犬に生のイカやスルメはNG?食べさせてはいけない理由と誤食した際の対処法を解説【獣医師監修】

犬に生のイカやスルメはNG?食べさせてはいけない理由と誤食した際の対処法を解説【獣医師監修】

刺身やスルメ、煮物などさまざまな加工方法で食べることができるイカ。ものによっては犬に食べさせると体調不良を招いてしまう恐れがあるので、与える際には注意が必要です。今回の記事では、生のイカやイカの乾物、焼いたイカなどを犬に食べさせても大丈夫なのか、与える際の注意点などを、chicoどうぶつ診療所所長で獣医師の林美彩先生に解説していただきます。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会獣医ホリスティック医療研究会所属

 

大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)などの著書がある。

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犬に生のイカを与えるのはNG!

生のイカ

結論から言うと、犬が生のイカを食べてしまうとさまざまなリスクが生じる可能性があるため、生のイカを与えてはいけません。その理由を詳しく見ていきましょう。

 

チアミナーゼがビタミンB1欠乏症を引き起こす

生のイカに含まれているチアミナーゼがビタミンB1欠乏症を引き起こしてしまいます。ふらつきなどの歩行障害が起こる可能性があります。

 

寄生虫のアニサキスが中毒症状を引き起こす

生のイカに潜む寄生虫のアニサキスによる中毒で、激しい腹痛などが生じる恐れも。

 

消化に悪い

イカは消化に時間がかかるため、胃腸への負担が懸念されるほか、下痢嘔吐の原因になることも考えられます。

スルメなどのイカの干物も犬に与えるのはNG!

スルメ

では、スルメなどの干したイカについてはどうでしょうか。実は、干物にすることで水分がなくなり、塩分が凝縮されるため、塩分過多になってしまいます。また、干物は水分を含んで膨れるため、胃腸に詰まってしまう可能性も。犬にとってリスクがあるため、やはり与えない方がよいでしょう。

犬に加熱したイカを食べさせても大丈夫

加熱したイカ

加熱したイカであれば与えても問題はありません。ただ、加熱したものも消化がよいとは言えないので、与え方には注意が必要です。

 

焼くと固くなってしまうため、茹でたり蒸したりして十分に加熱しましょう。その後、細かく刻むか、ミンチやペースト状にするなどして消化器に負担がかからないように調理します。

 

もし、おやつとして与えるならば、1日の摂取カロリー10%程度が適量ですが、イカの場合は消化に負担がかかることを考えると、ごく少量にとどめておくのがおすすめです。小型犬で30g程度、中型犬で50g程度、大型犬で100g程度にしておきましょう。

子犬やシニア犬に加熱したイカを食べさせても大丈夫?

子犬は消化器がまだ発達しておらず、シニア犬は消化器の働きが衰えてきています。加熱したイカであっても与えないほうが無難です。

持病のある犬に加熱したイカを食べさせても大丈夫?

イカは必ず摂取しなければいけない食材ではありません。持病がある子の場合、その子の疾患にもよりますが消化に悪いということを考えると、あえて与える必要はないと考えられます。

犬が生のイカやスルメを食べてしまった場合の対処法は?

食事する犬

愛犬が誤って生のイカやスルメなどの干物を食べてしまうこともあるかもしれません。その場合、飼い主がどのように対処すればよいのか、詳しく見ていきましょう。

 

まずは動物病院に相談する

動物病院に連絡し、どのようなイカで、いつ、どのくらいの量を食べてしまったのかを伝え、指示を仰ぎましょう。もし、何かしらの症状が起きているようであれば、受診するように指示されることが多いでしょう。食べた量がごくわずかで、特に異常が見られなければ自宅で様子を見ることもあります。

 

経過観察をする

食べてしまった生のイカや干物がごく少量で特に症状がない場合は、自宅で経過観察を行います。ただ、体調が突然変わる可能性もあるので、23日は体調を崩さないかしっかり様子を見ておいてください。

 

以下のような症状が出たらすぐ病院へ

元気がない、ふらつくなどの歩行障害、嘔吐や食欲不振、痙攣(けいれん)などがあったらビタミンB1欠乏の症状です。すぐに病院を受診し、いつ、どのくらいの量を食べてしまったのか伝え、治療をしてもらいましょう。

イカ以外に、犬に与えるのを注意したい海の食べ物は?

えび

イカのほかにも、海の食べ物を犬に与える際には注意が必要です。与えてもよいのかどうか、与える際の調理法をよく確認しておきましょう。

 

貝類

ホタテやカキ、しじみ、アサリなどは与えても問題ありませんが、やはりどれも消化によいものではないので、加熱して細かく刻んで与えることを推奨します。ホタテの場合には、中腸線という部分に中毒成分が含まれていますので、取り除いてから与えましょう。

 

タコ

イカと同様に消化しにくい食材なので、生で与えてしまうと、ビタミンB1欠乏症を招く恐れがあります。与える場合には、加熱して細かく刻んで与えましょう。

 

ウニ

リンを多く含むため、腎臓疾患を持っている犬は注意が必要です。ただ、一般的な食材でもないため、無理に与える必要はありません。

 

甲殻類

エビやカニなどの甲殻類はイカ同様に消化が悪く、生で与えることでビタミンB1欠乏症を招く恐れがあります。もちろん甲殻類アレルギーのある犬には与えてはいけません。

 

わかめ

食物繊維が豊富に含まれますので、与えすぎることで便が硬くなってしまう可能性があります。与える際には細かく刻んで与えてあげましょう。

 


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

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