犬にパンを与えるのはNG!
犬にパンを与えるとアレルギーを引き起こす可能性も
パンは小麦をメインに作られていますが、この小麦は犬にとってあまりよくない食べ物です。小麦粉には「小麦グルテン」という成分が含まれていますが、犬は生まれつきこの成分を消化できる酵素を持っていません。雑食のイメージが強い犬ですが、もともと犬の祖先は肉食です。その名残として、穀物を消化する力が弱くなっています。小麦がメインで作られているパンを犬にあげると、胃や腸のトラブルを起こしたり、小麦アレルギーを引き起こしたりする可能性があります。
犬にパンを与えると肥満の原因になることも
パンには小麦の他に砂糖やバターも含まれています。そもそも、パン自体が犬にとって高カロリーな食材です。そのため、パンを犬に与えると必要な時にドッグフードを食べなくなったり、肥満の原因になったりすることもあります。
パンには犬に食べさせてはNGな食材が含まれているものも
菓子パンや総菜パンなど、パンにはいろいろな種類があり、犬にとってNGな食材が入っているパンがあります。
代表的なのはチョコレートを含んだパンです。チョコレートにはテオブロミンという犬にとって有毒成分が入っていますが、人間はこれを消化する酵素を持っているため毒にはなりません。ですが、犬は元来テオブロミンを分解する力が弱く、消化するまでに時間がかかってしまいます。結果として身体の中に有毒な成分が残ってしまい、チョコレート中毒となります。
チョコチップをトッピングしたり、チョコを挟んでいたりするパンはすぐに気づけるかもしれませんが、生地に練り込んであるタイプもあります。また、チョコレートだけではなく同じカカオ豆を原料としたココアも犬にとってNG食材です。こちらも生地に練り込まれていることがよくあるので、気を付けましょう。
チョコレートと同じく気を付けたいのが玉ねぎを含んだパンです。こちらはチョコレートを使った菓子パンとは異なり、惣菜系のパンに多く含まれています。玉ねぎも犬にとっては与えてはいけない食品で、食べると玉ねぎ中毒の原因になります。
玉ねぎは調理によって形を変えるので、一目で「入っている」とわからないこともあります。加熱されても毒性は変わらないため、「火が通っているから大丈夫」ということもありません。ピザパンやコロッケパン、カレーパンなどに多く含まれている可能性が高いため、間違って食べないように買うときは成分表示をよく確認しましょう。
犬用パンなら食べさせても大丈夫?
人間用に売られているパンは犬にとって食べなくてもいいものですが、自分が食べている姿を物欲しそうに見られるとちょっと心が痛みますね。「どうしてもあげたい」という時には、犬用に作られた犬用パンを与えましょう。小麦粉を避け、米粉やおからから作られたもの、なるべく添加物が入っていないものを選ぶと良いでしょう。
あげる時には、一口サイズにカットし、おやつとしてごく少量をあげるようにしましょう。人間用のパンと同じで、あげすぎは肥満の原因となります。肥満は他の病気やケガの原因にもなるので、あくまでおやつとして量を調節して与えましょう。
犬がパンを食べてしまったときの対処法
犬がパンを誤食しないための予防法
好奇心の強い犬にとって、飼い主さんが美味しそうに食べているパンは魅力的な存在です。ちょっと舐めてみたり、かじってみたいと思ったりするかもしれません。犬が間違ってパンを食べることがないよう、手の届かないところか扉のついた戸棚にしまっておきましょう。
第3稿:2021年6月14日更新
第2稿:2021年2月15日更新
初稿:2020年11月26日公開
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。
専門家の コメント:
飼い主さんにとって日常的に食べるパンでも、犬にとっては害になることがあります。万一の時に備え、パンのリスクや食べてしまった時の対処法を知り、普段から気をつけるようにしましょう。