ジャーマン・シェパード・ドッグの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

ジャーマン・シェパード・ドッグの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

日本では警察犬として有名なジャーマン・シェパード・ドッグ。筋肉質でたくましい外見と高い知性を持ち合わせているので、使役犬として優秀な犬種です。しかし、飼い主との強い信頼関係を築き、十分なトレーニングや運動を行ってあげないとストレスをためてしまうので飼う際には工夫が必要。今回は、ジャーマン・シェパード・ドッグの性格や飼うのに向いている人、しつけのコツ、手入れの際に注意などについてchicoどうぶつ診療所所長で獣医師の林美彩先生に解説していただきます。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会獣医ホリスティック医療研究会所属

 

大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)などの著書がある。

監修者の他の記事一覧

ジャーマン・シェパード・ドッグの平均的な体高、体重は?

オスの平均的な体高は5565cm、平均体重は2240㎏です。メスの平均的な体高は55~60cm、平均体重は2232㎏で、オスに比べるとやや小柄です。

ジャーマン・シェパード・ドッグの平均寿命は?

平均寿命は9〜13歳くらいで大型犬の中では平均的です。最高齢はわかっていません。

ジャーマン・シェパード・ドッグの毛色の種類や被毛の特徴は?

2頭のジャーマン・シェパード・ドッグ

ジャーマン・シェパード・ドッグの毛色の種類や被毛の特徴は以下のようなものがあります。

 

【毛色の種類】

ブラック&タン

1番メジャーな毛色で、黒&茶色の2色で構成されています。

 

ウルフカラー(グレー)

狼灰色といわれ、茶色と黒がまだらになったような混ざった色です。グレーっぽく見えることもあります。

 

オールブラック

文字通り、全身真っ黒な被毛で覆われています。

 

ホワイト

スイス原産のジャーマン・シェパード・ドッグの白色種です。ホワイトシェパードとも呼ばれ、白色の毛色のみで構成されています。

 

 

【被毛の特徴】

アンダーとオーバーの2層から成り立つダブルコートで、換毛期には大量の毛が抜けます。直杖毛で、短めの被毛の「シュトックハール」とたてがみや尾に飾り毛を持つ、やや長毛の被毛を持つ「ラングシュトックハール」の2種が認められています。どちらも毛質はやや硬めです。

ジャーマン・シェパード・ドッグの外見や吠え声の特徴は?

警察犬として活躍するほどのたくましい容姿を持つジャーマン・シェパード・ドッグ。外見や吠え声の特徴も見ていきましょう。

 

外見

がっちりとした骨格に筋肉質の体格です。ぴんと立った耳も特徴的です。

 

吠え声

太く大きい吠え声をしています。

ジャーマン・シェパード・ドッグはどんな性格?オスとメスで性格の違いはあるの?

賢く、理解力に優れたジャーマン・シェパード・ドッグ。飼い主に対して忠誠心も強いと言われていますが、どのような性格をしているのでしょうか。性格の特徴についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

 

知的、精神的に能力が高い

使役犬として活躍する犬種のため、トレーニングやしつけなどが行いやすい傾向にあります。飼い主の指示に正確に従うことが得意です。

 

活発的だが落ち着いている

体力があり、活発ですが、小型犬のようにはしゃぐことはありません。大型犬特有の落ち着きを持っていて、気品と自信に満ち溢れた性格をしています。

 

責任感が強い

飼い主の指示に正確に従う責任感を持ち合わせています。

 

愛情深い

飼い主に対して従順、よく見て行動し、飼い主の指示を忠実に守ることが得意です。

 

オスとメスの性格の違い

オスとメスの違いでいえば、オスはメスよりも荒々しく、メスは柔和な傾向にあります。また、訓練タイプ、ショータイプでも違いがあり、訓練タイプは活発、ショータイプは柔和な子が多い印象です。

ジャーマン・シェパード・ドッグを飼うのに向いている人は?

草原にいるジャーマン・シェパード・ドッグ

ジャーマン・シェパード・ドッグを飼うためには、しつけやお世話などを十分に行えるかがポイントになります。飼うのに向いている人の特徴を詳しく見ていきましょう。

 

指示を与え訓練ができる人

体が大きい犬種なので、まず力でコントロールができ、しつけやトレーニングをしっかりできる人がいいでしょう。

 

金銭的に余裕がある人

医療費や食費などもかかりますので、金銭的負担もクリアできる人がおすすめです。

 

お世話に時間が取れる人

運動量が多い犬種なので、朝晩1時間ずつ散歩時間の確保ができる人、抜け毛が多いので、こまめなブラッシングができる人ということも重要です。

 

ジャーマン・シェパード・ドッグは初心者向き?

体が大きいので力も強く、トレーニングやしつけを行わないとトラブルの原因にもなります。しつけにコツがいることからあまり初心者には向いていないでしょう。

ジャーン・シェパード・ドッグを飼ううえで気をつけることは?

ダブルコートの被毛のため、寒さには強いですが、暑さには弱い傾向にあります。熱中症にならないよう、室内の温度や湿度の管理を徹底しましょう。

ジャーマン・シェパード・ドッグのしつけを始める時期やのしつけポイントは?

ジャーマン・シェパード・ドッグの子犬

ジャーマン・シェパード・ドッグをおうちに迎え入れたら、すぐにしつけを始めましょう。引っ張る力が強いため、興奮して人や犬に飛びつくだけで怪我をさせる可能性もあるのできちんとトレーニングやしつけをして、力をコントロールしておくことが重要です。

 

飼い主に忠実な性格の持ち主なので、小さいころから信頼関係を築き上げることがしつけのコツ。わかりやすい指示でトレーニングを行い、うまくできた時はしっかり褒めてあげましょう。

ジャーマン・シェパード・ドッグの食事の注意点は?

大型犬であり、運動量も多いため、動物性たんぱく質がしっかりとれる食事を与えましょう。個体差がありますので、毎日の排便排尿の量、体重の増減、その日の運動量なども考慮しつつ量を調節してください。また、胃捻転を防ぐためには最低でも2回に分けることがおすすめです。

ジャーマン・シェパード・ドッグがかかりやすい病気は?

ジャーマン・シェパード・ドッグは交配によって誕生したため、遺伝的な疾患が多いと言われています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

イベルメクチン中毒

MDR1遺伝子に変異があることを指し、特定の薬物使用によって、沈鬱、振戦、盲目、運動失調、昏睡などの中毒を引き起こします。この病気をよく発症する犬種としてはコリーが有名ですが、シェパードにも見られます。遺伝性疾患のため、予防法はありません。

 

腎嚢胞腺癌

5~11歳ころに見られやすい、腺上皮にできた原発性腫瘍が蓄積して嚢胞状となったものです。食欲不振、多喝、体重減少などの症状がありますが、こちらも遺伝性疾患のため、予防法がないので、早期発見が大切です。

 

ヴォン・ヴィレブランド(フォン・ヴィレブランド)病

常染色体の優性遺伝疾患で、粘膜や体のあらゆる部分に出血傾向が見られます。予防法は特定されていません。

 

股関節形成不全

股関節が不安定な状態になる疾患で、モンローウォークと呼ばれる腰を左右に振るような特徴的な歩き方をします。重度になると痛みが生じます。生後79か月齢で発症することが多いと言われますが、遺伝的素因が7割、環境的素因が3割です。体重管理を行うことが予防・症状を軽度で抑える秘訣です。

 

胃捻転

胃内停滞しているガスや液体の増加、胃の流出障害、食後の過度の運動などによって胃拡張が起き、その後、脾臓(ひぞう)や胃に分布する血管を巻き込んでねじれてしまった状態です。食後14時間程度で見られやすく、お腹の張り、吐きたいのに吐けない状態、呼吸が辛そうな状態、舌が青紫色に変色するチアノーゼ、可視粘膜の蒼白が見られ、死に至ることも少なくありません。食後の急激な運動を避け、食事回数を増やすことが予防となります。

 

熱中症

熱中症とは日射病や熱射病などの総称で、体温調節機能が破綻し、高体温や脱水によって起こる疾患です。ハアハアと浅く早く呼吸するパンティングや心拍数の増加、高体温、下痢、嘔吐、チアノーゼなどが見られます。重症化してしまうと意識消失、発作、出血傾向が見られ死に至ることも。室内の温度管理・湿度管理を徹底し、外気温が熱い時間帯は散歩を避ける、暑さ対策のために保冷剤などを首に巻くなどすると予防につながります。

 

膵液分泌不全

膵臓から分泌される消化酵素がほとんどでなくなる疾患です。脂肪が分解されないことによって便が白っぽく軟便となったり、糞便量が増加したりします。また、食べているのに痩せている、食糞などの症状もあり、これらの症状が見られた場合には、早めに病院を受診することで、早期発見につながるでしょう。

ジャーマン・シェパード・ドッグを散歩させる際に気をつけることは?

運動するジャーマン・シェパード・ドッグ

体力があり、比較的運動量は多いため、最低でも朝晩1時間程度の散歩が必要です。前述と重複しますが、引っ張る力が強く、興奮して人や犬に飛びつくだけで怪我をさせる可能性もありますのでトレーニングやしつけをしっかり行っておくことが大切です。どうしても難しい場合には、人や犬などが少ない時間帯、道路などを選んで散歩をしましょう。

ジャーマン・シェパード・ドッグにおすすめの遊びは?

運動量が多いジャーマン・シェパード・ドッグ。どのように遊ばせるのが良いでしょうか。以下、詳しく見ていきましょう。

 

ボール遊び

活発で、飼い主の指示に忠実に従うため、ボールを使って持ってこい遊びをしたり、ロープなどで引っ張り合いっこをしたりなどがおすすめです。

 

知育トイ

知能も高いので、知育トイを使った遊びもいいでしょう。

 

アジリティ、ドッグスポーツ

体力もありますので、障害物などのアジリティやジャーマン・シェパードの気質テストとして活用されていたドッグスポーツ「IGP」を行うのもおすすめです。

ジャーマン・シェパード・ドッグの日常のお手入れで気をつけることは?

ダブルコートの被毛を持ち、抜け毛も多いため、毎日のブラッシングは必須です。シャンプーは汚れがひどい時などに行うと良いので、月に1回程度で十分でしょう。そのほか爪切りや肛門腺絞り、耳掃除などは適宜行いましょう。

 


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

警察犬のイメージが強いジャーマン・シェパード・ドッグ。理解力や洞察力が高いため「世界最高の使役犬」として世界中で愛されています。多くの運動量が必要だったり、大型犬の行動をコントロールするためにもトレーニングが不可欠なので初心者向けとは言えません。おうちに迎え入れる前に、よく下調べをしましょう。


関連リンク

この記事に関連するキーワード

アイリッシュ・セターの性格や特徴、しつけのコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】