犬の耳が赤いのは外耳炎かも?原因や対処法、病院に行くタイミングについて解説【獣医師監修】

犬の耳が赤いのは外耳炎かも?原因や対処法、病院に行くタイミングについて解説【獣医師監修】

犬がなりやすい病気の1つと言われる外耳炎。悪化すると耳にだけではなく、神経症状も出てしまうこともあり、早期発見・早期治療がとても大切です。外耳炎になった犬の仕草や対処法、病院に連れて行くタイミングなどについて、人も動物も幸せな生活が送れるためのサポートをモットーにする「Animal Life Partner」代表で獣医師の丸田香緒里先生に解説していただきました。

犬の耳が赤いときに考えられる病気は?

頭を振る犬犬の耳が赤くなっている場合、さまざまな理由が考えられます。愛犬が普段と違う仕草をしていたら、よく観察して原因を調べましょう。


犬の耳の皮膚が赤いのは外耳炎やアレルギー

犬がおもちゃで遊んで興奮すると、体温が上がるため、耳も赤くなります。元気な状態であれば問題はありませんが、普段と違った仕草をしていた場合は注意が必要です。耳だけではなく、体温が高い場合は発熱が疑われ、首を振っている回数が多い場合はアレルギーや外耳炎などの病気が考えられます。


犬の耳介が赤く腫れているのは耳血腫

耳血腫とは、耳介(耳たぶ)の軟骨の血管が何らかの理由によって損傷し、血液などの体液が溜まって、耳介が赤く膨れてしまった状態のことです。耳血腫が起こる原因は、強く耳を掻いたり、激しく首を振ったりすることにあります。後ろ足が耳まで届かないとき、犬はこのような仕草をすることが多いです。

犬の外耳炎とは?

犬の耳の内側にある「耳道」に炎症が起きている状態を外耳炎といいます。犬の耳は鼓膜までの耳道がL字型をしているため、換気しにくく蒸れやすい環境にあり、炎症を起こしやすくなっています。また、耳がたれている犬種だと特に換気が悪いため、病気につながりやすくなってしまう傾向にあります。

犬の外耳炎になる原因は?

草むらのキャバリア考えられる原因はいくつかあります。耳が赤くなって外耳炎の疑いがある場合は、犬に変化が起きたのは散歩の後なのか、以前から耳を気にする仕草があったのかなどを思い返してみてください。


耳に異物が入った

外へ散歩に出かけた際、砂利の上で寝転んだり草むらに入ったりすると、耳の中に異物が入ることがあります。この異物を放置していると、炎症を起こすケースもあります。


アレルギー

人間と同じように、犬もアレルギーを持っている場合があります。食べ物や環境中のアレルギー物質に反応することで、外耳炎が引き起こされるケースもあります。アレルギーを持っていた場合、耳だけではなくお腹や顔をかゆがるなど、その他の症状も出る可能性があるでしょう。


寄生虫

散歩に出かけた際、他の犬と関わったり草むらに入ったりすることで、虫が寄生することがあります。寄生虫といえばマダニが有名ですが、中には耳に寄生するダニもいます。


細菌・真菌

耳の内部の常在菌にマラセチアという菌が存在します。しかし、細菌バランスが崩れて増殖すると細菌感染を引き起こし、化膿性の外耳炎になります。また、耳道の腫瘍などにより閉塞が起こると、耳の換気が悪くなり、細菌性や真菌性の外耳炎が起こりやすくなります。

犬の外耳炎の症状は?

赤い犬の耳ぱっと見て変化がわかる場合と、外見からは判断できない場合があります。疑わしい場合は自己判断をせず、獣医師に見てもらうことをおすすめします。


耳の赤み

耳の内部は毛で覆われているため、外から見るとわかりづらいです。耳道の奥で炎症を起こしているため、耳の内部が赤くなることで気づくことが多いです。


耳がかゆい・耳が痛い

普段より頭を掻く仕草が多い、首を激しく振る、壁や床に耳をこすりつける、触ってほしいと飼い主にせがむといった様子が見られます。かゆみや異物感の症状が悪化すると、やがて痛みへと変わり、触られることをとても嫌がるようになります。


耳が臭い

酸っぱいような臭いがする場合は化膿臭です。耳の内部が炎症すると細菌や真菌が増殖し、独特の臭いが出ます。


耳垢・膿

耳垢は、耳をのぞいて手前に見える程度の溜まり方なら正常です。しかし、黒から黄色っぽい色の耳垢が多く溜まっていると、外耳炎の疑いがあります。さらに臭いや化膿による耳垂れがある場合はすぐに動物病院で受診しましょう。

外耳炎になった犬の特徴的な仕草は?

耳を掻く犬外耳炎になると耳にかゆみを覚えて、耳を足で掻くケースが多いですが、犬種によっては自分で耳を掻くことができない犬もいます。そのため、頭を振ったり、壁や床に耳を擦りつけたりする仕草も見られるようになるのです。

外耳炎になりやすい犬種やライフステージは?

外耳炎になりやすいアメリカン・コッカー・スパニエル耳が垂れている犬全般と耳の中に毛が生える犬種は、耳の換気が悪いため外耳炎になりやすいです。また、外耳炎は子犬や老犬など年齢を問わず、すべてのライフステージでかかる病気です。


外耳炎になりやすい犬種

犬の外耳炎を発見したらどう対処すべき?

耳の内部の異変に気づいたら、自己判断で拭いたり刺激したりすることは避けてください。市販の耳道洗浄剤やふき取りシートを使ってしまうと外耳炎が悪化する恐れがあります。すぐに動物病院で診てもらいましょう。

犬の外耳炎を病院で診てもらうタイミングは?

普段より頭や首を掻く、首を振るといった仕草が犬に見られたら、自己判断はせず、なるべく早く動物病院に連れて行ってください。早期発見・早期治療が治療の鉄則です。

病院での犬の外耳炎の治療法は?

一般的には以下に挙げる治療法が多いですが、病院や医師によって異なります。また、症状によっても治療が変わることもありますので、目安としてお考えください。


耳垢の検査と耳道内の洗浄

耳道内の観察や、耳垢の検査をして、外耳炎の原因を調べます。その後、専用の耳道洗浄剤で耳道内を洗浄し、原因にあわせた治療を行います。


点耳薬

耳内を洗浄後、原因に合わせて点耳薬を使用します。点耳薬には、抗菌薬や抗真菌薬、耳のかゆみや炎症を和らげるものがあります。


駆虫薬

ダニなどの寄生虫が外耳炎の原因と診断された場合使用します。


アレルギーの治療

アレルギーが原因の外耳炎と診断された場合、抗アレルギー薬を使用して治療を進めます。


治療期間と治療費の目安は?

症状によって治療期間は違いますが、2週間から1か月程度が目安となります。治療費も症状によって異なり、2,0005,000円程度を目安と考えておくと良いでしょう。

犬が外耳炎になるのを予防する方法は?

定期的に動物病院で健康診断をしてもらえると安心です。また、たれ耳の犬や耳の内部に毛が生えやすい犬は、通気性を高めるため定期的にトリミングをすることもおすすめです。

犬の外耳炎の注意点は?

飼い主が自己判断で薬を塗ったり、様子見で過ごしたりするのは避けましょう。また、綿棒を使って掃除をしたり、市販の薬を使用したりすると悪化する可能生があります。犬の異常に気がついたときは、必ず動物病院で診てもらってください。


第2稿:2021年4月20日更新
初稿:2021年2月9日公開

専門家のコメント:

外耳炎になると、頭や首をいつも以上に振ったり掻く仕草が見られ、耳からすっぱい臭いや、耳だれなどの症状が出ることもあります。気づいた時点で動物病院で受診し、飼い主の自己判断で対処することは避けましょう。病院では耳道を洗浄したり、薬を投薬したりするなどの治療が行われますので、獣医師に従ってしっかりと治してあげてください。

監修/丸田香緒里先生(獣医師)


Animal Life Partner代表。
往診専門動物病院アニマルライフパートナー院長。
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。

 

大学卒業後、6年間の横浜市内の動物病院勤務を経て、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partnerを設立。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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