ミニチュア・ダックスフンドの適正体重は?ダイエット方法と肥満にさせない予防策を解説【獣医師監修】

ミニチュア・ダックスフンドの適正体重は?ダイエット方法と肥満にさせない予防策を解説【獣医師監修】
つぶらな瞳と短足の見た目が可愛らしいミニチュア・ダックスフンド。見つめられるとついついおやつを与えたくなりますが、残念ながら体重が増えやすく肥満になりやすい体質でもあります。肥満を予防するためには、飼い主が日頃の食事や運動でしっかり体重を管理し、健康な状態を保ってあげることが大切です。今回の記事では、ミニチュア・ダックスフンドの適正体重や、太ってしまったとき正しいダイエット方法などを、かどのペットクリニック院長で獣医師の葛野莉奈先生にご紹介していただきます。

監修/葛野莉奈先生(獣医師)

監修/葛野莉奈先生(獣医師)
かどのペットクリニック院長。麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。 獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に動物病院を開院。 開院後、ながたの皮膚科塾を修了。 皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

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ミニチュア・ダックスフンドは太りやすい犬種!

個体差はあるものの、一般的にミニチュア・ダックスフンドは食欲旺盛で早食いな子が多い犬種です。そのため、その子自身に合ったカロリーや質・量のコントロールができていないと食欲のままに食べてしまいがち。結果として肥満になる傾向が高いです。

ミニチュア・ダックスフンドの成犬時の適正体重と体格は?

ミニチュア・ダックスフンドの成犬時の適正体重と体格は?

実は、「ミニチュア・ダックスフンド」とは、ダックスフンドを大きさ別に3種類にわけたときに中間となる個体を指します。ダックスフンドの仲間には、ミニチュア・ダックスフンドよりも小さい「カニンヘン・ダックスフンド」とミニチュア・ダックスフンドよりも大きい「(スタンダード・)ダックスフンド」がいます。それぞれの大きさと適正体重は以下の通りです。

 

カニンヘン・ダックスフンド

胸囲:オス〜32cm、メス~30cm。適正体重:約3〜3.5kg。

 

ミニチュア・ダックスフンド

胸囲:オス32〜37cm、メス30~35cm。適正体重:約5kg以下。

 

(スタンダード・)ダックスフンド

胸囲:オス37cm〜、メス35cm~。適正体重は約9〜12kg。

ミニチュア・ダックスフンドの子犬の月齢別適正体重は?

ミニチュア・ダックスフンドに限らず、子犬は生後1年で大きく成長します。成犬になるまでは、下記の適正体重を参考にしてください。

 

生まれたて:約200g程度
生後1か月ごろ:約900g〜1kg
生後3か月ごろ:約2.5~3kg
生後4か月ごろ:約3~3.5kg
生後6か月ごろ:約4~4.5kg
生後12か月ごろ:約4.5~5kg

ミニチュア・ダックスフンドの体重の量り方は?

ミニチュア・ダックスフンドを健康に育てるためには、普段からの体重チェックが欠かせません。ここではミニチュア・ダックスフンドの体重の量り方を2つお伝えします。

 

体重計に直接乗せて量る

人間の新生児用や、ペット用の体重計を使用して体重を測定する方法です。動物病院などでも用いられていて、誤差があまりないというメリットがあります。ただし、じっとしている必要がある、大きすぎるサイズの子は正確に量れないといったデメリットもあるため、子犬やカニンヘン、ミニチュアなどの小さいサイズ、かつ大人しい子に適しています。

 

飼い主が抱っこして量る

飼い主が犬を抱っこして人間用の体重計に乗り、飼い主分の体重を引く方法です。抱っこだと落ち着いていられる子にとっては、手軽に行えるというメリットがあります。しかし、正確さに欠けるというデメリットもあるため、スタンダードサイズなどに近い、大きいサイズのダックスフンドに適した方法といえるでしょう。

ミニチュア・ダックスフンドの肥満度をチェックする方法は?

ミニチュア・ダックスフンドの肥満度をチェックする方法は?

ミニチュア・ダックスフンドの肥満度を数値化し、客観的に肥満度を知る方法としてボディコンディションスコア(以下BCS)があります。BCSは、犬を背中側からまっすぐ見下ろしたときの外見上の肉の付き方や、肋骨部分などを触った際の肉の付き方で、肥満度を判断します。飼い主でも手軽に行えますが、どうしても「まだ大丈夫」「太りすぎかも?」といった主観が強くなりがちです。そのため、定期的にかかりつけの獣医師の先生に見てもらうとよいでしょう。そこからの変化を日常的に見たり触ったりしながら管理すると、より安心できるかもしれません。

 

BCS1(痩せ) 肋骨、 腰椎、骨盤が外から容易に見える。触っても脂肪がわからない。腰のくびれと腹部の吊り上がりが顕著。
BCS2(やや痩せ) 肋骨が容易に触れる。上から見て腰のくびれは顕著で、腹部の吊り上がりも明瞭。
BSC3(理想的) 過剰な脂肪の沈着なしに、肋骨に触れる。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られる。横から見て腹部の吊り上がりが見られる。
BCS4(やや肥満) 脂肪の沈着はやや多いが、肋骨は触れる。上から見て腰のくびれは見られるが、顕著ではない。腹部の吊り上がりはやや見られる。
BCS5(肥満) 厚い脂肪におおわれて肋骨が容易に触れない。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着。腰のくびれはないか、ほとんど見られない。腹部の吊り上がりは見られないか、むしろ垂れ下がっている。

ミニチュア・ダックスフンドが肥満になると、どんな病気のリスクがあるの?

ミニチュア・ダックスフンドが肥満になると、どんな病気のリスクがあるの?

 

肥満は外見上の問題や動きが悪くなるといったことだけでなく、二次的な病気をも引き起こしかねません。ミニチュア・ダックスフンドの肥満が原因となって発症する可能性がある病気は以下の通りです。

 

椎間板ヘルニア

ミニチュア・ダックスフンドが特になりやすい病気です。「椎間板」とよばれる腰にある部位の異常により、神経症状や痛み、違和感などが生じます。歩けなくなる、排尿・排便がしづらくなる、抱っこなど触れられる際に痛がる、日常の行動はできるものの散歩は嫌がるなど、症状はさまざまです。また、治療法は症状の重さによって異なり、レントゲンやCTなどの画像検査で診断します。内科治療(薬で痛みをおさえる、安静にするなど)で緩和できる場合と外科治療(手術)が必要になる場合があります。

 

糖尿病

糖の代謝がスムーズに行えないため、体内で糖が上手に使えなくなり、その副産物によって中毒症状が出たり、エネルギー供給がうまくいかなくなったりする疾患です。遺伝的なケースが多いですが、肥満が引き金になる場合もあるでしょう。重度になると死に至ることもあります。治療としては人間の糖尿病と同様に、日常的に糖を代謝するためのインスリン投与などが必要になります。

 

心臓病

肥満で体が大きくなると、全身へ血液を送る心臓に負担がかかります。また、興奮したり心臓に負荷がかかりすぎたりすると「チアノーゼ」と呼ばれる酸素不足の状態になったり、心臓発作などで突然亡くなったりしてしましまいます。心臓の状態は心電図やエコー、レントゲンなどを使用して検査します。一度心臓病と診断されると、その後は健康な状態の心臓に戻すことはできないため、薬を飲んで対処することになるでしょう。

ミニチュア・ダックスフンドの体重管理で気をつけることは?

ミニチュア・ダックスフンドの体重を管理するとき、子犬・成犬・シニア犬というライフステージによって気を付けるべきポイントは異なります。ここからは、それぞれの注意点を見ていきましょう。

 

子犬の体重管理

成長期のため、制限をしすぎず、その子にとっての適切な量の食事を与える必要があります。健康上、この頃から好きなものやおやつばかり食べる習慣をつけてしまうとよくないので、しっかりとフードを食べさせましょう。

 

成犬の体重管理

体重や体型に応じて適切な量を与えるようにしましょう。食欲旺盛な子は「もっともっと」とたくさんごはんをほしがるかもしれませんが、要求されるままに与えてしまうと肥満になる可能性があります。

 

シニア犬の体重管理

年齢が上がるにつれ代謝や運動量などが変わります。そのため、若い頃と同じものを同じ量食べていても太ってしまうことがあるでしょう。定期的な体重測定は欠かさないようにし、必要に応じてフードの質や量の見直しをしてください。

ミニチュア・ダックスフンドの肥満を防ぐためにするべきことは?

ミニチュア・ダックスフンドの肥満を防ぐためにするべきことは?

ミニチュア・ダックスフンドが肥満にならないため、飼い主は日頃から次のことを意識してあげましょう。

 

体重をこまめに確認する

与えているごはんの量が適切かどうかを確認するためにも、定期的に体重を確認することが大切です。最低でも月に1回は体重を量りましょう。自宅で量るのが難しいのであれば、専用の体重計のあるトリミングサロンや動物病院にケアや健康チェックを兼ねてお願いするとよいかもしれません。

 

おやつのあげすぎに気をつける

先ほどの項目でも少し触れましたが、ミニチュア・ダックスフンドは食欲が旺盛な子がとても多い傾向にあります。そのため、ほしがるままにおやつを与えてしまうと肥満につながりかねません。おやつの量を少量にしたり、おやつの代わりに普段のドライフードを数粒与えてごはんの量を減らしたりするなど、カロリーオーバーにならないよう量と質を調節しましょう。

 

適切な頻度や時間で散歩する

日頃からの適度な運動で筋肉をつけておくことも大切です。ただ、ミニチュア・ダックスフンドは胴が長く足が短いという特徴的な体型から、運動のしすぎが関節などに負担をかけ、病気の原因となってしまうケースもあります。我が子に合った頻度や時間・距離で、無理のない程度にお散歩をしてあげるのがよいでしょう。

肥満気味のミニチュア・ダックスフンドのダイエット方法は?

肥満気味のミニチュア・ダックスフンドのダイエット方法は?

ミニチュア・ダックスフンドがすでに肥満気味の場合、どのようにダイエットをするとよいのでしょうか。大きく食事と運動に分けて、正しいダイエット方法を紹介します。

 

フードの質や量を見直す

カロリーオーバーを防ぐため、まずはフードの量や質を見直す必要があります。いま現在の体重をもとにした量のフードを与えているとなかなか痩せないことが多いので、目標体重の目安の量や、現在の体重で与えるべき量から数粒〜1割程度減らした量で始めてみるとよいでしょう。あまりにも一気にごはんの量を減らしてしまうと、「食べたいのに食べられない」というストレスを感じたり、栄養失調になったりする可能性があるので気をつけてください。また、そもそも与えるフードを低カロリーのものに切り替えることもおすすめです。

 

運動量を増やす

肥満対策には、体を動かして筋肉をつけることがとても大切です。一方、犬は運動だけで体重を減らすことが難しいとも言われています。さらに、肥満の状態で過度な運動をすると、関節などに負担をかけてしまうことも。まずは食事管理である程度体重を落としてから、少しずつ運動量を調整しましょう。かかりつけの先生に相談しながら決めるのがおすすめです。

ミニチュア・ダックスフンドが痩せ気味の場合の対処法は?

ミニチュア・ダックスフンドが肥満だと心配になってしまいますが、痩せているケースも飼い主にとっては気がかりですよね。痩せている場合は、何が原因で痩せているかによって、対処方法は変わります。たとえば、若くて運動量が多いために痩せている場合は、高タンパクのフードを与えて筋肉も効率的につけながら体重を増やすことが大切です。また、高齢で上手に栄養吸収ができずに痩せているのであれば、少量でもカロリーの高いフードを与えて、効率よくカロリー摂取ができるようにしてあげると痩せ対策になります。飼い主が自分で判断するのは少し難しいので、痩せているかどうかが気になったら、かかりつけの先生などに相談してみましょう。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

ミニチュア・ダックスフンドは基本的に体重が増えやすい犬種だということを頭に入れておきましょう。そのうえで年齢や体質に応じた体重管理が大切になります。体重管理やダイエットなどはご家庭だけで完璧にこなすのは難しいこともあるので、困ったときはかかりつけの獣医師の先生などに相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。ご家庭と専門家の二人三脚で体重管理ができると飼い主の負担が減るため、日常ケアの一環として取り組めるはずです。


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