【獣医師監修】ミニチュア・ダックスフンドはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かりやすい病気などについて解説

【獣医師監修】ミニチュア・ダックスフンドはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かりやすい病気などについて解説

胴長で足が短い特徴を持ち、数ある犬種の中でも非常に人気が高いミニチュア・ダックスフンドですが、性格や飼いやすさが気になるところです。そこで今回は、獣医師の茂木千恵先生に教えていただいた、ミニチュア・ダックスフンドのルーツや性格、主な特徴やかかりやすい病気、さらにおすすめの遊び方などについて解説していきます。

ミニチュア・ダックスフンドの歴史やルーツは?

ダックスフンドという名前は、ドイツ語でアナグマを意味する「ダックス」と犬を意味する「フンド」が由来とされています。ダックスフンドの公式の起源は約600年前のドイツです。もともとダックスフンドは主にアナグマなどの地中に作った巣穴に生息する哺乳類を捕まえる猟犬でしたが、ミニチュア・ダックスフンドは主にウサギの狩猟のために小型化されました。

 

ダックスフンドの初期のルーツは古代エジプトとする説もあり、古代エジプトではダックスフンドによく似た足の短い狩猟犬が壁画に彫刻されています。また、エジプトのカイロにあるアメリカン大学によって、ダックスフンドのようなミイラ化した犬を含む古代エジプトの埋葬壷が発見されました。

ミニチュア・ダックスフンドの体高・体重・平均寿命は?

ミニチュア・ダックスフンドはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かりやすい病気などについて解説ダックスフンドは体高ではなく胸囲の大きさがサイズの目安となります。

 

・ダックスフンド…胸囲35cm以上、体重は約9kg

・ミニチュア・ダックスフンド…胸囲3035cm、体重は4.55kg(生後15カ月時点の目安)

・カニーンヘンダックスフンド…胸囲30cm以下、体重3.23.5kg(生後15カ月時点の目安)

 

ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命ですが、一般的に健康な犬種とされているので、適切な食事を続け、良好な筋肉量を維持するのに十分な運動をしていれば、1216年生きることが期待できます。体重管理に気をつければ健康に晩年も過ごせるでしょう。

ミニチュア・ダックスフンドの毛色の種類や被毛の特徴は?

ダックスフンドを小型化したミニチュア・ダックスフンドですが、ダックスフンドには「スムース」「ロング」「ワイヤー」という3種の毛質があり、それぞれ特徴があります。毛質による性格の違いはありませんが、それぞれの毛質の元になった犬種から、スムースは活動的、ロングは穏やか、ワイヤーはマイペースで強気な傾向があるともいわれています。


スムース

スムースは、短毛でなめらかな光沢があり、抜け毛が多いという特徴があります。スムースには単色、2色、その他の色が混じるパターンがあります。

 

・単色…レッド、レディッシュ・イエロー、イエロー

2色…濃いブラック、ブラウン(チョコレート)

・その他の色…ダップル(まだらのあるブラック、レッド)、タイガーブリンドル、ブリンドル(レッドブリンドル、イエローブリンドルなど)


ロング

ロングはスパニエル種を掛け合わせて生まれた毛質で、サラサラした長毛が特徴です。耳やしっぽの飾り毛が長く伸びるため、毛玉ができやすく、こまめなブラッシングが必要です。ロングの毛色はスムースと同様のバリエーションです。


ワイヤー

ワイヤーは、テリア種などを掛け合わせて生まれた毛質で、眉毛とあごひげが長く、体表は硬い巻き毛をしています。また、抜け毛が少ないのもワイヤーの特徴です。ワイヤーのほとんどが明色または暗色のワイルドボア(イノシシ色)や枯葉色(ドライ・リーフ、デッド・リーフ)、さらにスムースのカラーバリエーションも見られます。

ミニチュア・ダックスフンドの外見や吠え声の特徴は?

ミニチュア・ダックスフンドの前足はオールのような形をしており、アナグマやウサギなどを狩ったり追いかけたりするときに便利な土の掘り出しなどに役立ちます。狩りに適した強い気質、勇気、忍耐力、そして賢さがミニチュア・ダックスフンドの特徴です。小さな体格に似合わず、驚くほど大きな吠え声は、猟犬として仲間に自分の位置を知らせるための手段だった先祖のルーツを感じさせます。

ミニチュア・ダックスフンドはどんな性格?オスとメスで性格の違いはあるの?

ミニチュア・ダックスフンドはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かりやすい病気などについて解説ミニチュア・ダックスフンドは生まれつき友好的で落ち着きがあり、人に対して攻撃的になることはあまりありません。猟犬としての優れた嗅覚があり、素早く獲物を追うことができます。本能的に駆り立てられると熱中しやすく、辛抱強い性格です。他の犬とも友好的に触れ合うことができますが、来客や聞き慣れない音などに反応して、警戒して吠えることがあります。賢くて用心深いので、大きな鳴き声で危険を知らせてくれるため、番犬としては向いているでしょう。

 

ミニチュア・ダックスフンドはオスとメスで性格の違いがあります。去勢していないオスの場合は警戒行動が目立ち、去勢したオスはシャイになることがあります。メスは基本的におっとりしていてマイペースな傾向ですが、避妊手術を行うと物音などの慣れない刺激に興奮しやすくなる傾向があるようです。

ミニチュア・ダックスフンドを飼うのに向いている人は?

ミニチュア・ダックスフンドは遊び好きで集中力が高い性質があります。狩猟本能や運動欲求、愛情欲求を満たせるよう、一緒に遊んで楽しむ余裕のある人に向いているでしょう。また、ミニチュア・ダックスフンドは見知らぬ人や聞き慣れない物音に警戒し、吠える習性があります。番犬として飼う場合は好ましいですが、近隣の住民などに迷惑をかけないためにも吠えないようにしっかりと行動をコントロールする必要があります。

 

猟犬としてトレーニングできる知能や訓練性能が備わっているため、正しい関わり方をすることで吠える問題行動を予防することは十分可能です。

ミニチュア・ダックスフンドの飼い方や生活上で注意すべきことは?

ミニチュア・ダックスフンドはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かりやすい病気などについて解説ミニチュア・ダックスフンドとの生活で気をつけたいのが、体重の増加です。胴が長く、脊椎への負担がかかりやすい犬種なため、段差のある家具の昇り降りや、後ろ足で立ち上がるような動きを避けるように気をつけましょう。加齢によって筋肉が落ちてくると、フローリング床などでも滑りやすくなり、下半身や四肢の関節に負担がかかるようになります。床は滑りにくい材質にしたり、大きな段差のない環境にしたりするなど、体に負担のかからない環境づくりが理想です。

ミニチュア・ダックスフンドのしつけを始める時期や心がけておくべきことは?

ミニチュア・ダックスフンドは自分で考えて行動する賢い性質があるため、頑固になって訓練することが難しい場合があります。ただ、褒められることが大好きなので、ダックスフンドのしつけは、ご褒美などを使って褒めながら行うのが良いでしょう。

 

ダックスフンドは生後2ヵ月までは親や兄弟から犬同士のコミュニケーションを学び、生後2〜4ヵ月は好奇心と積極性が高まり、柔軟に受け入れられる状態が続きます。しかし、4ヵ月を過ぎると恐怖心が芽生えるため、引っ込み思案になるような成長が見られます。しつけは早いほど効果が出やすいので、社会化期といわれる、生後3週間~4ヵ月頃からしつけをしっかりと行うのがおすすめです。

ミニチュア・ダックスフンドのおすすめのしつけ方法は?

ダックスフンドの特徴である吠え声は、「落ち着くトレーニング」で改善することが可能です。このトレーニングでは、飼い主の号令で伏せて待つことを教えます。おやつを使った号令の練習で「伏せ」をし、「待て」ができるようになれば、飼い主が犬の興奮をコントロールできます。


おすすめのしつけ1.「落ち着くトレーニング」

ダックスフンドの特徴である吠え声は、「落ち着くトレーニング」で改善することが可能です。このトレーニングでは、飼い主の号令で伏せて待つことを教えます。おやつを使った号令の練習で「伏せ」をし、「待て」ができるようになれば、飼い主が犬の興奮をコントロールできます。


おすすめのしつけ2.「クレートトレーニング」

クレートトレーニングは、クレート(ハウス)を安心できる場所として覚えさせるトレーニングです。伏せたときに前肢が少し出るくらいピッタリしたサイズで、中は薄暗いものの方が安心しやすいでしょう。子犬のうちからクレートに慣らすことで日常的に落ち着ける場所があることを理解し、精神的にも落ち着いた生活が過ごせるようになります。


おすすめのしつけ3.「トイレトレーニング」

ミニチュア・ダックスフンドはトイレのしつけの失敗が多いのも特徴です。胴が長いので後ろ足がはみ出してしまっていることもあり、きちんと後ろ足もトイレに乗れるように練習する必要があります。トイレトレーニングは迎えた日から始めるようにし、トイレトレーをサークルで囲うと失敗のないトレーニングが簡単にできます。

 

トイレをしやすい時間帯である、寝起きや食後、遊んだり、運動したりした後などに、飼い主が主導してトイレサークルまで連れていき、排泄するまで見守ると失敗がありません。

ミニチュア・ダックスフンドを散歩させる際に気をつけることは?

ミニチュア・ダックスフンドはどんな犬?性格・特徴・飼いやすさやしつけのコツ、かりやすい病気などについて解説ミニチュア・ダックスフンドの背中を支えて保護するための強力な筋肉の維持に、定期的な運動が必要です。健康を維持するためにも毎日2回、それぞれ30分程度の散歩を心掛けましょう。

 

散歩をするときはゆっくり歩くのではなく、やや足早に歩くことで、筋肉量を維持する効果が期待できます。ただし、腰への負担を避けるため階段を使ったり、ベンチなどに飛び乗ったりしないように注意しましょう。また、ミニチュア・ダックスフンドは足が短く、地面からの熱で体温が上がりやすい傾向があるので、直射日光を避けた時間帯に散歩するようにしましょう。

ミニチュア・ダックスフンドにおすすめの遊びは?

ダックスフンドは穴を掘って猟をしていた習性を受け継いでおり、穴を掘るような行動をすることがあります。例えば、家の中では、退屈したり疲れたりすると、毛布などに穴を掘ろうとします。基本的に遊びたい欲求が高いので、日常的なアイテムから遊びに発展させていきます。

 

ダックスフンドにおすすめの遊びは、知性を使わせる犬用のパズルや仕掛けおもちゃ、狩猟本能を刺激する引っ張りっこやボール遊びなどです。ただし、噛む力が強いため、すぐにおもちゃが壊れてしまいますので、丈夫なおもちゃを選ぶようにしましょう。転がすと中に入れておいたフードが出てくる知育玩具や、においでおやつを探し当てるフェルトマットなどもおすすめです。

ミニチュア・ダックスフンドの食事の注意点は?

ミニチュア・ダックスフンドは食べることが大好きで、肥満になりやすい犬種です。おやつの目安は毎日の必要エネルギーの20%以内にとどめるようにし、体重管理に努めましょう。肥満はさまざまな疾患の原因となり、健やかな老後に悪影響をおよぼします。

 

避妊手術や去勢手術を行うと、食欲が増すだけでなく脂質の代謝が落ちやすくなり、体重が増えやすい傾向にあります。筋肉量を維持するためにも高たんぱく、低脂質低カロリーの食事を意識しましょう。また、脊椎や関節のサポート成分のサプリなどもおすすめです。

 

新しい食材を与えるときは食事アレルギーに注意し、まずはごく少量から試して様子を見ます。その際は食べてから23日以内に耳や四肢に赤みや痒みが出ないか確認しましょう。

ミニチュア・ダックスフンドがかかりやすい病気とその予防法は?

ミニチュア・ダックスフンドは胴が長い体格をしているため、肥満や激しい運動、乱暴な抱き方、さらにはジャンプなどの単純な動作でも脊椎に負担がかかり、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症などの病気が起こりやすいです。また、垂れ耳で湿気がこもりやすく、外耳炎が多いともいわれています。特に湿度が高い季節は悪化するため、いつもとは違うニオイや耳垂れが見られたら、すぐに獣医師の診察を受けましょう。

 

その他にも外科系の病気では、膝蓋骨脱臼や骨形成不全症、内科系はクッシング症候群、てんかん発作、白内障、緑内障、遺伝的な進行性網膜委縮などの目の疾患にかかりやすいとされています。

ミニチュア・ダックスフンドの日常のお手入れで気をつけることは?

ダックスフンドは毛が抜けやすい犬種です。ロングのダックスフンドは、コームや獣毛ブラシなどで毎日のブラッシングが必要になる場合があります。ワイヤーはひげや眉毛を時々トリミングし、週に12回はブラッシングまたはコーミングするようにしましょう。

 

ダックスフンドは比較的きれいで、体臭はほとんどありません。スムースタイプは、濡らしたタオルを硬く絞り、体を拭くだけで清潔を維持できます。ただし、ダックスフンドで注意したいのが、耳です。耳が垂れているため、感染症対策として湿度の高い季節は特に清潔に保つようにしましょう。ガーゼコットンにイヤーローションを染み込ませて軽く拭くのが一般的な方法ですが、誤った耳の掃除法はかえって状態を悪くすることもあるため、かかりつけの獣医に耳のお手入れについて相談するのもいいでしょう。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

胴が長く足が短い特徴があるミニチュア・ダックスフンドは、運動能力や知能が高く、一緒に暮らすと飼い主さんを退屈させない一面を持っています。体に負担のかからないように環境を整えれば、長い期間一緒に過ごすことができます。正しいしつけと生活習慣を心がけながら、楽しく過ごしましょう。

監修/茂木千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。テレビ朝日系列動物特別番組 、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」「プードルスタイル」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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