ゴールデン・レトリバーの適正体重は何kg?月齢ごとの推移や体重管理の方法などを解説【獣医師監修】

ゴールデン・レトリバーの適正体重は何kg?月齢ごとの推移や体重管理の方法などを解説【獣医師監修】

食べることが大好きで、太りやすいといわれるゴールデン・レトリバー。運動欲求が強い犬種でもあるので、運動量が少ないとストレスをためこんでしまうことも。日頃から食事や運動をとおして体重をしっかりと管理し、健康を守ってあげることが大切です。今回は、バーニー動物病院千林分院堂山有里先生に教えていただいた、ゴールデン・レトリバーの性別ごとの適正体重や、肥満度をチェックする方法、太りすぎによって引き起こされるリスクなどを解説していきます。

監修/堂山有里先生(獣医師)

バーニー動物病院千林分院分院長。日本獣医動物行動研究会、獣医皮膚科学会所属。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行いペットと人が幸せに暮らすお手伝いをしている。

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ゴールデン・レトリバーは太りやすい犬種!

食べることが大好きで、食べ物の好き嫌いが少ないゴールデン・レトリバーは、比較的、肥満になりやすいといわれています。何でも喜んで食べてくれると、ついついフードを与えすぎてしまうという飼い主も多いかもしれません。フードやおやつの適量を守らずに、必要以上に与えてしまうと肥満のリスクが高まるので注意が必要です。

ゴールデン・レトリバーの適正体重と体格は?

子犬

ゴールデン・レトリバーは、性別によって体格に差が出やすい犬種です。成犬となる生後12か月頃までは体重が変化しやすく、成犬に近づくにつれて変化は緩やかになっていきます。

 

月齢別の適正体重の目安

※成犬時の体重がオス28kg、メス25kgの場合

 

生後1か月…オス:2kg、メス:1.8kg

生後2か月…オス:6kg、メス:5kg

生後3か月…オス:11kg、メス:10kg

生後4か月…オス:15kg、メス:13kg

生後5か月…オス:18kg、メス:16kg

生後6か月…オス:21kg、メス:18kg

生後7か月…オス:23kg、メス:20kg

生後8か月…オス:25kg、メス:22kg

生後9か月…オス:26kg、メス:23kg

生後10か月…オス:27kg、メス:24kg

生後11か月…オス:28kg、メス:25kg

 

成犬になると体重や体格は安定します。体格に個体差はありますが、次の適正体重を大きく上回るようであれば、太りすぎの恐れもあるので注意しましょう。

 

●成犬(12か月以降〜)の適性体重

オス: 29~34kg、メス:26~29kg

 

●成犬(12か月以降〜)の平均体高

オス:56~61cm、メス:51~56cm

ゴールデン・レトリバーの体重の測り方は?

ゴールデン・レトリバーの体重を測りたいときは、検診や通院などで動物病院に連れていくときに測ってもらうと正確です。家庭で測る場合は、次の方法で測定できます。

 

大型犬用の体重計で測る

ゴールデン・レトリバーを直接体重計に乗せる場合は、市販の大型犬用の体重計を利用するとよいでしょう。普段から体重計に乗ったらご褒美をあげるようにしておくと、すすんで乗ってくれるようになります。

 

飼い主が抱っこして測る

飼い主が抱っこ、あるいはおんぶした状態で体重計に乗って測定し、飼い主の体重を差し引いた数値が犬の体重になります。

ゴールデン・レトリバーの体型のチェック方法や肥満のサインは?

健康な犬

体重のほかにも、ゴールデン・レトリバーの体型が適正かどうかをチェックする方法があります。それぞれの方法で、肥満のサインが見られないかどうかを確認してみましょう。

 

あばら骨を触ってチェックする

痩せ体型の場合:ゴツゴツしたあばら骨が簡単に触れる

適正体型の場合:少量の脂肪が乗っているが軽く触れるとあばら骨が感じられる

肥満体型の場合:厚い脂肪が上に乗っているためあばら骨がわかりにくい

 

腰部や腹部のくびれを確認してチェックする

痩せ体型の場合:腰のくびれが顕著で大きくへこんでいる

適正体型の場合:腰に適度なくびれが見られる

肥満体型の場合:腰にくびれが全くなく寸胴

 

※横から見てお腹が後ろ足の付け根に向かって適度に吊りあがっているのが適正体型、丸太のようになっている場合は肥満体型です。

 

動物病院でチェックしてもらう

動物病院では、BCS(ボディコンディショニングスコア)と呼ばれる基準で肥満度合いの判定をしてもらうことができます。BCS5段階に分かれており、12は痩せ型、3が標準、45が肥満とされます。特にBCS5はかなりの肥満となるため、その場でダイエットについて獣医師から適切なアドバイスをもらうようにしましょう。

 

ゴールデン・レトリバーが肥満になるとどんなリスクあるの?

食事中

肥満になるとさまざまな病気にかかるリスクが高まります。ゴールデン・レトリバーが特に注意するべき病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

股関節形成不全

股関節を形づくる大腿骨と骨盤の連結部分に遺伝的に緩みがある疾患で、ゴールデン・レトリバーに多く発症します。股関節に緩みがあると関節炎が起こりやすく、骨の変形や痛みの原因となります。症状が進行するにつれて痛みを感じるようになり、痛みを逃すための「モンローウォーク」と呼ばれる独特の歩き方をしたり、あまり歩きたがらずすぐに座り込む、ひどい時には股関節が痛くて歩けなくなるといった症状があらわれます。

 

治療は、軽症であれば慎重に運動させながら体重管理をする保存療法、重症なら外科手術を行います。肥満は股関節にかかる負担を増やして関節炎の悪化を招くので、日頃から太らせないようにすることが大切です。

 

前十字靭帯断裂

前十字靭帯は膝関節のなかに存在する靭帯のひとつで、膝を曲げ伸ばしするときに膝を安定させ、支える靭帯です。膝を伸ばしすぎたり、内転させすぎたりすると、強く引き伸ばされて断裂することがあります。特に肥満体型や運動量の多い犬が発症しやすく、生まれつきの膝関節の角度も関係するといわれています。ホルモン異常などの基礎疾患があると発症のリスクが高まるため、肥満傾向の中年齢から高齢の犬に多い疾患です。発症すると歩くたびに痛みが走るため、断裂した肢を使って歩くことができなくなります。

 

胃拡張、胃捻転

ゴールデン・レトリバーのような大型犬に多い病気で、食後に激しい運動をしたり、運動後に水を大量に飲んだりすると発症することがあります。胃の中にガスや液体が急激かつ大量に溜まり、お腹がパンパンにふくらむ症状が見られるのが「胃拡張」。拡張していた胃がねじれてしまうことを「胃捻転(いねんてん)」といい、強い吐き気や血圧の低下、腹痛などが起こり、そのまま放置すると数時間で死に至ることも。食後にぐったりしていたり、ハアハアと荒い息をして苦しそうなときは、早急に動物病院を受診しましょう。胃捻転を起こしている場合は外科手術が必要です。

 

ゴールデン・レトリバーの体重管理で気をつけることは?

体重管理をする上で大事なことは成長段階に応じて変化していきます。それぞれのライフステージごとに気をつけるべきポイントを押さえておきましょう。

 

子犬の場合

生後78か月頃までは、毎月3kgほど体重が増えていきます。この時期は、体の骨や内臓、筋肉をつくる大切な時期なので、しっかりと栄養を取らせることが大切です。食事はドッグフードの袋に書いてある量を目安にし、体重の増加や体格に合わせて増やしていきま成長期に極端に太らせてしまうと、将来、関節疾患になるリスクが上がるので、肥満にならないように管理しましょう。

 

成犬の場合

生後89か月頃から成長速度が緩やかになり、成犬へと近づいていきます。ちょうどこの時期に避妊・去勢手術を受けることが多いこともあって、今まで通りの食事量を与えていると徐々に太り始めます。定期的に体重を測り、フードの量を見直しながらしっかり体重管理をしましょう。運動不足も肥満の原因なので適度な運動も必要です。

 

シニア犬の場合

シニア期に入ると活動量が落ち、体の新陳代謝が低下することで、今までと同じ生活をしていると太りやすくなります。無理のない範囲で運動を続けて筋肉を落とさないようにし、ライフステージにあった食事内容や食事量にすることで適切な体格を維持するようにしましょう。

ゴールデン・レトリバーの肥満を防ぐためにするべきことは?

運動する犬

太りやすい性質のゴールデン・レトリバーが肥満にならないようにするために、日頃からできる取り組みにはどのようなことがあるのかを見ていきましょう。

 

おやつのあげすぎに気をつける

ゴールデン・レトリバーは、食べ物の好き嫌いが少なく、何でも美味しく食べてくれる傾向があります。喜んで食べてくれるからといって、与えすぎてしまうと肥満につながるので注意が必要です。また、家族がそれぞれにおやつを与えていると、知らないうちにおやつを過剰に与えてしまうことも。一日に与える量をあらかじめ用意しておき、家族それぞれがそこから取って与えるようにするとあげすぎを防げます。

 

適切な頻度や時間で散歩する

運動が大好きで活動量の多いゴールデン・レトリバーは、運動量が少ないとストレスになり、肥満にもつながります。一日に21時間程度を目安に散歩させてあげましょう。人と一緒に何かすることも大好きなので、散歩に行けない雨の日は、室内で遊びながら体を動かすようにしてあげましょう。

 

フリスビーやボール遊びを取り入れる

ゴールデン・レトリバーはかつて、飼い主が撃ち落とした水鳥を泳いで回収するのに重宝された猟犬でした。高い運動欲求を持っていて、長時間の激しい運動にも耐えられます。フリスビー遊びやボール投げなど「何かを取って持ってくる」遊びを取り入れると、本来の狩猟本能が刺激され、運動欲求が満たされるだけでなく、ストレス緩和や体重管理にも役立ちます。

太りすぎてしまったゴールデン・レトリバーのダイエット方法は?

ゴールデン・レトリバーに肥満傾向が見られたら、病気のリスクを減らすためにも、生活を見直してダイエットを意識することが大切です。ここでは、おすすめのダイエット方法をご紹介します。

 

フードの量を見直す

フードを目分量で与えていると、思った以上に多く与えてしまっていることがあります。まずは、今与えている量を秤で測って、正確な量を知ることからはじめましょう。それをドックフードの外袋に記載されている体重に対する適正量と比較して、適正かどうかを確認してください。このとき、犬が太っている場合は現在の体重ではなく、適正体重に応じた給与量を参考にするのがポイント。ただし、急激なダイエットで筋肉量を減らすと、リバウンドしやすくなるので注意が必要です。フードの量を減らすときは12割程度からはじめるとよいでしょう。

 

食事の与え方に変化をつける

決まった時間に決まった回数、お皿に入れて与える食事の場合、犬は出されたものを一気に食べてしまい、食事量に物足りなさを感じてしまうことがあります。犬は本来自然のなかで食料を見つけて採食する生き物。ドッグフードを知育トイに入れたり、ノーズワークマット(ポケットや層、ヒダなどの仕掛けがついたマット)に隠したり、しつけのご褒美として与えたりと、食事の与え方を変化させると、自然の採食パターンに近くなります。こうすることで、同じ食事量でも高い満足感が得られるようになり、食べ過ぎを防ぐことにつながります。

 

運動量を増やす

ダイエットに最も効果があるのは運動です。運動量を増やすことで消費カロリーが増え、筋肉量がアップし、基礎代謝も上がるため痩せやすくなります。また、運動は血行をよくして体のコリをほぐし、気分転換にもなるので犬の健康増進のためには欠かせません。散歩に行くときはただ歩くだけでなく、ボール投げをしたり、走ったりする運動を取り入れるのもおすすめ。ただし、股関節形成不全などの疾患がある場合は、適切な運動量をかかりつけの動物病院に確認しましょう。

 

ゴールデン・レトリバーが痩せ気味のときの対処法は?

食事内容を見直し、量や質に問題がないかを確認しましょう。適正な量を食べているのに痩せているのか、そもそも食べる量が足りていないのかを見極めることが重要です。食べる量が少ない場合は、適正量を与えるようにして体重が増加するかを確認しましょう。あまり量を食べられていなかったり、食べているのに痩せてしまっているのであれば、健康上の問題があるかもしれないので獣医師に相談してください。

 


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

ゴールデン・レトリバーを肥満のリスクから守り、健康な体を保つためには、年齢ごとの適正体重と体重に応じた適正な食事量を知っておくことが第一です。適正量を超えたフードやおやつの与えすぎには要注意。運動欲求を満たせるよう、一日のなかに散歩や遊びを取り入れ、十分な筋肉量を維持しておくことも大切です。愛犬と長い歳月を一緒に過ごすためにも、体格や体重の変化にしっかりと目をくばるようにしましょう。


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