イングリッシュ・コッカー・スパニエルの性格や特徴は?しつけのコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの性格や特徴は?しつけのコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

イングリッシュ・コッカー・スパニエルと言えば、長い耳を覆う豊かな巻き毛が特徴の犬種です。原産国イギリスではコッカーと呼ばれて親しまれてきましたが、いまや世界中で愛されています。優雅で上品な印象のあるイングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼うにあたって、その性格や飼うのに向いている人の特徴、しつけのコツや注意したい病気などについて、chicoどうぶつ診療所の所長である林美彩先生に解説していただきます。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会獣医ホリスティック医療研究会所属

 

大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)などの著書がある。

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イングリッシュ・コッカー・スパニエルの歴史やルーツは?

イギリス原産のスパニエル系が祖先にあたる犬種です。17世紀からコック(ヤマシギ)の猟犬として活躍していたため、イングリッシュ・コッカー・スパニエルという名前になったといわれています。

 

イングリッシュ・コッカー・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルとの違い

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、19世紀後半にメイフラワー号で、移民とともにイギリスからアメリカへと渡りました。その後アメリカで小型犬に改良されたものが、アメリカン・コッカー・スパニエルと言われています。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均的な体高・体重は?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは中型犬に分類され、アメリカン・コッカー・スパニエルに比べると全体に細長く、狩りをするのにふさわしい体型をしています。イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均的な体高はオスが3941cm、メスは3839cmほどです。平均的な体重はオスが12.515.5kg、メスが11.514.5kgくらいです。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均寿命は?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均寿命は、1215歳と言われています。寿命には環境による影響や個体差がありますが、中型犬の平均寿命は1014歳くらいと言われているので、比較的寿命の長い犬種と言えます。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの毛色の種類や被毛の特徴は?

豊富なコートカラーを持つこともイングリッシュ・コッカー・スパニエルの魅力のひとつです。「ソリッド」と呼ばれる単色の子と、2色が混じったグラデーションのような独特の模様が入る「ローン」、三色の「トライカラー」や「パーティ・カラー」など多彩です。

 

毛色の種類

ブラック

ブラックソリッドと呼ばれ、高級感の漂うブラックのみで構成された毛色

 

レッド

赤みがかかった褐色のみで構成された毛色

 

ゴールデン

レッドが薄くなったような毛色

 

チョコレート

濃いブラウンのみで構成された毛色

 

ローン

ホワイトの毛色に様々な色がグラデーションとして入ります

 

<ローンの種類>

ブルーローン:ホワイト地にブルー
オレンジローン:ホワイト地にオレンジ
レバーローン:ホワイト地にレバー(レッド)
チョコレートローン:ホワイト地にチョコレート

 

パーティ・カラー

白地にはっきりとした色の斑が1~2色入っている毛色

 

トライカラー

上記の単色同士の組み合わせ3色で構成された毛色

 

 

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの被毛の特徴

アンダーコートとオーバーコートの二層からなるダブルコート、かつロングコートで、少しウェーブがかかっているのが特徴です。換毛期は春と秋の年2回あり、約1か月かけて大量に毛が抜けます。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの外見や吠え声の特徴は?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは猟犬をルーツとすることから、狩りに適した外見を持っています。外見と吠え声の特徴は以下のとおりです。

 

外見

骨格はしっかりしていますがやや小柄な体型で、垂れた長い耳と美しい被毛が特徴です。

 

吠え声

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、中型犬らしい太い声で吠えます。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルはどんな性格? オスとメスで性格の違いはあるの?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルはどんな性格の犬種なのでしょうか。主な特徴をそれぞれ見ていきましょう。

 

明るく活発

陽気な性格の持ち主で、とても活発です。

 

飼い主に従順で愛情深い

猟犬として人に対し従順な性格を持っており、人懐っこく愛情深い性格をしています。

 

やや繊細な面もある

物音にびっくりしてしまうなど、やや繊細な一面もあります。

 

警戒心が強い

猟犬であったルーツからか、警戒心が強い一面もあります。

 

 

オスとメスの性格の違い

個体差もありますので一概には言えませんが、オスのほうが活発です。メスは優しい子が多く、しつけがしやすい傾向にあります。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼うのに向いている人は?

猟犬をルーツとするイングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼うのに向いているのはどのような人なのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

 

散歩や遊びの時間がとれる人

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは猟犬の歴史を持ちますので、とても活発に動くことを好む犬種です。そのため、ストレスをためないようしっかりと運動時間を確保できる人が、飼い主としての適性を満たしていると言えます。

 

被毛のケアをする時間がある人

被毛がダブルコートですので、毎日ブラッシングができ、抜け毛の掃除ができる等、まめな人が合っています。

 

 

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは初心者向きの犬?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルはとても賢い犬種ですので、しつけ、トレーニングがしっかり行える人のほうが向いています。そのため、初心者にはやや難易度が高い犬種かもしれません。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼ううえで気をつけることは?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼う際にはいくつかの注意点があります。それぞれ見ていきましょう。

 

噛み防止用の塗布剤を塗る

猟犬の本能からイングリッシュ・コッカー・スパニエルの中には噛み癖がある子がいます。噛むと苦い味がする塗布剤などを使用しながら、トレーニングやしつけを行うとよいでしょう。できるだけ天然由来の成分で作られている塗布剤をおすすめいたします。

 

床を滑りにくくする

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼うにあたって、関節への負担軽減は大切です。床材の見直しのほか、足裏の毛の処理にも気を配ってあげたいですね。

 

 

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの食事の注意点

運動量が多いので、筋肉をしっかりつけるために動物性タンパク質をしっかり摂取できる食事がおすすめです。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルのしつけを始める時期やおすすめの方法は?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、賢い犬種であるため、油断すると飼い主を下に見る可能性があります。しつけ、トレーニングでしっかりと序列をつけておくことがポイントです。

 

しつけを始める時期

しつけが大切な賢いイングリッシュ・コッカー・スパニエルではとくに、迎え入れたらできるだけ早めにしつけをスタートするのがおすすめです。新しい環境に慣れたらすぐに始めましょう。

 


イングリッシュ・コッカー・スパニエルにおすすめのしつけ方法

上手にできたらすかさず褒める

褒めることによって、良い行動の頻度を上げていけると理想的ですね。


メリハリをつける

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは頭が良いので、飽きが来ないようにトレーニングを行うとよいでしょう。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルにおすすめの遊びは?

体を動かすことが好きなイングリッシュ・コッカー・スパニエルにおすすめの遊びは以下のようなものがあります。

 

持ってこいあそび

猟犬というルーツがあるので、イングリッシュ・コッカー・スパニエルは何かを取って持ってくるということが得意です。

 

フライングディスク(フリスビー)

猟犬として鳥を仕留めていた歴史から、飛ぶものを捕まえることが得意です。

 

アジリティ

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、高い運動能力の持ち主ですので、様々な障害物も難なくクリアします。

 

ドッグラン

体力があるので、思い切り走り回らせることはストレス発散につながります。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを散歩させる際に気をつけることは?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを散歩させる際にはいくつかの注意点があります。それぞれ見ていきましょう。

 

イングリッシュ・コッカー・スパニエルにふさわしい散歩の頻度や時間

活発なうえに体力があるので、最低でも朝晩30分は散歩させましょう。

 

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの散歩で気をつけた方がよいこと

警戒心が強いため、散歩中に他の犬に吠えてしまわないようにしましょう。イングリッシュ・コッカー・スパニエルのしつけやトレーニングが終わっていない時には、犬が少ない時間帯や散歩道を選ぶのがおすすめです。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルがかかりやすい病気やケガは?

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼う際には以下のような病気に注意しましょう。

 

激怒症候群(レイジ・シンドローム)

突然噛みつくなどの攻撃的な行動を見せる病気で、原因は不明です。単色個体で起きやすいといわれています。

 

外耳炎

垂れ耳のため、耳道の通気性が悪く外耳炎を起こしてしまう子が多い傾向にあります。耳介の赤みや痒み、頭を振る、匂いがするなどの症状が見られないかどうか、こまめに耳の状態をチェックし、定期的に耳介をめくって通気性を浴してあげることも予防につながります。

 

緑内障

眼房水(がんぼうすい)の流出がうまく働かず眼圧が高くなることで、痛みを伴い牛眼のようになってしまう疾患で、視力を失ってしまうこともあります。予防法はありませんが、東洋医学的では、体内の水の流れを整えて、余剰水分を排尿として出すといいとされています。

 

白内障

水晶体が様々な原因で変化を起こし、不透明になってしまった状態を指します。シニア犬に多く、予防は困難ですが、進行スピードを遅くする目薬を使用したり、アントシアニンやルテインなどを含むサプリメントの服用なども有効とされています。

 

チェリーアイ

第三眼瞼の根元が緩んで突出してしまう疾患で、概ね1歳未満の子で発症するといわれています。流涙や目の痛み、気にしてひっかくなどの症状が見られます。多くが先天的のため、予防法はありません。

 

結膜炎

結膜に炎症がおこり、充血し白目が赤く見える疾患です。目の周りを清潔に保つことが予防につながります。

 

脂漏性皮膚炎

皮膚のべたつきやふけが見られる皮膚炎で、炎症による赤みや痒み、皮膚の色素沈着や苔癬化などが見られます。日々のブラッシングで早期の皮膚異常に気付いてあげることが重要ですが、定期的なシャンプーなども効果があります。

 

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨(しつがいこつ)が、大腿骨の正面にある滑車溝から外れてしまう疾患を指します。イングリッシュ・コッカー・スパニエルの場合、内側に外れる内方脱臼のほうが多いです。膝関節への負担軽減が予防にもつながりますので、体重管理やジャンプをさせない、高低差があるところの行き来をしないなどが予防につながるでしょう。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの日常のお手入れで気をつけることは?

ダブルコートで毛玉ができやすい犬種のため、日々のブラッシングは欠かせません。外耳炎にもなりやすく、ブラッシングをする際、同時に耳の状態のチェックをしてあげるのが重要です。皮膚炎をおこしやすい子もいますので、月1回はシャンプーをしてあげましょう。

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