ポメラニアンの猿期とは?いつから始まりいつ終わるのかと注意点を解説【獣医師監修】

ポメラニアンの猿期とは?いつから始まりいつ終わるのかと注意点を解説【獣医師監修】

ポメラニアンには“猿期”があるということを聞いたことはありませんか? 「犬なのになぜ猿?」と疑問に思う方もいることでしょう。そこで今回は、ポメラニアンの猿期とは何か、いつから始まりいつ終わるのか、猿期のときの注意点などをペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets」代表で獣医師の石井香絵先生先生監修のもと解説していきます。

 

監修/石井香絵(旧姓:牧口)先生(獣医師)

監修/石井香絵(旧姓:牧口)先生(獣医師)

ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets代表
AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員
神戸ロイヤルグルーミング学院 犬猫行動学講義担当講師
麻布大学 獣医学部獣医学科卒業

 

犬猫の問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナーやテレビ協力、雑誌「NJK」(ホーピスト)や「trim」(エデュワードプレス)、Web媒体にて、犬の行動学についての記事を執筆するなど幅広く活躍。著書に「愛犬をやさしく癒すクリスタルヒーリング」(エー・ディー・サマーズ)。行動治療にホリスティックケア(メディカルハーブ、フラワーレメディ、レイキ、アニマルコミュニケーションなど)を取り入れ動物たちに優しい治療を行っている。

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ポメラニアンの猿期とは?

ポメラニアンの猿期

まずは、ポメラニアンがどんな犬種なのか、そしてポメラニアンの猿期とは何かを順に説明していきます。

 

ポメラニアンの犬種の特徴

超小型犬のポメラニアンの先祖は意外にも大型犬のサモエドといわれています。サモエドは番犬や狩猟犬として活躍してきた歴史があるため、ポメラニアンにもその気質が残っていて、小さくても勇敢な性格を持ち合わせた犬種です。

 

ポメラニアンの平均的な体高は1822cm、平均的な体重は1.82.3kgで超小型犬です。ただ、個体によって体格に差が出やすいため、あくまでも目安となります。ちなみに、およそ1歳を迎えるタイミングで体が完成します。平均寿命は1216歳で、すべての犬種の中でも比較的長命と言えるでしょう。

 

ポメラニアンの被毛の特徴

フワフワとして柔らかく、かわいらしい印象があるポメラニアン。毛量が豊富で、特に首、お尻、しっぽの毛が多いのが特徴です。

 

ダブルコートの被毛構造をしているため、皮膚を保護する太くてしっかりした被毛であるオーバーコートと、保温機能の高い柔らかいアンダーコートが密に生えています。ブラッシングを怠ると毛玉ができてしまうことがあるので、アンダーコートまでしっかりブラシを通すなど、定期的なお手入れが必要です。また、春と秋頃にある換毛期には、かなりの抜け毛が目立ちます。この時期は特に、こまめなブラッシングをしてあげましょう。

 

ポメラニアンの猿期に起きる変化とは?

猿期とは、子犬の毛から成犬の毛に生え変わる換毛期のことで、特に毛量の多い犬種であるポメラニアンに起きる現象です。体やしっぽ、顔などの毛が少なくなり、マズルなど顔中心の短毛とその周りの長毛がコントラストになり、まるで猿のように見えることからこのような呼び名がつけられました。

 

子犬として迎えた頃にはふわふわしていた被毛が徐々に少なくなると、「うちの子の毛はまた生えるのかしら? いつまで毛が少ないの?」と不安になってしまうかもしれません。しかし、この現象は子犬の毛が成犬の毛に生え変わった証拠ですので、心配することはありません。また、猿期を境に、個体差はありますが被毛の色も変化していきます。必ずしもすべてのポメラニアンに猿期があるわけではなく、なかには猿期がみられない個体もいます。

ポメラニアンの猿期の期間は?

ポメラニアンの「猿期」は、どれくらいの期間続くのでしょうか? 猿期が始めるときと終わるときに見られる被毛の変化も見ていきましょう。

 

ポメラニアンの猿期が始まるときの特徴

ポメラニアンの猿期は、生後36か月齢頃から見られることが多いです。猿期が始まると毎日の抜け毛が増えるとともに、徐々に顔や体、しっぽの毛がスカスカになりボリュームが失われていきます。

 

 

ポメラニアンの猿期が終わるときの特徴

猿期が終わりを迎える時期は、1歳になる前であることが多いです。なかには1歳を過ぎても毛のボリュームが出てこない個体もいますが、猿期は生涯で1度きりの被毛の変化なので心配せずに毛量が増えるのを待ちましょう。猿期が終わると毛のボリュームも徐々に戻ってきて、ポメラニアンの特徴でもある、ふわふわでまんまるとしたシルエットを作る毛が生えそろい始めます。

ポメラニアンの猿期の注意点は?

ポメラニアンの猿期の注意点

ポメラニアン猿期が訪れた際、飼い主注意すべき点がいくつかあります。それぞれ見ていきましょう。

 

猿期が生後3か月より早く来た場合は病気の可能性も

通常、生後3か月齢以降にポメラニアンの猿期が始まりますが、その時期よりも早く毛が薄くなった場合は、皮膚や被毛に病気がある場合もあります。毛量が少なくなる以外に、皮膚に赤みや湿疹、かゆみ、局所的な脱毛など別の症状が表れていたら真菌や細菌、ダニが関与する皮膚病かもしれないので動物病院で診察をしてもらいましょう。

 

食欲があって元気かどうか健康チェックする

毛のボリュームがなくなり、見た目が変わってしまうと、「毛が再び生えてくるか」「体調は問題ないか」「病気ではないか」などと心配してしまうこともあるでしょう。特に猿期の始まりは成長期にも重なるため、ちょっとした変化に飼い主も敏感になりがちです。猿期でも、毎日愛犬の健康のバロメーターになるのは、食欲、活動レベル、遊びの要求など。いつもと変わりがないようでしたら問題はありませんが、もし心配があればかかりつけの動物病院の先生に相談することも大切です。

 

猿期がない、分かりにくい子もいる

前述にもありますが、必ずしもすべてのポメラニアンに猿期が起こるわけではありません。なかには猿期がみられない個体も存在します。また、毛色や毛の抜ける量によっては、猿期が始まっても、気づかないケースがあります。

 

猿期の後に毛の色が変わる場合も

猿期が終わる頃には被毛にボリュームがでてポメラニアンらしさが戻ってきます。この被毛の生え変わりと同時に、毛の色に変化がでてくる場合があります。毛の色が薄くなったり、ほかの色が混ざったりという変化があることも理解しておくと安心です。

 

猿期にバリカンを使わない

換毛期にバリカンを使ったお手入れを繰り返し行ってしまうと、毛質が変わってきたり、毛が生えづらくなったりすることがあります。ポメラニアンはカットを必ずしも必要としない犬種ですが、サマーカットなど毛のお手入れを考慮して短くしたい場合は、猿期が終わり、被毛が完全に生え変わるまでは行わないようにしましょう。

 

原因不明の脱毛症にも注意

ポメラニアンによく見られる原因不明の脱毛症「アロペシアX」。別名ポメラニアン脱毛症と呼ばれる犬種特異性の遺伝子疾患で、2~5歳の男の子に発症することが多いです。体としっぽに左右対称の脱毛が表れますが、顔や足には脱毛がほとんど見られず、痒みもありません。脱毛箇所の皮膚が黒くなる「色素沈着」が見られたり、皮膚が薄くなる、毛艶が失われて皮膚も被毛もパサパサとした状態になったりします。

 

治療としては避妊去勢手術を行う、発毛効果が期待されるサプリメントを服用する、ホルモンを調節する内服薬を使用するなどがあります。皮膚の乾燥を防ぐため、紫外線から皮膚を守るために服を着せてあげるといいでしょう。

ポメラニアンの抜け毛対策は?

ポメラニアンのブラッシング

ポメラニアンの抜け毛対策は、主にブラッシングとシャンプーです。適切な頻度やコツなどを見ていきましょう。

 

ブラッシングは定期的に

毛や皮膚の健康維持のためにも、ブラッシングは定期的に行ってあげることが大切です。特に換毛期は抜け毛がいつも以上に増えますので、1日に1~2回ほど行いましょう。子犬の頃から慣れさせ、ブラッシングによい印象を持たせるために、初めのうちは短時間で、おやつなどを与えながら行うのがよいでしょう。

 

ブラッシングのコツ

ブラッシングを行う際には、柔らかいアンダーコートまでしっかりとブラシを通しましょう。オーバーコートだけにブラシを通してしまうと、アンダーコートに毛玉ができてしまう場合あります。

 

抜け毛のほとんどはアンダーコートの柔らかい被毛です。アンダーコートを除去することに特化して開発されたブラシファーミネーターを活用することもおすすめします。ただし、これをやりすぎると、アンダーコートがかなりなくなってしまうので行う頻度などは説明書などをよく読むようにしましょう。

 

シャンプーは月に1度

シャンプーをすることで換毛期の抜け毛を取り除くことができますが、シャンプーをしすぎたり、シャンプーの成分が皮膚に合わなかったりすると、逆に皮膚や被毛にダメージを与えてしまうことがあります。定期的にブラッシングをして、ホコリや汚れをとっていれば、ポメラニアンのシャンプーは1か月に1回程度でよいでしょう。

ポメラニアン以外に猿期がある犬種は?

ポメラニアン以外にも、子犬の毛から成犬の毛に変わる換毛期にかけて、猿期が存在する犬種があります。ポメラニアンの先祖にあたるサモエドや、サモエドを祖先とする日本スピッツも同じように、生後4か月齢以降から猿期が見られることがあります。

 

また、ゴールデン・レトリーバーも同様の月齢に被毛が少なくなる時期が見られます。毛量が多く、ダブルコートの犬種は猿期になったことがわかりやすいでしょう。

 


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

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