2023年09月25日 更新 (2020年09月06日 公開)

犬は梨を食べても大丈夫!ただし、食べ過ぎはNG
梨は犬に与えても基本的には問題ありません。和梨でも洋梨でも同じです。ただ気を付けたいのがおしっこの量。梨はカリウムを多く含む果物です。カリウムには利尿作用があるため、梨を食べた犬は普段よりおしっこの量が多くなる可能性があります。梨を与える場合はそれを想定して、車に乗る前などは避けておいたほうがいいかもしれません。また過剰摂取は禁物です。
若い梨には注意!
市販されている梨なら特に問題はありませんが、収穫時期より早い梨をもらったりした場合には注意が必要です。収穫前の若い梨にはアミグダリンと呼ばれる成分が含まれています。このアミグダリンは犬が中毒を起こす危険性があります。犬に梨をあげるときは熟したものをあげるようにしましょう。
梨を食べるとアレルギーを発症する犬はいる?
犬に梨の皮や芯、種をあげても大丈夫?
皮には農薬が残っている可能性があるので、むいてからあげる方がいいでしょう。また、種にはアミグダリンという有害な成分が含まれています。人が食べるときと同じように、犬に梨を食べさせるときも皮や芯を取り除いてからあげましょう。
梨に含まれている栄養素と犬に与える健康面でのメリットは?
梨はカロリーが100gあたり43kcalと低く、甘すぎない果物なので犬に与えやすい食材です。梨を食べることで得られる効果や栄養には以下のようなものがあります。
水分が多い
梨は果物の中でも特に水分が多く、全体の88%を占めています。お水を飲まなくなってきたシニア犬や夏バテでごはんを食べない犬には、フードに梨をトッピングしてあげると嗜好性が上がり、水分補給にもなります。
食物繊維
梨は水溶性の食物繊維を多く含みます。水溶性の食物繊維は腸内で水分を吸収しながら、穏やかに腸の動きを刺激してくれます。また食物繊維のおかげで糖分の吸収を抑制することができ、血糖値が急激に上がることも抑えられます。
さらに、脂質コレステロールの吸収を抑制する効果もあります。腸内の便や老廃物の排出を促し、腸内環境を整えてくれるのです。
ただし、食物繊維は消化されにくいので食べすぎると腹痛や軟便、下痢になる可能性があり注意が必要です。
アスパラギン酸
梨にはアミノ酸の一種のアスパラギン酸が多く含まれています。あまり聞き慣れない成分かもしれませんが、このアスパラギン酸は肝臓での代謝を良くし、利尿作用や疲労回復の効果もあります。
アスパラギン酸は犬が過剰摂取しても問題はないと言われているので、安心して与えることができます。
ソルビトール
梨に含まれるソルビトールは甘みを持つ糖アルコールで、解熱効果があるとされています。暑いときに食べることで体の冷却効果が期待できます。水分を保持する作用があり、乾いた喉を潤す効果もよく知られています。秋になり空気が乾燥してくる時期には好適の果物でしょう。ただしこのソルビトールも摂取しすぎると下痢の原因になります。
洋梨は食物繊維が2倍
なお、洋梨もほぼ栄養成分は同じですが、100gあたり54kcalと和梨より若干高カロリーです。また、食物繊維は和梨の2倍含まれており整腸作用が期待できます。
犬に梨を与える際の適量は?
梨を犬にあげるなら、犬が1日に食べる量の10%以下をおすすめします。1日に100gのフードを食べる犬なら10g程度、多くても20g程度までが適量です。梨20gというと、皮・芯・種部分を除いて厚さ1.5cmのくし切り1個程度の量と考えてください。
それ以上食べるとカロリーが高くなってしまうだけではなく、梨に含まれる食物繊維や甘味(果糖やソルトビトール)などの取りすぎによって腹痛や下痢を引き起こしてしまう可能性があります。
犬に梨を与える際の注意点は? 小さくカットしよう
犬に梨を与えるときには皮をむいて種と芯を取り除く必要があります。また、梨のサイズが大きいと喉に詰まらせてしまう恐れがあります。薄くスライスするか、おろし器ですりおろす、みじん切りにするなどしてから与えるようにしましょう。小さく切ることで犬の体格に関係なく与えることができます。
あげるときはフードのトッピングやおやつとして少量ずつ与えましょう。飼い主さんが梨を食べているときに、一緒に犬にも与えるというのはおすすめできません。犬も食べたいとねだるかもしれませんが、ついほだされてあげてしまうと「次ももらえる!」と期待させてしまいます。日によってあげたりあげなかったりすると、欲求不満や葛藤、飼い主さんへの不信感などにつながりかねません。お互いの信頼関係のために、あげないようにしましょう。
加熱せずに生で与える
梨の成分の一つであるアスパラギン酸は加熱することで壊れてしまので、生で与えた方がいいでしょう。ただ、梨を食べた後の排尿量が気になる場合は、加熱することで水分を減らしたり、茹でたり水にさらすことでカリウムを減らすなどして調節するとよいでしょう。ちなみに。食物繊維とソルビトールは加熱しても減りません。