【獣医師監修】犬に定期健診は必要?健康を管理する習慣と健診の頻度

【獣医師監修】犬に定期健診は必要?健康を管理する習慣と健診の頻度

愛犬に健康で長生きしてもらうためには、定期的な健康状態の確認が必要です。そのためにも、飼い主さんに習慣にしてもらいたいことと、7~11才を越えた老犬が定期健診を受ける頻度や項目について紹介します。愛犬の健康管理に役立ててください。

健康診断が大切なのはなぜ?

健康診断を受ける最大のメリットは、病気を早期に発見できることです。犬は人と違い、症状を自分で訴えることができません。また、元気そうに見えていても、目に見えないところで症状が進んでいく病気もあります。健康診断で早期に病気を発見できれば、スムーズに治療へ移行できる可能性が高まるでしょう。

また健康診断には、現在の健康状態を把握できるという利点も。定期的に健康診断を受けることで、過去のデータとの比較ができ、わずかな異変や病気の兆候にも気づきやすくなるのです。さらに、日々の食事やお世話などについても相談できるので、獣医師との信頼関係アップにもつながります。

どんなことをするの?健康診断の検査内容

では実際に、健康診断ではどのような検査をするのでしょうか?ここでは、多くの病院で実施されている、基本的な4つの検査をご紹介します。

身体検査

身体検査では、おもに問診・聴診・視診・触診がおこなわれます。
問診では、飼い主さんから愛犬のふだんの様子を聞いて異常がないかを、聴診では心臓や肺の音を、視診では皮膚や口の中・粘膜の色などを、触診では体全体を触って腫れやできものなどがないかをチェックします。

便検査

便検査では、愛犬の便をもとにさまざまな検査を行います。血液や寄生虫が混ざっていないか、下痢をしていないか、消化状態は正常かなど、便1つでもさまざまなことがわかります。

尿検査

尿の比重を確認し、試験紙でタンパク質、pH値、潜血などの項目をチェックする検査と、遠心分離機にかけた尿の沈渣物を調べる検査がおこなわれ、異常がないかをチェックします。腎臓や肝臓など、臓器のさまざまな病気を発見するきっかけになる、重要な検査です。

血液検査

血液検査には、貧血や炎症などがないかを調べる血球検査と、肝臓や腎臓など臓器の機能、脂質の状態や血糖値などをチェックする血液生化学検査があります。
検査値をそれぞれの項目の基準値と比較することで、体のどこかの臓器の異常や、なんらかの疾患が見つかることも。場合によっては、より詳しい検査をする必要があると判断されます。

健康診断を受ける前に!日頃から準備できること

ささいなことでもメモしておく

犬の健康診断では、日頃の食事や様子などについて獣医師に正確に伝えたり、検査内容について判断したりする必要があります。そのため、日頃から一番お世話をしている人が連れて行くのがおすすめです。
ささいなことでもメモしておき、問診時に伝えられるようにしましょう。

クレートに慣れさせておく

愛犬が病院を嫌がる場合は、連れていくクレートに慣れさせるのもひとつの手。クレートに入ると楽しいことがあるということを日頃から教えておくと、苦手な病院でも安心して過ごせるかもしれません。


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定期的に排せつ物や熱・呼吸数を測る習慣をつける

オシッコやウンチは健康のバロメーターといわれ、愛犬の体に異変があると、その量や状態が変わります。ふだんから愛犬の排せつ物を見る習慣をつけ、異変がないか確認しましょう。老犬は腸の動きが悪くなるので便秘になりやすく、お通じがないこともあるでしょう。また消化機能が低下してお腹がゆるくなることもあります。少しでもふだんと様子が違っていたら、迷わず動物病院で受診してください。

 

犬も痛みや苦しみを感じているときは、体温や呼吸数が変化します。体調不良にいちはやく気づくためにも、愛犬の平熱と呼吸数を知っておくことは大切です。
月1回は自宅で熱と呼吸数を測り、愛犬の平常値を知っておきましょう。定期健診で測る場合もありますが、愛犬が緊張してふだんより高い熱がでたり、呼吸数が増えたりすることもあるので、家で測ることを習慣にするとよいでしょう。

7~11才を過ぎた老犬が定期健診を受ける頻度

人も犬も、還暦頃から体調不良があらわれやすくなります。大型犬の8才、中型犬の10才、小型犬の12才が、だいたい人の60歳にあたります。
還暦を迎える一年前からは、それまで一年に1回受けていた健康診断の回数を増やして、半年に1回受診するように心がけたいですね。受診の間隔は短くなりますが、血液検査やX線、超音波検査などをしっかり受けて、健康状態の変化を確認しましょう。

老犬に受けさせたい健診項目

犬も年をとると、ホルモンの分泌が正常に行われなくなります。そのため、ホルモンの異常が原因で発症する糖尿病(とうにょうびょう)、クッシング症候群(くっしんぐしょうこうぐん)、甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)などにかかりやすくなるのです。

健康診断では、ホルモン検査も必要に応じて追加するといいでしょう。急に飲水量が増えたり、寒がるようになったりした場合は、これらの病気の症状である可能性が考えられます。いつもの検査項目の結果によってもこれらの病気が疑われる場合がありますので、愛犬の状況なども踏まえ、獣医師と相談して検査に進みましょう。


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専門家のコメント:

自分の体調不良を言葉で伝えられない犬だからこそ、飼い主さんがいち早く気づいてあげることが重要です。健康状態を確認する習慣を取り入れて、万が一愛犬が病気にかかった場合も、できるだけ早めに治療を開始してあげられるといいですね。

監修/白山聡子先生(獣医師)

獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。


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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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