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【獣医師監修】犬にキシリトール製品はNG!?危険な理由や誤飲した時の対処法を解説

【獣医師監修】犬にキシリトール製品はNG!?危険な理由や誤飲した時の対処法を解説

虫歯予防などに使用されるキシリトール。昨今ではお菓子やガムなどに入っており、一般的な物になっていますが、実はキシリトールは犬にとって危険な成分だと知っていましたか? キシリトール入りの食品などを置きっぱなしにしてちょっと目を離した隙に愛犬が食べてしまうと、中毒症状を発症してしまうこともあるんです。今回は、chicoどうぶつ診療所所長の林美彩先生に教えてもらった大切な愛犬を守るために、キシリトールが犬にとってなぜ危険なのか、そして間違って食べてしまった場合の対処法などをご紹介します。

なぜ犬がキシリトール製品を食べると危険なの?

犬がキシリトール製品を食べると、ふらつきやけいれんなどを起こす低血糖の症状が現れたり、肝臓に急激な炎症が起きる急性肝不全を発症する可能性があります。人間は平気なのに「どうして?」と思うかもしれませんが、実は人間と犬ではキシリトール成分を摂取した時の体の反応が違うんです。

人間も犬も、何かを食べるとその食材を消化吸収してブドウ糖として体内に取り込みます。この時、体内のブドウ糖の濃度(=血糖)が高くなりすぎないようインスリンというホルモンを出して調整しています。

人間がキシリトールを摂取するとインスリンの発生をセーブできるため、糖尿病などの療養食で用いられることがあります。しかし、犬がキシリトールを摂取すると反対にインスリンの発生を促してしまいます。そのため、犬がキシリトール製品を食べると体内のブドウ糖の濃度が必要以上に下がってしまい、低血糖などの中毒症状を引き起こす可能性があることから「犬にキシリトールは危険」だと言われています。

キシリトールが含まれている製品とは?

キシリトールは人間用のガムなどの他、意外なものにも含まれている場合があります。具体的にご紹介します。

ガムやキャンディ

人用の嗜好品であるガムやキャンディの中には、キシリトールが多く含まれているものがあります。中でも注意なのが、虫歯予防を売りにしている商品です。小さいもので、犬が届く距離に置きがちで、誤飲・誤食が起こりやすいものなので、注意しましょう。

歯みがき粉などの人用のデンタルケア商品

歯みがき粉などのデンタルケアの商品にも多く含まれています。こちらも普段机の上や、洗面所など出しっぱなしにしていることも多いと思うので、使うときだけ出すようにしましょう。

野菜や果物

野菜や果物にもキシリトールが含まれているものがあります。いちごやカリフラワー、レタスなどに含まれています。これらは多量でなければ食べても大丈夫だと言われていますが、気になるようであれば食べさせるときは愛犬に変化がないか見守ってあげましょう。

意外なところにもキシリトールが…。

キシリトールは、意外なところでは犬用のおやつに使用されているものもあるので注意しましょう。買う前にパッケージなどを確認してみるといいですよ。また、犬用の服にキシリトールが使われていることもありますが、着る分には問題はありません。

犬がキシリトール製品を食べるとどんな症状が?

犬がキシリトール製品を食べて低血糖を起こすと、次のような症状が見られます。

  • 意識の低下
  • 脱力
  • 昏睡
  • けいれん
  • 肝不全 など

症状が出るのは食べてからほとんどの場合30〜60分以内だと言われています。また、犬の体の大きさや体調によって摂取して危険なキシリトールの量は変わりますが、体重10キロあたりで1グラムのキシリトール成分を摂取したときに重篤な低血糖の症状が見られたという報告もあります。

キシリトールの含有量はメーカーや商品によって差はありますが、ガム1粒に0.3〜1.3グラムほどとも言われ、1、2粒食べただけで基準値を超えてしまうこともあります。そのため、ガムやタブレットを犬が誤飲しない様に置きっぱなしにしないようにしておきましょう。そして、少量のキシリトールでも体調を崩してしまう犬もいるので、食べてしまった場合は量に関係なく動物病院を受診する様にしましょう。

犬がキシリトール製品を食べてしまった場合の対処法は?

愛犬がキシリトール製品を食べてしまったら、慌てずにかかりつけの病院へ連絡をしましょう。その手順をご紹介します。

  • どんな種類のキシリトール製品をどのぐらいの量を食べたのか把握する
  • かかりつけの動物病院に連絡を入れる
  • 犬の様子や症状を観察する

愛犬がキシリトール製品を食べてしまったことに気付いたら、まずはどんな製品をどのぐらい食べたのか確認しメモなどをしておきましょう。その後、すぐにかかりつけの獣医師に相談するのが大切です。その際、「何をどのぐらい食べたのか」などメモしたことを伝えるようにしましょう。もし残っていれば、診察の際に製品のパッケージを持っていくのも手段のひとつです。そして、嘔吐しているかなど愛犬の症状を観察し、動物病院へ行った時に伝えられる様にしましょう。

また、キシリトール製品を食べた後60分以内に症状がでることがほとんどですが、まれに12時間を過ぎた後でも症状が現れることもあるので、注意しましょう。

応急処置は獣医師さんの指示に従おう

愛犬がキシリトール製品を誤飲してしまい、無理に吐かせようとする人がいますが、食べたキシリトール製品の量などにより対処法も変わってくるため、処置は獣医師さんに任せましょう。

病院では場合により、低血糖になることを防ぐために、ブドウ糖の点滴などの処置が施されることもあります。特に症状が出ていない場合には、低血糖になることを防ぐため食事や砂糖の入ったおやつをあげるよう言われることもあるので、指示されたら従う様にしましょう。

犬がキシリトール製品を誤飲しないようにするには?

ガムや歯磨き粉などは人の生活で日常的に使う回数も多いため、ついつい出しっぱなしや目立つところに置いている人も多いかもしれません。しかし、犬が興味を持たないよう、手の届かないところや目立たない場所に置くようにしましょう。また、キャンディーやタブレットはカバンの中に入れがちで犬が食べてしまう可能性もあります。そうならない様に犬が開けられないタイプのカバンにするなどの工夫をしましょう。

まとめ:

清涼感があり、砂糖の代わりにも使われるキシリトール。昨今では日常生活に馴染んだ成分で、知らないうちに歯みがき粉やガム・タブレットに入っており、使用している飼い主さんも多いかもしれません。しかし、犬にとってキシリトールは危険な物と認識し、適切に対処できるようにしてくださいね。


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※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。

著者プロフィール

わんクォール編集部

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