素を含んでいるほか、甘くほくほくとした味で多くの人に人気ですが、犬に食べさせても良いのでしょうか。今回は獣医師の丸田香緒里先生に教えていただいた、犬に栗を食べさせてもいいのかどうか、食べさせるメリットや注意点などを解説していきます。

そもそも犬に栗を与えても大丈夫なの?

栗そのものは、犬が食べても問題はありません。しかし、そのまま食べさせてしまうと硬すぎてケガをしたり、喉に詰まらせたりする可能性があるので、加熱して柔らかくしてからあげましょう。また、栗には糖質が多く含まれていて、強い甘みを感じる食材です。犬は甘い味が好きなので、食欲が落ちているときのおやつや、ドッグフードのトッピングとして使うと良いでしょう。

栗にはどのような栄養素が含まれているの?

たくさんの栗栗には、以下のような栄養素が含まれています。


ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンの一つで、アスコルビン酸とも呼ばれています。「活性酸素」を除去し、細胞をダメージから守る働きがあります。また、白血球にはたらきかけて免疫力をアップする効果も期待できます。


カリウム

ミネラルの一種で、生命活動のために欠かせない役割を持っています。また、ナトリウム(塩分)の排出を促して血圧の上昇を抑える働きもしていますので、高血圧を予防したり、筋肉の収縮をスムーズにしたりしています。


食物繊維

栗には食物繊維が豊富に含まれていて、その多くは水に溶けない「不溶性食物繊維」です。胃や腸の中で水分を吸収して大きく膨らみ、腸の働きを活発にして便秘を予防したり改善したりする効果が期待できます。

 

栗のビタミンCはじゃがいもなどと同じようにでんぷん質に包まれていますので、調理過程で壊れにくく摂取しやすいという特徴があります。ただし、ビタミンCは水溶性ビタミンであり水には溶け出しやすいので、加熱するときは茹でるよりも蒸したり電子レンジで加熱したりするのがおすすめです。

栗を犬に与えることに健康面でのメリットはあるの?

栗の中でも、特に甘栗には抗酸化成分であるビタミンE(γ-トコフェロール)が非常に多く含まれています。一般的に売られている栗と比べるとその量は約4倍であり、エイジングケアの効果が期待できます。ビタミンEは油と一緒に摂取することで吸収されやすくなりますので、調理するときに油を使うのもおすすめです。

 

栗に含まれる食物繊維は腸内環境を整えてくれますが、消化に悪いため胃腸の働きが低下している、またはお腹を下している犬に与えるときは注意が必要です。

持病のある犬に栗を与えても大丈夫?

笑っている犬栗にはカリウムが多く含まれますので、腎臓病や心臓病を持っている犬に与える場合は注意が必要です。カリウムそのものが直接腎臓や心臓に悪影響を及ぼすわけではありませんが、腎機能が低下しているとカリウムが尿中に排出されにくくなるので、体内に蓄積されてその濃度が上がってしまいます。

 

体内のカリウム濃度が高くなると、心機能に影響を及ぼしやすくなります。危険な不整脈や、悪心や嘔吐などの胃腸症状、脱力感などの筋肉や神経症状が起こることもあります。くれぐれも摂取し過ぎには気をつけましょう

犬に栗を皮ごと与えても大丈夫?

栗には「鬼皮」と「渋皮」という2種類の皮があります。外側の硬い殻を鬼皮、それを剥くと現れる薄い皮を渋皮と呼びます。鬼皮は食べてしまうと胃腸を傷つける可能性がありますので、必ず取り除いてから与えましょう。

 

渋皮にはタンニン(ポリフェノールの一種)が多く含まれていて、人間にとっては抗酸化作用が期待できることから渋皮も一緒に調理する方法が勧められることがありますが、犬にとっては繊維質が多すぎて消化に悪いので与えるのは避けてください。

犬に栗を与えることで発生する可能性のあるアレルギーや中毒症状はあるの?

舌舐めずりしている犬犬に発症するアレルギーのうち、栗に対するアレルギーは非常に稀だとされていますので、ほとんどの犬でアレルギーが出る可能性は低いでしょう。とはいえ、絶対にアレルギーを発症しないとは言いきれませんので、最初に与えるときは少量からにし、以下のような症状が出たらすぐに動物病院へ連れていきましょう。

 

・目が充血している

・だるそうにしている、元気がない

・身体をかゆがっている

犬に栗を与える際の適量

1日に摂取する量は、だいたいの目安として3kgの犬なら12g10kgの犬なら28g程度が良いでしょう。栗は糖質が豊富に含まれているのでカロリーが高く(100g164kcal)、人間と同じように摂取しすぎると肥満を招いてしまう可能性があります。与えすぎには十分注意しましょう。

栗の加工品や栗を使ったスイーツは犬に与えても大丈夫?

器に入っている栗栗は糖質の多い食材である上に、人間が食べるように加工された栗は砂糖が加えられていますので、さらに糖質が増えてしまいます。人間用のものは与えないよう気をつけましょう。

 

ただし、犬用に加工された無添加のものや、素材そのものをつぶして食べやすくしたものなど、栗のみを使った加工品なら与えても構いません。

犬に栗を与える際の注意点

糖質が多いので食べたがる犬は多いのですが、特に肥満傾向にある犬に対しては、与えすぎないよう十分注意が必要です。また、カリウムの量が多いことから、心機能や腎機能が低下している犬の場合は獣医さんとよく相談し、与える量を決めましょう。


第3稿:2021年1月27日更新
第2稿:2020年11月20日更新
初稿:2020年10月20日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

 

専門家のコメント:

お菓子にも料理にもよく使われ、多くの人に好まれる栗は、甘いものを好む犬にとっても美味しい食材です。栗には抗酸化作用を持つビタミンCやE、エネルギー代謝に大きく関わるビタミンB1、高血圧予防になるカリウムなど、さまざまな栄養素が含まれていて、犬の健康維持にも役立ちます。ただし、腎機能や心機能が低下している場合は獣医さんとよく相談しましょう。また、糖質が多いことから、与えすぎにも注意が必要です。

監修/丸田香緒里先生(獣医師)

日本大学卒。「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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