【獣医師監修】犬のおならが臭くて回数が多い?原因と対策、考えられる病気について解説

【獣医師監修】犬のおならが臭くて回数が多い?原因と対策、考えられる病気について解説

犬と暮らしていると気が付くのが「犬は意外とおならをする」ということです。単なるおならだからといって気に留めていない方も多いかもしれませんが、実は犬のおならには怖い病気が潜んでいる可能性もあります。今回は、chicoどうぶつ診療所所長の獣医師・林美彩先生に教えていただいた、犬のおならの原因や対処法などについて解説をしていきます。

犬もおならをするの?

おならをした犬犬も人間と同様におならをします。おならができるメカニズムは人間とまったく同じです。口や鼻から入って体内に溜まった空気や、大腸の中で消化しきれなかったものが細菌によって分解されたときにできるガスが、肛門から排出され、おならになります。ちなみに口から出る場合は、げっぷになります。

犬は肉食寄りの雑食ですので、おならからは比較的強めの臭いがします。おならの音は出る犬もいれば出ない犬もいるため、音が出ない犬の場合、飼い主は臭いで気付くことになるでしょう。

犬はおならをした自覚があるの?

おそらくですが、犬自身にもおならをしたという感覚自体はあるものと思われます。ただし、このことについての論文がないので断言はできません。

また、故意におならをコントロールすることもおそらくできませんので、犬が嫌がらせのためにわざとおならをするといったことも考えられないと思います。

おならと犬種は関係がある?

パグとトイ・プードル おならと犬種には若干関係があり、顔の構造からおならをしやすい犬種と、遺伝的に消化器の病気にかかりやすくおならが臭くなる犬種がいます。それぞれどんな犬種なのか紹介していきます。


おならをしやすい犬種は?

ボストン・テリアパグ、ペキニーズ、フレンチ・ブルドッグをはじめとする短頭種は、おならをしやすい犬種です。顔の構造上、口から空気が入りやすくなっているため、体内にたまった空気を排出しようという動きから、おならにつながりやすくなるのです。


おならが臭い犬種は?

おならの臭いが強い犬種もいます。例えば、キャバリア、コリー、ジャーマン・シェパード、ダックスフンド、チャウ・チャウ、トイ・プードル、フレンチ・ブルドッグといった犬種は、おならの臭いが強い傾向にあります。実は、これらの犬種は遺伝的に消化器の病気にかかりやすく、腸内に悪玉菌が繁殖しやすいため、おならの臭いも強くなりがちなのです。

犬のおならの原因は?

興奮した犬おならのメカニズムから考えられる、犬のおならの主な原因について解説していきます。


犬がご飯を食べるとおならも出る

基本的に、犬がご飯を食べる限り、おならが出ると考えてよいでしょう。犬のおならの原因の1つが、大腸の中で消化しきれなかったものが細菌によって分解されたときにできるガスだからです。また、早食いが原因でおならにつながっている犬もいます。これはご飯を急いで食べるせいで、自然と空気を体内に取り込んでいて、その空気をおならとして排出しているのです。


犬が興奮しやすいと、おならもしやすい

食事と関係のないケースだと、「興奮しやすい」ことが原因の可能性もあるでしょう。これは、犬が興奮している最中は空気を吸い込みやすくなるからだと考えられます。食事と関係なくおならが出ている場合は空気がそのまま出ているだけなので、臭いはそこまで強くないでしょう。


普段と違う犬のおならは病気の可能性あり

ただし、おならの回数が増える、臭いが強くなる、音が大きくなるといった普段とは違う変化があった場合には、消化不良や別の病気が潜んでいる可能性があります。

犬のおならが臭かったり、回数が多いのは病気のサイン?

元気がない犬おならの回数や臭い、音の大きさといった変化がある場合は病気のサインかもしれません。例えば、IBD(炎症性腸炎)、胃腸炎、消化管腫瘍などの病気が考えられます。それぞれの病気の症状と原因は以下の通りです。


IBD
(炎症性腸炎)

症状:おなら、嘔吐下痢、食欲不振、お腹に水がたまるなど

原因:明確な原因は不明


胃腸炎

症状:おなら、嘔吐、下痢、食欲不振、吐血など

原因:細菌感染、ストレスなど


消化管腫瘍

症状:おなら、嘔吐、食欲不振、体重が減る

原因:明確な原因は不明


他にも、犬がおならをする際は消化不良という可能性もあります。ただし、こちらは病気が潜んでいるというよりは食べすぎ、フードの変化があった、拾い食いをしたといった可能性が高いでしょう。しっかりと日頃から様子を見てあげてください。

犬がおならを頻繁にするときの対処法や改善策は?

犬の食事犬がおならを頻繁にするときはそのままにせず、以下のような対処法を試してみてください。


犬のフードを替える

頻繁に犬がおならをする場合は、もしかするとフードが合っていないのかもしれません。フードを別のものに替えるだけでも、おならの回数を減らせる可能性があります。おすすめのフードは、食物繊維が多く含まれたものです。


犬の早食いを防止する

また、早食いもおならにつながる原因の1つです。早食いをすることで口から空気が入りやすくなるため、おならをしやすくなるのです。そのため、早食い防止の容器を使うといったことも試してみるとよいでしょう。


動物病院で犬のおならを相談する

フードやお皿を変えてみてもおならの頻度が変わらないときや、おなら以外に軟便や下痢、嘔吐、食欲減退といった症状がある場合には病気が潜んでいる可能性があります。もし犬におなら以外の症状が見られる場合には、なるべく早くかかりつけの病院へ行くようにしましょう。

犬のおならの予防法は?

犬のおならを予防するには、犬の腸内環境を整えることが有効です。犬の腸内環境を整えるためには、犬にとってストレスのない、規則正しい生活を送らせることが基本となります。犬にストレスを感じさせないためには、たくさん遊んであげたり、落ち着いて暮らせる環境を作ったりすることが必要です。

それを踏まえた上で、腸内環境を整えるフードを与えてあげるのもよいでしょう。でんぷんや食物繊維が多く含まれるフードを選ぶことで腸内環境も整いやすくなり、おならの予防につながります。最近は腸内環境を改善するサプリなどもありますので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

また、若いころは問題がなくても、年齢を重ねるにつれ犬の腸内環境は乱れる傾向にありますので、注意してあげてください。

犬のおならと一緒にこんな症状が出ていたら動物病院へ

おならは生理現象です。そのため、食後などにおならが出るといったケースであれば基本的に問題はありません。ただし、時には病気が潜んでいる可能性もあります。病気の場合は食欲不振、下痢といった、おなら以外の症状が出ていることが多いので、あわせてチェックしてあげてください。


第2稿:2021年2月15日更新
初稿:2021年1月5日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

犬がおならをすること自体は生理現象なので問題ありません。しかし、あまりにも頻度が高い、臭いが強いといった気になる点がある場合は病気を抱えている可能性があります。少しでも気になるところがあれば、すぐにかかりつけの病院で相談するようにしましょう。

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長。大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。著書に「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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