ポメラニアンにはキツネ顔とたぬき顔がある?見分け方と特徴を解説【獣医師監修】

ポメラニアンにはキツネ顔とたぬき顔がある?見分け方と特徴を解説【獣医師監修】

綺麗な毛並みと、丸くて愛らしい目が特徴のポメラニアン。そんなポメラニアンには「キツネ顔」と「たぬき顔」があるのを知っていましたか? 今回は、動物行動コンサルティングはっぴぃているず所属の獣医師、フリッツ吉川綾先生に教えていただいた、ポメラニアンの「キツネ顔」と「たぬき顔」の特徴や、子犬のときに見分けるコツなどを解説していきます。

監修/フリッツ吉川綾先生(獣医師、獣医学博士、日本獣医動物行動診療科認定医)

監修/フリッツ吉川綾先生(獣医師、獣医学博士、日本獣医動物行動診療科認定医)
動物行動コンサルティングはっぴぃているず代表。東京都文京区なないろ動物病院(一般診療、行動診療)などに勤務。動物の心身の健康と、飼い主様のより幸せで充実したペットライフをサポートしている。そのほか、獣医動物行動学に関する研究、専門書の執筆、翻訳も。

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ポメラニアンってどんな犬?

ポメラニアンは、ドイツのポメラニア州から名前がつけられました。ドイツ原産のスピッツが英国で小型化され、19世紀にビクトリア女王が好んだことで人気が出たといわれています。20世紀になりさらに交配が進み、体がさらに小さく、被毛は長くなり、今の姿に近づきました。日本には明治の初期に入ってきて、今でも根強い人気を誇っています。

ポメラニアンには「キツネ顔」と「たぬき顔」がある?

同じポメラニアンでも、マズルが長くシャープな顔立ちの「キツネ顔」と、マズルが短く丸顔の「たぬき顔」と呼ばれる特徴があります。顔つきの違いによって、海外でも「Fox face」「Teddy Bear」のように表現されているようです。

 

とはいえ、犬種にはそれぞれマズルの長さなどの“基準”が設定されているため、このように顔つきの違いによって犬種が分類されることはありません。当然、「キツネ顔」「たぬき顔」といった顔つきについては公式な基準はありません。また、典型的なたぬき顔の犬はポメラニアンとしての公式の基準を満たしていない場合もあるでしょう。

 

顔つきの違いが生まれた背景は?

このような顔つきの違いが生まれた背景には、おそらく優しい表情に見える「たぬき顔」に人気があり、それ同士が交配されることで顔つきの特徴が強く出るようになったのでしょう。

 

一方、ポメラニアンの見た目を表す言葉に「用心深い目を持つフォクシー・ヘッド」という表現があります。これはよく動く耳を持つキツネのような頭部のこと。元来のスピッツらしい特徴を持つ「キツネ顔」を魅力に感じる人もおり、「たぬき顔」「キツネ顔」それぞれの特徴が分けて表現されるようになったと考えられます。

「キツネ顔」のポメラニアンの特徴は?

ポメラニアン「キツネ顔」

学問上、正式に定められている基準がありませんが、一般的には下記のような特徴が挙げられます。

 

祖先であるスピッツの特徴を受け継いでいる

横から見てシュッと伸びたマズルにシャープな顔立ち、キツネのようにピンと立った耳が目を引きます。

 

「たぬき顔」よりも体が大きい

「たぬき顔」に比べて、体がやや大きめなのも特徴です。個体差はありますが、成犬のポメラニアンの平均体重が1.82.3㎏ほどのところ、「キツネ顔」は4kgを超える犬も少なくないようです。

 

体が丈夫

小型犬であるポメラニアンの中でも大きめのサイズなため、比較的、体が丈夫な傾向があります。

 

鳴き声が低い

体大きいことで、「たぬき顔」に比べて鳴き声が低くなるのも特徴の一つです。

「たぬき顔」のポメラニアンの特徴は?

ポメラニアン「たぬき顔」

交配を重ねたことで生まれた「たぬき顔」のポメラニアンも、学問上の基準はありません。一般的には下記の特徴があるといわれています。

 

マズルが短く愛嬌のある顔つき

「キツネ顔」と比べ、マズルが短く幼く見えます。ぬいぐるみのような丸っこいフォルムが特徴的です。

 

体や耳が小さい

「キツネ顔」よりもサイズが小さめです。耳の大きさも小ぶりな傾向があり、子犬の頃に他の犬よりも耳が小さい場合は、成犬になっても小さいままの子が多いようです。

 

鳴き声が小さく甲高い

ポメラニアンはもともと好奇心旺盛かつ臆病な性格といわれています。そのため、比較的吠えやすく、「たぬき顔」はキャンキャンと甲高い鳴き声をしているのも特徴の一つです。

ポメラニアンは「キツネ顔」と「たぬき顔」で性格が違う?

犬の性格には個体差があり、一概にはいえません。しかし、一般的には下記のような違いがあるようです。

 

「キツネ顔」の場合

「たぬき顔」よりも、本来のポメラニアンらしい性格だといえるでしょう。ポメラニアンはもともと過敏で興奮しやすい面があり、決して飼いやすい犬種ではありません。一方で、甘え好きで活動的という魅力もあります。飼い主がその個性を受け入れて信頼関係を築くことができれば、愛らしい姿をたくさん見せてくれるでしょう。

 

「たぬき顔」の場合

比較的、おとなしい犬が多いといわれています。しかし、ポメラニアンらしさという枠から外れて、愛嬌ある顔つきになるよう交配されてきた歴史からも、個体ごとの差が大きいと考えられます。

 

「キツネ顔」と「たぬき顔」を子犬のときに見分ける方法は?

顔の見分け方

「キツネ顔」と「たぬき顔」の見た目の違いは、下記の通りです。一番分かりやすいのは、犬の顔を横から見たときのマズルの長さです。

 

マズルの長さ

「キツネ顔」はマズルが長く、シュッとした顔立ちです。「たぬき顔」の場合は、鼻が低くつぶれて、フェイスラインもまるっとしています。

 

体の大きさ

「キツネ顔」は体が大きく、体重が4kgを超える犬も珍しくありません。一方で「たぬき顔」は、体だけでなく耳も小さめという特徴があります。

「キツネ顔」と「たぬき顔」、どちらが良い・悪いはあるの?

仲良いポメラニアン

ここまで「キツネ顔」と「たぬき顔」の違いをご紹介してきましたが、どちらが良い・悪いといったものは全くありません。この記事を読まれている飼い主の皆さんもご存じの通り、大切なのは、愛犬と家族の一員として一緒に楽しく快適に過ごせることです。

 

流行りの見た目をした犬の交配が行われることはありますが、急速に交配を進めることで、犬の心身の健康を保つことが置き去りになってしまう場合も少なくないのが実情です。見た目に関わらず愛犬を大事にすることはもちろん、ポメラニアンの本来の姿を知り、心身ともに犬らしく健康でいられる交配がされるよう応援していきたいですね。

 


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

「キツネ顔」「たぬき顔」の違いをご紹介しました。どちらが優れている、劣っているというものではなく、愛犬の個性として受け入れて、愛してあげてくださいね。流行のための交配によって生まれた犬種や外見的特徴のある犬は、ときに骨格的な問題や病気、攻撃行動が多く見られるなどの傾向もあります。すべての犬が健康に、幸せに生きられる交配が行われることを願っています。


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