2023年10月19日 更新 (2023年10月18日 公開)

豆柴の福ちゃん&富くんと暮らすご夫妻
「2匹には毎日幸せであってほしい。だから、言葉が話せないぶん、いま何を考えているのかに意識を向けることが大切だと思います」
そう話すのは、兄弟のように仲良しな柴犬「豆柴福ちゃん富くん」の飼い主さん夫婦です。家にいるときもお出かけするときも、常に2匹の表情を観察しているというおふたり。

“ワンコ中心の生活”といっても過言ではない飼い主家の日常や、まるで我が子のようにかわいがる福ちゃん富くんへの想いを聞きました。
他の犬とは違うオーラ? 直感的に惹かれた愛犬との出会い

——福ちゃん、富くんを迎えた経緯を教えてください。
ママさん(以下ママ):先に福ちゃんを迎えて、その1年後くらいに富くんをお迎えしました。
もともと2人とも動物が大好きだったので、引っ越しが決まったタイミングでワンちゃんを迎えることを決めました。せっかく迎えるなら「犬らしい犬がいいよね」と、狙いを柴犬に定めてペットショップ巡りをはじめましたね。
そこで、とあるペットショップで出会ったのが福ちゃんでした。あまりのかわいさに「この子がいい!」と。
——福ちゃんのどんなところが魅力的だったのですか?
ママ:他の子はわちゃわちゃ遊んでいるのに、福ちゃんだけ隅でちょこんと座っていたんです。ちょっと冷めた目で他の2匹を見つめる子犬らしからぬ姿がまたかわいくて(笑)

パパさん(以下パパ):オーラがあったというか、運命の出会いだったとしか説明ができません(笑)福ちゃんに出会う前もいろんなところに足を運んで柴犬を見ていたのですが、なかなかピンと来なかったんです。
「やっぱりそう簡単には出会えないんだなあ、気長に探そうかあ」と思っていたタイミングで福ちゃんに出会いました。
子犬の当時もめちゃくちゃかわいかったけれど、いまもどんどんかわいさが増しています。

——約1年後に富くんを迎えることとなりますが、多頭飼いを決めた理由は?
ママ:福ちゃんは子犬の頃から結構控えめな性格で、はしゃいだり走り回ったりするような子ではなかったんです。ある日ドッグランに行ったときに、ふだん犬見知りの福ちゃんが同じくらいの大きさの柴犬ちゃんと楽しそうに遊んでいました。
その様子を見て、同じくらいの大きさの柴犬がもう1匹うちにいたら、福ちゃんももっと遊ぶようになるのかもしれないなと。福ちゃんを楽しませるために、もう1匹お迎えすることを考えはじめたんです。
——富くんはどこで出会ったのですか?
ママ:富くんは大阪にあるペットショップのHPで見つけました。福ちゃんと出会ったときのような「この子だ!」っていう感覚があったんですよね。
問い合わせをして他の写真や動画を送ってもらい、やっぱりこの子で間違いないなと確信して、当時住んでいた札幌から大阪まで迎えにいきました。
ペットから家族へ。トレーニングで学んだ犬との向き合い方
——初めて犬を迎えてみて、大変だったことはありますか?
ママ:福ちゃんを迎えて初めて、柴犬って結構大変な犬種だったんだってことに気がつきました。柴犬は体をベタベタ触られるのが嫌いといわれていて、散歩に行こうとしてもハーネスをつけるのに毎回大変苦労したほどです。
私たちもちゃんと犬の勉強したほうがいいなと思い、ドッグトレーナーさんの指導を受けることにしました。ハーネスの付け方やトイレのこと、社会に慣れさせるための方法など、基本的なことはすべて教えてもらいましたね。
パパ:しつけのハウツーももちろんですが、どちらかといえば飼い主としての心構えとして大切なことをたくさん教えてもらったなと感じています。
むやみに怒るのではなくて、相手の立場に立ってわかりやすく伝えてあげることや褒めてできることを増やしていくなど、言葉が伝わらない犬とどう心を通わせるか、ゼロから教えてもらいました。

トレーニングを受ける過程で、ペットから家族という意識に変わっていく感覚がありました。犬のしつけ方を知る以上に、飼い主の犬への向き合い方を学べましたね。
初めて犬を飼う人は絶対受けたほうがいいよと伝えたいくらい、本当にいい経験でした。
先住犬優先を心がけ、兄弟のような関係になった愛犬たち
——福ちゃんのしつけは苦労されたとのことでしたが、富くんはどうでしたか?
ママ:私たちが慣れてきたというのもありますが、福ちゃんが富くんにいろんなことを教えてくれたので、全然苦労しませんでしたね。
2匹で遊びながら、噛むのはどれくらいの強さまでなら大丈夫なのかを福ちゃんが示したり、ご飯を食べる前の待つ姿勢や話を聞く姿勢は福ちゃんが背中で見せてくれました。その姿には思わず感動してしまいましたね。

おかげで富くんは甘噛みすることも一切なかったですし、元気いっぱいな男の子でありながら、しつけに苦労することなくいい子に育ちました。
——本当に兄弟のようですね。富くんが来てから、福ちゃんのほうにも何か変化はありましたか?
パパ:昔よりも家の中を走り回るようになったし、元気に遊ぶようになったと思います。富くんが福ちゃんのアクティブな一面を引き出してくれたように感じます。
しっかり者のお姉ちゃんと天真爛漫な弟。それぞれ持っていないものを補い合ったり、影響しあっている様子はとても微笑ましいです。
ママ:最初富くんを迎えたときは、とにかく福ちゃんを優先するように心がけていました。
富くんはヤンチャで物おじしない性格なので、福ちゃんが私の横でくつろいていでいるときに割り込んで入ってきてしまうこととかもあって。福ちゃんが嫌そうにしている場面もありました。
福ちゃんからしたら、急に知らない子犬がやってきて、私たちまで取られた気になっちゃうかもしれない。
だから、とにかく「先住犬が優先、福ちゃんが優先」という姿勢を貫きました。
すると、だんだんと2匹がいい距離感を保てるようになりましたね。

「いま何を考えているか」愛犬たちの感情に意識を向けた生活
——Youtubeをはじめたきっかけを教えてください。
ママ:最初は犬の情報収集のためにアカウントを開設したのですが、福ちゃん富くんの成長の記録を残しておきたいなあと思って、動画を投稿するようになりました。

——動画を発信することの楽しさはどんなところにありますか?
パパ:本当にいろんな人がコメントをくれるのですが、中には「福ちゃん富くんの動画を見て、柴犬を迎えることに決めました」と伝えてくれる人がいたり、「病床から動画を見て元気になりました、癒されました」という声もあります。
僕らはできるだけ、みんなの気持ちがほっこりするような動画をつくるように意識しているので、そういったコメントはすごく励みになりますね。
——動画から福ちゃん富くんの幸せな様子が伝わってきます。ハッピーな暮らしの秘訣はなんでしょう?
パパ:いまこの子たちは何を求めているんだろうと、表情を常に観察することですかね。寂しそうにしていたり、遊んでほしそうにしていたり、お腹が空いてそうだったり、日々観察することでだんだん何を考えているかがわかるようになりました。
当たり前ですが、2匹には毎日幸せであってほしい。だから、言葉を話さないぶん、いま何を考えているのかなあって意識を向けることが大切なのではないかなと思っています。
ママ:人間が思っている以上に、この子たちにも感情があるんだなって思いますよね。言葉がなくても意思疎通できたときの喜びは、何物にも耐え難いものです。

——福ちゃん富くんを迎えて良かったなあと感じるのはどんなところですか?
ママ:ワンちゃんに囲まれて暮らすことが将来の夢だったので、本当に毎日が幸せです。日々癒されますし、福ちゃん富くんがいることが本当に私の生きがいになっていますね。
パパ:犬に限らずではありますが、動物が僕らに教えてくれることってたくさんあると思うんですよね。どんな状況でも家に帰れば全力で喜んで迎えてくれるし、時には拗ねたりもするし、そういう犬が持つ純粋さは、人間が忘れがちな気持ちなのではないかなと。これからも動画を通じて、動物と暮らすことの魅力を発信していきたいです。
——今後福ちゃん富くんと挑戦したいことはありますか?
ママ:福ちゃん富くんといろんな経験をしてみたいですね。
以前、キャンプの動画を上げましたが、私たちはもともとインドア派なので2匹がいなければ絶対やっていなかったことなんです。福ちゃん富くんがいるおかげでいろんなことに挑戦できる楽しさがありますし、その経験でしか見ることができない2匹の表情にも注目してもらえるとうれしいです。

——素敵なお話をありがとうございました!