【獣医師監修】ポメラニアンはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気や平均寿命についても解説

【獣医師監修】ポメラニアンはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気や平均寿命についても解説

ポメラニアンと聞いてまず思い浮かぶのが、フサフサの毛並みです。ペットとして非常に人気が高いポメラニアンですが、一般的にはどのような性格の犬種なのでしょうか。ここでは、獣医師の林美彩先生に教えていただいた、ポメラニアンの性質や種類、飼い方のコツなどについて解説していきます。

ポメラニアンの歴史やルーツは?

超小型犬のポメラニアンですが、意外にも先祖は大型犬のサモエドと言われています。サモエドはシベリアを原産とする、全身が白い長毛に覆われた犬種です。サモエドの子孫はかつて、ロシア北部からドイツ東部~ポーランド北部にまたがるポメラニア地方に持ち込まれ、ジャーマンスピッツと呼ばれるようになりました。

 

当時のジャーマンスピッツはサイズごとに分類されましたが、その中で3番目に大きかったのがジャーマン・ミッテル・スピッツ。これがイギリスに渡って小型化されたものが、ポメラニアンの基礎となった犬種とされています。

 

先祖であるサモエドは、ロシア北部の先住民族であるサモエードに3,000年以上にもわたり飼育されてきた犬種であり、番犬や狩猟犬として活躍してきた歴史があります。ポメラニアンにもその気質が残っており、小さくても勇敢な性格を持つ犬種として知られています。

ポメラニアンの体高・体重・平均寿命は?

ポメラニアンはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気や平均寿命についても解説_走るポメラニアンまるでぬいぐるみのように小柄な体が可愛らしいポメラニアンは、大きさの分類上、もっとも小さい「超小型犬」にあたります。そんなポメラニアンの平均的な大きさや寿命について紹介します。


ポメラニアンの体高・体重

体高1822㎝、体重1.82.3㎏ほどのポメラニアンは、チワワなどと並ぶとても小柄な犬種です。ただし、ポメラニアンは体格に差が出やすい犬種のため、あくまで目安と考えておきましょう。体が完成するのはおおよそ1歳を迎えるタイミングで、その後に体高や体長が大きくなることはほぼありません。


ポメラニアンの平均寿命

ポメラニアンの平均寿命1216歳で、すべての犬種の中でも長い部類に入ります。一般に、犬は大型犬ほど寿命が短く、体が小さい犬種になるほど寿命が長めになると言われています。

ポメラニアンの毛色の種類や被毛の特徴は?

直毛で量が多い、フサフサとした毛並みが特徴のポメラニアン。毛色にはどんな種類があり、被毛はどのような特徴を持つのでしょうか。


ポメラニアンの毛色の種類

毛色はレッド、ブラック、ホワイト、セーブル、チョコレートなどさまざまな種類があります。もっとも人気のカラーは、オレンジのようにも見える深いレッド系です。ポメラニアンの毛色が一番美しく見える色と言われており、ドックショーなどでも多く見かけます。


ポメラニアンの被毛の特徴

犬の被毛は、太くてしっかりとした「オーバーコート」と、柔らかく保湿・保温効果の高い「アンダーコート」の2種類に分かれます。オーバーコートとアンダーコートの両方を持つ犬種は「ダブルコート」、オーバーコートのみを持つ犬種は「シングルコート」と呼ばれています。

 

ポメラニアンはダブルコートの犬種にあたり、毛玉ができやすい毛質です。ブラッシングシャンプーなどのこまめな手入れを行いましょう。

ポメラニアンはどんな性格?オスとメスでの性格の違いは?

ポメラニアンはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気や平均寿命についても解説_走るポメラニアンポメラニアンの基本性格は、元気で明るくフレンドリー。比較的飼いやすく、多頭飼いにも向いている犬種です。また、好奇心旺盛で活発なため、心身の健康維持のためには毎日の運動や散歩が欠かせません。

 

サモエドの血を引き継いでいることから、非常に勇敢な性格です。家族の子どもや一緒に飼われている動物などを、危険から守ろうとすることもあります。

 

また、非常に理解力が高く、お手などの芸も楽しんで覚える個体が多いとされています。ただし、用心深くて警戒心が強い性質もあわせ持ちます。異変に気付くと、すぐに吠えて知らせるため、番犬に適している犬種と言えるでしょう。

 

ちなみに、オスとメスで性格の違いがあります。オスの場合は気性が荒い場合があり、外で飼っている場合もあるほどです。メスはオスよりも性格が大人しいですが、短命な場合が多いようです。

ポメラニアンを飼うのに向いている人は?

ポメラニアンの換毛期の抜け毛はかなり量が多いため、毎日ブラッシングの手入れができる人、被毛が気にならない人、アレルギー体質ではない人におすすめの犬種です。

 

また、ポメラニアンは活発で運動量を必要とする動物です。ほとんどすべての犬種に共通することですが、きちんとお散歩に連れて行ける場合にのみ飼うようにしましょう。ただ、吠え癖がつきやすい傾向にもあるため、正しい方法でしつけができる人であることも大切です。しつけをしても吠えてしまう子もいるため、苦情が来ないよう、防音対策がされていたり、隣家との距離が離れていたりと、近隣住民に配慮できるような住まいに住んでいる人が理想と言えるでしょう。

ポメラニアンを飼い方や生活上で注意すべきことは?

ポメラニアンは体が非常に小さく、骨がもろい犬種です。なので、骨折しやすい傾向にあるようです。人間の子どもや大型犬と触れ合う場合には、ケガをしないよう大人がきちんと見張っておく必要があります。また、抜け毛が多いので、こまめに部屋の掃除を行うようにしましょう。特に春から7月ごろ、秋から11月ごろの年2回、毛が生え変わる換毛期を迎えますので、その時期は掃除が大変になりがちです。

ポメラニアンのしつけを始める時期や心がけておくべきことは?

ポメラニアンは好奇心旺盛で知的な犬種ですが、用心深く吠えやすい性質を持ちます。また、噛み癖のある個体も少なくありません。

 

過剰な吠え癖や噛み癖を予防するには、子犬の社会化期と呼ばれる生後13か月ごろの時期からしつけを始めるのがおすすめです。

 

しつけの際は、名前を呼んで叱ったり、叩くなどの体罰を行ったりするのは絶対にNGです。注意のときの言葉を1つだけ決めておき、悪いことをしたときはすぐにその言葉をかけるようにしてください。飼い主によるしつけが難しい場合は、しつけ教室や子犬教室などに通いましょう。

ポメラニアンを散歩させる際に気を付けたいことは?

ポメラニアンの祖先は牧羊犬や番犬として活躍した犬種のため、動くものに反応しやすく、吠えやすい傾向があります。他の犬や自転車、バイクなどの動くものなどに必要以上に吠えないよう、しっかりとしつけをしておきましょう。

 

また、他人やよその犬などにとびかからないよう、散歩のときはリードをなるべく短く持つようにしてください。

 

ポメラニアンは多くの活動量を必要とするため、散歩の頻度は最低でも12回必要です。時間帯には特に決まりはないものの、夏場は熱中症の危険性があるため、まだ気温が高くない明け方と道路の温度が落ち着いてくる夜に行うのが理想です。

ポメラニアンにおすすめの遊びは?

ポメラニアンはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気や平均寿命についても解説_ポメラニアンポメラニアンは活発な性格で、運動が大好きな犬種です。十分な運動量を確保できるよう、毎日散歩させるほか、たまにドッグランで走らせてあげましょう。

 

家の中で遊ぶときにおすすめなのが、ボールを取りに行かせるボール遊びです。ボールを投げるとジャンプをしてケガをする可能性もあるため、ボールは床に転がすようにしてください。愛犬がボールを取ってきたら「ちょうだい」と声をかけ、ボールを受け取っておすわりをさせます。これらが上手くできたときは、よく褒めてあげましょう。

 

また、ポメラニアンは好奇心旺盛で賢い一面も持っています。犬に見えないよう空き箱やタッパーにおやつを入れ、それを隠して探させる「ノーズワーク」という遊びは、脳トレになるため、ぜひ挑戦してみましょう。体が思いきり動かせなくなったシニア犬の遊びとしてもおすすめです。

ポメラニアンの食事の注意点は?

肥満を防ぐため、栄養バランスの取れた食事を適正な量だけ与えましょう。食事は必要なカロリーを計算し、摂取カロリーが消費カロリーを過剰に上回らないようにするのがポイントです。また、炭水化物の摂りすぎは肥満の原因となるため注意が必要です。

ポメラニアンが発症しやすい病気とその対処法は?

ポメラニアンはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かかりやすい病気や平均寿命についても解説_歩くポメラニアンポメラニアンには、体質上発症しやすい病気がいくつかあります。代表的な病気の症状と対処法について知っておくのも、ポメラニアンを飼育するうえで大切なことのひとつです。


膝蓋骨脱臼

ポメラニアンなどの小型犬は、後ろ脚の膝の皿がずれて脱臼する膝蓋骨脱臼になりやすいと言われています。脚を触られることや散歩を嫌がったり、後ろ脚を不自然に上げたまま歩いたりするときは、膝蓋骨脱臼を疑ってみてください。肥満状態にあったり、体重が増えすぎるとどうしても後ろ脚に負担がかかるため、適切な体重管理は必須です。


皮膚病

ポメラニアンは長毛で被毛の量が多いため、皮膚に汚れが溜まりやすく、皮膚病にかかりやすい犬種と言えます。皮膚病の原因はノミ・ダニなどの寄生虫、細菌の繁殖、アレルギーなどさまざまです。主な症状としてかゆみや脱毛などがあり、掻き過ぎると皮膚を傷つけてしまうこともあります。

 

ポメラニアンは被毛が多いので、皮膚炎を発症しても発覚が遅れがちです。毎日のブラッシングで皮膚病を予防するほか、皮膚に異常がないかを定期的にチェックする習慣をつけましょう。


白内障

他の犬種同様、ポメラニアンも年を取ると白内障になる個体が多く見られます。白内障は目の中の水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。症状が進行すると失明する可能性もあります。

 

残念ながら、老齢性の白内障は防ぐことができません。もし、愛犬が白内障になったら、物につまずかないよう部屋をきちんと片付け、愛犬の目の高さに物を置かないようにしましょう。

ポメラニアンの日常のお手入れで気をつけることは?

ポメラニアンの被毛はダブルコートで量が多く、長毛で毛玉ができやすいという特徴があります。ブラッシングは毎日行いましょう。シャンプーは12か月に1回程度で十分ですが、散歩などで汚れが激しくなった場合はその都度洗って清潔にします。

 

前述しましたが、犬は春から7月ごろ、秋から11月ごろの年2回、毛が生え変わる換毛期を迎えます。ポメラニアンの抜け毛は非常に量が多いため、換毛期は特に念入りにブラッシングするようにしてください。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

ポメラニアンには用心深く、吠えやすいといった側面もありますが、根気強くしつけをしたり、しつけ教室などに通わせたりすることで改善するケースもあります。毎日の散歩やブラッシングなどのこまめな世話が必要な一方、元気いっぱいな姿で飼い主の心を明るくしてくれるポメラニアン。家族として迎える場合は、愛情を持ってお世話をしてあげてくださいね。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。


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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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