まるでサウナー⁉︎体を自ら温めたり冷やしたりする犬『トトノイーヌ』の生態を獣医師さんに聞いてみた!

まるでサウナー⁉︎体を自ら温めたり冷やしたりする犬『トトノイーヌ』の生態を獣医師さんに聞いてみた!

「変な犬図鑑」では、犬たちが日常的にとる可愛い謎行動を切り取ってコレクションしていきます。

今回切り取るのは、ひなたぼっこで体を温めてると思ったら、クーラー下で横たわって涼む、そんな行動を繰り返している犬の姿です。その行動に、最近人間界で急激に増えている”サウナー”の姿をかさね『トトノイーヌ』と命名。コレクションに加えました。

さらに『トトノイーヌ』の生態や遭遇した時の正しい対応について、獣医師の茂木千恵先生に真面目に解説してもらいました!

 

トトノイーヌの生態《変な犬図鑑001》

トトノイーヌの生態《変な犬図鑑001》


トトノイーヌは暖かい場所を好む。

冬はストーブの目の前で暖を取り、

夏はひなたぼっこで体を温める。

温かいというより、もはや熱い。

トトノイーヌの生態《変な犬図鑑001》

十分温めた後はしっかり冷やす。

冬は雪が積もった外に出たがり、

夏はクーラーの下を陣取る。

トトノイーヌはこれを繰り返す。

トトノイーヌの生態《変な犬図鑑001》

サウナには、サウナ→水風呂→休憩の繰り返しで

到達する「ととのい」という境地がある。そう、

トトノイーヌとは「ととのった」犬なのだ。

癒しオーラの秘訣は、このおかげかもしれない。

トトノイーヌの生態について獣医師の先生に直撃してみた!

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トトノイーヌのあの移動する理由は本当に体温調整のため?

はい、主に体温調節をしているといえます。

体温調節を自ら行うことは哺乳動物(恒温動物)として自然な行為です。 体温を一定に保つために、体外へ熱を放散したり、体内で積極的に熱を生産したりするのです。

こうした反応は、脳内の体温調節中枢が全身に指令を出しているので、その指令に従って動いているのが真実です。

ちなみに 日向ぼっこを好むのは、太陽によって体内で不足しがちなビタミンDを生成しているという説もあります。

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暖かい場所を好むのは、トトノイーヌならでは?

茂木先生 ヤマザキ動物看護大学准教授 NGアイコン チャット風

いいえ、犬は基本的にみんな暖かい状態を好みます。

実際にストーブの前で暖をとるのもその理由。 犬の基礎体温は人間よりも高いです。(人間の 37℃と比較して約39℃)そのため人間よりも高い温度を好み、耐えることができるのです。

犬は毛があるのに、敏感に温度を感じられるの?

茂木先生 ヤマザキ動物看護大学准教授 笑顔アイコン チャット風

⼈間よりは気温変化に鈍感です。

なぜなら 犬の毛は、断熱材の役割を持っているからです。直射日光に当たっても、即座に体表面の温度が高まるのを防いでくれています。

やがて体温が高くなると体の熱を放散するため、ハァハァと喘ぎが生じます。体内では交感神経が活発になり、これ以上体温が上がって命の危険が高まることを防ごうというシステムが働きます。

反対に冷えた床やクーラーの下で、ぐで〜っと横たわる愛犬の姿を見たことはありませんか?実は、これは本能的に寛いでいる姿です。
体が、危機的状態を脱したと感じ取り、副交感神経が活性化しリラックス状態になっているのです。

では、本当に⽝は“ととのい”を考えているの?

茂木先生 ヤマザキ動物看護大学准教授 NGアイコン チャット風

体温調節はしていますが、あえて高温にさらして、自分をつらい状況に追い込もうとしているのではありません。

ただ体温が高まることに気づくのが遅いうえに、毛があるため効率よく放熱できないだけです。しかしそのあと冷たい空間に身を置くことで、身体がリラックスできることは学習しているでしょう。

一方、寒い時は皮膚の筋肉を収縮させ、毛を立てることで、体毛の隙間の空気の層を厚くし、断熱性を高めることができるのです。

人間から見ると一見冷えすぎるように見えますが、暑さ同様に、すぐには冷えないのです。そのため、冷たいところで過ごすことを好んでいるように見えるのでしょう。

トトノイーヌに出会ったときはどうしたらいいの?(飼い主は何をしてあげたらいいの?)

茂木先生 ヤマザキ動物看護大学准教授 笑顔アイコン チャット風

特に何もしなくて大丈夫です。

気に入った場所に落ち着いて過ごしていることは、とても状態が良いことです。自分の 生理的な欲求に従って自由に行動する余裕があると考えられるので、安心してください。日向ぼっこも、大切なビタミン生成のためのひと時ですから見守っていてあげてください。

強いて言うのであれば、犬のための通路や空間は整えておきましょう。不快を感じたときに、快適な場所へと自由に移動することができるようにしてあげておいてください。

子犬や高齢犬は体温の変化に気づくのが遅れることがありますので、飼い主さんが目を離さないようにしてください。冬場の暖房器具の前では低温やけどを生じる危険がありますので適度な距離を保てるように暖房器具の前にサークルやゲートを用意しておく必要があるでしょう。電気カーペットも敷き詰めるのではなく冷たい場所も開けておくと犬が自由に行き来できるでしょう。

どんな犬がトトノイーヌになりやすいの?

茂木先生 ヤマザキ動物看護大学准教授 笑顔アイコン チャット風

精神的に自立していて、一人の時間を好む子に多いでしょう。

そのほとんどは成犬〜高齢犬といえます。また毛が長いと直射日光や室温の影響はすぐには受けません。その分、体温の変化が遅くなるため、同じ場所に居続ける可能性が高まります。

反対に、いつも飼い主さんを追っかけているような活発なタイプは、トトノイーヌのように長い時間一ヶ所にはとどまりません。体質でいうと、毛が短めの子が多いかもしれません。

トトノイーヌの生態《変な犬図鑑001》

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監修/茂木千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。フジテレビ系列「モノシリーのとっておき」、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

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著者プロフィール

イラストレーター/いぬころ

イラストレーター/いぬころ

会社員兼イラストレーター。1995年、京都生まれ。2006年に柴犬を飼い始め、犬...

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