【獣医師監修】パグはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気などについても解説

【獣医師監修】パグはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気などについても解説

チャーミングな顔に、人懐っこい性格のパグ。愛情深いうえにしつけしやすいので、家庭犬としてもおすすめの犬種です。今回は、獣医師の箱崎加奈子先生にパグのルーツや性格について解説していただきました。散歩の際に気をつけるべきことや、しつけを始める時期についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

パグの歴史やルーツは?

パグの起源に関しては諸説あり、紀元前2,000年頃から既に存在していた種なのではないかと言われています。原産国として有力視されているのは中国のチベット地方で、中国の数多くの文献や美術品にも、その姿を現しています。大きな目や被毛の種類などが非常に特徴的です。

 

名前に関しても中国の言葉から名付けられたなどのいくつか説が提唱されていますが、そのルーツは未だ明らかになってはおらず、いまだに謎の多い犬種であると言えるかもしれません。


パグは世界各国で愛される犬種

パグは中国の文献などに姿を現していますが、ヨーロッパの宮廷絵画にもたびたび登場しています。ナポレオンの妻・ジョセフィーヌが「フォーチュン」(幸運)という名前で寵愛していたと言われています。

パグの体高・体重・平均寿命は?

パグはどんな犬?_犬、パグ

パグの平均的な体高や体重は以下になります。

 

体高:25cm28cm

体重:6.3kg8.1kg

 

上記の体重は一般社団法人ジャパンケネルクラブ(以下、JKC)における理想体重です。ただし、パグは筋肉質な犬種のため、肥満と混同しないよう注意する必要があります。

 

パグの平均寿命は12歳~15歳です。日本の場合は、14歳程度とも言われており、パグが該当している小型犬の平均寿命は14.014.2歳と言われていますので、そのデータと比較してもパグは平均的な寿命であると言えるでしょう。

パグの毛色の種類は?

パグの毛色はシルバー・フォーン・アプリコット・ブラックの4種がJKCの公認カラーです。フォーンとは「小鹿」を意味し、黄色がかった毛色を指します。アプリコットはフォーンよりオレンジ色の強い茶色で、珍しい毛色です。トレースと呼ばれる背中のラインは毛色が濃く、マズルや耳なども黒いほどよいとされます。被毛はダブルコートのため換毛期がありますが、ほかの犬種よりも抜け毛が多いので注意が必要でしょう。

パグの性格の特徴は?オスとメスで違いはある?

パグはその愛くるしいイメージの通り、明るい性格と言われています。また、飼い主さんの気持ちを読み取るなど理解力に優れている点も魅力です。シワのある愛嬌たっぷりの顔を向けて、飼い主さんの話を一生懸命に聞いてくれます。このように基本的に優れた性質を備えているのですが、その反面に頑固な一面もあります。根気よくしつけを行うという姿勢を求められる場面もあるかもしれません。

 

オスとメスで性格の大きな差はないと言えます。一般的な性差の違いで言えば、オスは甘えん坊で飼い主さんへの依存度が高め。テリトリー意識が強く、落ち着きがない一面があります。一方、メスは独立心が強く、マイペースな性格と言われていますが、最近は性差が出る成熟前に不妊手術をしてしまうご家庭が多いので、オスとメスの違いは昔よりも出づらくなっています。

パグを飼うのに向いている人は?

 パグは室内飼いが必須の犬種なので、ご自宅で飼える方が前提となります。ダブルコートで抜け毛が多いため、毛が気にならない人や部屋の掃除をマメにする人が向いているでしょう。

 

明るく社交的な性格の犬なので、仲間と集まって過ごす場を楽しめる飼い主さんにはおすすめと言えます。実際にパグが集まるイベントも、陽気な性格の飼い主さんが多いようです。

パグのしつけを始める時期や心がけておくことは?

パグはどんな犬?_犬、パグ

パグのしつけは、家族として迎え入れたその日から始めましょう。パグのルーツは愛玩犬なので、使役犬にルーツを持つ犬種に比べ物覚えが悪い一面もあります。

 

ただし、飼い主さんの期待に応えたいという気持ちは十分にあるので、うまく誘導してあげながらトレーニングしてみましょう。飼い主さんもパグの性質も理解しながら、焦らず根気よくチャレンジしてみてください。

パグの飼い方や生活上で注意すべきことは?

パグは社会化不足により吠えるなどの行為が増えることもあります。犬にとっては理由があって吠えているため、無駄吠えでは決してありませんが、小さいころから人や他の犬に慣れさせる機会を積極的に作ってあげるべきでしょう。幼稚園などの施設を利用するのも有効ですが、あくまで方法のひとつです。できるだけ飼い主さんがいろいろなところに散歩に連れて行ったり、動物病院トリミングサロンに慣れさせたりなど工夫をしてみてください。

パグがかかりやすい病気とその予防法は?

パグが気を付けるべき病気は主に4種類あります。命に関わる病気もあるため、早期発見と予防が重要です。ここでは短頭種気道症候群・脳炎・肥満細胞腫・皮膚疾患について、症状や予防の仕方、治療法を解説していきます。


脳炎

パグは脳の病気に注意が必要です。脳炎とは脳の組織が炎症を起こし、けいれん、身体の麻痺などを引き起こす病気です。発症しやすい年齢は2歳~10歳くらいと言われています。頭が傾いたり、同じ方向にクルクルと旋回したりするなどの異常行動で気づく飼い主さんが多いです。けいれん発作を放置すると脳が損傷し、急死のリスクもあります。

 

明確な予防法や治療法はないのですが、脳炎はストレスなども要因となりますので、穏やかに過ごさせることが大事です。また、普段からステロイド剤や免疫抑制剤を使う方法が主流です。けいれん発作を抑制する薬や副作用を緩和する薬を同時に投与する場合もあります。

 

ただし、薬の効果は個体差があるため、専門医のもとで治療を進めるのが得策です。脳炎は早期発見が鍵となるので、定期的にMRI検査を受けるようにしましょう。ちなみに、壊死性髄膜脳炎などはパグの発症率が高かったため、「パグ脳炎」とも呼ばれていました。


短頭種気道症候群

頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短い短頭種の犬が発症しやすい病気です。気道が狭い状態になりやすいため、短頭種気道症候群を発症する可能性があります。特にパグは空気の通り道が狭くなる鼻腔狭窄と、筋肉がたるんで呼吸を塞いでしまう軟口蓋過長を発症しやすいと言われています。

 

症状は苦しそうな呼吸音やいびきなどが見られ、悪化すると呼吸困難、失神などから命をに関わる危険性があります。予防としては、肥満や高温な環境、興奮させたりすることをなるべく除くことです。安静な環境で穏やかに過ごし、適切な量の食事を心がけましょう。治療法としては、自然治癒は難しいので、ステロイド剤による炎症をおさえる内科療法や、鼻孔の一部を切除することで鼻の通りを良くする外科療法などがあります。


皮膚疾患

パグは顔にあるシワには垢や食べかすなどの汚れが蓄積しやすいため、皮膚疾患が起こりやすいです。中でもアレルギー性の皮膚炎や膿皮症(のうひしょう)と呼ばれる感染症を招くケースが多いです。症状は毛穴に赤い発疹が見られ痒みが起き、進行すると脱毛や発疹などが現れます。

 

パグは脂っぽい体質のため、顔だけでなく身体も皮膚炎を発症しやすいです。マラセチアはカビの一種でパグの皮に溜まりやすい皮脂をエサとして増殖し、マラセチア皮膚炎を起こすこともあります。マラセチアが過剰に発生すると皮膚の赤みや痒みが生じます。

 

これらの症状の治療には、抗菌シャンプーや抗生剤入りの軟膏、抗真菌薬を使用します。また、生活する環境を清潔に保つようにしましょう。高温多湿な環境では皮膚の細菌が活発になってしまいます。日頃から気にするようにして早期発見するようにしましょう。


肥満細胞腫

肥満細胞腫とは皮膚にできる悪性腫瘍のことです。パグは他の犬種と比べ、2倍〜2.5倍も発症するリスクが高いと言われています。腫瘍が小さいうちに外科手術で除去すれば、悪化や転移を防げる確率が上がりますが、悪性が高い腫瘍の場合は外科手術と抗がん剤治療に加え、場合により放射線治療を行うこともあります。

 

初期段階ではどうしても症状が見えづらいのですが、皮膚が赤みを帯びていたり、イボのようなものがあったりする場合は動物病院を早めに受診するようにしましょう。

パグを散歩させる際に気を付けることは?

パグはどんな犬?_犬、パグ

パグは暑さに弱い犬種なので、散歩に出る時間や場所には十分注意が必要です。夏場は日の高い時間帯を避け、早朝や夕方に散歩すると熱中症のリスクを減らせます。直射日光が当たり続けることも身体に負担になります。

 

短頭種のパグは呼吸器への負担を減らす工夫も必要です。首輪ではなく胴体につけられるハーネスを利用することをおすすめします。散歩は毎日12回、30分以上を目安に連れていきましょう。

パグにおすすめの遊びは?

暑くない季節は思いっきり外で遊ばせるのがよいですが、室内飼いが求められるパグですので、室内遊びで楽しむのが良いかもしれません。例えば、ボール遊びやノーズワークなどを取り入れてみましょう。ノーズワークとは犬の嗅覚を使っておこなう遊びです。おやつなどを家のなかに隠して探してもらうなどの方法があり、スペースが狭くても実施できます。

 

また、いろいろな芸を教えるのもおすすめです。飼い主さんが大好きなパグが多いので、一緒にできる遊びは喜ぶでしょう。

パグの食事の注意点は?

パグは体型がコロンと丸いので太ったことに気づきにくい一面があります。また、他の犬種に比べ、筋肉質で適正体重が重めなため、過体重を見逃しがちです。知らないうちに食べさせ過ぎて、気づいたら肥満気味になっていた、という事態を防ぐためにも適切な量の食事を心がけ、定期的に体型チェックをおこないましょう。理想は愛犬を上から見たときにくびれがある状態です。身体を触ってあばらが確認できるかもひとつの指標となります。

 

栄養素としてはタンパク質を多くあげる方法がありますが、個体によって適した食事は変わりますので気になる場合は食事内容を獣医師さんに相談してみましょう。

パグの日常のお手入れ方法は?

パグは抜け毛が多い傾向にあります。一般的にダブルコートの犬種は季節ごとに換毛期がありますが、最近は空調が管理された環境にいることが多いため、はっきりとした時期がわかりづらいです。スキンシップやボディチェックを兼ねてブラッシングは欠かさずにおこないましょう。

 

シャンプー10日~2週間に一度が目安です。ただし、脂っぽい体質でべたつきやすい犬種のため、皮膚のコンディションを見ながら行うかどうかを判断しましょう。丁寧なスキンケアが肌トラブルを防ぐことにつながります。また、被毛のカットは必要ありませんが、トリマーさんにお願いして肌質を診てもらうのも手です。シャンプーの種類や頻度などスキンケアのコツを聞いてみてもよいでしょう。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

世界各国で人気の高いパグ。家族として迎え入れたのであれば、パグの性質や病気のリスク、しつけ方法などを理解したうえで、愛犬が幸せな毎日を送れるよう努力したいものです。この記事を参考にしながら、フレンドリーで心の優しいパグの性格をしっかり引き出せるよう深い愛情を持って接してあげてくださいね。

監修/箱崎加奈子(獣医師、トリマー、ドッグトレーナー)

ペットスペース&アニマルクリニックまりも 病院長。獣医師でありながら、トリマー、動物看護士としての実務経験を持ち、ドッグトレーナースクールで学んだしつけの知識も豊富。ペットとその家族がラクに楽しく暮らすために、医療、ケア、生活面をサポート。獣医師(トリマー、動物看護士)が家族と共に、健康維持管理を行い、病気にならない身体つくり、病気の早期発見、未病ケアに努める0.5次医療を提唱。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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