犬にも保湿が必要?乾燥肌になりやすい理由とスキンケアの方法を解説【獣医師監修】

犬にも保湿が必要?乾燥肌になりやすい理由とスキンケアの方法を解説【獣医師監修】

寒くなると、かゆくなったり痛くなったりして悩まされる乾燥肌。実は、人間よりも犬の皮膚はとてもデリケートなため、犬にも乾燥対策や保湿が必要なんです。今回は、犬が乾燥肌になりやすい理由や、乾燥肌になってしまった場合によく見られる症状、保湿を意識したスキンケアの方法などをAnimal Life Partner代表の丸田香緒里先生監修のもと解説していきます。

監修/丸田香緒里先生(獣医師)

監修/丸田香緒里先生(獣医師)

Animal Life Partner代表。
往診専門動物病院アニマルライフパートナー院長。
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。

 

大学卒業後、6年間の横浜市内の動物病院勤務を経て、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partnerを設立。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。

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犬の皮膚は乾燥肌になりやすい!

犬の皮膚の厚みは、人間の1/3~1/5ほどしかありません。非常に薄くデリケートなため、犬の皮膚は乾燥肌になりやすいのです。乾燥肌が進行するとさらなる肌トラブルを招いてしまう可能性もあるので、適切なケアや対策を行うことが大切です。

犬の乾燥肌の症状は?

犬の乾燥肌の症状

犬が乾燥肌になってしまった場合、以下のような症状が見られます。

 

かゆみ

犬の乾燥肌では、かゆみが発生する場合もあります。犬がかゆい箇所を引っ掻いてしまうことで皮膚に傷がつく、出血などのトラブルも起きやすいでしょう。また、引っ掻いてできた傷口が皮膚病の引き金になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。

 

フケが出る

人間同様、犬が乾燥肌になると、皮膚が乾燥しカサついてきます。症状がひどくなると表皮が剥がれてフケが見られるようになります。

 

被毛の艶が悪くなる

犬の乾燥肌は皮膚だけでなく、被毛にも影響を与えます。被毛が乾燥しパサついてくる、毛艶が悪くなるといった変化が見られ、毛玉や切れ毛などのトラブルにも繋がります。

犬が乾燥肌になる原因は?

犬が乾燥肌になる原因は、皮膚が薄いからだけではありません。以下のようなことが影響している場合もあります。

 

室内の乾燥

乾燥した室内にいると人間の皮膚が乾燥するように、犬の皮膚も乾燥します。特に冬場は、エアコンやヒーターなどの暖房器具の使用頻度が増えることも関係して、室内が乾燥しやすいので注意が必要です。

 

シャンプーのし過ぎ

犬の皮膚を清潔に保つために必要なシャンプーですが、シャンプーのし過ぎは乾燥肌の原因になります。適切な頻度を守るようにしましょう。

 

栄養バランスの乱れ

栄養が偏った食事を与えていると、乾燥肌になりやすくなることも。栄養バランスの良い食事に改善するなど、食事面でも配慮することが大切です。専門家に相談し、アドバイスをもらうのも良いでしょう。

乾燥肌になりやすい犬の身体の部位は?

仰向けの犬

犬の身体の中には乾燥肌になりやすい部位があります。犬の皮膚の健康状態をチェックする際は、特に以下の部位を観察するとよいでしょう。

 

お腹周り、足の付け根など被毛で覆われていない部位

被毛で覆われている部位よりも、被毛で覆われていない部位の方が乾燥した空気の影響を受けやすくなります。そのため、お腹周りや足の付け根あたりの皮膚が乾燥肌になりやすいといえます。

 

肉球

肉球は角質が厚く血行が少ないため乾燥しやすく、散歩時に冷たいアスファルトの上を直に歩いたりすることでもダメージを受けやすい部位。被毛で覆われていない部位の乾燥肌とは少し異なりますが、乾燥がひどくなると、ひび割れやあかぎれ、硬くなるなどの症状が出ることもあります。

 

犬の乾燥肌の症状と似ている皮膚疾患とは?

症状が似ているため、乾燥肌と間違えてしまう皮膚疾患もあります。以下のような皮膚疾患には、見分けるときに注意が必要です。

 

ノミなどによる皮膚炎

ノミなどが原因の皮膚炎は、赤みとかゆみを伴うので乾燥肌と間違われることもある病気です。ノミは小さく肉眼で見つけることは難しいので、チェックする際は皮膚に脱毛している箇所が見られたり、被毛にゴマ粒くらいの黒いノミの糞があったりするかという点に注目しましょう。犬がひどくかゆがっていたら、動物病院を受診してください。

 

膿皮症

皮膚表面に常在するブドウ球菌の繁殖により皮膚に発疹ができる病気です。発疹が改善する段階で、表皮小環と呼ばれるフケと脱毛が見られるため、乾燥肌と間違われることがあります。

 

脂漏症

脂漏症は皮膚のターンオーバーが早くなり、脂質が多く出るためマラセチア菌が増殖し、独特の酸っぱいにおいや強いかゆみなどが出ます。乾いたフケがたくさん出ることもあるので乾燥肌と見間違う可能性もありますが、乾燥肌とは真逆の病気なので、一般的には皮膚が脂っぽくベタつきます。

犬を乾燥肌にさせないためにはスキンケアが必要?

愛犬を乾燥肌にさせないためには、日常的にスキンケアに取り組む必要があります。特に「保湿」を意識したスキンケアを行うべき理由は以下の通りです。

 

乾燥によるかゆみを軽減させる

犬の皮膚が乾燥すると多くの場合、かゆみを伴います。そこを掻くことで皮膚バリア機能が障害され、さらなる皮膚疾患を発症させる可能性があるため、保湿によってかゆみを軽減させてあげる必要があります。

 

犬アトピー性皮膚炎など、皮膚病の悪化を防ぐ

乾燥による皮膚のかゆみから掻いてしまい、バリア機能が低下した皮膚の中にアレルゲンが侵入すると、犬アトピー性皮膚炎などの皮膚病が悪化する原因になります。上記と同様に、保湿によってかゆみを軽減させることで、皮膚病の発症・悪化を防ぐことに繋がります。

 

犬を乾燥肌にしないための保湿を意識したスキンケア方法とは?

加湿

愛犬の皮膚を乾燥から守ってあげるためには、「保湿」を意識した以下のようなスキンケアがおすすめです。具体的なやり方について、それぞれ見ていきましょう。

 

保湿力の高いシャンプーやローションを使う

特に冬場に使用するシャンプーやローションは、保湿力の高いものを選びましょう。乾燥による肉球のひび割れに保湿剤を使うことも有効です。

 

シャンプー後は必ず保湿ケアをする

シャンプー後の皮膚は、乾燥しやすい状態になっています。ドライヤーをかける前に保湿剤を塗布することが大切です。

 

犬専用の保湿スプレーで乾燥肌を保湿する

犬の皮膚のカサカサしている箇所にスプレーする犬専用の保湿スプレーもあります。犬の乾燥した皮膚に不足しがちな水分と成分を補うのに役立つでしょう。

 

油分を摂取して皮脂を作りやすくする

皮脂は犬の皮膚を乾燥から守るために重要な役割を担うものです。そのため、皮膚のコンディションの調整に役立つ、オメガ3系脂肪酸などを含む亜麻仁オイルなどを食事にプラスするとよいでしょう。犬用の粉末タイプや粒タイプのオイルもあります。

 

サプリメントを取り入れる

犬の皮膚を考えて作られたサプリメントもあります。油分やビタミン類など犬の皮膚に不足しがちな栄養を、犬用のサプリメントで手軽に摂ることができます。

                                                   

暖房機器を使うときは部屋を加湿する

エアコンなどの暖房機器を使用するときは、加湿器も併用し、湿度が下がりすぎないようにしましょう。加湿をきちんと行えていればエアコンをつけっぱなしにしても問題ありません。

          

洋服を着せる場合は、天然素材の洋服を選ぶ

防寒対策としても役立つ洋服ですが、皮膚が弱い犬やアレルギーを持つ犬に着せるときは注意が必要です。洋服と犬の皮膚がこすれてしまい、皮膚トラブルのきっかけになったり、乾燥肌を加速させてしまったりすることがあります。乾燥肌対策のためには、化学繊維が配合されたものよりも、綿や羊毛など天然素材の服を選ぶことをおすすめします。

犬を乾燥肌にしないためのシャンプーの正しい頻度は?

シャンプー

シャンプーを行うことは皮膚を清潔に保つ上で重要です。シャンプーの適切な頻度は月に1~2回。ドライヤーをかけて被毛を乾かすことも大切ですが、その前に保湿剤を使用して皮膚の保湿を行ってからドライヤーをかけるようにして下さい。

犬の乾燥対策の注意点

犬の皮膚トラブルには、早期発見と適切なケアが必要です。特に冬は腹部など被毛がないところがカサカサしていないかこまめにチェックしてください。お手入れやスキンシップをとるときなどに、愛犬の皮膚の健康状態も確認するといいでしょう。異変を見つけたらすぐに動物病院へ行くことも大切です。

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