愛犬のためにペット保険は入るべき?メリット・デメリットや選び方のコツ、補償範囲や加入時の注意点について解説

愛犬のためにペット保険は入るべき?メリット・デメリットや選び方のコツ、補償範囲や加入時の注意点について解説

ペット保険を検討したことはありますか? 「ペット保険って何が補償されるの?」「貯金から医療費を支払うのと、保険に加入するのはどこがちがうの?」「種類が多くて選び方がわからない」などと、お悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はchicoどうぶつ診療所院長の獣医師・林美彩先生に教えていただいた、ペット保険選びのコツやメリット・デメリットなどについて解説していきます。

そもそも、犬にかかる医療費とは?

動物病院にいる犬犬の診察料金は動物病院によって異なります。また、犬には、人間のような公的な医療健康保険(国民健康保険等)はありません。そのため、ペット保険などに加入していない場合、犬の医療費は飼い主が100%負担することになり、動物病院の支払いの段階で請求金額の高さに驚いてしまうこともあるでしょう。

犬に必要な医療は、ワクチンなどの予防医療と、ケガ・病気の治療の2パターンに分かれます。


犬に必要な医療

【予防医療】

・予防注射(混合ワクチン/狂犬病等)/義務

・フィラリア予防の投薬

ノミ・ダニ予防の投薬

・健康診断

・去勢、避妊手術

 

【その他の診察、治療】

・事故等によるケガの治療

・病気の治療

・誤飲、拾い食い等の治療


犬の飼い主は、「狂犬病予防法」により狂犬病ワクチンの接種が義務づけられている他、ドッグランやペットホテルが利用する際に混合ワクチン接種の証明書の提出を求められることがあります。また、気を付けていても、目を離した隙に誤飲や拾い食いをしてしまい動物病院に駆け込むことも。ペットを飼うと、病気やケガ以外にも、さまざまな医療費がかかるのです。

ペット保険とはどういうもの?愛犬のために必要な理由は?

スウェーデンの馬ペット保険の仕組みは?

ペット保険は加入して月々の保険料を支払うことにより、病気やケガで必要になった際に、医療費の一部または全額を、保険会社が保険金として負担してくれる仕組みです。


ペット保険はいつ始まった?

1890年に、スウェーデンで家畜や馬を対象とした保険が始まったのが、最初のペット保険だと言われています。日本では1995年から提供されています。


どんなときにペット保険が必要?

犬には公的な健康保険がなく、飼い主が医療費を全額負担するため、必然的に高額になります。そのため、保険加入の有無で経済的・心理的な負担が大きく変わってきます。

皮膚炎などで長期間通院する場合や、手術などの高度な医療が必要になる場合、入院治療の場合はさらに医療費は高くなり、合計で数十万円単位に及ぶこともあります。高額な治療を受けるときは特に、ペット保険が必要となるでしょう。

ペット保険が補償してくれる範囲は?

治療される犬ペット保険の補償範囲は保険会社やプランによって異なりますが、基本的に、健康な犬の予防医療であるワクチンや健康診断、歯科治療は補償の対象外です。ペット保険には、大きくわけて3つのタイプがあります。


定額補償タイプ

例えば「通院1日につき1万円、入院1日2万円、手術10回万円」など、決められた上限額まで保険金が支払われます。比較的掛け金が安く、小さな病気やケガなら十分です。医療費が上限額に達しない場合は、実費での補償になります。補償回数や日数が設定されているので、選ぶときには慎重に。


定率補償タイプ

病気やケガでかかった医療費のうち、決まった割合まで支払われます。例えば医療費が50万円だった場合、70%補償のプランなら35万円、50%補償のプランなら25万円が補償されます。医療費が高額になる場合は、このタイプが安心です。


実費補償

医療費の全額が補償される保険です。治療に50万円かかった場合は、50万円全額が補償されます。医療費が高額になってしまったときや、貯蓄が心許ない時に助かります。ただし、補償限度額や支払い回数の制限があるので、注意しましょう。

自動車保険のペット特約とは?

ペット保険ではありませんが、自動車保険などの損害保険に、ペットに関する特約が用意されていることも。自動車事故で犬がケガしてしまった際の医療費が補償される他、犬が「他人を噛んでケガをさせてしまった」「暴れてモノを壊してしまった」といったトラブル時の損害賠償額を保障してくれます。自動車保険に加入されている方はチェックしてみてください。

ペット保険のメリット・デメリットとは?

診察される犬ペット保険のメリットとは?

・医療費の負担が軽くなる

大事なペットがいざケガをしたときや病気にかかったときに、医療費の負担が軽くなります。特に高額な手術や、継続して治療が必要な病気にかかった場合、「費用が高額だから治療を諦める」という辛い選択を迫られることも。保険に入っていれば、安心して治療を続けられます。


ペット保険のデメリットとは?

・毎月保険料がかかる

毎月、保険料が生じます。犬が健康なうちは保険金を受け取る機会がないため、負担に感じることもあるでしょう。


・比較検討が大変

保険の種類が多く、比較検討に労力を要します。月々支払える金額と、いざ必要になったときに使える貯蓄額のバランスを考えて検討する必要があります。


・全ての病気・けがが保障されるわけではない

全ての病気やケガが補償されるわけではありません。先天性の疾患や、特定疾患が対象外とされることも。


・免責金額、上限金額がある

ペット保険の多くは免責金額が設定されており、金額が低い治療には利用できません。また、上限金額も決められています。


・補償は医療費の実費のみ

人の保険と異なり、基本的に医療費を超える保険金は支払われません。かかった医療費(動物病院から請求された金額)が上限です。


・予防医療は補償対象外

狂犬病ワクチンや混合ワクチン、健康診断、歯石取り、避妊手術などの予防医療は対象外です。

犬の医療費を預貯金で払う考え方は?

貯金する犬の飼い主ある保険会社の報告によると、日本のペット保険加入率は10%程度です。しかし、保険加入1年以内に請求を行うケースはおよそ60%。つまり、6割もの方の愛犬などが、加入してわずか1年の間に、保険を利用するようなケガや病気に見舞われていることになります。

保険に入らず、いざ医療費が必要になった場合は、手持ちの貯金で賄うということも選択肢のひとつです。しかし、ケースによっては何十万円もの支払いが必要になることがあります。よほどの金銭的な余裕がある場合を除き、全額を自己資金で賄おうとすると、「愛犬の様子が変だけど、お金がかかるから受診は見合わせよう」という受診控えに繋がったり、支払いの問題で手術を諦めざるを得なかったりする恐れがあります。

そもそも保険は、加入者同士で支え合う相互扶助の仕組み。元気な時でも保険料を払い続ける人がいるからこそ、大きなケガや病気になったときに、保険料として支払った以上の保険金を受け取ることができるように設計されています。

「貯蓄で賄うか、保険に加入するか」と悩んだときは、先に「ケガや病気にかかったとき、いくらまで医療費を払えるか?」と考えるとわかりやすいでしょう。

愛犬にぴったりなペット保険の選び方とは

犬と獣医師対応病院で選ぶ

種類が多いだけに悩ましいペット保険選びですが、1番大切なことは「いざというときに、その保険が使えるか」です。

実は、ペット保険は人の医療保険と違い、病院ごとに対応している保険会社が異なる場合があります。すでにかかりつけの動物病院がある方は、その病院が対応している保険から選ぶと安心です。特にかかりつけ動物病院がない方は、保険会社が対応している病院の数も重要な選択基準になります。



補償内容で選ぶ

保険会社やプランによって補償内容が変わるため、必要な補償内容を整理しながら順に検討しましょう。犬は犬種によってかかりやすい病気がわかっていますから、愛犬のどの部分を保険でサポートしたいか考え、それが補償されるかどうかを確認します。

また、犬が他人にケガをさせた場合などに使える賠償責任特約や、亡くなったときの火葬費用を負担してくれる特約など、さまざまな特約プランもあります。



月々の保険料で選ぶ

月々負担できる保険料と、いざというときに何割まで自己負担できるかといった資金面を考えてプランを選びます。傾向として、月々の保険料が低いほど、支払われる保険金も低くなります。「病気にかかりやすい犬種だから、月々の負担は高くても補償が厚いプランにする」、「いざというときはある程度貯金で賄えるので、月々の保険料は安くする」など、総合的に判断して、必要十分かつ無駄のない保険を選びましょう。


窓口精算ができるかどうかで選ぶ

「窓口精算」は、動物病院の窓口で保険料の精算ができる仕組みです。先に全額支払う必要がなく、保険請求手続きも不要なため、手間が軽減できます。

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ペット保険の注意点は?

保険加入時には「告知事項」として、既往症や、治療中の病気、ワクチンの接種状況など、犬の健康状態を申告します。健康状態によっては加入できなかったり、特定の疾病や体の部位が保険の対象外となったりすることがあります。

ただし、不正確な申告をしてしまうと、「告知義務違反」で補償が受けられなくなったり、契約が解除されたりする恐れも。「もう治った病気だから」と軽く考えず、申し込みの際は正確に記載しましょう。

専門家のコメント

犬は私たちの大切な家族です。しかし、残念ながら「病院につれてって」とも、「このぐらい平気だよ」とも,伝えることができません。ともに元気に暮らしていくためには、飼い主が適切な医療を受けさせてあげる必要があります。「様子がおかしいな?」と感じたときに、ためらいなく動物病院に駆け込め、大切な愛犬と末長く元気に暮らしていけるよう、ぜひペット保険を検討してみてください。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。


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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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