2023年11月13日 公開

ポメプー(ポメラニアン×トイプードル)のかわいーぬちゃん
真っ白でふわふわな毛、愛嬌たっぷりな表情が魅力のアイドル犬・かわいーぬちゃん。ポメプー(ポメラニアン×トイプードルのミックス犬)の2歳の女の子です。

SNS総フォロワーは6万人。犬の行動心理学の先生から「自分が可愛いことを完全に理解している」と言われたという逸話もあるほど、自他ともに認める可愛さの持ち主です。
自称「犬の写真ヘタクソ選手権1位」の飼い主さんが投稿するかわいーぬちゃんの写真や動画は、時にブレていたり、見切れていたり。思わずクスッと笑ってしまうワードセンスで綴られる文章も魅力の一つです。

そんなみんなから愛されるかわいーぬちゃんですが、飼い主さんの愛情表現はちょっぴりユニーク。
なんと、愛犬を「複製」してしまったのです……!
1歳の記念に制作・販売された「複製犬(等身大クッション)」は、完売するほどの人気。

マグネットやステッカー、LINEスタンプなど、ちょっぴりシュールで“面白可愛い”かわいーぬちゃんグッズの販売を心待ちにするファンも少なくありません。
8月にめでたく2歳を迎えたかわいーぬちゃんの「複製犬2号」のお渡し会には、60名超の申し込みがあったとか。まさにアイドル並みの人気を博しています。
SNSではその実態がベールに包まれているかわいーぬちゃん。飼い主さんに、「複製犬」制作のきっかけや“あざと可愛い”かわいーぬちゃんとのくらしなどを聞きました。
「この瞬間を形に残したい」と愛犬の“複製”を制作
人間をはるかに超えるスピードで年を重ね、あっという間に飼い主の年齢を追い越していく愛犬。「日常や成長の過程を形に残したい」と思う愛犬家の方も多いのではないでしょうか。
かわいーぬちゃんの飼い主さんが「複製犬」を作り始めたのも、まさにそんなきっかけでした。
「お迎えしてから犬の成長のスピードに驚いて。いまのサイズ感や表情は二度と戻って来ない。そう考えたら、いまこの瞬間のかわいーぬを形に残しておきたい、と思って、“複製”として等身大クッションを作ることにしたんです」
もともとは「自分が見て楽しむために作った」クッションですが、発注数の問題で余った分を販売してみたところ、思いのほか反響が大きかったそう。
ちなみに、当のかわいーぬちゃんは「複製犬」とも仲良くくらしているのだとか。

「自分がほしいものを作るのが楽しい」と、飼い主さん。
SNSにかわいーぬちゃんの写真をアップすると、「この写真をLINEスタンプにしてほしい」とフォロワーからリクエストをもらうこともあるそう。
「かわいーぬをおうちに迎えてから、より創作意欲が湧くようになりました」
いまでは、ステッカーやクリアファイルなど、かわいーぬちゃんの愛らしい表情を「複製」したグッズを次々と制作しています。

おとぼけ顔が決め手。愛犬のお迎え準備はエクセルで徹底管理
かわいーぬちゃんと飼い主さんの出会いは、約2年前にさかのぼります。
家業の関係でペット禁止の家庭で育った飼い主さんは、「意思疎通がとれる動物」とくらすことに憧れていました。
「大人になったら絶対に犬を飼うと決めていました」
少し個性的で毛が抜けにくいトイプードルとのミックス犬を探していた、という飼い主さん。半年かけていくつかのブリーダーをまわるうち、運命的な出会いを果たします。
「たくさんいるワンちゃんの中でも、おとぼけ顔の子がいたんです。『なんの生き物かわからない感じ』にビビッと来て、お迎えを決めました」
飼い主さんにとって人生ではじめてのワンちゃんです。
お迎え前には、必要な準備をエクセルに書き出してまとめるほどの徹底ぶり。特にリサーチしたのは、犬が体験することに順応しやすい時期とされる「子犬の社会化期」についてでした。
「とても重要な時期だからこそ、この期間に何を教えたらいいのか、病院にはいつ行くか、トリミングやお外デビューはいつにしようか……考えたらキリがありませんでした」
獣医師が監修する記事などを読んで知識を深め、お家に迎える準備を進めていきました。
人も犬も大好き! 自他ともに認める可愛さで“あざとさ”発揮

万全の準備でお迎えすると、トイレもたった3回で成功し、おすわりやお手などの芸もすぐに習得。飼い主さんの心配は杞憂に終わり、あまりの手のかからなさに驚いたそうです。
「基本的にノリで生きている子なので、呼ばれてそうだったら来てくれますし、なんでも雰囲気で察してくれます(笑)」
好奇心旺盛で、人も犬も大好き。お散歩に行くと、道行く人やワンちゃん全員に駆け寄って挨拶をしてまわり、“あざとさ”を発揮しまくっています。
「お迎えしたブリーダーさんからも、『自分よりずっと体が大きなワンちゃんに果敢に飛びかかっていた』と言われました」と振り返ります。
そんな人懐っこいかわいーぬちゃんの唯一の弱点は、なんと「おじいちゃん」だそう。
「なぜか私のおじいちゃんが苦手みたいです(笑)。はじめて会ったとき、同じく初対面の祖母のうしろに隠れていました。祖父は犬好きなので、片思いですね」
体重1.7キロの超小型犬。フードの食べ渋りに悩むも…
普段はフルリモートで働く飼い主さんの膝やベッドで寝たり、おもちゃで遊んだり、マイペースにくつろいで過ごしているというかわいーぬちゃん。
毎日一緒に過ごしているとお留守番が苦手だったり、分離不安症になってしまうワンちゃんもいますが、かわいーぬちゃんは大丈夫なようです。
「私たちが出かける雰囲気を感じ取ったら、『いってらっしゃい』と言わんばかりにそそくさと寝に行きます(笑)。寂しがる様子はないですね」
そんな超お利口なかわいーぬちゃんですが、1.7キロという小さな体ゆえの悩みも。「ハーネスや首輪は、なかなか合うサイズが見つけられず苦労した」と明かします。

ほかにも、口が小さなかわいーぬちゃんのためにご飯やおやつは小さく砕いてあげるなど、食事面についてはいまも試行錯誤を重ねています。
「フードはいろいろと工夫しているのですが、すぐに飽きて食べなくなってしまって。体が大きくならないので心配になって獣医師に相談したところ、『“美食家”なだけです』と言われてしまいました(笑)」

我が子というより「同居人」犬を迎えて毎日がハッピーに
飼い主さんがかわいーぬちゃんと出会って早2年。落ち込んだり、悩んだりする時間が減ったといいます。
「とにかく毎日がハッピーになりましたね。どんなに暗い気持ちでも、かわいーぬと散歩に行ったり遊んだりすると、いつの間にか悩みを忘れているんです。生活のあらゆる場面で、かわいーぬの存在に助けられています」
長距離の移動もへっちゃらだというかわいーぬちゃん。飼い主さんは「これからもっといろんなところに一緒に出かけて思い出を増やしたい」と目を細めます。
人間と犬の共同生活にはいろんな家族の形があります。かわいーぬちゃんの飼い主さんは、愛犬を“犬”や“子ども”のようには見ていません。
「私にとってかわいーぬは、“我が子”というのともちょっと違うんですよね。同居人のような感覚。守るべき存在ではあるけれど、あくまで対等なんです。でも、とても大切な存在であることには変わりありません。犬がいると毎日幸せです。かわいーぬもこの家に来て幸せだと感じてくれていたら嬉しいですし、『この世に生まれてきてくれてありがとう』と伝えたいです」