犬の目が開かない!?考えらえる原因や病気、注意すべき症状を解説【獣医師監修】

犬の目が開かない!?考えらえる原因や病気、注意すべき症状を解説【獣医師監修】

小林充子(獣医師)

小林充子(獣医師)

CaFelierペットクリニック院長。財団公益法人 動物環境・福祉環境evaの評議員、一般財団法人 犬猫生活福祉財団の評議員も務めている。

犬の目はさまざまな要因によって開かなくなることがあります。ふと気がつくと愛犬の片目が開かない!という事態になったら、とても焦りますよね。犬の目が開かない時、飼い主が自己流で対処するのはNGです。この記事では、犬の目が開かなくなる原因や対処法、注意すべき症状などをキャフェリエペットクリニックの獣医師である小林充子先生監修のもと、詳しく解説していきます。

目次

  • ・ 犬の目が開かない原因は?
  • ・ 犬の目が開かない場合に考えられる目の病気は?
  • ・ 犬の目が開かない場合の対処法は?
  • ・ 犬の目が開かない場合に注意すべき症状は?
  • ・ 犬の目が開かなくなるのを予防するには?

犬の目が開かない原因は?

犬の目が開かない場合、主に以下のような原因が考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

異物が目に入った

ゴミ、花粉、シャンプー、逆さまつげなどの異物が目に入っているかもしれません。異物が目に入ると、涙の量が増し、異物を速やかに目の外に洗い流すよう働きます。また異物が眼球の上を移動して目を傷つけないようにまぶたが開かなくなるという仕組みがあります。

 

目の付近に外傷を負った

なんらかの原因で目の近くに傷ができた時は、その位置によっては目が開かなくなったり、目がしょぼしょぼします。

 

目やに

目やにが出る時は、細菌、真菌、ウイルスなどの感染などが疑われるでしょう。通常は透明、もしくは黒っぽい目やにがつきます。ただし、感染がある時には白色、黄色、クリーム色、緑色などの色がつき、目やにの量も多くなります。

 

目の病気

何らかの原因で目の病気にかかっている可能性があります。その際は、動物病院を受診し、適切な治療を受ける必要があるでしょう。

犬の目が開かない場合に考えられる目の病気は?

犬の目が開かない_上目遣いの犬

ケガや異物が目に入った以外の原因に、目の病気の可能性が考えられます。犬の目が開かない場合に考えられる、主な目の病気としては以下の通りです。

 

角膜炎

角膜に炎症がある時は、痛みがあったり、まぶしく感じることもあり目が開きにくくなります。角膜炎の原因はさまざまですが、ケガ、遺伝、免疫介在性、異所性睫毛、糖尿病などの基礎疾患など、何が原因になっているかを探ることが重要になります。

 

結膜炎

結膜の充血、浮腫、涙、目やになどの症状が出てきます。結膜に炎症が起こる結膜炎の原因もさまざまです。大きく分けて、感染性、非感染性、その他の3つに分けられるでしょう。

 

緑内障

分泌液である眼房水(がんぼうすい)がうまく排出されず、眼球がむくみを起こし、眼圧が上がることで、網膜が正常に機能できなくなる疾患です。原発性、続発性、先天性の3つに分けられます。ただし、犬では先天性はあまり多くありません。原発性は、全身症状や眼球内には異常がないのに発症するもので、基本的には両目に起こります。50種以上の犬種が好発犬種と考えられており、遺伝が強く関わっていると考えられています。続発性は、体のほかの部分の疾患に伴って、眼球に問題が起きるものです。発症率は原発性の2倍以上で、片目のみのこともあれば両目の場合もあります。

 

角膜潰瘍

角膜潰瘍はそのほとんどが外傷によるものです。しかし、それ以外にも異所性睫毛、涙の減少、まぶたが完全に閉じないことなどが原因で起こることもあります。

 

ブドウ膜炎

ブドウ膜とは、眼球の内側にある 脈絡膜、毛様体、虹彩の3つをまとめて呼ぶ総称です。このブドウ膜に炎症が起こり、まぶしく感じる羞明感(しゅうめいかん)、涙、目やに、視覚障害などが現れることにより、目が開かなくなることがあります。

 

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

まぶたの一部が眼球側に向かうことでまつげが内側に巻き込まれ、まぶた、まつげの両方が角膜を刺激し、場合によっては角膜潰瘍を起こすものです。治療としては、まつげを抜いたり、手術して内反を是正したりします。

 

眼球癆(がんきゅうろう)

なんらかの原因で炎症を起こした後、または外傷の後に起こる、収縮した眼球のこと。慢性のブドウ膜炎、重度の外傷、慢性の緑内障、網膜剥離、その他感染や炎症の最終段階で起こります。つまり、眼球が死んでしまうということです。

 

ドライアイ

角膜の上にある涙の層が薄くなったりなくなったりすることで眼球が乾燥することをドライアイといいます。病気の後に起こることもありますが、加齢によって分泌される皮脂が少なくなることも一因になるでしょう。

 

アレルギー

何らかのアレルギー物質が目に入ることで発症します。その場合、まぶたが大きく腫れ上がるでしょう。

また、ワクチン接種後にアレルギー反応が出て、まぶたが腫れ、目が開かなくなることもあります。ワクチンアレルギーの場合、その他にも、元気や食欲がなくなる、嘔吐、軟便、発熱、呼吸が速くなる、といった症状が出ることがあるでしょう。

犬の目が開かない場合の対処法は?

愛犬の目が開かない時には慌てずに、まずは以下のような対処法を試してみましょう。

 

目やになどがあれば取り除く

生理的食塩水(マイティア)やホウ酸水など洗浄用の点眼薬を使い、目尻から目頭に向けて点眼薬を入れて、眼球を洗いましょう。すると、眼球内に残った目やにも一緒に取り除くことができます。そのまま取ろうとすると、脱毛したり皮膚を傷つけたりする恐れがあるので注意してください。

 

エリザベスカラーをつける

犬は、目のあたりに痛みやかゆみがあると前足でかこうとしたり、タオルなどの布製品に擦りつけようとしたりします。目はとにかくいじらないようにすることが何よりも大切なので、エリザベスカラーをつけることで悪化防止になるでしょう。

 

犬の目が開かない時にやってはいけない対処法

目の周りを必要以上に触らないようにしましょう。犬の目が開かない原因はさまざまですが、基本的には自宅で対処せず、動物病院に連れて行くことが大切になります。

犬の目が開かない場合に注意すべき症状は?

犬の目が開かない_両目を閉じた犬

愛犬の目が開かない場合、以下のような症状が伴っていたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

両目が開かない

両目が開かない場合はあまり良い状況ではありません。全身疾患などの基礎疾患の悪化、緑内障の両目発症、その他重篤な状態が考えられます。すぐに動物病院に連れて行きましょう。

 

目やにの量が多く、黄色や黄緑色でベタベタしている

黄色や黄緑色の目やにが出ている時は、細菌感染が疑われます。とりあえず、目を洗うことができる点眼薬があれば、洗眼して、無理のない範囲で目やにを取ってあげるといいでしょう。ただし、その後は放置せずに必ず病院での検査をしてください。

 

目や顔全体が腫れている

目や顔全体が腫れあがっているのに気づいたら、とにかくすぐに病院へ連れて行きましょう。ワクチンや食べ物によるアナフィラキシーショックの可能性があり、時には命にかかわることもあります。

 

動物病院に連れて行くタイミングは?

目が開かないという症状があれば、いずれの場合も必ず受診させてください。以上のような症状を伴っている場合は、すぐに病院に連れて行きましょう。

犬の目が開かなくなるのを予防するには?

愛犬の目の健康のために、普段から飼い主が心がけたい予防法がいくつかあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

被毛が目に入らないよう短くカットする

被毛が目に入らないようにカットすることは、目を衛生的に保つことになります。ただし、通常のカット(1カ月に1回程度)より早いタイミングでカットすることが必要になるでしょう。そのため、飼い主が日頃から注意して観察し、少しでも目に入りそうならば早めにカットしてあげてください。

 

日頃からよく観察する

目の周りをチェックする習慣づけをおすすめします。例えば、朝起きた時など、チェックの時間を決めてルーティーン化するのも良いでしょう。眼球の色に変わりがないか、瞳孔は左右とも同じ動きをしているか、目やには出ていないか、涙の量はどうか、目をこすったりしていないか、などを日頃からよく観察することが大切です。

 

こまめに目周りのケアをする

毎日愛犬の目をチェックし、目やにがひどい場合などは洗眼してあげましょう。眼球を洗浄できる点眼薬(ワンクリーンなどのホウ酸水やマイティアなど生理的食塩水)を常備しておくと便利ですよ。

 

散歩中にも注意が必要

散歩をしていて草むらに入ると、草で目を傷つける場合があります。また、風の強い日に目に砂や埃が入ることで眼球を傷つける場合もありますので、注意しましょう。

 

定期的に動物病院を受診する

目の病気は目だけが原因で起こる病気もあれば、糖尿病やその他全身疾患の症状のひとつとして起こることがあります。そのため、定期的な健康診断で獣医師に目や全身のチェックをしてもらうことが大切です。

専門家の コメント:

愛犬の目が開かないのに気づいたら、なるべくはやくかかりつけ医に連れて行ってあげましょう。特に、両目が開かない、顔全体が腫れているなどの症状を伴っている場合はすぐに動物病院の受診が必要になります。また、犬の目が開かなくなるのを予防するためには、日頃から時間を決めて目もとの状態チェックを習慣にしてあげると良いですよ。

監修/小林充子先生(獣医師)

監修/小林充子先生(獣医師)
CaFelierペットクリニック 院長。横浜国大経営学部を卒業後、いったん社会に出るも獣医師への道をあきめきれず、麻布大学獣医学部へ編入学。在学中は国立保険医療科学院(旧国立公衆衛生院)のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行なう。2010年に目黒区駒場でCaFelierペットクリニックを開業。日々診療にあたる傍ら、猫の保護活動にも力を入れており、財団公益法人 動物環境・福祉環境evaの評議員、一般財団法人 犬猫生活福祉財団の評議員も務めている。また、健康な体は日々の食事から、をモットーに、ドライフードの開発やカフェメニューなどの監修も行っている。

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