犬を車に乗せる際の注意点は?知っておきたい交通ルールや必要なグッズについて解説【獣医師監修】

丸田香緒里(獣医師)

丸田香緒里(獣医師)

Animal Life Partner代表。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、製品開発など幅広く活動。

犬を車に乗せる際の注意点は?知っておきたい交通ルールや必要なグッズについて解説【獣医師監修】
犬を車に乗せる際の注意点は?知っておきたい交通ルールや必要なグッズについて解説【獣医師監修】

目次

  • ・ 犬を車に乗せる前に準備すべきことは?
  • ・ 犬とのお出かけにおすすめの車は?
  • ・ 法律違反にならないために、犬と車に乗るときに必要なグッズは?
  • ・ 犬が車に乗るのを嫌がるときの対処法は?
  • ・ 犬を車に残して車から離れても大丈夫?
  • ・ 犬を車に乗せてドライブするときの注意点は?

コロナ禍で密状態を避けるため、公共交通機関ではなく車で移動される方も多くなっている昨今、お出かけの際は犬も一緒に車に乗せる機会もあるでしょう。犬と一緒に車中を快適に過ごすには、いろいろな準備が必要です。準備を怠ると法律違反になる可能性もありますので要注意。犬を車に乗せる際の注意点や、準備しておきたいものなどについて、「Animal Life Partner」代表で獣医師の丸田香緒里先生に解説していただきます。

犬を車に乗せる前に準備すべきことは?

クレートに入った犬何も準備をしないで犬を車に乗せると、犬が不快な体験をしてしまう可能性があります。事前に準備をしておき、車に乗ることが犬にとって楽しい経験になるようにしましょう。


犬が車に乗るのに必要なしつけ

クレートで移動するのであればクレートトレーニングが必要です。子犬の頃から少しずつ時間をかけて慣れさせることで、車移動がスムーズになります。クレートを嫌がる場合、車内ではリードで固定するなどして対応してください。


犬の車酔い対策

人と同じで、直前に食事をしていると吐いてしまう可能性があります。乗車する1時間前からの食事は避けることがおすすめです。犬が車に酔うと、よだれが多く出たり、体を横にしてぐったりとしたり、嘔吐をしてしまうこともあります。車酔いをしてしまう子は、動いていない車に乗ることから徐々に慣らすと良いでしょう。

犬とのお出かけにおすすめの車は?

車選びのポイントは、犬にとって過ごしやすい環境が作れるかどうかです。どんなに広くて座り心地の良い車でも、大きな音がしたり、エアコンの効きが悪かったりする車では、犬は体調を悪くしてしまいます。そのため、犬がどこに・どのような状態で乗るのかも想定して選ぶことをおすすめします。また、犬の様子をこまめに確認できるのかも考慮に入れると良いでしょう。


大型犬におすすめな車のタイプ

広さに余裕が欲しい大型犬には、ミニバンや大型車が理想的です。大型犬は抱っこではなく自分で車に乗り込むことが考えられるので、乗り込み口の高さや広さ、ラゲッジスペースや車内の高さや広さが、大型犬が自分で乗り込むのに適しているかを確認しましょう。


中型犬におすすめな車のタイプ

ワゴンタイプからワンボックスカーであれば後部座席やラゲッジスペースに余裕があるため、中型犬でも快適に過ごせます。シートアレンジも自在な車が多いので、家族にあった車内スタイルを作ることができるでしょう。スライドドアであれば出入りにストレスがなくなります。


小型犬におすすめな車のタイプ

小型犬は軽自動車でも移動が十分に可能です。家族の人数に合わせて車を選んでください。軽自動車でも最近のものは高さがあり、車内空間に余裕があるためゆったりと過ごすことができます。もっと余裕が欲しい場合は、コンパクトタイプの普通車であればより快適に過ごせます。飼い主が抱っこして乗車できるので、入り口は気にしなくてもよいでしょう。

法律違反にならないために、犬と車に乗るときに必要なグッズは?

車の後部座席に座る犬犬を抱いて車を運転すると、法律違反になることをご存じでしょうか? 「道路交通法第552項」に定められており、グッズなどでの対策が必要です。


犬を車に乗せる際に知っておくべき道路交通法

道路交通法第552項(乗車又は積載の方法)」で、「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装着の操作の妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安全を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。」と明記されています。

犬を運転手の膝に乗せたり、助手席に乗せて運転すると、普通車では6,000円、大型車・中型車では7,000円の反則金を課されます。違反点数も1点つき、場合によっては逮捕も考えられます。運転手が1人の場合は必ずクレートにいれたり、リードをしたりするなどしてください。


犬を車に乗せるときに必要なグッズ

万が一の事故に備えて、ソフトクレートに入れてシートに固定すると安心です。犬がクレート内でおとなしくできない場合には、短いリードをシートに固定するなど、シートベルトの代わりになるようなもので守ってあげる必要があります。メーカーによっては純正ドックアクセサリーを取り扱っている場合もあるので、必要に応じて購入しましょう。


犬を車に乗せるときにあると便利なグッズ

必須ではありませんが、犬を車に乗せるときにあると便利なグッズもあります。車内で移動しないためのクレート、リード、シートに乗せるマット、汚れないための車内シート、シートについた毛をとるためのコロコロ、車酔いの嘔吐対策としてペットシーツやウェットティッシュなどは、車の中に備えておくと、いざというときに便利です。


犬が車に乗るのを嫌がるときの対処法は?

車で遊ぶ犬犬が車を嫌がるのは何らかの理由があるはずです。車内に犬が嫌がる原因がないか調べてみましょう。


犬が車を嫌がる原因

  • 匂いの強いものが車内にある
  • 苦手な音がする
  • 過去に車で嫌な経験をしたことがある


車内を調べて、苦手な匂いや音のするものがあれば取り除きましょう。そのようなものがない場合、過去の嫌な経験が原因の可能性があります。


犬が車を嫌がるときの対処法

動いていない車内で、おやつをあげたり、好きなおもちゃで一緒に遊んだりすることで、犬は車に乗ることを楽しいと思えるようになります。徐々に車内にいる時間を増やし、短いドライブをしながら慣らしていきましょう。

犬を車に残して車から離れても大丈夫?

サービスエリアや駐車場で、少しの時間だからと、犬を車に残して飼い主だけ少し車から離れることがあるかもしれません。しかし、熱中症や思わぬ事故の危険があるため、犬を車に残しての移動は避けてください。夏場以外でも気温が高い日は車内が熱くなる可能性があるので、油断しないようにしましょう。


犬を車に乗せてドライブするときの注意点は?

車で水を飲む犬夏場は特に車内の気温が上がるので、熱中症には十分気をつけてください。助手席や後部座席はエアコンの風が行き届きやすいですが、ラゲッジスペースは高温になります。こまめにトイレ休憩やお休憩をとりながら様子をしっかり観察することで、犬の体調不良を防ぐことができます。


専門家の コメント:

車で移動する際はクレートに入れることで安全を確保することができるため、子犬の頃からクレートに慣れさせておくのがおすすめです。また、運転者の膝に乗せたり、運転を妨げたりするような行為は違法です。家族にあった車を選び、クレートやリードなどの準備をして安全にドライブを楽しみましょう。


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